Sprint、年末までに2年契約を廃止し、リース契約(と定価販売)に集中。




SprintのMarcelo Claure CEOは本日発表されたWall Street Journalとのインタビューで、Sprintは(2015年)年末までに端末割引/2年契約を完全廃止し、リース契約(と定価販売)に集中することを明かしました。
【Wall Street Hournal】Sprint to Abandon Two-Year Contracts – 2015年8月17日
【Fierce Wireless】Sprint to abandon 2-year contracts by year-end, embrace leasing exclusively – 2015年8月17日

アメリカではT-Mobile USが2013年3月下旬より2年契約(端末割引)を完全廃止し、Verizonも2015年8月13日より新規契約者に対する2年契約/端末割引を廃止しています。

アメリカのキャリア各社は2年契約時の端末割引(iPhoneで1台当り$450)が各社の収支に大きく影響すると主張し、2年契約を廃止し、端末は定価で販売、必要な加入者は分割払い(無利子24ヶ月、または12ヶ月払い)で購入してもらう方法に移行しています。

残りのAT&Tも、直営店でのみ2年契約を(しばらく)継続することを発表しています。また、Verizonは既存2年契約者への次回買い替え時の2年契約(端末割引)は提供する予定であることは示唆していますが、いつまで続くかはわかりません。

Sprintは分割払い以外に端末リース(レンタル)プログラムも提供しているところが、他社とは違います。Sprintのリースプログラムでは、機種交換時には端末の返却が必要です。解約時には端末の返却か、キープする場合はその時の「買い取り価格」で購入して手元に残しておくことが出来ます。

本日、Sprintは「iPhone Forever」と名付けた、既存の通信プランの顧客・新規に限らずiPhone 6 16GBを月$22でリースできるプランを新たに発表しました。このプランに加入すると、いつでも新しいiPhoneに「取替え」る事が可能です。つまり、今、iPhone 6をこのプログラムでリースし、来月新しいiPhoneが発売されたら、すぐに新しいiPhoneへ取り替えることが出来ます。もちろん、リースプログラムですから、交換時は古い端末を拠出します。

さらにSprintは特別プロモーションとして、2015年12月31日までにこのプランでiPhone 6に換え(または加入し)、「動く」スマートフォンやiPhoneなら機種やキャリア版を問わず下取りに拠出すれば、月$22を期間限定で月$15に割引くキャンペーンを実施します。
【Sprint】Sprint Customers Can Upgrade Their iPhone Anytime, Included in Their Monthly Rate – 2015年8月17日
【Sprint】Join the iPhone Forever Revolution. Upgrade your iPhone ANYTIME, it’s included in your monthly rate.

Sprintが分割払いではなくリース(レンタル)プログラムに拘るのは、加入者から中古のスマホやiPhoneを無料で下取りで受け取り、それをソフトバンク傘下のBrightStarなどの中古携帯売買会社で時価で流通することによって、中古端末を加入者の自宅の引き出しに眠らせておかないで、その潜入価値を現金化できるからです。さすがに現CEO、Marcelo Claure氏は中古携帯売買のBrightStarを設立して一財産を築いただけのことはあります。

また、今回の「iPhone Forever」リースプログラムは、これまでの通信料金とバンドルになっていた「iPhone for Life」リースプログラムとは違って、通信プランとは独立に提供されているため、既存契約(特にデータ通信無制限契約)者が通信プランを変えることなく本体だけ「いつでも新しいiPhoneに交換できる」「iPhone Forever」リースプログラムに加入できるため、既存顧客の端末リースへの移行を促進することが狙いと思われます。



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