カリフォルニア州PUC(Public Utilities Commission - 公益事業委員会)が2012年7月31日に発表したレポート
California Public Utilities Commission : Renewables Portfolio Standard Quarterly Report、1st and 2nd Quarter 2012
によると、カリフォルニア州内の3大民間電力発電企業、Pacific Gas & Electric(サンフランシスコ・北カリフォルニア周辺), San Diego Gas & Electric(サンディエゴ周辺)、Southern California Edison(ロスアンジェルス周辺)は、カリフォルニア州全体の電力発電量の68%の電力を発電していますが、その3社の2011年の発電量の20.6%は再生可能エネルギー(太陽光発電、地熱発電、風力発電、バイオ燃料、発電量10~30メガワット(1万~3万キロワット)以下の小規模水力発電)から生成された、と報告しています。
※ カリフォルニア州の「再生可能エネルギー」の定義には、建設時に周囲の自然環境に影響(破壊)を及ぼす大型水力発電所は、含まれて居ません。
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筆者が住んでいる市(人口約10万人)は、2009年に世界で初めて全市的にスマートグリッドを完備し、いくつかのスマートグリッド試験プロジェクトが行われています。
当市のスマートグリッド・プロジェクトに関しては技術的問題だけではなく、その後政治的問題も表面化し、今後の方向性は雲行き怪しくなってきましたが、それに関しては説明し始めると長くなるので、やめます。
ともかく、2009年から始まった当市内でのスマートグリッド・プロジェクトの中で、トヨタが当時試験車として製作していた、家庭用電源で充電できるプラグイン・ハイブリッド仕様のプリウスをこのスマートグリッド・プロジェクトのために2010年3月に10台貸与し、住民に一定期間試乗してもらい、その間の家庭電源への負荷インパクトや車の利用パターンを調査しよう、というサブプロジェクトがあります。
2011年11月初めに筆者の家にも手紙と電話があり、筆者もそのモニター候補として選ばれている、ということだったので、喜んでこのプロジェクトに参加することにしました。参考までに、モニター総人数は約140人で、それぞれの人が9週間ずつプラグイン・プリウスを使用します。我が家はモニター108番目だそうです。
試験車は、基本的には2010年モデルのハイブリッド車プリウスを、家庭用電源に接続できるように車体前方にコンセントを付けたものになっています。
ちなみに、このプラグイン・ハイブリッド車(Plug-in Hybrid=PHV)のプリウスの商用リリース版は、2012年モデルが2012年3月に出荷開始されることになっており、アメリカではすでに11-12月ころから予約受付が始まっているようです。
プラグイン・ハイブリッド車プリウスの試用期間は9週間。その間、我が家のガレージ内のコンセントには写真のような「携帯電話の電波で電源使用状況を5分毎にサーバーに送信する通信装置と、その通信装置に制御されたLAN(ネットワーク)接続の電源装置が装備されます。
通信装置はSierra Wireless社製AirLink Raven XEという、イーサネットから2G(GSM)および3G(W-CDMA HSUPA/CDMA2000 EVDO Rev. A)に変換するゲートウェイ(LAN⇔3G モデム)を使用しています。インストールしていったエンジニアの説明だと、遠隔地の油田のポンプの制御なんかにも使われている通信装置だそうです。
1台$474くらいで販売されている装置のようですね。
AirLink Raven XE by Sierra Wireless
電源装置の方は「watts up?」社のIP電源コンセントで、市販$235.95で、電源のオン・オフをネットワーク上の他の装置から制御できるだけでなく、その装置のコンセントに繋がれた機器の消費電力・電流・電圧などを定期的に測定し、それを送信できる装置です。データセンターやビル内の電源使用状況のモニター、フィールド(外)の電源使用モニターに使えますね。
Watts up? .Net
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