コロラド州の有料高速道路と、レンタカーの場合の料金支払いのシステムを書きます。
コロラド州には以下の有料道路があります。
1.Northwest Parkway:US36のFlatiron Crossingショッピングセンター出口付近と、I-25の間。(地図中、赤色)
2.E470:I-25のThornton付近と、デンバーメトロを大きく東半周して、I-25のLoneTree付近の間。(地図中、えんじ色)
さらに、ラッシュ時の混雑を緩和するために、以下の区間にカープールレーン(HOVレーン)および有料レーンが設けられています。
3.I-70の山間部、アイダホスプリングス(Idaho Springs)とEmpireの間(スキーシーズン、キャンプシーズンの週末などの混雑回避用)(地図には示していません。)
4.US 36 BoulderとI-25の間(BoulderとLoiusvilleの間は現在工事中) (地図中、水色)
5.I-25/US-36の交差する地点と、デンバーダウンタウン20th Street出口の間。(ただし、午前中は南行きのみ許可、午後は北行きのみ許可です。)(地図中、水色)
なお、I-25のカープールレーン(HOVレーン)/有料優先レーンは、US36から北へ、E470との連結点まで延長される予定です。(地図中、水色点線)
* 地図中の矢印と金額は、有料道路(Northwest Parkway/E470)の料金チェックポイント(無人)の大体の位置と、そこを通過する際のLicense Plate Toll(非割引)料金。(2015年8月現在)
コロラドの有料高速道路は2009年以降、全て「無人」料金所と成っています。「車を止めて支払うような料金所」は一ヵ所もありません。全て、速度を落とさず、素通りすると、自動的に料金が課金されます。(開通当時は料金所はありましたが、その後、合理化・コスト削減のために現在の無人・無停止課金システムに変更されました。)
料金の支払い方は、
A.利用する車一台ごとにETC装置(ExpressToll、ExpressToll+)を登録し、アカウントにプリペイド(最低トップアップ$35)し、有料道路を利用するたびに、その残高から自動的に引かれていきます。地元に住んでいる人で、有料道路を頻繁に利用する人は、この方法を使います。残高は複数のETC(車)で共有でき、残高が$10を切ると自動的に連結されたクレジットカードから$35トップアップされます。ETCを使った場合は、License Place Toll(下記2.)に比べて料金は割引になります。
新ETC装置(ExpressToll+)
古いETC装置(ExpressToll)
B.上記のExpressToll、ExpressToll+の登録をしていない車は、有料道路上のチェックポイントまたは有料出口を通過すると、自動的にナンバープレートの写真(ビデオ)が撮影されます。そして、数日後、そのナンバープレートの登記上の持ち主に自動的に請求書が送られます。これを「License Plate Toll」と呼びます。持ち主は、その有料道路使用料金をウェブサイトから、または、電話で、または、郵送でクレジットカードなどで支払う事が出来ます。年に1-2度しか有料道路を使用しない人は、これで十分です。ただし、有料道路を利用してから請求書が来るまで、日数が掛かります。
地元の人以外が良く利用する有料高速道路は、1.のNorthwest Parkwayか2.のE470だと思います。特に、空港から北西へボルダー(Boulder)/フォートコリンズ(Fort Collins)/ロッキー山脈国立公園(Rocky Mountain National Park)方面へ行く場合、または、南のコロラドスプリングス(Colorado Springs)方面へ行く場合、有料道路を使うメリットはあります。
料金は2015年8月現在、1料金チェックポイント(上記地図の矢印の部分)を通過するごとに$3.15~$3.60(車軸が2本の車の場合)です。それ以外に、有料の出口では$1.45課金される出口があります。有料の出口は、通常、チェックポイントとチェックポイントの中間にあります。
US-36およびI-25のカープールレーン(HOVレーン)/有料優先レーン(Express Lane)はルールを良く知らないと、間違います。
たとえば、
■ US-36のカープールレーン/有料優先レーンは、片側一斜線ずつ中央分離帯側にあり、区間によっては運転手も含めて1台に3人以上乗車している場合のみ、無料。それ以外は有料。(バイクは無料。)
■ I-25のカープールレーン/有料優先レーンは、午前中は南行き(デンバーダウンタウン方向へ)のみオープン、午後は北行き(デンバーダウンタウンから北方向へ)のみオープンで、現在は運転手も含めて1台に2人以上乗車している場合のみ、無料。それ以外は有料。(2017年以降は、コロラド州内の全てのカープールレーンは、無料対象は「運転手を含めて3人以上乗車」が条件となります。)
■ これらのレーンを「有料優先レーン」として使用する場合、料金は時間帯と道路の混雑によって変ってきます。たとえば、I-25有料優先レーンは、朝の一番高い時間帯で約$4.50です。
それでは、レンタカーを借りて、コロラドの有料高速道路または有料優先レーンを走ったら、どうやって課金されるのでしょう?
レンタカーを借りてコロラド州内の高速道路を走った場合、基本的にはナンバープレート撮影の方法で、レンタカー会社に「後日」料金が請求されます。
各レンタカー会社はそれぞれの規則に基づき、車を借りたときに登録したクレジットカードに後追い請求します。
たとえば、Hertzの規約を読むと、
【Hertz】Hertz Plate Pass
- 有料道路を利用する場合は、1日$4.95の手数料(有料道路を利用する・しないに限らず)が、一回のレンタルで最大$24.75まで課金されます。)、プラス、実際の高速道路料金
が
- レンタカー返却後、約10日後にクレジットカードに課金されます。
その他のレンタカー会社の料金ルール一覧は、
【ExpressToll】How Does it work > Rental Cars
にあります。
手数料が一日一定で、何度有料道路を走っても構わないレンタカー会社もありますね。最初から「有料道路オプション」に加入すると、有料道路を使わない日でも課金されるようです。この場合は、返却時にレンタル日数に応じて徴収(課金)されるんでしょう。もちろん、「有料道路オプション」に加入しない選択肢もあります。
ETC装置が車のフロントガラスに貼り付けられているものの、普通はETC装置にカバーがつけられていて、有料道路の使用を希望する人にのみそのカバーを外し、一日いくらのオプション課金をするシステムのところもあるようです。
そんなに高い有料道路利用料金ではないので、他の(無料)道路が混雑している場合には早く空港や目的地に着くメリットはあると思います。が、混雑時以外は無料の高速道路ルートを通っても数分早くなるだけですから、明らかに「この時間は、大丈夫。」という場合は、使う必要はないです。
たとえば、ボルダーからデンバー国際空港に向かう場合(または、その逆)、筆者の経験では
- US-36 ⇒ I-270 ⇒ I-70 ⇒ Pena Blvd ⇒ デンバー国際空港
と
- US-36 ⇒ NorthWest Parkway(有料)⇒ E470(有料)⇒ Pena Blvd ⇒ デンバー国際空港
の所要時間の差は、I-270 が混雑していなければ3分位しかありません。しかし、Weekdayの朝夕はI-270は混雑していますので、そういう時は混んでいない有料高速道路を使うメリットはあります。
州外からの旅行者が有料道路を利用したいと思うのは、デンバー空港到着時に空港から北または南へ向かう場合、または、旅行の最終日に北/南側からデンバー空港に向かう場合の、たぶん、2回ぐらいしかないと思います。なので、有料道路を使う・使わないに関係無く毎日高い料金をレンタカー会社に徴収されるのなら、そのオプションには加入しないほうが良いと思います。メリットは無いですよ。
1日「$3-4の基本料金、プラス、実際の有料道路利用料金」ならば、デンバー空港出発時の曜日や時間帯によって途中までの交通が混雑していることが予想されるのならば、保険のために加入しても良いでしょう。