唯一のアメリカWiMaxプロバイダーのClearWireは2013年7月8日に臨時株主総会で、「CleaWirerの50.2%株を所有するSprintによる、ClearWireの残りの株式の買収」を、多数決で正式に承認しました。
これを受けて、Sprintは本日2013年7月9日、SprintがClearWireの残り株式の買収を完了したことを発表しました。ClearWireの株式は、本日2013年7月9日の株取引時間終了後、非上場になります。
Sprint News Release : Sprint Completes Acquisition of Clearwire – 2013年7月9日
同時に、Sprintは明日2013年7月10日より正式にソフトバンクの子会社となります。
ClearWireは2.5GHz電波使用権を全米に広く持っており、ソフトバンクのSprint買収は、このClearWire社の2.5GHZを使用したTD-LTEのサービス(ソフトバンクのAXGPと、通信方式と周波数で互換)の開始・設備充実が前提条件となっていました。
SprintはNextel社買収後の債務返済、ClearWireも大きな債務を抱えており、それらがFD-LTEおよびTD-LTE拡大の障害となっており、VerizonとAT&Tに大きく差をつけられていましたが、救世主ソフトバンクの資金援助で今後これらのサービス整備が加速されえる予定です。
また、ClearWireのWiMaxサービスはTD-LTEに変更され、2015年にはアメリカ国内におけるWiMaxサービスの停止が予想されています。
あとは、実際にLTEサービス拡充が約束されたとおりに進んでいくか、見守って行きたいと思います。
なお、明日はT-Mobileの記者会見があり、内容の一部として、LTEサービス拡大地域の正式な発表が期待されます。
Sprintは本日2013年6月25日、株主総会を開き、ソフトバンクによるSprintの買収を、投票数の98%承認で、可決しました。
これにより、来月(7月)中ごろにはSprintは公式にソフトバンクグループ傘下となります。
ソフトバンクのSprint買収目的は、Sprintが現在50.8%の株を所有しているClearWire社の2.5GHz電波使用権にあり、Clearの買収もニ転三転したあと、Sprintが残りのClearwire社の株買い取り価格を引き上げたため、SprintのClearWire買収もほぼ確実となりました。ClearWireの株主総会も2013年7月8日に行われる予定ですが、買収後、Sprintは(ソフトバンクからの投資金で)ClearWireの残り49.2%の株を買取り、100%子会社にする予定です。
ClearWire社の2.5GHzはSprintのTD-LTEに使用され、これにより近い将来、ソフトバンクのスマホ(AXGP/TD-LTE対応)が、アメリカでTD-LTEでローミングできたり、基地局などのTD-LTE通信装置のコストが安くなることが、目的です。
筆者もSprintのポストペイドアカウント(とAT&TとVerizonと・・・)に加入していますが、ソフトバンク買収によってSprint社と子会社のVirgin Mobile USAやBoostMobile社の通信プランが極端に変わることはないはずですが、日本的なプランに変わったら、Sprintの加入者は大量に他社に逃げるでしょう。
ソフトバンクは過去(1990年代後半)に複数のアメリカ企業への大量投資を行い、その多くが失敗しているので、今回は、ソフトバンクが金だけ出して、口は出さないようにして欲しいと思います。
このサイトには検索エンジンで「WiMax」をキーワードに到達する人が毎日何人か居ます。
ここで、アメリカのWiMaxの今後について、今現在発表されていることを、書きます。
その前に、アメリカのWiMaxは、Sprint社が54%株主であるClear(Clearwire)社が基地局などのインフラを設営し、そのインフラをSprintが販売(MVNO)しています。
Clearは自社でも直接エンドユーザーへWiMaxモバイルルーター接続サービスを行っていますが、Clearの収入の90%以上はSprintからの回線使用料です。
したがって、SprintがWiMaxサービスの販売を中止すると、Clearの経営は維持できなくなります。
さて、WiMaxに付いて現在発表されていることは、
“アメリカのWiMaxについて、現在判っていること。” の続きを読む