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昨日、Verizonポストペイド加入者にはEメールで「感謝祭プロモーション、2ヶ月限定、1GB増量」の案内が送付されています。
Eメールの「Enroll Now >」ボタンをクリック、または、
【Verizon】Get ready for Thanksgetting. - Get 1GB of free data.
へアクセスすると、有資格プラン加入者には次の閉め日までデータ通信が1GB増量されます。Verizonのプロモページによれば、さらに翌月請求月も1GB増量が続くようなので、期間限定プロモーション1GB増量は2ヶ月継続となるようです。
And get this: get another 1GB free for your next bill cycle.
“Verizonが感謝祭プロモーション、ポストペイド契約者に2ヶ月限定でデータ通信1GB増量。” の続きを読む
毎月特定のデータ量と通話分数を無料で提供しているFreedomPopは本日、アメリカでiPhone 6/6s専用プランを発表しました。
料金は、
- 毎月、国内通話200分、テキスト500通、データ通信500MBまで無料(注意:留守録などの付加サービスは、有料です。)
- 月$18で、国内通話し放題、テキストし放題、データ通信は月1GB。最初の1ヵ月は無料
となっています。国際電話は62ヵ国宛が無料です。(日本が含まれているかどうかはあとで調べて追記しますが、一般的に無料だとしても、日本は固定電話宛だけが無料対象なのが普通です。)
このプランは、今日(2015年9月22日)から加入できます。
現在のところ、ユーザーは自分のiPhoneを「持ち込み」しなければなりませんが、2015年10月にはFreedomPop自身がiPhone 6の分割払い販売を提供する予定だそうです。通話・テキストのサービスは出来るだけVoIPを使って行うようになっており、専用アプリで通話・テキスト送信をします。
FreedomPopはこれまでSprintの回線を使用しており、このiPhone 6/6s専用プランもSprint回線使用になります。その場合、Sprint対応の端末(Sprint版、または、アメリカ・アップルのSIMフリー版)でないと加入できない可能性があります。しかし、FreedomPopは2016年には第2のキャリア(T-Mobile USの噂は前から出ている。)をアメリカで使用すると、発表しています。現在、アメリカでのFreedomPop加入数は100万件に迫っているそうです。
“完全無料サービスのFreedomPop、アメリカでiPhone 6/6s専用プランを発表、イギリスでもサービス開始。” の続きを読む
今回のiPhone 6s/6s PlusでもA1633/A1634モデルだけに採用されているFD-LTE 2300MHz WCS Band 30ですが、Fierce WirelessはAT&Tが数都市でこの夏にサービス開始したことを報告しています。
【Fierce Wireless】AT&T begins deploying 2.3 GHz WCS spectrum for LTE - 2015年9月9日
開始されている都市数は5ヵ所前後(Handful)と表現されています。
AT&Tは昨年(2014年)春に、このWCS周波数帯を「地上と航空機」間通信に使い、飛行機の機内WiFiに使用する計画を発表しましたが、その後、技術的な困難にぶち当たり、秋にはその計画を破棄しています。
その後、2015年夏までにはWCS Band 30を商用開始することを発表し、それが実行されていることが確認されたものです。
Firece Wirelessの予想では、WCSは今後、都市部のデータ通信混雑緩和として徐々に拡大されていくと思われますが、AT&Tは他の周波数でもLTEを全米広く開始しており、WCS Band 30の普及度はまだまだ低いでしょう。
現在、WCS Band 30が使用できる端末は Samsung Galaxy S6 Edge+ と Galaxy Note 5 、HTC One M9しかありません。(AT&T版)
もちろん、もうすぐ発売のiPhone 6s/6s Plus A1633/A1634モデルでも使用可能になります。
AT&TのLTE通信は、
- 700MHz Band 17が全米規模
- AWS(AWS-1) Band 4も、広くカバー
- 1900MHz Band 2が一部の都市でサービス開始中
- 850MHz Band 5は、2G/3Gの電波を近い将来に転用予定
- 2300MHz WCS Band 30が、最新のサービス導入開始
そして、
- Band 17とBand 4のキャリアアグリゲーションを一部都市で運用中
です。
AT&Tは2015年9月11日より、車のダッシュボードの車両診断コネクター(OBD-II)に刺し込んで使用する、車内専用モバイルルーターを発売開始しました。
メーカーはZTE、モデル名はZTE Mobleyです。
契約期間束縛無しの価格は$99.99(プラス消費税)ですが、ポストペイド2年契約を結ぶとZTE Mobleyは無料になります。
“AT&Tが車のダッシュボード専用モバイルルーター、ZTE Mobleyを発売開始” の続きを読む
AT&Tの廉価版プリペイドブランドのCricket WirelessのSIMが、Walmart.comで注文できるようになりました。また、一部のWalmart(まだ数は少ない)では店舗での販売も始まっているらしいです。
Cricket Universal SIM Card Activation KitのWalmart価格は$9.88、SIMサイズは不明ですが、スタンダード、マイクロ、ナノSIM3枚対応ではないかと見られています。
Cricketのプリペイドプランは、
● 月$25、アメリカ国内通話・テキスト使い放題
● 月$40、アメリカ国内通話・テキスト使い放題、4G/LTE 1GBまで(その後は128kbps速度で使い放題) (毎月自動支払いは、更に$5割引)
● 月$50、アメリカ国内通話・テキスト使い放題、4G/LTE 3GBまで(その後は128kbps速度で使い放題) (毎月自動支払いは、更に$5割引)
● 月$60、アメリカ国内通話・テキスト使い放題、4G/LTE 10GBまで(その後は128kbps速度で使い放題) (毎月自動支払いは、更に$5割引)
なお、4G/LTEは、CricketプランではLTEで最大速度8Mbps、HSPA+(4G)では最大速度4Mbpsに速度が制限されています。(GoPhoneプランでは速度制限はありません。)
更に「2台目が月$10割引、3台目が月$20割引、4台目が月$30割引、5台目が月$40割引」のファミリープランも提供しており、5台加入すれば月$100割引となります。
Cricketプランは、GoPhoneプランに比べて月に$10~$5安くなっています。長期に使用する人は、毎月自動支払いに設定すれば、更に$5安くなります。
Cricketはこれまで主にフランチャイズであるCricketショップでの販売が中心で、SIMを購入する際には端末番号(IMEI)を入力する必要があり、30日以内にSIMをアクティベートする必要がありました。30日以内にアクティベートしないSIMは、無効になりました。
今回、Walmartで販売するCricket SIMは、購入時に端末番号(IMEI)を入力することは不要であり、SIMをアクティベートするまでの有効期限がありません。したがって、それほど速度が要らず、少しでも安くしたい長期使用者や旅行者に向いているといえます。
SprintのCFOのJoe Euteneuer氏は、2014年12月初めに開催されたBank of America主催の投資家コンフェレンスで、「SprintのLTE基盤整備は、実質的に完了した(Substantially Complete)」と発表しました。
Sprintはこれまでの既存の基地局のバックボーン整備のためにほぼ全ての基地局をゼロから作り直しており、LTE整備が他社に遅れ、それが原因で契約者の流出が続いていました。Sprintがほとんど全ての基地局を完全構築し直しをしなければならなかった理由は、高速通信整備に関しては長い間WiMAXへ方針が偏っており、基地局のバックボーン通信のアップデートを怠っており、そのほとんどが短波通信による基地局間バックボーン通信だったため、高速のLTE通信に対応できていなかったためです。そのため、バックボーンを光通信に置き換えるためには、その回線を設置するために地面を掘る掘削権などを土地の所有者と交渉しなければならず、結果的に全ての基地局の場所選択、そこまでバックボーン光回線を設置するためのルート上の土地掘削権の交渉を含み、ゼロから再構築する選択を選ばなければならなかった、ということが挙げられています。
しかし、Sprintは現在、メインの1900MHz 5MHz+5MHz帯域のLTE(Band 25)が人口カバーで2億6000万人(カバー率83%)、TD-LTEの2.5GHz Band 41は9200万人(29%)も達しており、NextelのiDen停波により空いた800MHzを利用したFD-LTE Band 26(5MHz+5MHz帯域)も2014年年末までに1億人(32%)に達する予定です。
この実績を持ってJoe Euteneuer氏は「実質的完了(Substantially Complete)」と宣言しているわけですが、SprintのLTE整備の現状には、まだいくつもの問題点を抱えていることを認識しなければなりません。それらは、
1.他社は10MHz+10MHz帯域でLTE整備を開始し、すでに15MHz+15MHz帯域や20MHz+20MHz帯域に拡大したり、追加したりしている中で、Sprintのメインの5MHz+5MHz帯域の1900MHz LTEは他社の1/2から1/4の速度しか出ず、実質速度もダウンロードで5Mbps程度しか達成しないところが多い。これは、AT&TやT-MobileのHSPA+(スーパー3G)の速度とほぼ同じである。
2.VerizonとAT&TはLTEの人口カバー率は95.6%から97.5%に達している中で、Sprintの83%はエリアとして狭く、特に郊外や過疎地でのSprint回線でのLTEデータ通信は期待できない。
3.エリアのカバー率を早期に達成するために、市街地の密集地での基地局数を十分なだけ配置していないという報告があり、市街地でもLTEの「ブラックホール」が発生しているところが報告されている。(筆者の家も、そのひとつ。東へ車で3分走れば、LTE有り。西も、有り。北も、南も有る。なのに、筆者のうちは、LTEが届かなくて、いまだに3G。)
結局、SprintのCFOによる「LTE基盤整備の実質的完了(Substantially Complete)宣言」は、「Sprintが、これで他社と肩を並べられる」ことを意味するのではなく、「Sprintが、これでようやく他社のLTEサービス開始時期のスタートラインと同じところに立つことが出来た」ことを意味するだけです。したがって、Verizon、AT&T、そして、2013年3月から急速にLTE整備を進めているT-Mobile USとも、その差が極端に縮ったわけではなく、差は歴然として大きい、と言わざるを得ません。
【eWeek】Sprint’s LTE Network Is ‘Substantially Complete,’ CFO Says – 2014年12月5日
昨日のGigaOMによる、マンハッタン(ニューヨーク市)とオハイオ州クリーブランドでのVerizonの1900MHz LTE試験電波検知報告リポートに続き、
【GigaOM】Verizon starts killing off 3G networks to make room for LTE – 2014年12月3日
本日、FierceWirelessはVerizonのネットワークサポートVice PresidentのMike Haberman氏からコメントを取り、Verizon社の次のLTE計画が明らかになってきました。
【FierceWireless】Verizon to launch carrier aggregation, more LTE Advanced features in 2015 – 2014年12月4日
Verizonは2010年12月5日に700MHz Band 13を使った10MHz+10MHz帯域のCat 3 LTEを開始しています。Verizonはこの周波数で全米500都市以上のマーケットをカバーし、人口カバー率で97.5%をカバーし、2013年6月27日に全米カバー完了宣言を行っています。
その後、Verizonは2013年10月から第2のLTE周波数としてAWS(上り1700MHz/下り2100MHz) Band 4の設置に取りかかり、この周波数でのLTEを20MHz+20MHz帯域で提供開始しました。VerizonはこのBand 4 LTEを「XLTE」と商標化し、既に400都市以上のマーケット(人口カバー率で予測、約80%)でサービス開始済みです。ただし、この周波数はComcastなどのCATV会社から2011年12月に買収した周波数使用権であり、全米全ての地域で使用権を持っているわけではなく、これ以上の拡大は望めないと思われます。
“Verizon、第3のLTE周波数1900MHz(Band 2)をインストール開始、2015年はキャリアアグリゲーション開始” の続きを読む
Sprintは本日、AT&TおよびVerizonの加入者に対して、Sprintに移行すれば、既存のAT&T/Verizonの毎月の通信料を半額に減額することを保証するプロモーションを開始することをアナウンスしました。
プロモーションは今週金曜日の2014年12月5日から始まります。
条件は
1.既存のAT&TまたはVerizonの請求書を
sprint.com/halfprice
にアップロードすること。または、既存のAT&TまたはVerizonの請求書をSprintショップに持参すること。
2.Sprintショップの店員が、既存のAT&TまたはVerizonのデータ通信プランに最も近いSprintプランを選択してくれる。
3.既存のAT&TまたはVerizonの契約で使っている携帯電話/スマホを全てSprintショップに差し出すこと。(差し出した端末に下取り価値は支払われない。)
4.新しいSprint携帯/スマホ/iPhoneは、
- 定価購入
- 定価購入、24ヶ月無利子分割払い(Sprint Easy Payプラン)
- 現在Sprintだけが提供している、Sprintのリース(レンタル)プランで月々分割払いの約半額以下で使用する(例:iPhone 6 16GBは月$5でリース可能)
のいずれかで購入またはリースすること。
“Sprintの「通信料半額キャンペーン」、2014年12月5日よりAT&T/Verizon加入者対象。” の続きを読む
AT&Tは今年(2014年)4月28日に、2015年後半から機内WiFi事業に参入する計画を発表していました。この計画ではHoneywell社との技術提携により、LTE速度のサービスを機内で提供することを目標としていました。航空機から地上への通信はLTE通信技術を使用して行われる予定で、AT&Tの所有している2.3GHz周波数使用権を使用することが予定されていました。
AT&Tが2015年後半に、「機内WiFi」事業に参入予定 – 2014年4月29日
しかし、AT&Tは本日、この計画を断念することを発表しました。
【Re/Code】AT&T Abandons Plans for In-Flight Wireless Service (Updated) – 2014年11月10日
直接の理由は明確にしていませんが、航空会社は既に既存の機内WiFiサービス会社のGoGoやRow44社と長期契約を結んでおり、それを解約してAT&Tに変更するには違約金を払う必要があり、航空会社がそれを嫌ってAT&Tとの契約を前向きに考えられないことが主原因、とRe/Codeの記事は分析しています。
また、先週発表されましたが、AT&Tはメキシコ第3位の携帯事業会社Iusacellを25億ドルで買収することを発表しており、その後にブラジル進出や、メキシコの他の資産(メキシコ新政府による独占禁止法適用を迫られて一部事業売却を迫られているAmerica Movilの部分資産)の買収も可能性があるとうわさされており、さらに、アメリカ国内で買収審議中のDirectTVの買収にも資金が必要とされています。
本日のAT&Tの発表では、これらの「他の投資への資本の優先」が、機内WiFi事業キャンセルの直接の理由と発表されています。
【Runway Girl Network】Exclusive: AT&T no longer interested in inflight connectivity – 2014年11月10日
T-Mobile USは本日(2014年10月27日)、ニューヨーク株式市場終了後に2014年第3四半期業績を発表。これで、既に2014年10月21日に四半期業績を発表しているVerizon、翌2014年10月22日に発表しているAT&Tと、3大キャリアの四半期業績が発表となりました。残るSprintは、2014年11月3日のNY市場終了後に発表する予定です。
以下、3社の業績ハイライトです。
Verizon(ワイヤレス部門)
- 当期ポストペイド加入携帯純増 45万7000回線
- 当期ポストペイド加入タブレット純増 105万9000回線
- 当期プリペイド加入純増 9000回線
- 当期合計純増 152万5000回線
- 期末加入者総数 1億620万回線 (うち、1億10万回線がポストペイド、510万回線がプリペイド)
- 20MHz+20MHz Band 4 LTE (XLTE)は、Verizonの500マーケット(都市)中、400マーケットに拡大。
- 端末代インセンティブ無しの分割払い(Verizon Edgeプログラム)で端末を買っている人は、加入者全体の12%のみ。
“Verizon、AT&T、T-Mobile USの2014年第3四半期結果” の続きを読む
Ready SIMのパッケージングが変更し、それに伴い、重さがボール紙一枚分重くなったため、郵送料が高くなりました。
その分($1.05)値上げしましたので、ご了承ください。
また、Ready SIMの本社であるRoam Mobility(カナダ、バンクーバー所在)では現在、NANO SIMの在庫が無く、次の入荷は4~6週間後になるそうです。
BlogFromAmericaでは前回入荷分のNANO SIMがタイプによっては若干残っていますが、それが無くなり次第、SIMカッターでカットしたものをお送りしますので、ご了承ください。
中国本土でのiPhone 6/6 Plusの販売が、昨日2014年10月17日より開始されました。
ある上海の携帯ショップ(上海联通、China Unicom)では、ショップの前に仕立て屋さんを配置して、「iPhone 6/6 Plusが大き過ぎて、ズボンのポケットに入らない人」には、その場でズボンのポケットを大きくしてくれる「ポケット付け替え/仕立て直し」サービスまで出現。
写真の中の看板によると、このサービス名は「Pocket Plus」。
しかも、中国語で「独享」って、「独占」って意味だよね。何が独占で、どこから許可を得た独占なんだよ!?
いやあ、こんな発想は、無かった。誰だ、このサービスを考えた、この店のスタッフは。
この写真の中で横にに立っているジャケット着ている女の人?
出典:
【Business Insider】A Store In China Is Selling The iPhone 6, And Has A Tailor On Hand To Make Pants Pockets Bigger – 2014年10月17日
ソフトバンク/SprintがまだT-Mobile US買収を諦めていなかった2014年7月末にニュース報道によって暴露された、フランス第4位の通信会社Iliad(イリアド)社によるT-Mobile US買収案は、Bloombergの報道によると、正式にIliadによって提案破棄(諦め)されたようです。
Iliad社は初期買収提案の、T-Mobile USの全株の56.6%(1株当り$33)を買収する提案から、最近は他の投資企業(KKR)と協力して買収株量を67%(1株当り$33)まで上げていましたが、T-Mobile USの67%を所有するドイツテレコムがこの買収提案を承諾しなかったのが、原因です。
T-Mobile USは(2014年)8月末に「買収されるとすれば、
1.買収株価格は1株当り$35以上、
2.買収する相手がアメリカ国内電波使用権を持っていること、
」があれば、シリアスに考慮する可能性があることを示唆しており、今後、T-Mobile USを巡っての買収劇は、(2014年)11月13日から行われる予定のFCCによる「AWS-3の周波数使用権競売後にT-Mobile US買収案を熟慮する」とドイツテレコムに既に伝えている、アメリカ衛星放送会社第2位(加入者ベース)のDISH Networkの動きが注目されます。
DISH Networkは有料TVコンテンツがモバイル視聴されることを予想して、ロケフリ・ハードのメーカーのSlingを買収し、その技術を自社セットトップボックス(STB)に内蔵した製品を加入者に配給しています。
また、将来は自社で移動体通信を開始する可能性も考慮し、過去のFCC電波競売でも入札に参加し、2014年4月の700 MHz Hブロックの競売では殆どの地域でDISH Networkが落札しています。
今年に入ってAT&Tが衛星放送第1位のDirecTVの買収を提案しており(現在、規制当局の審査中)、Verizonは光テレビのFiOSをサービスとして持ち、また、CATV第1位のComcastと第2位のTime-Warnerが合併がこれも規制当局の審査中・・・・と、メディアと通信、特にワイヤレス通信の融合が加速的に進んでおり、DISH NetworkもT-Mobile USを買収することにより、AT&T、Verizon、Comcast/Time-Warnerとの競争力を付ける事になります。
これに対して、メディアコンテンツやコンテンツ配給チャンネルが欠如しているSprintは、最近のソフトバンクの動きに見られるように、映画会社やコンテンツ配給会社への資本参加や合併を行って、その足場を自社でコツコツと築いていかないといけないでしょう。
参考:
【Bloomberg】Iliad Scraps Bid for T-Mobile Stake After Boosting Offer – 2014年10月13日
T-Mobile USは次期LTE拡張計画のための施設作業をEricssonに発注しました。この発注内容により、T-Mobile USの次期LTE拡張計画が明らかになっています。
T-Mobile USの現在のメインLTEはBand 4(上り1700MHz/下り2100MHz)のAWS(AWS-1)で提供されていますが、同社はAWS電波使用権を持っている殆どの地域でBand 4 LTEは構築し尽くしています。現在の同社のLTEカバー率は2億3500万人(約75%)に成っています。
T-Mobile USは今後のLTE拡張計画として、現在1900MHz 2G GSM(Edge)しか提供されていない過疎部での地域をアップグレードし、3GとLTEを提供する予定であることを今年(2014年)春に発表しています。2G GSMオンリー地域のLTEアップグレードは2015年半ばまでに完了される予定で、これが完了するとT-Mobile USのLTE人口カバーは2億8000万人(人口カバー率90%)に達する予定です。
T-Mobile USのLTE化、フェーズ2:2G Edgeオンリーサービス地域を2015年夏までにLTEアップグレード – 2014年3月14日
また、今年(2014年)1月にはVerizonから700MHz Band 12使用権を買い取る契約を結び、2014年4月24日にFCCの許可を得て、Band 12の買取完了を5月1日に報告しています。
T-Mobile USが700MHz Aブロック(Band 12)取得を報告、今後のLTE拡張計画に触れる。 – 2014年5月1日
Verizonから買い取ったこのBand 12周波数使用権は人口カバー率で50%超しかなく、T-Mobile USはその後、他の中小のBand 12使用権保有会社から積極的に買い取る交渉を続けています。
また、今年2014年11月中ごろにFCCにより行われる予定のAWS-3使用権競売にも積極的に参加し、AWS Band 4の周波数帯域の拡大を試みます。
700MHz Band 12低周波数は電波到達距離が長く、過疎地で少ない基地局で広い地域をカバーできるため、過疎地での使用が期待されています。
さらに、低周波数バンド(Band 12)は建物内部への電波到達力も強く、都市部では建物内電波の改善につながります。
今回、Ericssonとの契約で明らかにされた内容として、T-Mobile USはLTE 700MHz Band 12の使用を積極的に構築していくだけではなく、郊外/過疎地では1900MHz Band 2を再編して一部LTEとしても使用していきます。さらに、既存のAWS Band 4と、新しく設置されるBand 12とBand 2のキャリアアグリゲーションも、2015年末までにサービスとして提供される予定です。
今回のiPhone 6/6 PlusはT-Mobile US、および、Sprintのルーラルローミングパートナーの使用しているBand 12に対応しておらず、予想外ではありましたが、年末から来年初めに掛けてBand 12対応の端末も増えてくるでしょう。
ソース:
【GigaOM】T-Mobile picks Ericsson to build its new tricked-out LTE network – 2014年9月23日
【FierceWireless】T-Mobile to focus on 1900 MHz LTE deployment to expand network footprint – 2014年9月24日
オンラインショッピングと、その支援アプリ、Sliceが統計を発表したところによると、アメリカのiPhone 6/6 plus注文者の約半数はAT&Tで、Sprintは最下位で約5%しかないようだ、とのこと。
この統計は、アップル、キャリアサイトなどのオンラインサイトでiPhone 6/6 plusを注文し、Sliceアプリを使用してiPhone 6/6 plusの自分への出荷状況をチェックした1万3055人のiPhoneのキャリアバージョンを集積したものです。
結果は、
キャリアモデル |
iPhone 6 |
iPhone 6 plus |
AT&T |
47.4% |
53.8% |
Verizon |
28.5% |
21.2% |
T-Mobile US |
19.0% |
20.1% |
Sprint |
5.2% |
4.9% |
AT&Tが多いのは、AT&Tは2007年6月29日から2011年2月3日まで3年半、独占でiPhoneを販売しており、iPhoneのベースユーザーが多く、今回もアップグレードしたユーザーの絶対数が多かった為と見られます。
また、総加入者数ではAT&TやVerizonの半数弱で、かつ、2年契約割引が無くて定価でしか買えないT-Mobile US版がVerizonとそれほど差の無い割合になっているのは、T-Mobile USの通信プランやLTE速度、WiFi Callingなどの機能をメリットと感じているユーザーが多かったためでしょう。予想はされていたものの、Contrect-Free T-Mobile US版がSIMフリーであることはアップルからは公式には発表されてはいませんので、SIMフリーであることを求めてT-Mobile US版を購入したユーザーが多いとは思えません。
最下位のSprintは他社よりも大きく差をつけられており、全体の5%程度しか購入者がいません。これには2つの要因があると考えられます。
1. LTEを含むSprintの電波状況やサービスエリアに不満を持っている加入者が、まだ多い。
2. SprintはiPhone 6/6 Plus専用に、本体をSprintから「借りる(レント、リース)して、2年ごとにiPhoneの新機種に交換出来る」「iPhone for Life」契約システムを今回導入しており、その場合には加入者が「購入」するわけではないので、今回の数には反映されていない。
Sprint、iPhone 6/6 Plusをレンタル提供 – 2014年9月10日
10月末に予定されているSprintの暦年2014年第3四半期業績発表を待たないで結論付けることはできませんが、同社のTD-LTEにも対応した今回のiPhone 6/6 Plusの販売数/加入者数が少なければ、Sprintの再建はまだまだ時間と、消費者が注目するような新しい企画が必要だ、と言うことになります。
情報源:
【GigaOM】iPhone 6, 6 Plus pre-orders: AT&T ruled, while T-Mobile accounted for 5x more than Sprint – 2014年9月25日
まあ、大したニュースではないんですがね。
個人としては世界でもっともお金持ちの、América MóvilのCEO、Carlos Slim氏が経営するメキシコの固定通信事業、および、携帯通信事業を提供しているAmérica Móvilが、メキシコの国内法が変わって、国内で独占禁止法に触れる可能性があるというお話し。
なんせ、携帯事業だけでメキシコ国内の70数パーセントの市場規模を持っているらしいです。固定回線のほうは、筆者は市場占有率を調べていませんが、判ったらここに追加記述します。
América Móvilは中南米の市場にも進出しており、アメリカ国内ではTracfoneグループ(Tracfone、Net10、StraightTalk、Simple Mobileなど)というプリペイド事業で2700万人以上の契約者を持っており、世界中でも通信事業では大きな「パワーメーカー」ではあります。
で、メキシコで独占禁止法の疑いが掛けられると言うので、急いでメキシコ国内での携帯事業の過半数市場シェア分の売却を希望しています。
売却の対象となるのは、メキシコの東岸側の事業だそうです。
この事業分配「入札」にはAT&T、ソフトバンク、中国のChina Mobile(中国移動通信)、などが入札の招待をされているそうですが・・・・
実は、AT&TはTracfoneおよびAmérica Móvilにいくばくか投資していたらしいです。筆者が推測するには、積極的投資ではなく、AT&TからTracfoneに対する売掛金が、昔々の時代に資本へ変わったのではないかと思います。
その投資(資本提携)を、AT&Tは数ヶ月前に解消しています。(つまり、AT&TはAmérica Móvil株を全部売ってしまった。)
筆者が言いたいことは・・・
この辺、全部、ストーリーは事前に描かれているのではないかと・・・
つまり、ソフトバンクが入札に招待されているものの、はじめからAT&Tと、その資金力には勝てないんでしょう。
ソフトバンクとしても、メキシコに進出してもたいして「(日本の)ソフトバンクとのシナジー」はできませんしね。
でも、América Móvilは中南米とスペインには強いんですがね。
このAmérica Móvilのメキシコ資産の過半数超過分をソフトバンクが手に入れたら、転地異変ですね。まあ、起こらないでしょう。
SprintのプリペイドMVNOのTingは、2014年9月29日からSprint版iPhone 5S/5Cの機種持ち込み契約を受付開始します。もちろん、Sprint版iPhone 4/4sの受付は既に開始しています。
Tingの料金体系は他のプリペイド会社と違い、契約台数1台に付き毎月$6の基本料金を払い、あとは通話やデータの使用量に応じて課金されます。
つまり、まったく通話やテキストやデータを使用しない月は、基本料金の$6(プラス税)で済んでしまいます。
通話をちょこっと(100分以内)した場合は、通話料金$3が追加され、月$9(プラス税)になります。
また、通話・テキスト・データの使用量は20台までの複数端末で共有できるので、「あまり携帯を使わない人が、一人または共有で加入する」と、1台当たりの毎月の使用料はさらに少なくて済みます。
Tingの契約者は、毎月平均で1台あたり$21支払っているそうです。
データ通信は2GBまで$29で、それ以降は1MBあたり$0.015(1GB当たり$15.36)なので、たくさんデータを使用する人や共有グループには向いていないかもしれませんが、それでもそれほど高額ではありません。
小中学生の子供や、外であまり使用しない主婦の方/在宅で仕事をすることが多い方、などには考慮に値するプリペイド通信プランです。
回線は端末の種類によってSprintの3GまたはLTEに接続します。使用できる端末は、Sprint用として販売された端末で、かつ、型落ちモデルであれば、大体使用出来ますが、全てのモデルに対応しているわけではないので、Tingホームページで事前にチェックしてください。
“SprintのMVNOのTingが、2014年9月29日からSprint版iPhone 5S/5Cの持ち込み契約を受付開始” の続きを読む
日本経済新聞が日本の日付が変わった先ほど報道したところによると、(つまり、この報道が真実ならば、内容はソフトバンク了承のもとに事前準備されていて、戒厳令が解かれた後に公開されたと言うこと)、
【日本経済新聞】ソフトバンク、米から日本かけ放題 iPhone6購入者 – 2014年9月17日
追記:ソフトバンクの公式発表によると、このプランは「アメリカ放題」という名前で2014年9月19日からサービス開始されます。
ソフトバンクのiPhone 6/6プラス加入者は、アメリカではSprint回線に接続することによって、アメリカから日本への通話を「かけ放題」で掛けられるとの事です。(ただし、追加通話料金が掛からないためには、日本で通話定額料金プランに加入している事が条件。)
また、データ通信においても、同ソフトバンクiPhone 6/6プラス加入者は、日本国内の契約データ使用量容量内で、Sprint回線で追加料金無しで使用出来ると、日経は報道しています。
さらに、「米国内での通話も一定の条件を満たすと追加料金がかからない」と報道しています。
Sprintは3G通信方式がCDMA2000通信方式のため、ソフトバンク加入者でアメリカのSprint回線に接続するためには、CDMA2000通信方式にも対応している端末を使う必要があります。
これまでソフトバンクが販売している端末でCDMA2000通信方式に対応しているのはiPhone 5c/5s/6/6 Plusがありますが、このサービスがiPhone 6/6 plus加入者だけに提供されるものか、iPhone 5c/5sでも使用できるのかは、現在の時点では不明です。
追記:ソフトバンクは、「技術的な問題から」(その理由は詳細が発表されていない)対応機種は現在のところiPhone 6/6 plusのみ、としています。
Sprintはデータ通信を3G CDMA2000 1900MHzで実効最大ダウンロード速度が約1.5Mbps、LTEは人口カバー率80%の地域で1900MHz Band 25で5MHz+5MHz帯域で提供しており、LTEの実効ダウンロード速度は約5Mbpsです。現在のところ、ハワイ州全域、サンフランシスコ市内からパロアルトまでの北部シリコンバレー、デンバー都市圏の一部などでは3Gデータ通信は使用できるものの、LTEの公式開始は行われていません。(でも、デンバー地域では電波カバーの「穴」がまだあるものの、だいぶLTE信号を検知出来る地域は増えてきました。)
追記:ソフトバンクはこのサービスは当初はSprintの3G CDMAのみで開始、2-3ヶ月後にLTEにも対応すると発表しています。
Sprintの高速データ通信の目玉はBand 41によるTD-LTEで、TD-LTE(Spark)サービスエリア内では20-60Mbpsでのダウンロード速度で繋がりますが、現在のところ27都市でしか開始されておらず、かつ、今年末までの拡張計画は人口カバー1億人(カバー率30%)程度となっているので、アメリカ国内でのSprintのTD-LTEへの広範囲での接続はまだまだ先のことです。
なお、Sprintは従来のCDMA2000非対応端末ではアメリカ国内でAT&TまたはT-Mobile USの回線へローミングしますので、渡米するソフトバンクiPhone 6/6 Plusユーザー(CDMA2000/W-CDMA両通信モード対応)はSprint回線への接続を確認して使用しないと、海外パケット定額など高額な通信料を課金される恐れがありますので、注意してください。
「アメリカ放題」はiPhone 6/6 plusで「ローミング」をオフにして使用します。つまり、ソフトバンクのiPhone 6/6 plus利用者はSprint回線で、Sprint加入者とみなされて、使用できます。逆に間違って「ローミング」をオンにすると、Sprintの電波の弱い地域ではAT&TまたはT-Mobile USに接続してしまって海外パケット定額など高額な通信料を課金されるのかどうか、不明です。
次は在米日本人向けに、逆のサービスもして欲しいですね。
iPhone 6/6 Plus発売4日前の本日2014年9月15日、VerizonはVoLTEを公式開始しました。
アメリカでは既にT-Mobile USが2014年5月22日に、AT&Tは翌日の2014年5月23日にVoLTEを開始していましたが、地域限定でした。
しかし、T-Mobile USは2014年7月末の四半期業績発表で、VoLTEが全米展開されたことを発表しています。AT&Tは全米展開の発表はまだしていません。
iPhone 6/6 Plusでは標準搭載機能としてVoLTEに対応するため、アメリカのキャリアがVoLTE対応発表をこの時期にするのは間違いないことと推測されていました。
VerizonのVoLTEサービスは自動的に全加入者に提供されるわけではなく、Verizon既存加入者はMyVerizonウェブサイトで無料の「Advanced Calling 1.0」サービスに自主加入(Opt-In)する必要があります。または、カスタマーサービスに電話して「Advanced Calling 1.0」を追加する必要があります。
【Verizon】Advanced Calling 1.0
VerizonのVoLTEサービス「Advanced Calling 1.0」は全米のVerizon LTEサービスエリアで使用可能です。
しかし、同社のVoLTEサービスは今日現在、LG G2とSamsung Galaxy S5のみで利用可能です。Verizonは「対応機種は今後も増えていく予定」と発表していますが、最大の注目は4日後に発売開始されるiPhone 6/6 Plusが初日からVoLTEを使用できるかどうかでしょう。(これは、AT&TもT-Mobile USも同じことですが・・・)
VerizonのVoLTEサービスは他社(AT&TとT-Mobile US)と違い、「ビデオ電話」機能もVoLTEで提供します。
LTE網の充実度が遅れているSprintは、VoLTE開始時期を発表していません。
また、キャリア間のVoLTE相互接続はまだ確立されていないため、異なるキャリア間ではたとえ両者ともVoLTE対応端末を使っているとはいえ、VoLTE通話は(今のところ)使用できません。
追記:
VerizonのVoLTE/ビデオ通話ですが、音声は常時LTE接続で通話プランで課金(「カケ放題」プランなら、国内カケ放題。)、ビデオ部分はWiFiに繋がっていればWiFi優先(WiFi料金。Verizonに対しては無料。)、ビデオもLTEを使った場合にはデータ通信として課金される、ようです。
1分のビデオは6-8MBのデータ通信を消費する、とVerizon FAQに説明があります。
ビデオをWiFi、音をLTE経由したときに、音と画像の同期は大丈夫なんでしょうか?・・・大丈夫なんでしょうね。
【Verizon】Advanced Calling 1.0 FAQs
アメリカ2大衛星TV会社の小さいほうのDISH TVの会長のErgen氏は最近ドイツテレコムにコンタクトし、DISH TVがT-Mobile US買収に興味があると伝えた、とBloomberg誌は報道しています。
【Bloomberg】Dish Said to Discuss T-Mobile Deal With Deutsche Telekom – 2014年9月5日
これは予想通りの動きであり、特に驚くことではありませんが、フランスIliad社のT-Mobile US買収提案と、SprintのT-Mobile US買収断念後、DISHの動きがこれまでに報道されなかっただけに、今日のBloomberg誌の報道はDISH TVの意図を確認するための意味で業界や投資家は安心するでしょう。
Iliad社もまだT-Mobile US買収を諦めてはおらず、資金調達のために買収専門の投資団体などに接触を続けて、より良い買収提案を提案する努力を続けているようです。
Ergen会長は今年(2014年)5月にも「ソフトバンクをバックにしたSprintと競争すると資金的に負けるのはわかっているので今は参加しないが、SprintがT-Mobile US買収を断念、または規制当局の許可が得られずに失敗すれば、DISH TVとしてはT-Mobile US買収に興味がある。」と話しており、今日のBloomberg誌の報道は当然の流れです。
ただし、Ergen会長はドイツテレコムに対し、「今は(2014年)11月のAWS-3(上り1700MHz/下り2100MHz)の周波数使用権入札に参加するために資金準備をしており、T-Mobile US買収提案はその競売の後で考える」と伝えているので、DISH TVからの提案は11月以降になりそうです。また、ドイツテレコムもそれまでに急いでIliad社や他社の提案を承諾することも無さそうです。
“衛星TV会社DISH TVがT-Mobile US買収競争に参入の意思あり” の続きを読む
iPhone 6発表を数日後に控えて、アメリカのキャリアのLTE関連の小さなニュースが直近で流れています。
■ AT&Tは昨日2014年9月4日、LTE 700MHz Band 17のカバレッジが、人口カバーで3億人(人口カバー率で95%)に達したと発表。
【AT&T】AT&T 4G LTE Network Reaches More Than 300 Million People – 2014年9月4日
Verizonは3億600万人(97.5%)カバーを遂げているので、その広さに近づきました。
AT&TのBand 17 LTE設置はほぼ完了。今後は1900MHz Band 2、AWS Band 4、850MHz Band 5でのLTE補完設置を進め、現在、試験的にシカゴ地域で実施されていると言われるキャリアアアグリゲーションが使用できるエリアを広げてくるでしょう。
“直近のアメリカのキャリアのLTE関連、もろもろニュース” の続きを読む
最近の株市場の中でも世界最大のIPOとなると予想されている、中国Eコマース市場の80%の売り上げを占めるAlibabaが、2014年9月8日の週にアメリカで上場、早ければ2014年9月18~19日ころからニューヨーク証券市場で取引されるとの噂が流れています。
【Wall Street Journal】Alibaba Plans IPO Launch Week of Sept. 8 : Shares Could Begin Trading as Soon as Sept. 18 or 19 – 2014年8月30日
ソフトバンクはAlibabaの株を34.4%所有しており、上場時に新株発行となるため、この株所有率は上場後に下がりますが、それでも500億ドル(約5兆円)以上の株評価になると予想されています。
ソフトバンクの孫社長は2000年にAlibabaの創始者のJack Ma氏と会い、2000万ドル(現在の価値で20億円)を投資。その後投資を繰り返して来たものの、累積投資額はその10倍の2億ドル(200億円)と言われています。
200億円が250倍以上の5兆円に増えたわけで、孫氏のこれまでの投資の中で最も成功した案件でしょう。
ソフトバンク社長の孫氏は5月のロイターへのインタビューで、「Alibabaが上場しても、ソフトバンクがAlibaba上場時にAlibabaの株を売却することは考えていない。」と答えていますが、上場で所有株の簿価額が確定することで、それを担保に金融会社から更に融資を受けるなど、キャッシュを準備することが出来るようになるでしょう。そして、更なる「世界制覇」の野望の元に、通信・ネット・ロボット技術関連企業の買収案件が増えていくような気がします。
【Reuters】Japan’s SoftBank won’t cash in Alibaba stake on market debut – 2014年5月7日
【Reuters】Mega-IPO to rekindle the ‘bromance’ behind Alibaba’s rise – 2014年8月27日
Bloomberg誌が内部の事情に詳しいドイツテレコムの上層マネージャーからの情報として昨日報告したところによると、T-Mobile USの66%の株を所有するドイツテレコムは「一株$35以上でT-Mobile US買収の提案があれば、話に応じる」と考えているようです。
【Bloomberg】Deutsche Telekom Said Open to T-Mobile Talks at $35/Share – 2014年8月29日
ソフトバンク/Sprintが「アメリカ規制当局の承認を得られる見込みが無い」として断念したT-Mobile USですが、ドイツテレコムはT-Mobile USの評価額を「一株$35~$40を妥当」と考えている様子で、この金額での買収提案があればいつでも交渉をオープンする用意があるようです。公表されていないソフトバンク/SprintのT-Mobile US買収提案は、一株当り約$40だったと推測されています。
T-Mobile USに対しては先月後半、フランスの第4位の通信会社Iliad(イリアド)社が、T-Mobile USの全株のうちの57%を一株$33(合計150億ドル)で購入する提案を提示しましたが、ドイツテレコム/T-Mobile USは買収価格が低いとして拒絶しています。
このドイツテレコムの情報がリークされたことにより、Iliad社は前よりも高い買収提案を準備したり、または、DISH Network(アメリカ第2位の衛星TV会社)など他社が対抗する買収提案を準備してくる可能性も出てきます。
T-Mobile USの昨日(2014年8月29日)の株価は終値$30.08で取引されており、株価総額は240億ドルとなります。
ドイツテレコムはT-Mobile USとMetroPCSが合併した2013年5月1日に「合併後のT-Mobile USの株を、1年6ヶ月は部分売りしない(一括売りの可能性は否定していない)」とMetroPCSの株主に自主的に約束していましたが、その自主規制が2014年11月1日から解禁となり、ドイツテレコムが必要と思えばいつでも市場でT-Mobile USの株を売却することが出来るようになります。
また、同社を満足させるような買収提案が無い今は、T-Mobile USの所有周波数の獲得のために資金を準備し、2014年11月13日から開始される予定のAWS-3周波数帯の入札に参加し、来年の低周波数(600MHz)の入札にも独自参加する予定で、T-Mobile USのLTE周波数充実を計って行きます。
2012年10月から毎月一定量(500MB)のデータ通信を無料で提供し、1年後には毎月200分まで無料通話サービスも提供しているFreedomPopは、「メジャーなキャリア」に買収される交渉にのっている、とFireceWirelessが本日報道しています。
【FireceWireless】’Major carrier’ said to be considering acquiring MVNO FreedomPop – 2014年8月25日
FreedomPopはSprintのMVNOで、開始当時はSprintのWiMAX回線、現在はSprintのLTEと3G CDMA2000回線を使用しています。通話はiPhone/スマホの専用アプリを使い、全てVoIPで行います。
FreedomPopは2015年末までには加入者数100万人を目指しており、CEOのStokols氏は順調に目標達成に向かって加入者を増やしている、とFireceWireless誌に答えています。
また、FreedomPopは先月、ベルギーでもBASE(KPN)の回線を使用して同様のサービスを開始する契約を取り付けた、と発表しています。
FreedomPopは通話やデータ通信の超過分を課金したり、ボイスメール・オプションや未使用データ通信の翌月へのキャリーオーバー・オプションなどのオプション料金を収入源としています。
FreedomPopを買収しようとしている「メジャーなキャリア」の名前は公表されていませんが、FreedomPopがSprintのMVNOであることから、Sprintと予想している人も多いようです。ただし、FreedomPopの課金モデルでは無料ユーザーが増えるため、SprintがFreedomPopを買収しても収益性は上がらないどころか、逆に無料ユーザーが増えてポストペイドやVirgin Mobile USA/Boost Mobile自社プリペイドブランドとの競合も心配されます。
また、FreedomPopは米国外からの旅行者が自分のGSM(W-CDMA)携帯端末をそのまま利用して、同じようなサービスを受けられるように、T-Mobile USまたはAT&T回線を使用したサービスも計画している、と既に発表しており、買収しようとしている相手はT-Mobile USではないか、との憶測もあります。
さらにアメリカ国内ではプリペイド専門Tracfoneグループで事業を展開し、メキシコのAmérica Móvilを所有する、世界一の富豪家のCarlos Slim氏の可能性もあるでしょう。
先月、まったく予期されず、青天の霹靂でT-Mobile US買収提案を提出したフランス第4位の通信会社、Iliad(イリアド)は、T-Mobile USの56.6%株を約150億ドルで購入する提案がT-Mobile USおよびドイツテレコムに拒否されていました。
Sprint/ソフトバンクが「アメリカ規制当局の許可が得られる可能性が少ない」としてT-Mobile US買収を諦めたニュースが発覚した今月(2014年8月)5日は、Iliadがアメリカ衛星テレビのDISH Networkやケーブル(CATV)会社のComcast、Cox Communications、Charter Communicationsなどに働きかけ、共同買収提案をしようとしているらしい、というニュースをReutersが流していました。
【Reuters】Exclusive: Iliad in talks with investors to improve T-Mobile bid – sources - 2014年8月5日
その中で株式非公開のCox Communicationsは、本日、同社は「(経営の)現状に満足しており、T-Mobile US買収には興味が無い」事を発表していました。
【FierceWireless】Cox president: We’re not going to bid for T-Mobile - 2014年8月20日
Sprint/ソフトバンクがT-Mobile US買収を断念したことで競争相手が無くなり、5月の段階で「SprintがT-Mobile USの買収を諦めたら、DISHとしてはT-Mobile USに興味がある。」と記者の質問に答えていたDISHのCEO、Ergen氏が、この件に関してはその後まったく声明を発表しておらず、静かにしていますが、そのDISHの行動が待たれます。
その中で、昨夜、「Iliad社はGoogleとMicrosoftに接近し、IliadによるT-Mobile US買収を『支援するよう』に交渉している」という噂がNew York Post誌によって報道されています。
【New York Post】Iliad looks to Google, Microsoft for help with T-Mobile bid - 2014年8月19日
特に、ギガビット通信やWiFiネットワーク分野でも事業に進出しているGoogleにとって、モバイル通信の分野に自己資金で参入するのは資金が掛かりすぎるため、Iliadと組んでT-Mobile USを買収することによって、簡単にモバイル通信事業に参加できる、ということを説得材料に使っているようです。
GoogleやMicrosoftがIliadの説得に乗るのか、また、DISHが独自に買収提案を準備するために買収資金の画策をしているのか、T-Mobile USを巡ってのドラマはまだまだ終了していないようです。
CEO交代となったSprintですが、そのSprint株に関して今、「買い」か「売り」かの判断は、株アナリストでも相反する意見があるようです。
■ 「売り」
SprintがT-Mobile US買収を断念したため、今後のSprint成長は次の点の改善に賭けられています。
● 現在進行中の都市部のネットワークアップグレードを完成すること
- まだデンバー(一部通信基地のインストールが始まったものの、公式完成発表とはなっていない。)、サンフランシスコ、ホノルル、などの大都市でのLTE化が進んでおらず、他州の加入者のネガティブコメントを抑えるには、まず、大都市でのLTE化を100%完成するのが先決
- その後、
- - iDen停波によって空いた低周波数800MHz、
- - すでに700MHz A(Band 12)使用権を獲得している郊外ルーラルエリア携帯局との協力によるローミング契約(ただし、この周波数はT-Mobile USも自社での買取り工作を進めているために、どれだけ広いルーラルエリア携帯局と協力できるかは未知数)を進める
- - 来年(2015年)夏に開かれる予定の600MHz周波数使用権入札で低周波数を入札に勝って獲得し、自社で低周波数使用したLTE設置する
周波数1GHz以下の低周波数は、
- 電波伝達距離が長く、国土の広いアメリカで郊外や砂漠・草原での電波充実するのに、少ない基地局で広い面積をカバーできるため、少ない投資でカバレッジを広く出来ます。SprintやT-Mobile USがVerizonやA&Tにエリアで負けている原因のひとつは、両社とも有効に使える低周波数使用権が無いことです。ただし、T-Mobile USは今年初めにVerizonから700MHz A(Band 12)の使用権を購入して全米約50%の地域をカバーできるようになります。そして、現在、更に他社からBand 12を買い付ける交渉を続けています。残念ながら、Band 12は5MHz+5MHzの狭い帯域でしか使えない(つまり、速度が遅い)のが、問題点です。
-低周波数電波はビル内/建物内貫通力も強く、屋内での電波受信が受けやすくなります。加入者の屋内での使用を使いやすくするなら、低周波数使用権の獲得や更なる強化は、必要です。
しかし、これらの電波改善には、投資が必要です。
“Sprint株は、「買い」か「売り」か” の続きを読む
毎年1月初めにラスベガスで開催される世界最大の家電ショー、CES、Consumer Electronics Showは、次回は2015年1月6~9日開催です。
いつものことですが、
● 一般参加は2014年8月31日までに登録すれば、無料。
● 2014年9月1日~2014年12月31日の間に登録すると、登録料$100。
● 2015年1月1日~当日の間に登録すると、登録料$200。
別に登録したからと言って必ずしも行く必要は無いので、参加するかもしれない方や、当日会場で通訳として引っ張られる予定の方、今月のうちに登録しておいたほうが良いですよ。
【CES】Attendee登録ページ
こんなことは、現地で実際に加入している人間しかわかりません。
年に数回アメリカに取材に来る日本の携帯ジャーナリストで、現地で使うとしてもせいぜいプリペイド契約しか使わない人が、「アメリカにはちょいちょい行っていますので、現地の状況は把握しています。」って言われても・・・「う~ん!?」ですよね。
ドコモが「カケ放題(通話し放題)」プランを出すまで、アメリカの(ポストペイド)携帯の通話プランは、「月一定分数(例:月450分とか900分とか)までが定額で、それを超えると超過料金が徴収される。」と思っていた日本の携帯ジャーナリストが多かったように思うのですが、それは私の気のせいでしょうか?
ドコモ新料金「カケホーダイ&パケあえる」は、アメリカのキャリアの料金がモデル – 2014年4月11日
さて、Sprintの従来からのデータ通信使い放題プランには、スマホ1台当たり「Premium Data Add-on Charge」がスマホ1回線当たり月$10課金されます。
これは実はSprintが他社に先駆けてWiMAXサービスを開始していたころ(2010年ごろ?)からのチャージで、フィーチャーフォンと区別して、スマートフォンはデータ通信をアクセスするのにこの月$10の追加チャージが「強制で加入」されます。
“Sprintのポストペイド契約「Premium Data Add-on Charge」1回線当り月$10が陳腐化している現状” の続きを読む
Sprintの新CEO、Marcelo Claure氏は就任4日目、Sprint社員との電話会議を開き、次の3つの点を差し当たりの改革のポイントとすることを社員に伝えました。
■1.通信料金を来週にも引き下げる
- Claure氏はSprintの回線の質が悪いことを認め、ネットでのSNSのSprintの評判はネガティブなことばかりであることを指摘し、「回線の質が悪い場合は、質の悪さが気にならないほどに通信料金をまず破格的に下げ、価格面で競合他社に勝つことが先決である」ことを強調しました。新しい通信料金は、来週早々にも発表されるとみられています。
前CEOのHesse氏は、「まずは回線の質を上げてから、価格で競争すべきである。回線の質を上げるまでは、今の通信料金を下げることは出来ない。(キャッシュフローが悪化するため。)」という方針でしたが、2010年12月6日に発表された同社のNetwork Visionネットワーク網再構築/アップグレード計画が時間が掛かりすぎ、完成する前に加入者がどんどん他キャリアに逃げて行っているのが実情です。
Hesse氏は2007年12月17日にSprint Nextel社のCEOに就任し、就任前からのSprint/Nextel合併で生じた負債を抱え、そのなかでSprint社を破産(会社更生法適用)させずに浮上させてきた功績は認められるものの、長い間「Sprintを生き延ばすために保守的な金銭(キャッシュ)管理」をしてきたことが、昨年7月にソフトバンクに買収された以降も画気的で斬新な経営方針を提案出来ないでいたのではないかと思われます。
ソフトバンクに買収されてからこの13ヶ月間、買収直後にT-Mobile US買収の噂だけが長い間飛び交い、Sprintの本質的な改革が進まなかったのは、時間の無駄使いだったと今は後悔されます。
なお、通信料金の引き下げは、直近的には減収/減益(赤字拡大)を意味します。
“Sprint、通信料金引き下げを来週にも発表” の続きを読む
記録のため、近々開催されるアメリカのMVNO関連展示会のスケジュールを書いておきます。
昨年からちょっと気になっていましたが、いつか参加するかもしれないので、忘れないようにそのときのために・・・
それに、なんか、あっちこっちからお知らせのEメールも来ているし・・・
● The Prepaid Press Expo - 2014年8月18-20日、会場:ラスベガス、 Planet Hollywood ホテル
【The Prepaid Press Expo (tpp)】トップページ
● 4G World/ CTIA Super Mobility Week (主催、CTIA) - 2014年9月9-11日、会場:ラスベガス、Sands Expo & Convention Center
【4G World】トップページ
【Super Mobility Week】トップページ
さて、SprintがT-Mobile US買収を公式(?)に断念して1週間。
孫さんは、「Sprint(ソフトバンク)がT-Mobile USを買収する意図があるなんて、一度も公式に発表したことは無い。」と言っていますが・・・
携帯端末の世界的な卸会社をゼロから設立したBrightStarの設立者が今週の初めにSprintの新CEOとなって2日。
さらに、ソフトバンクは携帯ユーザーポリシーシステムにEricssonと提携するというニュースも数日前に出ています。(これは、昨年秋に「ソフトバンクとCISCOが、関係強化する」という発表に逆行するものです。明らかに、社内ポリシーの一貫性が欠けていることを意味します。)
これからのSprintは、どうなるのでしょう?
まず、以下の私見を書く前に、筆者はいまだにメインの携帯はSprintを利用しており、過去10年以上Sprintの加入者であることを書いておきます。
Sprintの新CEOのMarcelo Claure氏は就任後のSprint社員へのEメール・メッセージで、
1.更なる経費のカットを進める
2.ユーザーに対して魅力あるサービス(通信プラン)を提供する
ことをメインのメッセージとして社員に伝えているようです。
“Sprintの今後、私見” の続きを読む
Wall Street Journalが約1時間前に報道したところによると、Sprint(ソフトバンク)は、アメリカ規制当局の「SprintによるT-Mobile US買収」反対意見がいまだに強いことから、同社のT-Mobile US買収計画を断念することに決めたようです。
【Wall Street Journal】Sprint Abandoning Pursuit of T-Mobile - 2014年8月5日
また、加入者純減が続いていることから、経営陣に何らかの変化が必要ということで、CEOの交代も早くて明日にでも発表されると報道しています。
Sprintのこの決断は、先週明らかにされたフランスIliad(イリアド)社によるT-Mobile US買収提案とは無関係とのことです。あくまでも米規制当局の反対意思が根強いことが、今回の決断の主原因であるとのことです。
また、T-Mobile USの親会社であるドイツテレコムは、Iliad社による買収提案は買収価格が低すぎるとして拒絶する予定ですが、この後、Iliad社がより良い条件を提示してくるか、DISH TV、China Mobile、America Movile、Comcastを含め他社がT-Mobile US買収提案を出してくるか、様子見の状態です。
昨日は青天の霹靂から、T-Mobile US買収に対するSprint(ソフトバンク)の競合相手がフランスのIliad(イリアド)社から出て、アメリカ許認可機関からの認可が難しいとされているSprint(ソフトバンク)/T-Mobile USの合併(買収)問題に一時的に陰りを与えた感じですが、今日はまたそのSprint(ソフトバンク)にダブルパンチの情報です。
SprintとT-Mobile USは来年開催予定の600MHz電波使用権競売に対して、その時点ではアメリカFCCおよびDoJによる合併(買収)審査が完了していないであろうという予想もあり、それぞれ独立に入札するには資金力も足りないため、合弁会社を設立して600MHz競売に望む計画であることが先月中ごろの報道でリークされていましたが、
SprintとT-Mobile USは2015年中頃予定の600MHz周波数入札を、合弁会社を設立して行う予定? – 2014年7月17日
本日のWall Street Journalの報道によれば、FCC委員長は携帯会社が合弁会社を作って電波使用権競売に参加することを禁止することを提案し、FCCは委員会でこの件の検討を行います。
【FCC Blog】Empowering Small Businesses – 2014年8月1日
【Wall Street Journal】FCC Seeks to Ban Joint Bids by Wireless Companies at Spectrum Auction :Move Appears Aimed at Discouraging a Sprint Bid for T-Mobile US – 2014年8月1日 (会員購読ページ)
【Seeking Alpha】FCC opposes Sprint/T-Mobile’s reported $10B spectrum play – 2014年8月1日
これは、Sprint(ソフトバンク)によるT-Mobile USの買収をFCCが敬遠するための行動とも読め、FCCの態度は年初より変わっておらず、明らかに買収に反対していることを示しているとも言えます。
フランスIliadのT-Mobile US買収提案は、その提案価格
● 全株の56.6%を1株あたり$33で現金購入、残りの43.4%は二社の相乗効果で一株あたり$40.50に評価される予定。平均、1株あたり$36.20。
を考えると、Sprint(ソフトバンク)が提案している1株あたり約$40よりも低く、T-Mobile USの67%の株を所有するドイツテレコムがこの提案をこのまま受け入れる可能性は低いと見られていますが、アメリカ許認可機関の認可が降りやすい相手であることを考えると、ドイツテレコムとしても全く無視することも出来ないと思われ、Iliadも今後、買収価格の交渉には応ずる可能性もあります。更に、対抗馬であるIliadの出現により、他の外国企業やアメリカ国内通信企業もT-Mobile US獲得に名乗り出る可能性もあり、ソフトバンク(・・・て言うよりも、孫さん個人)としても頭が痛いところでしょう。
アメリカのオバマ大統領は、先月上院および下院で満場一致で通過したSIMロック解除合法化法案(Unlocking Consumer Choice and Wireless Competition Act)に、本日2014年8月1日署名し、同法案は本日有効となります。
この法案は、3年ごとに行われる次回のアメリカ著作権法(DMCA)附表の改訂が予定されている2015年秋までの暫定法案ですが、多くの市民および上院・下院のプレッシャーを受けて、国会図書館(Library of Congress)が次回のDMCA附表改訂で携帯電話のSIMロック解除を再度違法化することは無いと予想されています。
今回の法案により、本日より、携帯電話のユーザー個人と、SIMロック解除業者は、「ユーザーがキャリアとの最低契約条件(または解約条件)を満たした後、キャリアの許可無く、携帯のSIMロックを解除すること」が合法となります。
しばらくの間はサードパーティー業者のSIMロック解除コード提供、あるいは、Factory Unlockサービスの公式再開、および、手数料がどのくらいになるか、様子を見ないといけないと思います。
同法はタブレット端末(とモバイル・ルーター?)のSIMロック解除に関しては、国会図書館(Library of Congress)が検討するように勧告していますが、今のところ「タブレット端末のSIMロック解除が、明らかに合法になった」とは言えません。もっとも、多くのユーザーが使用しているiPad/iPad MiniやNexus 7タブレットはもともとSIMロックフリーで販売されているため、特に大きな不便は無いと思われます。
【White House Blogサイト】Answering the Public’s Call – 2014年8月1日
Wall Street JournalやDow Jones誌によれば、フランスのIliad(イリアド)がT-Mobile USに対し、買収提案をプロポーズしたとのこと。
本日はT-Mobile USの四半期業績発表が先ほどニューヨーク市場オープン前にあったばかりですが、この速報はニューヨーク時間の正午前に速報として流れています。
このニュースでSprint(S)の株価は5%急降下、T-Mobile US(TMUS)の株価も急上昇し、一次、取引停止になっています。
イリアド社はフランス第4位のテレコム会社で、新進企業(起業)で、近年躍進的に伸びているようですが、どのようなファイナンスでT-Mobile USを買収するつもりなのか、わかりません。
ソフトバンク/Sprintは昨年12月からT-Mobile US買収を狙っていると言う噂が報道されていますが、長期間の噂だけで表面的な行動が伴わないと、このように「横取り」または「漁夫の利」を得ようとする企業が出てくることは、致し方ない事です。
【CNBC】France’s Iliad makes buyout offer for T-Mobile US: Report – 2014年7月31日
もう少し詳しい続報によると、
【Wall Street Journal】France’s Iliad Makes Bid for T-Mobile US : Bid Counters Earlier Offer From Sprint Corp. – 2014年7月31日
Iliad(イリアド)はT-Mobile USへの買収提案を1週間弱前にT-Mobile US役員会(Board)に提案済みであり、既に報道されている「Sprintによる、T-Mobile US一株あたり$40」での買収にカウンター(対抗)する提案だそうです。Iliadにとっては「これが世界最大のテレコム市場に参入する、唯一のチャンス」とみて、大胆な提案をして賭けに出ているようです。また、同社はアメリカ規制当局の認可に関しては、まったく問題が無いと見ているようです。
続々報:IliadがT-Mobile US買収提案提出を認める。
【Business Insider】France’s Iliad Confirms Offer For T-Mobile, Shares Spike – 2014年7月31日
続々々報:T-Mobile USの67%の株を所有するドイツ・テレコムは、Sprint(ソフトバンク)の買収提案を好んでいるとの情報。
【Seeking Alpha】DT reportedly likes Sprint’s bid better than Iliad’s – 2014年7月31日
Verizonがポストペイド「データ使い放題」加入者のトップ5%のヘビーユーザーに、当月締め日までと翌月のネットワークアクセス規制を2014年10月1日から開始する予定であることは、3日前に書きました。
VerizonがヘビーユーザーにLTEネットワークアクセス規制を2014年10月1日から開始。ただし「データ使い放題ユーザー」のみ – 2014年7月27日
FCC委員長Tom Wheeler氏はこれに対し、本日、「遺憾の意」を表明しました。
【CNet】FCC chairman puts Verizon in hot seat over new throttling policy – 2014年7月30日
問題は、
● Verizonは700MHz Band 13 LTE使用ライセンスの認可を受ける際に、「エンド・ユーザーのアクセスを規制したり、制限したり、拒否しない」という条件を受け入れて、電波使用権の認可を受けたことにあります。
“open platform rules,” which prohibits the company from denying, limiting, or restricting the ability of end users to access applications of their choosing on a network using this sliver of spectrum.
この問題は以前にも発覚しており、この条件のためにVerizonはiPhone 5/5S/5CなどのLTE対応端末を販売時からSIMロックフリーで販売しているほか、LTE対応iPhone/アンドロイドスマホでのテザリングも禁止や追加料金徴収が出来ません。
今回も、「特定のユーザーだけをLTEのネットワークアクセス規制するのは、LTE 700MHz使用ライセンスの条件に違反する」というのが、FCCの言い分です。
Sprintなどもネットワークアクセス規制を既に行っていますが、Verizon以外はLTE電波使用権認可に同様の条件が付いていなかったので、問題になりません。
また、ネットワークのキャパシティを充分に用意するのはキャリア側の責任であり、ユーザーがペナルティを受けるべきではないことも、FCC委員長は示唆しています。
さて、Verizonは今回はFCCのこの反対意見に、どう出てくるのでしょう?
Sprintは今朝、ニューヨーク市場オープン前に暦年2014年第2四半期(2014年4月~6月)の業績を発表しました。
【Sprint】Sprint Reports Results for First Fiscal Quarter of 2014 – 2014年7月30日
Sprintは今年より親会社のソフトバンクと会計年度期間を合わせることになりましたので、「暦年2014年第2四半期」は、同社の会計年度では「2014年第1四半期」(ソフトバンク式には「2015年度第1四半期」?)となります。
● ポストペイド契約の加入者純減は、18万1000件
● プリペイド契約の加入者純減は、54万2000件(主に低所得者向けプリペイドサービスAssurance Wirelessで、一年毎の更新時に「低所得」資格が無くなった加入者が多かったため。)
● MVNOは50万3000件純増
- 総加入者純減は22万件(前期は38万3000件で、前期より純減は少なくなっている。)
2014年6月末現在の加入者総数は5300万件。
● 加入者純減にもかかわらず、人員削減などの経費削減が功を奏し、過去7年間で最高の純利益2300万ドル。
● 3Gネットワークメインテナンス(アップグレード)は、ほぼ完了。
● LTEは488都市、人口カバーで2億5400万人(人口カバー率で80.9%)
● 800MHz FD-LTE、1900MHz FD-LTE、2.5GHz TD-LTEの3周波数帯域を自動的に切り替える(キャリア・アグリゲーションはない)Sparkが利用できる都市は、27都市に増加。
● CAPEX(設備投資)は前期(10億5700万ドル)よりは増えて14億1600万ドルになっていることは好ましいものの、前年同期の18億9700万ドルは少なく、ソフトバンクがSprint買収時に約束した「今後2年間、年間80億ドル(四半期ペースで20億ドル)設備投資する」よりははるかに少なく、まだまだSprintのネットワーク設備投資は遅れていると言えると思います。(実際、デンバー郊外の我が家では、まだSprintのLTEが開始されていません。)
(2014年)8月も近くなって、そろそろこの話にも決着がつくかと思っていたところ・・・
ロイターの本日のニュースによれば、「SprintのT-Mobile US買収発表」は(2014年)9月までは無いだろうと言うことです。
【Reuters】Sprint, T-Mobile merger not expected before September: sources – 2014年7月29日
匿名情報筋によれば、ソフトバンクとドイツテレコムは、アメリカ規制当局である法務省とFCC(連邦通信委員会)による買収(合併)反対や疑惑の意見にも負けないような主張を準備していると言うことで、この準備に時間が掛かっているため、当初予想されていた(2014年)8月には発表はされないようです。
ソフトバンクが買収したSprintが、T-Mobile USを更に買収したい意向であるという情報は2013年12月にWall Street Journalによって漏洩され、それから早くも8ヶ月が経とうとしています。そろそろこの問題にも決着を見たいところです。
2014年2月25日に下院で賛成多数で通過したものの、「(中古携帯再販のために)バルクSIMロック解除」の許可、と「(SIMロック解除を自分で出来るノウハウを持っていない人のために)SIMロック解除代行業者」の許可、を盛り込んでいないということで消費者保護団体や中古携帯業者からの反対を受け、
アメリカ下院が、SIMロック解除許可法案を可決。しかし、・・・ – 2014年2月26日
下院と上院の委員会同士で妥協案を模索した後、先週、修正案が上院を満場一致で通過したアメリカのSIMロック解除合法化法案ですが、
アメリカの携帯電話SIMロック解除合法化法案、その後 – 2014年6月25日
アメリカのSIMロック解除合法化法案が、上院を通過 – 2014年7月17日
議会が2014年8月2日より9月7日まで夏休み休暇に入る1週間前の本日、その修正案が下院で満場一致で通過しました。
【Engadget】Cellphone unlocking bill passes through the House, heads to the Oval Office – 2014年7月25日
これにより、アメリカのSIMロック解除合法化法案は、あとは大統領が署名をすれば立法化されます。
おそらく、来週中には法案が発効されるでしょう。
今回、両議会を通過した法律は1年間有効で、来年2015年には今回の問題の発端となったアメリカ著作権法(DMCA、Digital Millennium Copyright Act)の附表の3年毎の改訂の年になり、DMCAのほうでSIMロック解除の合法性が問われます。しかし、今回の多数の消費者の声や、両議会の超党派でのSIMロック解除合法化賛成の声を汲んで、SIMロック解除がDMCA(著作権法)で再び違法になることは無いと予想されています。
追記:
今夕、大統領は、この法案に署名することを発表しています。
1年半前に11万人以上の市民が大統領への嘆願ウェブサイトに署名して実現した法案だけに、おそらく、週明けぐらいにTVなどの前で大々的に署名式を行うのではないでしょうか?
【DroidLife】Obama to Sign Bill Making Phone Unlocking Legal – 2014年7月25日
AT&Tの2014年第2四半期業績は、本日のNY株式市場終了直後に発表されました。
携帯事業部門ではAT&Tは2014年第2四半期に
● ポストペイド契約タブレットは、36万6000回線純増。
● 期間内のポストペイド契約携帯(スマホ、フィーチャーフォン)は、70万7000回線の増加。
● プリペイド契約は40万5000回線減・・・これは、主にiPadなどタブレットのプリペイド契約者が、データ共有プランを利用してポストペイド契約に変わったことが大きな原因との話。
● 合計、102万6000回線純増。(卸やIoTを含む。)
“AT&Tの2014年第2四半期業績発表、102万6000回線純増” の続きを読む
はい、2014年第2四半期業績発表シーズンの開始です。
Verizonは本日、2014年第2四半期業績を発表しました。
その中で携帯事業では、
● ポストペイド契約タブレットは、$10で既存ポストペイド契約に追加できるため、115万回線の大幅に増加。
● 期間内のポストペイド契約携帯(スマホ、フィーチャーフォン)は、30万4000回線の増加。
● 合計、140万回線純増。
● 2014年6月末現在の携帯加入回線数は1億460万回線。
- うち、ポストペイド契約は9860万回線で、前年同時期比4.6%増。
● 2014年6月末現在の携帯加入アカウント数は3520万アカウント。
- 前年同時期比0.7%増。
- 1アカウント平均、2.8回線契約。 この数字は、前年同時期比3.7%増。
● 全ポストペイド携帯契約のうち、スマートフォンは75%。
- 前期の72%より3ポイント増。
● AWS Band 4のLTE(XLTE)は、全米350マーケット(都市・地域)で利用可能に拡大。(Verizonは、全米全体を約500マーケットに分割しています。)
【BGR】Verizon reports solid Q2 results as tablets offset slowing smartphone sales – 2014年7月22日
“Verizonの2014年第2四半期業績発表、主にタブレットを中心にポストペイド140万回線純増” の続きを読む
Verizonはポストペイド携帯契約者向けにロイヤリティ・プログラムをすでに一部の地域でテスト運用を開始していましたが、今週木曜日(2014年7月24日)から全米で展開します。
このプログラムの名称は、Smart Rewardsと呼ばれます。
ロイヤリティ・プログラムの参加することで、MyVerizonに登録したり、毎月の請求書の支払いごとにポイントが溜まります。
ロイヤリティ・プログラムに登録するだけで、1万ポイントが与えられます。
ポイントは、200以上のブランド製品を最大40%割引で購入するのに使用できたり、地元のレストランや店舗、ホテル宿泊の割引に利用できます。また、Verizonのギフトカードにも交換できるようです。
アメリカの携帯業界ではSprintが長くロイヤリティ・プログラムを実施していましたが、資金難に陥ったSprintは数年前に同社のロイヤリティ・プログラムを終了しています。
VerizonのSmart Rewardsロイヤリティ・プログラムに参加するには、Verizon Selects広告プログラムへの参加も必要で、カスタマイズされた広告を受信したり、配信された広告に対する反応を分析されることに同意しなければなりません。
数日後に開始されれば、さらに具体的な詳細が判明すると思います。
【Yahoo! Finance】Verizon launches rewards program with tracking – 2014年7月21日
【FierceWireless】Verizon takes Smart Rewards customer loyalty program nationwide – 2014年7月21日
AT&Tは2年前の2012年8月3日にSEC(アメリカ証券取引委員会)に提出した2012年第2四半期業績・経営報告(Form 10-Q)の中で、現在使用している2G GSM/Edge/GPRS電波(850MHzと1900MHz)を2016年末までに完全停波する計画を発表していました。
AT&Tが2017年1月1日までに2G GSM/Edge通信サービスを完全停波の予定。 – 2012年8月4日
このほどAT&Tは、既存の2G顧客の3G/LTEへの移行状況を発表し、約半数が3G/LTEスマートフォンへの移行を済ませ、2016年末の2G停派は予定通り行われることを確認しました。
【FierceWireless】Customer migration ‘going fine’ as AT&T prepares for 2G network shutdown by year-end 2016 – 2014年7月16日
AT&Tは携帯加入者だけではなく、M2M通信に2G GSM対応機器を使用している法人顧客が多く、1700万台のM2M通信装置のうち、「多く」がまだ2G GSMであることを認めています。M2M装置は通信装置のアップグレードがそれほど頻繁に行われず、データ通信容量も多く必要としないことから、2G GSM対応のみの機種がまだ多く使用されていると推測されます。
AT&Tが法人用M2M通信の2G GSMを停波して3G/4G(LTE)に限ると、一部の顧客企業はSprintなど、まだ2G通信をM2Mで格安通信料金で提供しているキャリアに転入すると予想されています。ただし、Sprintの2G通信はCDMA2000通信なので、通信モジュールの交換が必要になる可能性もあります。
AT&Tは停波後の1900MHz Band 2と850MHz Band 5を3GまたはLTEに電波再編成する予定です。
T-Mobile USも2G GSMエリアの電波再編成を今年(2014年)春から実行しており、2015年末には完了する予定です。再編成された後は、T-Mobile USの1900MHz 2G GSMの一部の電波帯域が3G/HSPA+に移行され、Band 4またはBand 12 LTEが追加されます。T-Mobile USは2G GSMの完全停波の計画は、まだ発表していません。
日本と同じく2G GSM携帯がアメリカ国内で使用できなくなる日が、あと2年~数年でやってきます。
先月も報告したアメリカのSIMロック解除合法化法案が、
アメリカの携帯電話SIMロック解除合法化法案、その後 – 2014年6月25日
本日、上院本会議での投票で、全会一致で通過しました。
【Senator Passes Leahy website】Senate Unanimously Passes Leahy’s Bipartisan Cellphone Unlocking Bill That Improves Consumer Choice When Switching Wireless Carriers – 2014年7月16日
【TheVerge】Senate passes phone unlocking bill – 2014年7月16日
下院は既に同様の法案を今年(2014年)2月に通過しています。
アメリカ下院が、SIMロック解除許可法案を可決。しかし、・・・ – 2014年2月26日
通過した上院法案には、消費者保護団体や業界団体の意見を取り入れ、下院法案には禁止されていた以下の項目が含まれています。
● 消費者が自分でSIMロック解除出来る知識を持っていない場合には、第3者ベンダーであるSIMロック解除業者や技術知識を持ったコントラクターがSIMロック解除を消費者本人に代わって代行できる
● 中古携帯販売会社やプリペイド携帯会社が、再販を目的として一度に大量の端末をバルクSIMロック解除できる
この後の手順としては、上院と下院の各委員会が両院の通過法案の違いを交渉したあと、妥協案が両院の委員会の承認後に大統領に提示され、大統領が署名して立法化されます。
Bloomber誌とWall Street Journalは、昨日と今日、標題の件を報道しています。
【Bloomberg】Sprint Planning for Lengthy Review of T-Mobile Deal – 2014年7月15日
【Wall Street Journal】Sprint, T-Mobile Look to Raise $10 Billion for Spectrum Auction – 2014年7月15日 (有料メンバー用記事)
【Bloomberg】Sprint, T-Mobile Airwave Bid Seen Building Case for Merger – 2014年7月16日
まず、事の背景はと言うと、
1.FCCは来年2015年中ごろ、600MHz周波数帯域の競売を行います。この周波数は、ディジタルTVに移行したことによって使用しなくなった、旧アナログTVの使用周波数です。
2.SprintもT-Mobile USも、サブ1GHz(周波数1GHz以下)の周波数保有は少なく、Sprintが800MHzを全体の利用可能なサブ1GHz帯域の10%、T-Mobile USは今年Verizonから買い取った700MHz Band 12を4.5%所有しているだけです。これに対して、AT&Tは38%、Verizonは34%を所有しています。低周波数電波はビル内への電波透過率も高く、長い(遠い)距離まで到達できるために基地局の設置数も少なくて済みます。SprintもT-Mobile USも、低周波数使用権の獲得はAT&TとVerizonと対等に競争するためには戦略的にも大事なポイントです。
3.600MHz周波数が「制限無し」の競売になると、資金力のあるAT&TやVerizonが入札に有利になり、多くの地域とサブ周波数帯域を勝ち取るであろう、と予想されています。そこでSprintはFCCに対し、「既に電波特性で有利な低周波数使用権を多く所有しているAT&TとVerizonに対して入札制限を加えたり、一部のサブ周波数帯域の入札から排除し、『2大キャリア以外』が落札しやすい条件を追加するように求めていましたが、FCCは2014年5月の委員会投票でSprintの提示条件をすべては受け入れず、妥協案を可決していました。
“SprintとT-Mobile USは2015年中頃予定の600MHz周波数入札を、合弁会社を設立して行う予定?” の続きを読む
VerizonのCEO、McAdam氏は2014年7月10日、アイダホ州Sun Valleyでのコンフェレンス(Allen & Company conference)に出席し、その場でのCNBCのインタビューに答えて、同社の2014年第2四半期のポストペイド純増は140万回線以上になる予定であることを漏らしました。
同社はT-Mobile US社アグレッシブな価格競争で、2014年第1四半期のポストペイド純増は53万9000回線と、100万回線を割りましたが、
Verizonが四半期業績を発表。加入者増がスローダウン。 – 2014年4月25日
エントリーレベルの共有プランを追加したり、Single Line Planを新規に提供したり、タブレット加入者に月1GB無料データを提供したり、スマホの機種持込加入者には通信料を付き$15割引したり、・・・といった新プロモーションを2014年3月から4月に開始し、ポストペイドの純増を昨年のレベルまで戻したようです。
【FierceWireless】Verizon to report more than 1.4M postpaid net additions in Q2 – 2014年7月10日
【StockMarketWire】Verizon comments on strong Q2 – 2014年7月11日
AT&Tは2014年第2四半期のに80万回線のポストペイド純増を期待していることを既に漏らしており、T-Mobile USの躍進も継続が期待されるため(前期は130万ポストペイド回線)、Sprintの加入者減は更に悪化するとアナリストは予想しており、(アナリスト予想では、前期よりも悪い32万6000回線の純減。前期は23万1000回線純減。)、Sprintの業績発表時期に孫氏は何らかのアクションを起こし、Sprintの経営テコ入れを行うのか、も注目したいところです。
- Verizon 2014年第2四半期業績発表 - 2014年7月22日
- AT&T 2014年第2四半期業績発表 - 2014年7月23日
- Sprint 2014年第2四半期業績発表 - 2014年7月30日
- T-Mobile US 2014年第2四半期業績発表 - 2014年7月31日
AT&Tはこのところ毎週、アメリカ国内数ヵ所のLTE新設を発表しています。
先ほど、本日(2014年6月27日)東海岸時刻の午前0時1分、AT&Tはミシシッピ州内で100ヵ所以上の基地局のLTEを点灯したことを、ニュースリリースで発表しました。
【AT&T News Release via PR News】AT&T Expands 4G LTE Coverage To More Than 100 Sites In Mississippi – 2014年6月27日
現在、AT&TのLTEカバーは2億9000万人、人口カバー率で92.4%まで進んでいます。
AT&Tは今年(2014年)夏で700MHz Band 17でのLTE整備をほぼ完了すると、発表しています。
“AT&Tの700MHz Band 17の整備は、2014年夏でほぼ完了” の続きを読む
Verizonは、使用周波数帯域幅をこれまでより2倍に増やし、既存の700MHz Band 13のLTEよりも少なくとも2倍以上の速度が達成できる”XLTE”サービス(AWS Band 4 LTE、帯域20MHz+20MHz、理論ダウンロード速度150Mbps)が、300都市を超えたと発表しました。
【Verizon Press Release】”XLTE” Expansion Boosts Capacity to the Verizon Wireless 4G LTE Network in North Florida – 2014年6月26日
Verizonは全米のマーケット区分を「約500都市」と定義しており(AT&Tは、もっと多い)、2014年年末までにXLTEのサービスエリアをほぼ全米の500都市に拡大し、AWS (Band 4)によるLTEの整備を完了する予定です。
Verizonは2010年12月に700MHz Band 13でLTEサービスを開始しており、2013年夏にはBand 13のサービスエリアを500都市以上完了しており、人口カバー率で97%にBand 13 LTEを提供しています。
Verizonは2014年5月19日にXLTEサービス「公式」開始のリリースを発表し、その時点では250都市以上でXLTEが既に始まっていると宣言しています。
今日から一部の大都市で始まったVerizonのXLTEサービスは、20MHz+20MHz AWS – 2014年5月20日
暫く標題のニュースに進展が無かったですが、昨日、アメリカ上院議員で司法審議会の委員長のPatrick Leahy議員(民主党)は、同じく上院で共和党の Chuck Grassley議員(共和党)や下院でSIMロック解除法を支援している議員、消費者保護団体、などと内容に関して合意が得られたことをブログで発表しました。
【Patrick Leahy(民主党)議員ブログ】Home > Press > Press Releases : Senate Judiciary Committee To Take Up Cellphone Unlocking Bill This Week – 2014年6月23日
これに基づき、明日 (現地)明後日 の2014年6月26日午前9時半(東海岸時刻)より、この件に関する内容を確認する会議(Executive Business Meeting)が開かれ、一歩進みます。
【アメリカ上院、司法委員会(Committee on the Judiciary)】HomeHearings & MeetingsMeeting:Executive Business Meeting Agenda for Thursday, June 26, 2014
2012年10月末のアメリカ国会図書館(Library of Congress)が設置した委員会によるアメリカ著作権法(DMCA - Digital Millennium Copyright Act)の附表改定により、2013年1月26日以降に販売された携帯のSIMロック解除は、キャリア以外にすることが違法と判断されるようになりました。その後、このDMCA改訂に抗議する署名が11万人以上集まり、消費者保護の立場からアメリカ大統領や有志の上院・下院議員を含め、この「アメリカ国内での携帯のSIMロック解除の違法化」に反対意見を表明する人たちが増えていました。
この世論の中で、2014年2月25日、下院は下院版SIMロック解除合法化法案(HR 1123)を可決していました。
アメリカ下院が、SIMロック解除許可法案を可決。しかし、・・・ – 2014年2月26日
“アメリカの携帯電話SIMロック解除合法化法案、その後” の続きを読む
ニューヨークポスト誌によると、Verizon Wirelessが、衛星TV会社DISH Networkが今年前半を含め、過去数年の政府競売で買い集めた電波使用権を買収する交渉に入っている、ということです。
【New York Post】Verizon Wireless eyeing Dish Network spectrum – 2014年6月20日
DISH NetworkはAWS-4と1900MHz(Hブロック)を含む周波数使用権を保有しており、現在の評価価値は約170億ドルに上っていると言われています。
DISHがこれらの周波数使用権を売却した場合、DISHの簿価(株価)は約20%上昇するとのことです。
Verizonはこれらの周波数使用権をDISH Networkから購入することで、現在Verizonが使用しているAWS、および、1900MHz周波数帯域のサービスを補強することが出来ます。
DISH Networkはこれらの電波を政府から落札したときの条件として2017年春までに40%の地域でセルラーサービスを開始することになっており、それが出来ない場合には電波使用権は政府に返上されます。そして、保有している電波使用権で商業サービスを開始するには、100億ドル以上の設備投資が必要だ、と推測されています。
現在セルラーサービスをヒューストン郊外のCorpus Christiで試験運用でしか行っていないDISHは、自社で投資してこれらの電波を商業化するよりも、それをVerizonに売って、転売利益を得ることを選ぶ決断をしたのでしょう。
また、JP Morganのアナリストによれば、DISH NetworkはT-Mobile US買収提案を出す可能性もあるので、その資金の一部を準備するために電波使用権を売る、という観察もあります。
DISH NetworkのCEO、Ergen氏は先月、「T-Mobile USはDISHにとって魅力有るワイヤレス・パートナーではあるが、複数の企業による競争入札になった場合、ソフトバンクの資金力にはDISHは勝てない。」と話しており、T-Mobile US買収でソフトバンクと競争するつもりはないことを明示しています。
しかし、「米政府の認可が困難である」などの理由でソフトバンクがT-Mobile US買収を諦めた場合、または、政府が認可を拒否した場合には、DISHがT-Mobile US買収へ動くであろう、ということは高い確率で予想されて居ます。
ソフトバンクがT-Mobile US買収を成功できなかった場合には、DISH Network以外にもCATV会社のComcast、中国の通信事業会社China MobileなどがT-Mobile US買収に興味を持つだろう、と業界関係者は推測しています。
ロイターが先ほど発表したところによると、Sprintと、その親会社のソフトバンクは、アメリカおよび日本の銀行8行からT-Mobile USの買収資金の融資の確約を取り付けたと言うことです。
【Reuters via Yahoo! Finance News】Exclusive: Sprint closer to $40 billion-plus T-Mobile deal financing – sources – 2014年6月19日
買収資金は400億ドル(約4兆円)を超えるとされ、そのうち200億ドルはソフトバンクからSprintへの短期一時貸付金(Bridge Loan)で、200億ドルはT-Mobile USが現在抱えている負債(約90億ドル)の借り直し(Refinance)を含みます。ソフトバンクがSprintへ貸し付ける200億ドルは、日本でみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行が日本国内の低利利息でソフトバンクに貸し付ける金額と思われます。
ロイターが今月初めに報道したところによると、SprintはT-Mopbile US一株当たり約$40、T-Mobile USの株価総計で320億ドルで買収を提案して、基本的合意に達しているとのことです。
そのうち、50%を現金で、残り50%を新会社の株価発行で、現T-Mobile US株主には提供する、との情報が既に漏洩されています。
また、T-Mobile USがこの買収提案から抜けたい場合にはSprintへ10億ドルの違約金を支払い、逆に、アメリカ規制当局からの認可が得られずにこの買収が実らなかった場合にはSprintからT-Mobile USへ20億ドルの違約金が払われることで合意している、というニュースも既に流れています。
つまり、T-Mobile USとしては、他に魅力ある買収提案が他社(例:DISH Network、Comcast、China Mobile、など)から提案された場合には、Sprintからの買収提案を破棄し、他の提案を受け入れることが出来ます。
アメリカ規制当局によるこの2社の合併の認可の可能性は低いと見られていますが、Sprintの会長でソフトバンクの取締役社長の孫氏は今週火曜日の東京でのロイター等のインタビューで「ここ数カ月で新しい動きがあった。」と話して、数ヶ月前よりも楽観視しており、買収手続きをさらに進めることに決意したようです。
「ここ数カ月で新しい動きがあった。」の内容に関しては、
ソフトバンク孫氏、「ここ数カ月で新しい動きがあった。」(2014年6月17日)とは何? – 2014年6月18日
にまとめてありますので、興味のある方は(有料で)ご覧ください。
アメリカ在住のみなさ~ん、ISIS使っていますか?
使っていない人が殆どだろうね・・・
先ほどEメールで貰った熱々情報です。
携帯電話(スマホ)でISISを使って支払うと、1トランズアクション当たり、$1のリベートが、毎月最大$50まで貰えます。
ただし、支払いに使うクレジット/デビット・アカウントは、AMEXのプリペイドカードの「American Express Serve Account」である必要があります。
たとえば、マクドナルドで使うと、スモール・フライが無料になる勘定ですね。
期間は今年(2014年)末まで。
かなり前に紹介しましたが、お互いに事前に承認しあっている相手同士のスマホ/iPhoneなら、スマホ本体内蔵のGPS位置情報を使ってWiFiやセルラー電波で無料で相手の位置を知らせてくれ、フィーチャーフォンやアプリが起動していないスマホの場合ではセルラー基地局の位置から相手の携帯の位置が有料(毎月の定期購読サービス)で分かる、Life360サービス
Life360 Family Locator、iPhone/Androidアプリで、家族や友達の携帯の位置を知る – 2012年2月13日
がアメリカ以外の13ヵ国でもサービスを開始しました。
開始された国は、
“(フィーチャーフォンも含めて)携帯の位置が分かるLife360が、アメリカ以外の13ヵ国でもサービス開始” の続きを読む
T-Mobile USは、VerizonがCATV会社などからAWS Band 4の使用権を買収した際に一緒に譲渡を受けた700MHz Band 12の使用権を、Verizonから23億6500万ドルで購入することを2014年1月6日に発表し、2014年4月30日にFCCの認可を受けて購入手続きを完了していました。
T-Mobile USはVerizonから700MHz帯域の周波数使用権を購入するまでは所謂「プラチナバンド」と呼ばれている1GHz未満の周波数帯を持っておらず、ビル内の電波の伝達が弱かったり、郊外や過疎地で長距離の電波伝達が出来なかったりして、ユーザーに不便を掛けていました。
Verizonからの700MHz Band 12取得は、全米の人口カバーで1億5800万人をカバーし、人口カバー率では約51%になります。今回の獲得でアメリカ人口トップ10都市のうち9、30都市のうち21をカバーします。
T-Mobile USが700MHz Aブロック(Band 12)取得を報告、今後のLTE拡張計画に触れる。 – 2014年5月1日
700MHz Band 12の残りの電波使用権は、アメリカ第5位の携帯キャリアであるU.S. Cellularを含め、地方の地域キャリア約33社が所有しています。
“T-Mobile USは、Sprintによる買収が認可されなかった場合も考慮し、700MHz低周波数の使用権の買収を継続。” の続きを読む
ソフトバンク孫社長は、2014年6月17日、東京でのロイターとのインタビューでSprintのT-Mobile US買収に関して質問され、「ここ数カ月で新しい動きがあった。今後、さまざまな視点から、さらなる話し合いがあることを期待している」と答えたそうです。
【HTC News - ロイター記事の転載】Tモバイル買収、数カ月で新たな動き=ソフトバンク社長 – 2014年6月17日
孫氏の言う「ここ数カ月で新しい動きがあった。」とは、何でしょう?
その「ここ数カ月の新しい動き」を解説します。
“ソフトバンク孫氏、「ここ数カ月で新しい動きがあった。」(2014年6月17日)とは何?” の続きを読む
また、噂です。噂ですよ!(強調!)
アメリカの経済と株式市場ニュース専門のファイナンシャル・チャンネル、CNBCチャンネルが本日の放送中にセグメントで紹介した「ニュース」によれば、信頼できる匿名情報筋によると、
● ソフトバンクとドイツテレコムは、SprintがT-Mobile USの買収意向を発表した場合、それが規制当局の反対によって認可されなかったときのBreakup Fee(違約金)を、20億ドル(約2000億円)で合意したとのこと。
- これまでは「少なくとも10億ドル」というWall Street Journalの報道が先月あった。
● 合併後の新会社の名前は、「T-Mobile」の名前とブランドを中心に使い、T-Mobile USの現CEOのJohn Legere(ジョン・レジャー)氏とそのマネージメントチームが主導を握る。
● 合併後もドイツテレコムは新会社の株を所有する。(15-20%と報告されている。)
- SprintとT-Mobile USの株資産総額がほぼ等しいとして単純計算すると、ソフトバンクの持ち株は、過半数(51%)を少し超える程度(約53-55%)となると思われます。
● SprintによるT-Mobile USの買収意向の発表は、(2014年)7月下旬から8月上旬になると思われる。
- 筆者の予想:政治家へのロビー活動などを行い、ある程度「認可」可能性を高めてから発表するのではないでしょうか。
実際に発表されるまではまだまだ【噂】がたくさん出てくると思いますので、そのつもりで受け止めておきましょう。
【CNBC】The Faber Report (最初にCMが再生されます。) - 2014年6月13日
【FierceMobile】Report: Sprint brand may go away after T-Mobile merger - 2014年6月13日
結局、なに?・・・ソフトバンクのSprint買収は、1年も経たずに失敗か?
それを隠すために、業績躍進のT-Mobile USを買収?
だったら、初めっからSprinなんかに目を付けず、T-Mobile USを買収したほうが良かったんじゃあないの?
T-Mobile USは昨年(2013年)3月25日に公式にLTEを開始し、約1年という短い期間に全米の人口カバー率で約67%(人口カバー2億1000万人)を達成しましたが、その後、同社のLTEのサービスエリア・カバー率はなかなか増えませんでした。その理由は、残りのT-Mobile USサービスエリアは2G GSM (Edge)オンリーの地域であり、基地局の通信設備の交換が必要であったからです。
T-Mobile USは今年(2014年)3月に、この2G GSMオンリー地域を来年(2015年)夏までの約1年余りで3G(HSPA+)およびLTE化する計画であることを発表しました。
T-Mobile USのLTE化、フェーズ2:2G Edgeオンリーサービス地域を2015年夏までにLTEアップグレード – 2014年3月14日
その後、アメリカ携帯関連のHoward Forumsでは、これまで2Gオンリー地域だったところでHSPA+およびLTEが検出されたという、多数の報告が投稿されています。
【Howard Forums Mobile Community】Home > Forum > US Carrier Discussion > T-Mobile > New 4G HSPA / LTE network sightings – 2014年3月21日~
TMo Newsサイトも、これらをまとめた現状報告サマリーを本日掲載しました。
2G GSMからHSPA+/LTEにアップグレードされた地域として具体的には、ニューメキシコ州のAlbuquerqueとLas Crucesの間、アリゾナ州Yumaなどが上げられています。
【TMo News】T-Mobile 2G upgrade to 4G network seemingly well underway – 2014年6月13日
周波数など詳しいことは記述されておらず、また、まだ試験運用段階のエリアも多くて速度も必ずしも「トップスピード」には達していないようです。
しかし、旧2G GSMオンリーエリアが、LTE(多分、Band 4)だけではなくHSPA+(AWS?、1900MHz?)でもサービス提供されていることは、喜ばしい限りです。
T-Mobile USは
● 2014年末までに現2G GSM/Edge(1900MHz Band 2)オンリー地域の50%はLTE化完成予定、LTEの人口カバー2億5000万人(約80%)達成予定。
● 2015年中間までに現2G GSM/Edge(1900MHz Band 2)オンリー地域のLTE化をほぼ完成、LTEの人口人口カバー3億100万人、96%達成予定。
まあ、報告だけね。
先月(2014年5月22日)に本社のあるシアトル地域でVoLTEを開始したT-Mobile USは、
T-Mobile USがシアトルでVoLTEを本日より開始 – 2014年5月23日
その数日後にはダラス、ニューヨークシティ、シカゴ、ヒューストンで開始、2014年6月6日にはサンフランシスコ湾岸でも開始、
T-Mobile USのVoLTEが、サンフランシスコ、フリーモントでも開始 – 2014年6月7日
そして、5日後の本日、ワシントンDC/アレキサンドリアとフィラデルフィア、テネシー州のチャタヌーガでも開始されました。
【TMo News】Yet more VoLTE sightings in Philadelphia, Chattanooga and Alexandria, Washington DC – 2014年6月12日
確かに、現在、VoLTEが使えるT-Mobile端末は
● Galaxy Note 3
● LG G Flex
● Galaxy Light
と限られていますが、重要な点はそんなことではなく、T-Mobile USの計画実践の早さ!
亀さんスピードで、計画よりも数ヶ月遅れているSprintと比べると、ともかく、経営力と資金力(おいおい、ソフトバンクよ、資金投資をケチるなよ・・・Sprint加入者より。)で、雲泥の差!
それ以外には、何も言うことがありません!
一言で、下のグラフを見れば、一目瞭然。
下の図は数日前にWall Street Journalに掲載され、本日(2014年6月10日)
【PhoneArena】Sprint and T-Mobile, an even worse idea than the FCC auction rules – 2014年6月10日
にも転載されたグラフ。
過去5四半期(1年3ヶ月)のアメリカ4台携帯会社のポストペイド加入端末数、累積増/減傾向。
“T-Mobile USがSprintを必要とする以上に、SprintがT-Mobile USを必要とする、理由。” の続きを読む
TK Tech Newsが信頼できる投資家ソースからの情報として、YouTubeで発表したところによると、
● ソフトバンクとドイツテレコムは、SprintによるT-Mobile USの買収はほぼ最終合意に達した。
● 買収価格は、T-Mobile US 1株あたり$36
● ドイツテレコムが新会社の20%の株を継続保有
● 新会社はAT&Tより加入者数が130万人少ないだけ。
● 買収後の新会社の名前は、Softbank USA
● 新会社のロゴは、Sprintの黄色とT-Mobile USのマジェンタ(ピンク)を半々にアレンジし、真ん中にソフトバンクの水平2本線をアレンジ
● それぞれのプリペイド子会社であるVirgin Mobile USA、Boost Mobile、MetroPCSは廃止。新会社Softbank USAに吸収。
● 新会社のCEOはJohn Legere(現T-Mobile USのCEO)
● SprintのCEO Dan Hesse氏は役員として残る
“【噂】TK Tech Newsの報道:Sprint/T-Mobile US買収、ほぼ最終合意。新会社の名前はSoftbank USA” の続きを読む
アップルは、アメリカのアップルストアで、iPhone購入と同時にプリペイド契約が店内でできるように準備中だということです。
もちろん、これまでアップルストアでSIMフリーiPhoneを「デバイス・オンリー」で定価で購入し、自分でAT&TやT-Mobile US、または、そのMVNOのSIMを別に購入または入手してプリペイド契約することは、可能でした。
9To5Macが内部情報として伝えたところによると、
【9To5Mac】Apple looks to boost iPhone sales in stores with new pre-paid & month-to-month plans – 2014年6月6日
アップルはiPhone購入時に店内でプリペイド契約をし、そこですべての手続きを終えることができるよう、AT&TのGoPhone SIMキットを準備し、店員の教育と行っている最中だということです。
アップルストアはプリペイドプランとして
● AT&T GoPhone $60 Monthlyプラン(かけ放題、月2.5GBまでデータ通信可)
● T-Mobile US $50 Monthlyプラン (かけ放題、月1GBまでデータ通信可)、または、$70 Monthlyプラン (かけ放題、月5GBまでデータ通信可)
のプランを店内で薦める予定のようです。
また、この方法で店内でアクティベートされたSIMとiPhoneは、返品できないそうです。(他のiPhone購入形式では、14日以内に返品可能。)
記事によると、アップルUSストアの「プリペイド」iPhoneは、今月(2014年6月)最終週から販売される予定だそうです。
定価で買うので、当然、このiPhoneモデルはSIMフリーだと思うのですが、確認が必要です。
Bloomberg誌が本日遅くに報道した内容によると、
【Bloomberg】Sprint, T-Mobile Said Near Accord on Price, Termination Fee - 2014年6月4日
【CNBC】Sprint close to agreement on terms to buy T-Mobile -report - 2014年6月4日
Sprintの親会社のソフトバンクと、T-Mobile USの親会社のドイツテレコムは、SprintがT-Mobile USを買収する際の株価にほぼ同意したとのことです。Sprint/ソフトバンクはT-Mobile US株1株あたり$30台後半、ドイツテレコムは最低$40を要求していましたが、暫定的に同意した額は1株約$40弱(almost $40)と報道されており、ドイツテレコム側の主張が通った形になります。この額は、本日のニューヨーク証券市場の終値$34.28を約17%上回ります。
買収総額は約310億ドルになります。
また、Sprintはこのうち50%をT-Mobile US株主にキャッシュで、残りを新会社の株に交換することで合意したようです。
T-Mobile USにはこれとは別に約145億ドルの負債があり、55億ドルのキャッシュを保有しています。
これらを加えると、SprintのT-Mobile買収額は約400億ドルになり、Sprintは約245億ドル(約2兆5000億円)~300億ドル(約3兆円)の買収資金を必要とします。(約155億ドルは新株の発行。)
これが実現すると、ドイツテレコムは新会社の約15%株主となります。
まだ未決着の内容は
● 合併後の経営体制(現T-Mobile USのCEOのJohn Legere氏とその経営チームが新会社経営の主導権を持つ案が有力、と報道されています。)
● アメリカ規制当局の反対にあってこの買収が認可されなかった場合の違約金(Breakup Fee)の額(ドイツテレコムは30億ドルを要求し、ソフトバンクは10億ドルの支払いを容認しているようです。一部の報道では、10億ドルで合意済みとの報道もあります。)
のようです。
“SprintがT-Mobile USを買収する際の株価に、ソフトバンクとドイツテレコムがほぼ同意” の続きを読む
T-Mobile USは2014年5月22日から本社のあるシアトル地域でVoLTEサービスを開始しましたが、
T-Mobile USがシアトルでVoLTEを本日より開始 – 2014年5月23日
今週初めにはダラスとニューヨークシティ、そして、今日はシカゴとヒューストンでもVoLTEが開始されていることがユーザーからの報告でわかりました。
【TMoNews】VoLTE spotted in Chicago and Houston – 2014年6月4日
T-Mobile USのVoLTEサービスは現在
● Galaxy Note 3
● LG G Flex
● Galaxy Light
で対応されています。
上記対応スマホを持っていて、VoLTE対応地域に住んでいる人は、次のようにしてVoLTEを使っているかどうかがわかります:
● 通常、VoLTEを経由せずに音声通話を使うときは、キャリア信号表示が「2G/Edge(E)」や「3G/HSPA+(H+)」に変わりますが、VoLTEを使っているときはキャリア信号もLTEのままで変わりません。
おとといiOS 8の発表後に明らかになったWiFi Calling機能ですが、T-Mobile USに続いて
T-Mobile USのWiFi Callingが今秋リリースのiOS 8で実現予定 – 2014年6月3日
カナダのRogersがiOS 8でWiFi Callingをサポートすることがわかりました。
【iPhone in Canada】Rogers Confirms It Will Support New iOS 8 Wi-Fi Calling Feature – 2014年6月3日
【iMore】Rogers confirms Wi-Fi calling coming to their iPhones in iOS 8 – 2014年6月3日
WiFi CallingとはT-Mobile USが2007年から一部のアンドロイド携帯およびWindows Phoneで提供しているもので、携帯電波のほかに、WiFiさえ繋がっていれば、契約している国内で音声通話の発着信をしているように使える機能です。料金は、携帯キャリアとの国内通信料金や通話契約が適用されます。
アメリカではポストペイド契約でも2012年から「国内通話かけ放題」が一般的となっています(プリペイド契約ではもっと前からなっている。)ので、「かけ放題プラン」でこのWiFi Callingを利用すれば、
● 契約自国内の携帯電波の届きにくいところでも、WiFiさえ繋がっていれば携帯が発信できるだけでなく、着信も受けられるし、無料。
● 海外に旅行や一時的に生活した場合にも、WiFiさえ繋がっていれば、契約自国内での国内通話として発信できるだけでなく、着信も受けられるし、「かけ放題プラン」ならば無料。
となります。
2014年3月17日から「Line電話」がLineアプリから世界の固定電話へ携帯電話へ格安で発信できるサービスを提供していますが、WiFi Callingサービスが世界の多くのキャリアに普及すれば、「かけ放題プラン」にさえ加入していれば追加料金が不要で契約自国の電話番号に発信できるWiFi Callingサービスは、(契約自国の電話番号へのみですが・・・)メリットがあります。
※ 契約自国以外の電話番号への発信は、WiFi Callingでは自国から国際電話へする形になります。
また「Line電話」アプリでは「自分の電話番号」に掛かってきた電話を着信することは出来ませんが、WiFi Callingは自国外で着信を受ける際に国際通話ローミング料金の追加無しで、通話が受けられます。「かけ放題」プランに加入していれば、WiFi Calling機能を使えば海外でも無料で着信を受けられることになります。
【iMore】iOS 8’s “one more thing” that Apple didn’t have time to announce at WWDC – 2014年6月2日
Verizonは2009年にAlltelを買収して以来、携帯加入者数でアメリカトップの座を他社に譲ったことは一度もありません。
しかし、業界アナリシスを提供しているCHETAN SHARMAが本日発表した記事によれば、AT&TがVerizonに追い着き、両者は実質(ほぼ)同数一位で肩を並べたようです。
この要因の最大の原因は、AT&Tが今年(2014年)3月に買収したCrocket Wireless(Leap Wireless)の加入者約400万人がAT&Tに移ったことによりますので、まあ、本業のサービス実力だけで追い着いたことではないようですが・・・
両者は携帯加入者数のそれぞれ34%ずつを占めており、3位のSprintと4位のT-Mobile USを合わせても30%、その他(約125社)が2%です。
ほかに興味ある数字としては、Verizonは既にLTE加入端末数が4800万台(加入者の約半数)。データ通信トラフィックの73%がLTE回線を経由しているということで、2010年12月5日に初めてLTEサービスを開始してから3年半でここまで浸透していることは、ユーザーのLTE採用が急速に進んでいることの証拠です。
また、2014年第1四半期に販売された端末の93%はスマホだったそうです。携帯加入者の68%はスマホ(3G、LTE)を使用していると推測されます。
【CHETAN SHARMA】US Mobile Market Update – Q1 2014 – 2014年5月30日
【GigaOM】AT&T and Verizon are now tied for the rank of largest U.S. mobile carrier – 2014年5月30日
以前も書きましたが、筆者がこのようにSprint/T-Mobile US合併(買収)に関する情報を頻繁に流すのは、日本国内の情報が非常に偏った情報ばかりだからです。
いろいろな情報を読み、あとはご自分でご判断ください。
筆者は基本的には2~3年後には、そのときにまだ両社が独立系携帯会社として運営されていれば、SprintとT-Mobile USは合併することが規制当局にも許可されるであろう、と考えています。
したがって、この2社の合併(買収)に根本的には反対するものではありません。
しかし、今は(合併は)無理でしょう。
※ 業界淘汰(境界を隣接する業界を含む)が加速的に進んでおり、もし、今回SprintがT-Mobile US買収を諦めた場合、あるいは、アメリカ規制当局の反対にあって失敗に終わった場合、2~3年後にT-Mobile USが独立携帯会社として存続しているかどうかは、まったく疑問になってきました。
——–
さて、ソフトバンクのCEOでSprintの会長の孫 正義氏は2014年3月11日ワシントンDCで、また、2日前のカリフォルニア州Rancho Palos VerdesでのRe/code Code Conferenceでのインタビューで、「アメリカのインターネットは遅い」、「T-Mobileを買収させてくれれば、より速いインターネットをより安く提供する」(Re/codeコンフェレンスでは直接T-Mobileの名を明言していませんが・・・)と主張し、SprintとT-Mobile USが合併することにより経費削減が出来て、技術革新のための開発や設備投資に投資する余裕が出来、「アメリカ国民により速いインターネット接続を、より安く提供できる」ことを主張の前面に出し、世論で「SprintによるT-Mobile USの買収」を認めさせようとしています。
しかし、既にいくつかのメディアはこれを否定し、反論しており、必ずしもアメリカ国内の業界関係者の共感は得られていません。
“孫氏の「アメリカのインターネットは遅い」「T-Mobileを買収させてくれれば、より速いインターネットをより安く提供する」発言が、メディアにdisられている件” の続きを読む
昨日の共同通信の報道を受けて、ロイターがドイツで現地追加取材をした報道をリリースしています。
【Reuters】Deutsche Telekom willing to keep stake in T-Mobile-Sprint tie-up – 2014年5月29日
まとめると・・・
ソフトバンクとドイツテレコムはこの買収合意を達成させようと努力し、細かい内容を協議中ではあるが、(ソフトバンク/Sprintが)アメリカ規制当局を説得できるかどうかによっても内容は変わってくるため、同意まで持っていくことが現状では難しい。
T-Mobile USAは、2011年12月のAT&Tによる買収提案では、買収が成立しなかった場合の違約金(Breakup Fee)を40億ドル要求していましたが、今回は違約金の要求額は少ない。(今月初めの報道では10億ドル以上を要求している、ということです。)
その理由は、SprintがT-Mobile USを買収した後も、新会社にT-Mobileの名前を残すことと、新会社の経営陣はT-Mobileの経営陣が主体となるため、と書かれています。
更に、SprintがT-Mobile USの主要株主であるドイツテレコムに支払う現金の金額を減らすため、(つまり、ソフトンバンク/Sprintの買収資金負担を減らすため)、合併後、ドイツテレコムは新会社の15%の株を所有することを選択肢の一つとして考えている、ということです。つまり、計算を簡単にするためにSprintとT-Mobile USの簿価が同額とすると、ソフトバンク/SprintはドイツテレコムのT-Mobile US所有株約37%に現金を支払い、残り約30%へは新会社の株を配布。ソフトバンクは合併後の新会社の58.5%(Sprintの80%/2 + T-Mobile USの37%/2)の株を所有することになります。
更に、両社が「もし」合併すると、全携帯会社所有の周波数帯域の三分の一以上を新会社が所有することになり、2015年中ごろに予定されている600MHz周波数の使用権の入札で新会社は入札そのものから排除されるか不利になり、VerizonとAT&Tがかなりの600MHz帯域を獲得することも予想されます。
昨日の共同通信の「ソフトバンクの米社買収、独容認」報道が、
【佐賀新聞】ソフトバンクの米社買収、独容認 ~ 米規制当局の対応が焦点に – 2014年5月29日
アメリカ現地の今朝になって、各紙から続々報道されています。
そして、遂に、約1時間前、PCWorldの報道では「Deutsche Telekom agrees to sell T-Mobile USA to SoftBank」と、売買条件も最終決定し、完全に「ドイツテレコムがT-Mobile USをSprintに売却することに同意した」ことになっています。
【PCWorld】Report: Deutsche Telekom agrees to sell T-Mobile USA to SoftBank – 2014年5月29日
Japanese news site Kyodo News, which reported the agreement, didn’t give details of the price or structure of the deal.
でも、再度、共同通信の原文を読む(共同通信サイトは有料サイトなので、その記事を転載した地方紙の記事を読む)と、
ソフトバンクが検討を進める米携帯電話4位TモバイルUSの買収を、親会社の欧州通信大手ドイツテレコムが容認していることが29日、分かった。…(中略)…
関係者によると、ソフトバンクの孫正義社長が、Tモバイルとドイツテレコム両社の首脳クラスと5月中旬に会談した。この中で孫社長が買収を提案し、前向きな回答を得たという。3社は最終合意に向け、具体的な買収方法など詰めの交渉を急ぐ。
ということで、最終同意ではないと思うんですが。
共同通信 |
⇒ |
PCWorld誌 |
容認している、前向きな回答を得た |
⇒ |
agrees to sell |
最終合意に向け、具体的な買収方法など詰めの交渉を急ぐ |
⇒ |
didn’t give details of the price or structure of the deal (「最終条件は決まっていて同意されているが、発表されていない」というニュアンス。) |
どうしたら、こうなるんでしょうね・・・・
もちろん、PCWorld誌は、共同通信の報道の日本語原文を読んでいないのは明らかです。
昨日、共同通信が「ソフトバンクの米社買収、独容認」と言うタイトルの記事をリリースしましたが、その内容を読みましたが、何も新しい内容がありません。
この記事前文は、地方紙が複数取り上げていますので、それを読んでみます。例として、
【佐賀新聞】ソフトバンクの米社買収、独容認 ~ 米規制当局の対応が焦点に – 2014年5月29日
また、この共同通信のニュース報道を受けて、ロイターが関係各社にコメントを求めていますが、ドイツテレコムとSprintはコメントを拒否、T-Mobile US/ソフトバンクからはまだ何も得られていません。
【Reuters】Deutsche Telekom agrees Softbank’s plan to buy T-Mobile: report – 2014年5月29日
共同通信の話は、「業界筋からの情報」となっているようです。(以下、太字は共同通信の記事からの抜粋。)
『ソフトバンクが検討を進める米携帯電話4位TモバイルUSの買収を、親会社の欧州通信大手ドイツテレコムが容認していることが29日、分かった。』
このソフトバンク/SprintによるT-Mobile US買収意向の話は昨年12月から浮上している話で、その時点でドイツテレコムは容認していると思うんですけど・・・
『今後は、競争促進の観点から米通信業界の一段の再編に慎重な姿勢を示す米規制当局の対応が焦点になる。』
通信関連を審査するFCCの意見は多少「経営的にSprintとT-Mobile USは単独での長期生存は難しい・・・かもしれない」という意見方向に傾きかけているようですが、独占問題を審査する司法省の意見は相変わらず「この合併には反対」の強固な態度は変わっていないようです。
『関係者によると、ソフトバンクの孫正義社長が、Tモバイルとドイツテレコム両社の首脳クラスと5月中旬に会談した。この中で孫社長が買収を提案し、前向きな回答を得たという。』
条件次第の「前向きな回答」でしょう。
“共同通信の「ソフトバンクの米社買収、独容認」報道は、何も新しい内容が無い” の続きを読む
アメリカ国内で、コンテンツ配信業界とモバイル業界の統合が加速化しています。
従来型のコンテンツ配信会社
● CATV配信会社 ・・・ Comcast、Time Warner、Cox、Charter、など
● 衛星TV ・・・ DirecTV、Dish Network
● 光ファイバー配信会社 ・・・ AT&T U-Verse、Verizon FiOS
は、IP型コンテンツ配信会社
● Hulu、NetFlix、など
に視聴を奪われ、いわゆる「有料TV」加入者数が年々減っています。
この傾向に対して従来型コンテンツ配信会社は有線(CATV、光ファイバー)や固定パラボラアンテナ(衛星)を経由して提供するコンテンツを、最終的にはモバイル(ワイヤレス)でも提供出来るようにするために、過去1-2年模索をしています。
たとえば、DISHは米政府の携帯通信用電波使用権の入札に何度も参加し、獲得しています。これまでも何度か「DISHが自社で携帯事業を立ち上げようとしている」という噂も流れています。そして、昨年(2013年)12月からはSprintとTD-LTEを使用した固定ワイヤレス配信サービスを試験運用しています。
同様にComcastはWiFiアクセスポイントの拡大を実施しており、既に100万ヵ所にWiFiホットスポットを設置し、年末までに800万ヵ所に増やす予定だとも言われています。しかし、WiFiホットスポットだけではモバイル配信を提供できる範囲は限られており、いずれはMVNO携帯事業を自社で開始すると見られていました。
このような状況に、「携帯事業」と「光ファイバーを使ったコンテンツ配信事業(有料TV)」の両方の事業を持つAT&Tは、衛星によるコンテンツ配信会社のDirecTVを買収すると、2014年5月20日に発表。
これにより、コンテンツ配信事業を展開している会社と、モバイル事業を展開している会社の統合が更に加速化すると見られています。
“T-Mobile US獲得戦に、Comcastも参加か?” の続きを読む
明日2014年5月23日からAT&が地域( Illinois, Indiana, Minnesota、Wisconsin)/機種限定(Samsung Galaxy S4 mini)でVoLTEを開始するという発表でしたが、実際にアメリカの4キャリアでVoLTEを開始するのはT-Mobile USが最初でした!
しかも、1日の差で・・・
T-Mobile USは、本日2014年5月22日より、本社のあるシアトル地域で、突然、VoLTEを開始しました。
【T-Mobile US Blog】T-Mobile brings Voice over LTE to Seattle - 2014年5月22日
【FierceWireless】T-Mobile launches VoLTE in Seattle, promises more markets this year - 2014年5月22日
使用できる機種は、現在のところ、
● LG G Flex,
● Samsung Galaxy Note 3,
● Samsung Galaxy Light,
の3機種。
T-Mobile USのCFO、 Neville Ray氏は、VoLTEによって通話接続が2倍速い(半分の時間で接続する)とブログで述べており、また、T-Mobile USのVoLTEではHD Voiceも提供していると述べています。ただし、T-Mobile USは2013年1月からHD Voiceサービスを3G/HSPA+回線上で既に全米規模で提供しています。
Ray氏は、今後、1年間でVoLTEを全米に拡大していく、と述べています。
Verizonも2,3ヶ月以内にVoLTE開始を開始することを発表しており、この秋(例年、9月)に発売する新型iPhoneではVoLTEが標準搭載になるという推測も増えています。
アメリカの4大キャリアでまだVoLTE計画を発表していないのは、・・・例によって・・・LTE一人負けのSprint。
あと数日(2014年5月23日)でAT&Tが地域限定/機種限定でVoLTEサービスを開始するのを受けて、Verizonは本日2014年5月20日、プレスリリースで同社のVoLTE導入計画を発表しました。
【Verizon】Verizon Details VoLTE Rollout Plans – 2014年5月20日
これによると、
● 導入時期はあと2,3ヶ月(a few months)後、(2014年8月頃?)
● 開始は、全米一斉
● VoLTE標準内のHD Voiceを開始(AMR ワイドバンド標準対応)
● ビデオ電話オプションも提供する
● VoLTE音声通話中に、途中からビデオ電話にスイッチすることが出来る
● 開始当初にVoLTE対応機種を複数用意する
● 一部の既存の機種は、ファームウェア・アップグレードでVoLTE対応になる
● 将来的に、Rich Communications Services (RCS)の拡張である、大きなサイズのファイルアップロードや、グループ・メッセージング、位置共有などが可能になる
ということです。
T-Mobile USは、加入者拡大のための活動を進めています。
■ Univision Mobile
T-Mobile USはアメリカ国内に5600万人住んでいるというメキシコ人・中南米人向けのスペイン語TV放送を提供しているUnivisionと提携し、本日(2014年5月19日)よりUnivision MobileというブランドでMVNOを開始します。
Univision Mobileは全米1600店舗のWalmartで販売されるほか、主に中南米人の顧客が多い6000の独立系携帯ディーラーでも販売されます。
通話料金は
● 月$30で通話し放題・テキストし放題
● 月$45で通話し放題・テキストし放題・データは2.5GBまで高速、それ以上は速度制限
各プランとも、
● 国際テキストが無料・使い放題
● メキシコを含む中南米8カ国への国際電話(固定、携帯へ)が100分まで無料
のほか、Univisionポイント、Univisionポータル、UnivisionTV番組の案内、Univision主催のイベントへの舞台裏アクセスのチャンス、などが含まれます。
【Univision Press Release】Univision & T-Mobile Launch “Univision Mobile” a Pioneering New Wireless Service Designed for Hispanic Americans – 2014年5月5日
従来、アメリカの中南米系携帯ユーザーはTracfone/Net10/StraightTalkのTracfoneグループやCricket Wirelessへの加入が多かったですが、Cricketは今年(2014年)3月にAT&Tに買収されて新しい料金体系になり、また、従来のCricketのユーザーは契約を継続するためには、CDMA2000携帯をこれから18ヶ月以内にW-CDMA携帯に交換する必要があるため、T-Mobile USとしては、中南米系ユーザーを獲得するチャンスと見たのでしょう。
“T-Mobile USがスペイン語TV放送Univisionと提携してUnivision Mobileを開始、Walmartで廉価アンドロイドタブレットも販売開始” の続きを読む
ここ2週間半ぐらいの噂どおり、本日午後遅く、AT&Tは、売上げおよび加入者数でアメリカ衛星テレビ首位のDirecTVを買収することを発表しました。
買収額は約485億ドルです。
※ 筆者注:DirecTVって、アメリカ衛星事業で首位だったんだ。2位だと思っていました。
今後、FCCや司法省の認可プロセスを経て、約12ヶ月で買収が完了する予定です。
AT&Tは携帯電話、固定電話、のほか、U-Verseという光ファイバー(道端まで)を使った有料テレビ事業を行っています。
しかし、U-Verseのサービス地域は限られており、加入者数も約550万世帯しかありません。
このAT&Tが加入者数2030万世帯のDirecTVを買収するのは、番組製作会社(チャンネル)へ支払う番組放送権購入費用の加入者一世帯あたりのコスト削減を目指していると思われます。
更に、AT&T U-verseのサービス地域は限定されているのに対し、全米をカバーする衛星TV網を手に入れ、AT&T U-Verseでサービスしているチャンネルを全米展開することが出来ます。
また、衛星放送の加入者は、地下に固定回線を施設されていない山間部や離島、半島、僻地、に住む人が多いですが、AT&TとしてはこれらのDirecTV加入者に、AT&TのLTE回線を使用した固定無線インターネットを提供して、AT&Tワイヤレス部門の売上げ拡大も目指したいようです。
これまで衛星TV加入者は、衛星経由でのインナーネットサービスにも加入できましたが、回線速度は遅いようです。
“AT&Tがアメリカ衛星テレビ首位のDirecTVを買収同意。Sprint/T-Mobile USへの影響は?” の続きを読む
5人メンバーのFCCは本日3つの重要議題を決議しましたが、その一つは既に報告している、AT&Tが今年(2014年)1月に「Sponsored Data」というサービスで提案している「コンテンツプロバイダーによる、インターネットの有料優先アクセス権を認める」提案。
FCC、ネット通信の有料優先アクセス提案を可決。一般公開コメント期間を経て、今年後半に最終投票。 – 2014年5月15日
あとの2つは周波数に関するルールで、一つは
● 日本では所謂「プラチナバンド」と呼ばれていて、ビル内伝達や、郊外での長距離伝達に有効な、1GHz未満の低周波数の入札条件の規制。
「この周波数帯で既に1/3以上の帯域を所有しているキャリアは、新しい低周波周波数の入札が開催された場合に、入札に参加出来ない」という規制です。
これにより、AT&TとVerizonは既に700MHz帯域でLTEサービスを開始しており、800/850MHz帯域もそれぞれ2G/3Gで使用しいているため、両社合計で2/3以上の「1GHz未満帯域」を所有しており、2015年半ばに開催予定の600MHz帯域の入札には参加できなくなります。
FCCの本日最後の投票は、2GHz以上の高周波数を”Spectrum Screen”(キャリアの保有周波数帯域)に追加するかどうかの投票でした。
既に記事で書いているように、
SprintのT-Mobile US買収計画に、更なる壁が立ちはだかる – 2014年4月26日
これが可決すると、SprintによるT-Mobile US買収が難しくなる要素が一つ増えることになります。
Sprintは昨年7月初めにWiMAX/TD-LTE事業者のClearwireを完全買収したおかげで、2.5GHz Band 41の周波数帯域をほぼ独占的に持っており、これを”Spectrum Screen”に含めると、他社の1.5倍以上の周波数帯域を現在保有しています。
SprintがT-Mobile USを買収し、これにT-Mobile USの周波数が加わると、他社の2倍以上となり、「Sprintが周波数帯域を独占している」とみなされます。
それでもSprintがT-Mobile USの買収を強行する場合には、買収条件として、一部の周波数を他社に譲渡することがFCCから要求されるでしょう。
Sprintの周波数政策担当のKrevor氏は、「この決定を良くレビューし、Sprintの次のステップを決めたい。」とコメントしたそうです。
【RCR Wireless】Spectrum screen reset to Sprint’s dismay – 2014年5月15日
【FierceWireless】Can the FCC get the balance right with its spectrum rules? – 2014年5月15日
FCCは本日、先ほど、ネット通信の有料優先アクセスを認める提案を、3対2の民主党委員対共和党委員の党派に分かれて、可決しました。
これは、AT&Tが今年初め(2014年1月6日)にCES直前のAT&T Developer’s Conferenceで発表した「Sponsored Data」に対して、FCCがこのサービスを認めるかどうかで意見をまとめていた結果によるものです。
【GIGAOM】AT&T launches “Sponsored Data,” inviting content providers to pay consumers’ mobile data bills – 2014年1月6日
今回の投票後、FCCは120日間の一般コメント期間を設け、それに基づいて最終案をまとめ、再度、5人メンバーのFCC委員会で投票を行います。
最終提案の可決には過半数の投票が必要で、2人の共和党メンバーは反対すると予想されているため、FCC委員長(民主党)は、最終提案の内容で他の2人の民主党メンバーの同意が必要です。
本日の投票前に民主党メンバーの1人であるJessica Rosenworcel氏は、投票を延期するように意見を述べており、「この提案は、準備を急ぎ過ぎている。」と発言しています。
今回の提案はまだ最終ではなく、FCCが最終提案をプロポーズしても、それが法案として可決するまでには共和党多数の下院を含め、両議会の可決が必要と思われるので、まだまだ先のわからない状況です。
しかし、この「ネット通信の有料優先アクセス提案」が法案化すると、
● コンテンツプロバイダーが、通信回線業者(携帯、固定、光回線、CATV業者、など)にお金を払って、自社コンテンツを他のインターネットアクセスよりも高いネットアクセス優先度で配信することが出来る
ようになります。
例で示すと、
● NetFlixやHuluが、ゴールド優良会員に優先的にビデオを配信するために、携帯電話会社やケーブル会社にお金を払い、ゴールド優良会員へ先に配信するようにする。その間、回線が混雑している場合には、その他のユーザーのデータ通信が遅くなる。
と言うことです。
今回の「ネット通信の有料優先アクセス提案」に反対している人たちの意見は、「これを認めると、他のユーザーのネット通信が遅くなったり、VoLTEなどの音声通話や警察などの緊急電話も遅延し、影響が出る。」という点を取り上げています。電話会社は、「音声通信や緊急電話には、影響しない。」と表明しています。
参考リンク:
【Mashable】FCC on Net Neutrality: How It Happened – 2014年5月15日
【Reuters】Amid protests, FCC proposes new ‘net neutrality’ rules – 2014年5月15日
2週間前にポストしたように、
AT&Tが2014年5月23日からVoLTEを開始!? – 2014年5月2日
AT&TはVoLTEサービスを地域限定、機種限定で2014年5月23日に開始することを、本日公式発表しました。
【AT&T】AT&T Introduces High-Definition Voice in Initial Markets – 2014年5月15日
AT&TのHD VoiceサービスはVoLTEを使用し、従来の音声通話サービスに比べて約2倍の音域を転送し、周囲のノイズを取り除いて、クリアな通話が出来ます。
VoLTE HD Voiceサービスを受けるには、会話している両社がVoLTE HD Voice対応端末で、LTEに接続している必要があります。
開始当初はSamsung Galaxy S4 Mini端末のみがAT&T VoLTE HD Voiceの恩恵を受けられ、かつ、イリノイ州・インディアナ州・ミネソタ州・ウィスコンシン州の地域でのみ使用が可能です。
AT&Tは徐々にこの地域と機種を増やしていきます。
また、今年秋に発売されるiPhone 6ではVoLTEが標準搭載されるとも期待されています。
【注】
アメリカでは、当時は地域サービス限定のMetroPCSがT-Mobile USAと合併する前に2012年8月7日よりLG Connect 4Gアンドロイド携帯でVoLTEを開始しており、合併後(2013年5月1日)の現在でもMetroPCSの同機種のユーザー同士はVoLTE機能が使用できます。
また、T-Mobile USは昨年(2013年)4月からのiPhone 5発売以降、HD Voice機能をiPhone 5や、他のHD Voice機能対応のスマホで提供していますが、3G W-CDMA通信上で提供しています。
Sprintも2014年2月11日より地域限定(初期はフィラデルフィア、バルチモア)でHD Voiceを開始していますが、これも、CDMA2000通信上で提供しています。
AT&TがSprintの使用していない2.3GHz周波数使用権、俗にWCSと呼ばれる周波数帯(Band 30または40)を購入した模様です。
AT&Tは既に2012年にNextwave Wireless社から同周波数の使用権を6億ドルで購入したのをはじめ、 Comcast, Horizon Wi-Com、San Diego Gas & Electric Companyなどから購入しています。
Sprintはフロリダ州、ルイジアナ州、テキサス州、アラバマ州、ジョージア州などを含む、主に南部の19の広域地域(713郡)でのWCS使用権を持っていました。今回、これをAT&Tに譲渡することに合意したものです。
【FireceWireless】AT&T looking to buy all of Sprint’s 2.3 GHz WCS spectrum licenses, possibly for in-flight Wi-Fi – 2014年5月13日
譲渡金額は発表されていません。
今後、FCCの調査を経て、約半年後に認可されます。
AT&Tは2015年後半までに機内WiFi事業に参加する計画を、既に先月発表しており、
AT&Tが2015年後半に、「機内WiFi」事業に参入予定 – 2014年4月29日
航空機と地上の基地局を繋ぐLTE通信の周波数はまだ最終決定はしていないものの、2.3GHzWCS周波数を使用したい意向は示しており、この目的のために周波数の掻き集めを行っているとも考えられます。
DroidLifeが内部ソースから入手したVerizonのマーケティング資料によると、
【DroidLife】Verizon to Launch “XLTE” Brand in AWS Markets on May 19 – 2014年5月13日
Verizonは2014年5月19日よりXLTEキャンペーンを開始します。
Verizonはアメリカ4大キャリアでは最初に2010年12月5日より700MHz Band 13で10x10MHzのLTEを開始して、「最速」のデータ通信速度を特徴としていました。しかし、「最初」のおかげでLTE加入者が激増し、昨年後半頃からはニューヨーク・マンハッタンなどの大都市では回線混雑で繋がり難くなっていました。
“VerizonがBand 4 LTEを2014年5月19日に公式キックオフ、キャリアアグリゲーションもあり?” の続きを読む
KDDI(au)が先ほどニュースリリースを発表、2014年夏モデルからアメリカAT&TのLTEにも周波数対応し、日本国内のキャリアで販売されているアンドロイド端末では初めて、2014年5月15日アメリカでLTEローミング対応になります。
早速、発表された各機種のAT&T対応周波数を調べました。
機種 |
AT&T 2G 850MHz |
AT&T 2G 1900MHz |
AT&T 3G/HSPA+ 850MHz Band 5 |
AT&T 3G/HSPA+ 1900MHz Band 2 |
AT&T LTE 700MHz Band 17 メインLTE 全米人口カバー90% |
AT&T LTE AWS (1700MHz/2100MHz) Band 4 |
AT&T LTE 1900MHz Band 2 |
AT&T LTE 850MHz Band 5 |
isai LGL24 |
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Xperia ZL2 SOL25 |
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GALAXY S5 SCL23 |
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AQUOS SERIE SHL25 |
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URBANO L03 |
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Xperia Z2 Tablet SOT21 |
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au版iPhone 5c/5s 2013年11月より提供中 |
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比較 ドコモ版アンドロイド端末 一般的 |
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比較 ドコモ版iPhone 5c/5s 2014年3月31日より提供中 |
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へ~ぇ、KDDI auにこれからのアンドロイド端末は、AT&Tの3Gも2つの周波数に対応するのね。これまではドコモのアンドロイド端末だって、3GはAT&T 850MHzにしか対応していないのが多かったのに・・・
今、KDDIアメリカはアメリカ国内では3GはCDMA2000通信方式のSprintのMVNOをやっていますが、そのうち日本で販売したKDDI端末をアメリカのAT&T回線MVNOのSIMでも使えるようにして、AT&TのMVNOに完全切り替えするかも・・・
KDDIは既に2010年にAT&TのMVNOであるH2O Wireless(Locus Telecommunications)の過半数(51%)の株を買収し、連結子会社化していますから、これらの新端末で、KDDIアメリカは完全にSprint(ソフトバンク)と縁を切れるようになるでしょう。・・・筆者の個人的憶測ですが。
それにしてもこれらのKDDI 2014年夏モデルは、SIMロック解除してくれて、現地のAT&T SIMが使えるようになってくれたら、頻繁な渡米ユーザーとしてはもっとうれしいでしょうね。
KDDIの国際ローミング料金は、
パケット通信料 |
定額上限1 |
定額上限2 |
約24.4MBまで |
約24.4MB以降 |
1.6円/キロバイト |
最大1,980円/日 (免税) |
最大2,980円/日 (免税) |
KDDI案内:
【KDDI】国内通信事業者初、Android (TM) 搭載スマートフォン、タブレットでも米国内でLTE国際ローミングが利用可能に! – 2014年5月13日
【KDDI】国内通信事業者初、Android (TM) 搭載スマートフォン、タブレットでも米国内でLTE国際ローミングが利用可能に!(別紙) – 2014年5月13日
Wall Street Journalがリリースした漏洩情報によると、
【Wall Street Journal】T-Mobile Seeks Big Fee, Management in Sprint Talks – 2014年5月9日 (有料記事)
【TMoNews】Deutsche Telekom wants $1 billion in compensation if proposed Sprint/T-Mobile merger falls through – 2014年5月9日 (Wall Street Journalの記事の2次ソース)
T-Mobile USと、その67%の株を持つ親会社のドイツ・テレコムは、SprintがT-Mobile USの買収提案を出す場合、アメリカの規制当局がその買収を認可しなかったときのために「手切れ金(Break-up Fee)」として最低10億ドル(日本円で約1000億円)を要求していると、報道しています。
T-Mobile USの前身であるT-Mobile USAは、2011年12月にAT&TによるT-Mobile USAの買収が同じ規制当局(司法省と、FCC米国連邦通信委員会)に認可されなかった際、AT&Tから現金30億ドル、さらにAWS(Band 4)電波使用権の一部、約10億ドル相当の譲渡を受けています。
“ドイツ・テレコムは、SprintによるT-Mobile US買収が失敗した場合には、10億ドル(1000億円)を要求しているらしい。” の続きを読む
SprintのWiMAX、そして、最近ではLTEと3G回線を利用して、毎月
● 200分までの通話、
● 500通までのテキスト(SMS)メッセージ、
● 500 MBまでのデータ通信、
を完全無料で提供しているFreedomPopのCEO、Stokols氏は、FierceWirelessのインタビューに答え、同様のサービスを近い将来にAT&T回線またはT-Mobile US回線を使用して提供すべく、両社と交渉していることを明らかにしました。
【FierceWireless】Sprint MVNO FreedomPop may partner with AT&T or T-Mobile – 2014年5月7日
※ FreedomPopは、超過分への課金や、留守電、未使用データバイト数の翌月への繰越サービス、など付加価値サービスに対して課金し、事業利益を得ています。
同社は最近iOS用のFreedomPop専用VoIPアプリをリリースし、
無料通話/テキスト/データのFreedomPopが、iPhone 4/4s/5対応 – 2014年4月29日
申し込むとFreedomPopから新しい電話番号を割り当ててもらい、WiFi、または、既にiPhoneで契約中の(FreedomPopではない)データ通信回線を使用して、FreedomPopの無料サービスを体験できるようにしました。
この、「無料アプリで、無料通信」を使用(試用)したユーザーが、既に持っているAT&T、T-Mobile US、またはSIMフリーVerizon iPhoneをそのまま継続して利用し、SIMを変更するだけで無料FreedomPopサービスに移行できるよう、従来からSIMを使用して契約するGSM/W-CDMA通信方式のキャリア回線を使用することは、FreedomPopとしてもメリットがある、という理由です。
FreedomPopは既に相当数の数の加入者が契約しており、ここからは2社(2回線)のキャリアと契約してMVNOサービスを続けても、事業メリットがある、と見ているようです。
Stokols氏はAT&TまたはT-Mobile USの回線を使用したサービスの開始時期について、明快な回答は避けていますが、2014年後半にはどちらかのキャリアと契約ができるかもしれない、インタビューに答えています。
これが可能になれば、新規にSprint回線対応の端末を購入しなくとも、既に持っているSIMフリー端末やiPhoneをそのまま継続して利用し、FreedomPopのSIMを購入するだけで(一定通信量まで)完全無料のサービスに加入できることになり、米国外からの旅行者にも便利になるでしょう。
また、同じインタビューでStokols氏は、FreedomPopのサービスを海外、特にヨーロッパでも開始したいと話しており、OrangeやVodafoneをパートナーに考えているようです。
T-Mobile USの67%の株を所有しているドイツ・テレコム、そのCEOが本日、ドイツ・テレコムの四半期業績発表後のコンフェレンスコールで、「SprintのT-Mobile US買収」に関する質問を受け、「アメリカ規制当局がこの買収を認めることは、疑わしい」との認識を持っていることを明らかにしました。
「したがって、この現状の中で、現株主に対して、T-Mobile USの価値を高めるために、いかに努力をしていかないといけないかを考える必要がある。」と延べ、T-Mobile USの事業を独自に強化していく計画であることを示唆しています。
さらに、T-Mobileはこれまで利益を犠牲にして売り上げ(加入者)を伸ばす努力をしてきましたが、今後は利益とのバランスを考えた成長を目指さなければならないことを指摘し、アナリスト予測では四半期成長率が第2四半期13%から、第3四半期8%に鈍化して来ると、予想されています。
T-Mobile USAはMetroPCSと2013年5月1日に合併しましたが、その際に、合併後のT-Mobile USの経営を安定化するために、ドイツ・テレコムは合併後1年半は、同社の所有するT-Mobile US株を切り売りしないことを約束しています。その期限が2014年10月末で切れますが、11月以降はドイツ・テレコムによるT-Mobile US株の部分的売却も有りうる、とも述べています。
【Bloomberg】T-Mobile Owner Voices Doubt U.S. Deal Would Be Approved – 2014年5月8日
要するに、いくらソフトバンク社長の孫社長がT-Mobile USにラブコールを送っても、T-Mobile US側でソフトバンク/Sprintの方を向いてくれる可能性が、時間と共に低くなっているということです。
“ドイツ・テレコムCEO、「SprintのT-Mobile US買収が規制当局に承認されるとは思えない。」” の続きを読む
AT&TとVerizonは2013年末にVoLTE開始を予定していましたが、技術的な問題から遅れていました。
AT&Tは「今月(2014年5月)23日、または、それから数日以内に、VoLTEの商用サービスを開始する」という内部情報を、Engadgetは報告しています。
【Engadget】AT&T set to beat Verizon by deploying high-definition calls over LTE this month – 2014年5月1日
Verizonは年内(2014年内)には開始する予定、という情報も流れています。
【FierceWirelessTech】Verizon committed to VoLTE with HD Voice in 2014 – 2014年4月30日
「だからどうだ?」って、普通のユーザーには当初は「通話の音質が良くなるだろう」くらいの話?
そのうち、VoLTEとデータ通信を組み合わせたアプリケーションや機能が追加されてくるんでしょうが・・・
Verizon、Sprint、KDDI auなどのCDMA2000通信方式を使用しているキャリアは、VoLTEの普及と浸透により、先々の技術革新の無いCDMA2000の停波を近い将来に行い、メインテナンス・コストや端末開発コストを削減することが出来ます。
Verizonは暫定的にCDMA2000の停波を2021年、との内部情報がリークされています。
VerizonのCDMA停波は、2021年(暫定) – 2012年10月12日
既存の端末は、OS/ファームウェア・アップデートでVoLTE対応になるだろう、とEngadgetサイトは予想しています。
なお、アメリカ国内では既にMetroPCSが2012年8月からVoLTEを同社のAWS Band 4 LTEで導入していましたが、2013年5月1日にT-Mobile USと合併しました。MetroPCSのVoLTEは今でも提供されていますが、旧MetroPCSのLTE対応ハンドセットを今でも持っている加入者だけが使用できます。
T-Mobile USは今朝、株式市場開場前に2014年1~3月期の決算発表をリリースしました。
この期の加入者純増は、
● ポストペイド携帯加入純増・・・120万回線
● ポストペイド・タブレット加入純増・・・10万回線
● プリペイド加入者純増・・・46万5000回線
● ホールセール & MVNO加入者純増・・・60万回線
合計、240万回線の純増。四半期で200万回線以上の純増はかなりの勢いです。
ポストペイド回線純増だけ見ても、他社3社合計の純増(AT&T 53万9000回線 + Verizon 62万5000回線 - Sprint 23万1000回線 = 93万3000回線)よりも40%(36万7000回線)増しで、ダントツです。
2014年3月31日現在の加入者総数は4910万回線で、第3位とのSprint(5488万7000回線)との差は約600万回線弱に縮まりました。
このペースだと、年内に3位と4位が逆転します。(ま、同じペースでは行かないでしょうけど・・・)
総売上げ金額は、MetroPCSの合併で前年同期比47%増し。MetroPCSの影響を除いたとしても、15.3%増し。
「他社の早期解約料を負担」するキャンペーンなどのため、期内純益/損(Net Profit/Loss)は、1億5100万ドルの損。
“【速報】T-Mobile USの2014年1~3月期決算発表” の続きを読む
T-Mobile USは、2014年1月6日にVerizonから700MHz Aブロック(Band 12)の周波数使用権利を23億6500万ドルで購入することを発表しましたが、FCC(連邦通信委員会)によるその審査が先週の4月24日に承認されました。
T-Mobile USはこれに基づき、Verizonからの周波数譲渡の取引を本日完了しました。そして、T-Mobile USのCTO、Neville Ray氏がその報告をブログに掲載しています。
【T-Mobile US】Great Network News for Our Customers – 2014年4月30日
この中では、今後のLTE拡張計画にも具体的に触れています。
● 今回Verizonから獲得した700MHz(Band 12)は、人口カバーで全米1億5800万人をカバーし、アメリカ人口トップ10都市のうち9、30都市のうち21をカバーします。
この都市の中には New York, Los Angeles, Dallas, Houston, Philadelphia, Atlanta, Miami, Washington D.C., Detroitなどが含まれます。
● 先月発表した2GエリアのLTE化は、
T-Mobile USのLTE化、フェーズ2:2G Edgeオンリーサービス地域を2015年夏までにLTEアップグレード – 2014年3月14日
700MHz Band 12、および、現在2G/GSMで使用している1900MHz Band 2の再編で、行われます。
● 既にAWS Band 4でLTE導入されている地域では、15+15 MHz、または、20+20 MHzに拡張されている地域もあり、これらの地域ではダウンロード最高速度147Mbpsが達成できます。
● さらに、先週のニュース(別ソース)によれば、T-Mobile USでは4x2MIMOを導入することで、LTE接続の安定化を計ります。
先月のT-Mobile USの「2GエリアのLTE化計画」では、このエリアでのLTEでの使用周波数が明確に発表されていませんでした(推測は出来ましたが・・・)が、これで、1900MHz Band 2がLTEに再編されえることが判明し、既存のiPhone 5(AT&T版、アメリカ正規SIMフリー版)およびiPhone 5c/5sで、そのままT-Mobile USの(今後の拡張地域を含む)LTE地域が全てカバーされることが判明し、安心しました。
なお、700MHz Band 12対応のスマートフォンは2014年後半からリリースされる予定で、次の新モデルiPhoneも対応する、と筆者は予想しています。
Bloombergオンライン誌は先ほど記事をリリースし、Sprintが4月中にアメリカの6銀行(うち、1行はミズホ)に接触し、この(2014年)6月または7月にT-Mobile USの買収提案を発表する前提で、その資金の調達可能性を打診している、と内部匿名情報として報告しています。
【Bloomberg】Sprint Said to Plan T-Mobile Bid After Pushing for Funding – 2014年4月30日
孫氏はまだ買収資金をどこから調達するかは最終判断はしていないと書かれています。
また、合併後の新会社の運営には、この1年間、アメリカ携帯業界に台風の目として活躍し、T-Mobile USの業績を伸ばしているJohn Legere T-Mobile US社長が第一候補として考えられている、とも報告しています。
アメリカFCC(連邦通信委員会)およびDoJ(司法省)の合併に反対する空気は変わっていませんが、CATV業界第一位のComcastと第二位のTime-Warnerの合併審査が行われている現在、その審査の考察と並行して、2011年にAT&TがT-Mobile USAの買収を提案した時とは携帯業界のその後も変化していることもポジティブに影響されることを期待しながら、買収提案をこの時期に提出したい考えのようです。
買収審査通過までには数多くの課題があり、政府機関の審査と手続きは長期化する可能性があるとも見られています。
もちろん、前回(2014年2月、Sprint/ソフトバンクの四半期決算発表会)も直前の状況変化で全く発表が無かったし、次回も周りの事情によりこの話は具体化しないことが有り得ますので、今のところは「噂」レベルの情報として受けとめておきましょう。
Sprintは今朝、ニューヨーク・シティーで発表会を開き、うわさには数日前に既に事前リークで漏れていた、ストリーミング音楽プロバイダーのSpotifyとの提携を正式に発表しました。
筆者はiPhoneでは音楽を聴く習慣がほとんど無いので、メリットがわからないのですが、皆さん、どうなんでしょう?
※ 筆者の全ディジタル音楽は、iPod TouchとiPadに保存しています。iPhoneには、音楽を沢山入れているとアプリが入らなかったり、アップデートのときに空き容量不足になったり、復元するときに時間が掛かるので、極力音楽は入れていません。・・・でも、逆に、「だからこそ、音楽ストリーミング・サービスに加入しなさい」と言われそうですが・・・
Spotifyサービスは、Sprintスマホで2014年5月2日から加入可能です。
SprintのFramilyプラン加入者は、6ヶ月間無料視聴期間でSpotifyに加入できます。そして、7ヶ月目からは、月$7.99。Framilyプランに6~10人が加入している場合には、一人当たりのSpotifyサービス月額が$4.99に割引になります。
Framilyプラン以外のSprint加入者も、3ヶ月間無料視聴期間。その後は標準料金(割引無し)の月$9.99。
【MobileBurn】Sprint customers get 3 to 6 months of Free Spotify Premium, discounts afterward – 2014年4月29日
10人まで加入出来て、加入者が多いほどグループ全員の毎月の料金が下がるSprintのFramilyプラン(請求書は別々)は、2014年1月7日に発表され、既に300万人が加入しており、Sprintとしては最もヒットした通信プランだそうです。
FramilyプランのSpotify割引料金は、このFramilyプランへの移行を促すプロモーションに使われるようです。
なお、AT&Tが2014年3月に買収したCricket Wireless(Leap Wireless)にはMuve Musicという音楽ダウンロードサービス(無制限ダウンロード)があったんですが、6月にAT&Tが既存のCricketプランを更新するときに、どうなるのでしょう?
今朝の発表会ではHDボイス、音楽視聴にカスタマイズされてFMラジオ機能付きのた「HTC One M8 Harman/Kardon Edition」の発表も行われましたが、HDボイスは4キャリアのうちでもSprintは開始が一番遅いし、「いまさら・・・」的ニュースです。
Sprintは先ほど(東海岸夏時間で2014年4月29日午前7時)、2014年1~3月期の四半期業績を発表しました。
【SeekingAlpha】Sprint Reports Results for the Quarter Ended March 31, 2014 – 2014年4月29日
四半期の加入者増減では、
● ポストペイド契約、純減 (23万1000回線)
● プリペイド契約、純減 (36万4000回線)
● ホールセールやアフィリエイトなどのMVNO契約、純増 21万2000回線
と、予想通り加入者減。期末の総加入者数(回線数)は、前期末より38万3000回線減少し、5488万7000回線。
AT&TとVerizonは既に先週、同期決算発表を済ませており、
2014年第1四半期の、アメリカ4大キャリア業績予測 – 2014年4月23日
T-Mobile USの決算発表は2014年5月1日ですが業績はすこぶる良好で加入者増は100万回線前後と予想されているため、Sprintの「一人負け」は確定です。
プラスサイドでは、
● 2年契約束縛をしない代わりに端末を定価で購入し、割賦支払いが出来る、Sprint Easy Payプログラムの加入者が増えたことにより、端末代金キャリア負担が減った
● カスタマーサービス人員を削減した、
● サービス(修理)センターの削減
などで事業経費が削減され、
● EBITDAが18.4億ドルで、1年前の22%増
● 営業収入(Operating Income) 4億2000万ドルは、過去7年間で最高
● 純利益(損)(Net Profit/Loss)は、1億5100万ドルの損で、1年前よりも77%改善(損額が減った)
通信サービスでは、
● SPARK 高速LTE(つまり、TD-LTE設置地域)が本日、フロリダ州オーランド、カリフォルニア州オークランドなど6地域増えて、24地域になった。
● 1900MHz LTEエリアは41都市増やして合計443都市達成、人口カバーは2億2500万人(71.7%)達成。
Sprint会長の孫氏の思惑とはかけ離れて、T-Mobile USの躍進は続いており、その影響はAT&TとVerizonにも通信料金の値下げや加入者減などという現象で現れています。
よって、一人負けのSprintは、まず、LTEサービス補強を推進して、自社の立て直しを計らない限りは、T-Mobile US買収提案も出来ないどころか、1-2年のうちに第3位から第4位へ転落することも有り得るでしょう。
さて、Sprintは昨年7月初めに2.5GHz周波数帯域の使用権を持つClearwireを完全子会社化して、この周波数の利用を自由に決められるようになりました。
Sprintは2.5GHz周波数帯域を120MHz幅で、ほぼ独占状態で所有しています。この2.5GHz帯域を含めたアメリカ携帯各社(プラス、衛星放送会社Dish)の携帯電波の、トータル周波数幅を比較したのが、次の表です。
【FireceWireless】Verizon says FCC can’t ignore Sprint’s 2.5 GHz licenses in spectrum screen – 2014年2月7日
つまり、
● Sprint 203MHz幅 (2.5GHzの120MHz幅を含む)
● AT&T 129MHz幅
● Verizon 104MHz幅
● T-Mobile US 71MHz幅
この状態で、SprintがT-Mobile USを買収すると、買収後のSprintの周波数使用幅は274MHzとなり、AT&TやVerizonの2倍~2.5倍となります。
“SprintのT-Mobile US買収計画に、更なる壁が立ちはだかる” の続きを読む
2013年5月1日にT-Mobile USAと合併して新T-Mobile USを発足した地域携帯会社、加入者数で当時アメリカ第5位のMetroPCSは、LTEはT-Mobile USAと同じ周波数Band 4を使用していたものの、3G通信は1900MHz帯域で通信方式の異なるCDMA2000通信方式を採用していました。
合併後、MetroPCSの加入者はGSM/W-CDMA通信方式の携帯機種に交換するよう薦められており、2年以内にMetroPCSの1900MHz 3G CDMA2000回線は停波されると発表されていました。
T-Mobile USは今年(2014年)2月に、「MetroPCSの旧CDMA2000対応携帯の機種変更が予定上に進んでいる」として、この1900MHz 3G CDMA2000回線の停波は2015年4月末を待たず、2014年年内に停波を地域ごとに段階的に開始する、と発表していましたが、具体的な日付は明かしていませんでした。
【Engadget】T-Mobile to start turning off older MetroPCS network this year – 2014年2月25日
その停波が、2014年7月1日にニューイングランド地域(ボストン、ハートフォード)とラスベガスで実施されます。
MetroPCSのサイトによれば、この2地域の1900MHz CDMA2000電波は2014年7月1日から使用できなくなります。
【MetroPCS】Upgrade Now
Don’t wait—customers on the legacy network in New England and Las Vegas will need to upgrade by 6/30/14. Phones operating on this legacy network will no longer work effective 7/1/14.
MetroPCSはこの地域の加入者に対し、一部の旧CDMA2000携帯を、特定の新携帯機種にに、無料でアップグレードするプロモーションを行っています。
“MetroPCSの1900MHz CDMA2000が、ボストン/ハートフォードとラスベガスで、2014年7月1日に停波” の続きを読む
Verizonは今朝、株式市場開場前に、2014年第1四半期の業績を発表しました。
【Verizonプレスリリース - SeekingAlpha転載】Verizon Reports Fifth Consecutive Quarter of Double-Digit Operating Income and Earnings Growth – 2014年4月24日
【FireceWireless】Verizon falls to AT&T in Q1 with just 539K retail postpaid net adds – 2014年4月24日
これによると、Verizonの2014年第1四半期のポストペイド加入者純増は、53万9000回線。内訳は、
● ポストペイド タブレット契約純増 63万4000回線
● ポストペイド 携帯契約純減 (9万5000回線)
また、
● プリペイド契約は1万回線の純増
です。
“Verizonが四半期業績を発表。加入者増がスローダウン。” の続きを読む
AT&Tは本日2014年4月23日、ハワイ州マウイ、アラスカ州ケチカンなど5都市で新たにLTEサービスを開始し、LTEサービス都市数を578都市、人口カバーは変わらず2億8000万人、人口カバー率89.2%としました。
【AT&T】AT&T 4G LTE Lights Up in More Markets = 2014年4月23日
AT&Tは、LTEカバー率ではVerizonに次いでアメリカ第2位です。
AT&Tの700MHz Band 17 LTE導入は2011年9月18日に開始され、3年後の今年(2014年)の夏にほぼ完了し、人口カバー3億人(人口カバー率96%)を目指します。
今後は加入者とデータトラフィックの多い大都市を中心に、自社が所有するBand 4に加えて、先月買収が完了したCricket (Leap) Wirelessの所有するBand 4でのLTE化、および、3G 1900MHz帯域の一部再編によるBand 2(1900MHz)のLTE化を進めます。AT&Tは同社が使用権を所有し、2G/3Gで使用している850MHz Band 5も、一部をLTE用に再編することを発表しています。
最新のAT&TのiPhone/iPad、スマホ、ポケットWiFi、などは、すべてこれらの4つの周波数(Band 17、4、2、5)に対応しています。
AT&Tはすでにシカゴを含めて数都市(ダラスも?)で複数周波数によるLTE CA(キャリアアグリゲーション)を試験運用中で、今後はCA導入によるLTEの高速化を行っていきます。現時点でAT&TのCA対応通信機器は、ポケットWiFiのAT&T Uniteのみです。
FirceWirelessオンラインサイトは、Credit Suisseアナリストによる2014年第1四半期のアメリカ4大キャリアの業績予測を発表しました。
【FirceWireless】Analysts: AT&T beats back competition from T-Mobile in Q1 2014年4月22日
これによると、
● T-Mobile US ポストペイド契約純増予測 ・・・ 105万件 / ポストペイド契約純増実績 ・・・ 130万件 (うち、タブレット10万件。2014年5月1日朝発表。)
● Verizon ポストペイド契約純増予測 ・・・ 52万5000件 / ポストペイド契約純増実績 ・・・ 53万9000件 (うち、タブレット63万4000件。2014年4月24日朝発表。)
● AT&T ポストペイド契約純増予測 ・・・ 20万件 / ポストペイド契約純増実績 ・・・ 62万5000件 (うち、タブレット31万3000件。)
● Sprint ポストペイド契約純減予測 ・・・ (25万件) / ポストペイド契約純減実績 ・・・ (23万1000件) (うち、タブレットは51万6000件増加。・・・てことは、携帯回線は(74万7000件)純減!?)
“2014年第1四半期の、アメリカ4大キャリア業績予測” の続きを読む
Sprintは現在、iPhone 5c/5sをアップルストアでデバイスオンリーで購入した場合、および、条件を満たしたポストペイド契約者に対して、iPhone 4s以上やGSM/CDMA2000兼用モードの「グローバル」スマホのSIMロック解除を行っていますが、SIMロック解除をしても、アメリカ国内キャリアのSIMは使用できないように対策されています。
この状況が、2015年2月11日発売開始以降の新モデルに対して変わることが、AndroidPoliceオンラインサイトで報告されました。
【AndroidPolice】PSA: Sprint Is Planning To Make All Its Devices From February 11, 2015 Onward Domestically Unlockable - 2014年4月21日
同オンライン誌への情報報告者によると、下記のSprintのSIMロック解除(Unlocking)ポリシーのFAQサイトに新しい文章が追加されており、
【Sprint】Legal / Regulatory & Consumer Resources > Unlock your Sprint Device
これを解釈すると、
● 2015年2月11日以降に新発売となるスマホやiPhoneモデルは、SIMロック解除された後に、米国外SIMのみならず、アメリカ国内のキャリアのSIMも使用できるようになる。
と言うことです。
“Sprintが2015年2月11日以降発売開始のスマホのSIMロック解除を、国内キャリアSIM対象にも行うことが判明。プリペイド子会社も、SIMロック解除へ。” の続きを読む
カナダのRogersは、本日(2014年4月17日)からVancouver、Calgary、Torontoの3都市の一部で、700MHz帯域でのLTEサービスを開始しました。
Rogersは既にAWS(Band 4)で2011年7月から、2600MHz(Band 7)で2012年11月からLTEサービスを開始していますが、700MHz低周波数でのLTEサービスを開始することにより、ビル内の電波受信や郊外での電波到達距離が改善されます。
【IT World Canada】Rogers activates 700 MHz service – 2014年4月17日
同様に、Bell Mobilityも今月(2014年4月)初めから700MHzでのLTEサービスをオンタリオ州Hamiltonで開始しています。
【MobileSyrup】Bell first in Canada to launch 700Mhz LTE service, beginning with Hamilton, Ontario – 2014年4月3日
両キャリアとも、LTE 700MHzサービスエリアは徐々にカナダ国内全土に拡大していきます。
アメリカ在住の者にとってこのニュースの意義は、AT&TのLTE 700MHz対応スマートフォンやタブレットで、隣国カナダで国際ローミングが可能になると言うことです。AT&Tの比較的新しいLTE端末は、少なくともBand 17とBand 4に対応しています。
“カナダのRogers、Bell MobilityがLTE 700MHzサービスを開始” の続きを読む
Sprint WeGoとAT&T Amber Alert GPSと同様の目的のものに、FiLIPがあります。これは、子供向けスマートウォッチで、GPS追跡機能のほか、通話は事前設定した5つの電話番号まで可能。SMSテキスト受信機能があります。
AT&Tはこの子供向けスマートウォッチを2013年10月7日に発表し、同年11月22日から販売しています。
【AT&T】AT&T and FiLIP Technologies Team Up to Keep Parents and Kids in Touch – 2013年10月7日
価格は$199.99、通信料金は月$10で、契約期間の束縛はありません。
“子供向けスマートウォッチ、FiLIPは、AT&T回線で使用可能。” の続きを読む
SprintのWeGo紹介のついでに、暫く気になっていたAT&Tの同様なデバイスも紹介します。
AT&Tは、ユタ州に本社を持つAmber Alert社のGPS/双方向通話デバイスを、昨年秋(2013年11月4日)から提供しています。
【AT&T】AT&T and Amber Alert GPS Keep Parents, Children Connected with Child Safety Device – 2013年11月4日
このデバイスは、基本的にはこのサイトで昔(?)紹介した、i-gotUのGPS Tracker GT-1800と機能がほとんど同じです。
SMSで現在地を教えてくれるi-gotU GPS Tracker GT-1800 – 2011年12月13日
i-gotU GPS Tracker GT-1800が2G GSM通信専用だったのに対し、Amber Alert GPSは3G/2Gのどちらも使用できます。
AT&Tの価格は、$129.99。通信料は月$10(契約束縛無し。いつでも解約可能。)で、アクティベーション手数料$36(プロモーションによって、免除されることもある)、
● GPSで位置確認
● 一つの電話番号とのみ、双方向通話
● 子供の周囲の音声を聞く(「盗聴」と言うと印象が悪いですが・・・)モード
● ジオフェンス
● 速度センサー
などの機能があります。
“AT&Tは子供用にAmber Alert GPSを2013年11月4日から提供しています。” の続きを読む
Sprintは、子供用携帯WeGoを本日から販売する、と発表しました。
【Sprint】Fact Sheet: Sprint WeGo – 2014年4月11日
価格は、$120。ポストペイド契約者は月$5/24ヶ月払いの分割払いが可能です。
通信料は、月$9.99。
この中に、月1000分までの(アメリカ国内)通話と、1000通までのテキスト・メッセージ(SMS)が含まれます。
WeGoで通話できる電話番号(通話とテキスト送受信相手)は、親が20個まで設定可能であることが特徴です。
“Sprintが子供(5~12歳)用携帯、WeGoを販売開始” の続きを読む