- Old Counter
Sprint(ソフトバンク)は、T-Mobile USの買収を断念。CEOも近日交代。
Wall Street Journalが約1時間前に報道したところによると、Sprint(ソフトバンク)は、アメリカ規制当局の「SprintによるT-Mobile US買収」反対意見がいまだに強いことから、同社のT-Mobile US買収計画を断念することに決めたようです。
【Wall Street Journal】Sprint Abandoning Pursuit of T-Mobile - 2014年8月5日
また、加入者純減が続いていることから、経営陣に何らかの変化が必要ということで、CEOの交代も早くて明日にでも発表されると報道しています。
Sprintのこの決断は、先週明らかにされたフランスIliad(イリアド)社によるT-Mobile US買収提案とは無関係とのことです。あくまでも米規制当局の反対意思が根強いことが、今回の決断の主原因であるとのことです。
また、T-Mobile USの親会社であるドイツテレコムは、Iliad社による買収提案は買収価格が低すぎるとして拒絶する予定ですが、この後、Iliad社がより良い条件を提示してくるか、DISH TV、China Mobile、America Movile、Comcastを含め他社がT-Mobile US買収提案を出してくるか、様子見の状態です。
少し前に実弾を使って議員に根回しするような記事もありましたが、うまくいかなかったのでしょうか?
それとも日本の政治家とは違って実弾が効きにくいのがアメリカの政治なんでしょうか?
管理人 返信:
2014年8月7日 9:01 AM
政治家や公職役人への賄賂はアメリカでは重罪で、さらにスキャンダルにもつながります。
アメリカのロビー活動は、「政治家が企業を支援する変わりに、企業が政治家の地元のプロジェクトを支援する」ことが原則です。
しかも、選挙民が納得する地元プロジェクトでなければ、次期選挙にその議員が再選される貢献になりませんから、意味がありません。
また、企業からの献金は政治家個人ではなく、政治家の選挙運動団体、政治運動団体などに寄付されます。
今回の問題は、Sprint(ソフトバンク)のT-Mobile US買収を決定をするのは、政治家(代議士)ではないことです。5人構成のFCC委員会と、DoJ(司法省)長官です。ですから、政治家にロビー活動を行っても、「世論を買収に同意させる運動」には繋がっても、直接、決裁権のある人たちへの運動にはなりません。
だから、政治家へ運動しても効果が無いと私も思っていました。
2016年11月の次期大統領選挙に共和党が勝てば、共和党新大統領は新たにFCCの任期の切れた委員を任命できます。現在はFCCの委員は民主党3名、共和党2名ですが、これが共和党3名になれば、SprintによるT-Mobile US買収への同情派が増えますので、認可の確率が高くなります。
それまでT-Mobile USがどこにも買収されていなければ、2年後に再度この買収(合併)劇が再燃されるでしょう。