PC Magazine毎年恒例の全米スピードテストの結果が発表。Verizonが1位奪還、2位はT-Mobile US。ビリは勿論、Sprint。
PC Magazineが毎年恒例で何台かの車を4-6月ころに各地に走らせて、測定している全米30都市の携帯電話4社のスピードテストの結果が、本日、オンライン記事として発表されました。
【PC Magazine】Fastest Mobile Networks 2014 – 2014年6月11日
結果は各都市ごとに、また、全米を6地域に分けて地域ごとに報告されていますが、ここでは全米平均のみを取り上げます。
■ 全米平均のLTEではVerizonが1位。カバレッジの広さと、20MHz+20MHz帯域のXLTE(AWS Band 4)の導入で、首位を奪還しています。
Verizonは昨年は10MHz+10MHzのBand 13しかLTEは導入されておらず、また、アメリカ4大キャリアで一番最初にLTEを導入したことでLTE加入者は最も多く、LTEデータ回線の混雑している大都市が目立っていました。結果的に、昨年は1位をAT&Tに奪われています。
昨年秋以降のXLTE(Band 4)という2つ目のLTE周波数の導入で、今年は首位を奪還できました。
第2位は、T-Mobile USです。
昨年(2013年)3月からLTEサービスを開始したT-Mobile USは、昨年同時期では調査30都市のうちLTEがサービス開始されていた地域は少なかったのですが、1年後の今年はほぼ全都市でカバーされています。技術的にも10MHz+10MHzを4x4MiMoで提供したり、15MHz+15MHzや20MHz+20MHzの帯域でLTEサービスを提供している地域もあり、AT&TのLTEをしのぐ速度が出ています。
特に、30都市のうち、サンフランシスコ、ラスベガス、ポートランド、ロサンゼルス、ソルトレイクシティなど15の都市ではパーフォーマンス1位にランクされました。
ただし、T-Mobile USの弱点は郊外や都市間のLTEサースの欠如で、今年春に発表されているように、今後、これら2G地域のLTEアップグレードが期待されます。
AT&Tは昨年はVerizonより速くて、この調査が発表された後に「全米一、速い」を宣伝に使っていましたが、現在は加入者増のために回線混雑に悩まされているようです。AT&Tは現在、Band 2、5、4の周波数でのLTE回線増加を全米で工事中です。
Sprintは昨年は調査30都市のうち24都市でLTEサービスが開始されていましたが、今年は29都市。SprintのメインLTEである1900MHz Band 25は5MHz+5MHz帯域のため、あまり速度は期待できません。同社が力を入れてマーケティングしているSPARK技術(周波数帯域の広いTD-LTE Band 41を自動選択する方式)も、調査都市のうち6都市(Miami, Philadelphia, Houston、Baltimore, Chicago, New York)で開始されているはずですが、うち3都市(Baltimore, Chicago, New York)ではそれほどのスピードが見られなかったようです。「SPARKで50-60Mbpsの速度」と宣伝している割には、それほどの速度は出ていないそうです。
■ 全米平均の3G速度では、3GにHSPA+(理論ダウンロード速度21Mbps)技術を導入しているAT&Tや、HSPA+とDC-HSDPA(理論ダウンロード速度42Mbps)技術を導入しているとT-Mobile USが、大きくVerizonとSprintを引き離しています。VerizonとSprintの3G通信技術はCDMA2000技術で、ダウンロードは実測1.5Mbps程度の速度しか出ません。
ただし、Verizonは3Gサービスエリアの約97%ではLTEエリアがオーバーラップしているので、3G速度だけで接続する必要を迫られるのは、都市間移動の場合の僻地が多いです。
以下の各都市ごとのスピードテストの報告見たい方は、PC Magazineの記事リンクをアクセスし、地図上で都市をクリックして下さい。