8月の重大?ニュース、まとめ。


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長男の結婚式の準備のため、1ヶ月ほど更新をお休みさせていただきました。

結婚式と言っても、アメリカの場合は新婦側が結婚式費用を全て出し、結婚式も新婦の希望次第のプランになります。したがって、式そのものは、新郎側家族が準備することはほとんど無いのですが・・・

その代わり、結婚式前夜に双方の親族や親しい友達を招待して「リハーサル・ディナー」という夕食会を主催するのは、新郎側の両親。このリハーサルディナーはレストランの部屋を借り切ったり、公園や大学・公共の建物のパーティー可能な場所を借り切って行う人も居ます。

我が家は予算の関係で自宅の中庭・前庭で行うことにしました。
パーティー運営そのものは、結婚式を行うホテルから40人分のテーブルと椅子、万が一のために小型テントを2個借りて設置してもらい、地元の日本食レストランに祭事用弁当とバイキングを作って運んでもらうので、天候さえ悪くなければ自分たちがすることは飲み物・氷・皿やコップの用意だけで、手間はそんなに掛からないはずでした。

しかし、これだけの数の客を一度に迎えるには、家の中の整理や掃除、中途になっている日曜大工プロジェクト、などを行うため、約1ヶ月は時間を取られました!

本題ですが、私がブログを休んでいる間にアメリカの携帯業界でいくつかの注目すべき話題が起こっています。

1.2011年8月19日、「アメリカ唯一のWiMax通信提供会社Clear(Clearwire)の経営が思わしくなく、Sprintが完全買収を模索して他の主要株保有会社と交渉を開始した」というニュースがリリースされる

WiMaxサービス提供のために独自に基地局とインフラを構築しているアメリカ唯一のWiMax通信会社、Clearwireは、独自にWiMaxを直接消費者に契約提供するだけでなく、54%株主であるSprint社にも卸(おろし)で回線を提供している。(SprintのWiMaxサービスは、ClearwireのインフラをMVNOとして提供しているだけ。)

WiMaxはLTEに比べて最大理論通信速度が遅いため、VerizonとAT&TはLTEの採用を決めており、Sprintも2011年6月下旬に、今後はLTEサービス開始に向けて投資していくことを発表していた。

1年後とも2年後とも言われるが、Sprintが実際にLTEサービスを開始すると、収入の大半をSprintに頼っているClearwireはさらに経営悪化する。

そこで、Clearwireは、希望する携帯通信会社があれば、Clearwire所有の基地局にLTEの通信機器も搭載し、LTEパケットを卸販売することを2011年7月中旬に発表していたが、そのためには数億ドルの資金を必要とすると見積もられている。
今でも経営が悪化しているClearwireにそれだけの資金を集める能力があるとは思えず、一部の証券会社のアナリストは「Clearwireは事業の継続が難しいと予想される」と経営予想を発表していた。

そこで、Clearwireの過半数の株を所有するSprintが、SprintがClearwireを100%買い取ることを前提に、水面下で、他の大口株主である複数のCATV会社(一部のCATV会社も、Clearwireのモバイル通信を再販している)などと事前協議を始めたらしい・・・というニュースが2011年8月19日に流れたもの。

Sprintとしては、買収後はClearwireの基地局にLTE通信機器を設置し、自力でLTEサービスを提供したいであろう。そして、WiMaxは数年間は継続して提供されるであろうが、その後はわからない。

Sprintにとって最大の問題点は、Clearwireの負債金額が大きいこと。
よって、すぐにSprintのClearwire買収が決まることは、なさそう。

2.連邦政府が、AT&TによるT-Mobile買収を阻止する訴えを、連邦裁判所に提出。

2011年3月、加入者数でアメリカ第2のAT&Tは、第4のT-Mobile USAを買収すると発表。独占禁止法に基ずく政府の調査が続いていた。

しかし2011年8月31日、アメリカ連邦政府は「この買収によって、独創的画期的な通信サービスが市場から減り、通信料金が値上がりする恐れがあるため、買収に反対する」として、連邦裁判所に買収阻止の訴えを提出した。

この連邦政府の訴訟により、AT&TのT-Mobile USA買収が完全に可能性が無くなるのではなく、今後は連邦裁判所にて双方の主張と反論が継続議論される。

個人的には、最終的にはT-Mobile USAの資産(基地局、加入者、サービス)の一部はAT&T以外に売却され、残りをAT&Tが買収することで、政府とAT&Tは妥協することになると思う。

なぜなら、真の4G計画と電波使用許可(ライセンス)の無いT-Mobile USAは、数年後には他社との4G LTE競争に負け、単体での存続は不可能だろうから。

3.AT&TがシカゴでLTEサービスをまもなく開始?

2011年8月末(29日ころ)、シカゴのAT&TのLTEモデム所有者が、LTE電波が発信されていることを探知。
AT&TはまだLTEサービス開始を公式に一般告知していないが、どうやら内部テストなどのためにLTE電波の発信を開始したらしい。

まもなく同社から公式案内があるであろう。

なお、AT&Tは2011年末までに15都市でのLTEサービス開始を目標としている。

競争相手のVerizonは2010年12月からLTEサービスを開始し、現在、100都市以上で提供している。2011年末までには175都市まで拡張し、2013年内に全米全てのVerizon 3G通信地域でLTEサービスを行う予定。

4.GoogleがMotorola Mobility(モトローラの携帯・モバイル端末部門)を買収すると発表

2011年8月15日、GoogleがMotorola Mobilityを買収すると発表。
Googleとしては、スマートフォン市場で今後もアップルと対抗するための策。特に、携帯・通信分野の特許でアップルに排他されることにより、アンドロイドOSの機能進展を制限されることを恐れ、モトローラ社の持つ特許へのアクセス権が、今回の買収の主目的だという。

5.HP(ヒューレットパッカード社)が、携帯・タブレット事業から撤退すると発表

2010年4月28日に経営悪化したPalm社を買収して、2011年初春にPalm OSの拡張新OS、WebOS、の携帯新モデル、および、タブレットを発表し、発売したばかりのヒューレットパッカード社は、2011年8月18日に携帯・タブレット事業から撤退することを発表。

これでPalm OSの歴史は閉じるのか。
それとも、中国か台湾の携帯メーカーがPalm部門をヒューレットパッカード社から買い取る可能性も、まだ残っている。

【過去記事の更新】iPhone/iPad/アンドロイド携帯でクレジット決済の出来るSquareが、米国外発行のクレジットカードも、米国内で決済可能になった!?

いつからかはっきり解りませんが、2011年9月初め現在、米国外発行のクレジットカード(例:日本発行のクレジットカード)でも、海外対応クレジットカードであれば、米国内でSquareで決済できるようです。

もうすぐ自分にもその機会が訪れる予定なので、その際にこの部分を更新します。

参考:
iPhoneでクレジットカード決済-Square - 2011年2月1日



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