ドイツテレコム、T-Mobile USの売却を一株当り$35以上で考慮
Bloomberg誌が内部の事情に詳しいドイツテレコムの上層マネージャーからの情報として昨日報告したところによると、T-Mobile USの66%の株を所有するドイツテレコムは「一株$35以上でT-Mobile US買収の提案があれば、話に応じる」と考えているようです。
【Bloomberg】Deutsche Telekom Said Open to T-Mobile Talks at $35/Share – 2014年8月29日
ソフトバンク/Sprintが「アメリカ規制当局の承認を得られる見込みが無い」として断念したT-Mobile USですが、ドイツテレコムはT-Mobile USの評価額を「一株$35~$40を妥当」と考えている様子で、この金額での買収提案があればいつでも交渉をオープンする用意があるようです。公表されていないソフトバンク/SprintのT-Mobile US買収提案は、一株当り約$40だったと推測されています。
T-Mobile USに対しては先月後半、フランスの第4位の通信会社Iliad(イリアド)社が、T-Mobile USの全株のうちの57%を一株$33(合計150億ドル)で購入する提案を提示しましたが、ドイツテレコム/T-Mobile USは買収価格が低いとして拒絶しています。
このドイツテレコムの情報がリークされたことにより、Iliad社は前よりも高い買収提案を準備したり、または、DISH Network(アメリカ第2位の衛星TV会社)など他社が対抗する買収提案を準備してくる可能性も出てきます。
T-Mobile USの昨日(2014年8月29日)の株価は終値$30.08で取引されており、株価総額は240億ドルとなります。
ドイツテレコムはT-Mobile USとMetroPCSが合併した2013年5月1日に「合併後のT-Mobile USの株を、1年6ヶ月は部分売りしない(一括売りの可能性は否定していない)」とMetroPCSの株主に自主的に約束していましたが、その自主規制が2014年11月1日から解禁となり、ドイツテレコムが必要と思えばいつでも市場でT-Mobile USの株を売却することが出来るようになります。
また、同社を満足させるような買収提案が無い今は、T-Mobile USの所有周波数の獲得のために資金を準備し、2014年11月13日から開始される予定のAWS-3周波数帯の入札に参加し、来年の低周波数(600MHz)の入札にも独自参加する予定で、T-Mobile USのLTE周波数充実を計って行きます。