Sprintが2年契約を復活。でも、全く魅力無し。




今月初めてのブログ記事ですね。年初は暫くは順調に1日1記事を維持してきたんですがね。。。
最近、ツイッターでは頻繁にアメリカの携帯(その他、面白い)ニュースを拾っては紹介していますので、ツイッター(@BlogFromAmerica)のフォローのほうをお願いしますね。


SprintはT-Mobile、Verizonに次いで、AT&Tと同じ日(2016年1月8日)に新規2年契約を廃止しました。
2016年1月8日はアメリカの4大キャリアが新規携帯契約者に「2年契約、端末代割引」を廃止した日。 – 2016年1月8日

しかし、その約1ヵ月半の2016年2月26日、新規2年契約(端末割引)を復活しました。
Sprint resurrects two-year wireless service contracts to give customers more choices – 2016年2月26日

それとは別に、Sprintは2016年2月18日に新しいポストペイド料金(共有データ料金)を発表しました。これは、Verizonが2015年9月9日に発表したS/M/L/XL/XXL共有データコンセプトを真似たプラン(はい、他社の真似の好きなSprint)
Simplified Data Choices Match Customer Lifestyles – 2015年9月9日
で、Sprintも共有データのサイズによって「XS/S/M/L/XL/XXL/Unlimited」の共有データ量(1/3/6/12/24/40GB/Unlimited)に分かれています。Verizonと違うのは、Sprintのセールスポイントの「Unlimited(使い放題)」が含まれていることですね。
あと、Sprintの場合はこれらの共有データのリミットは、3G/4G(LTE)高速データの月使用量リミットで、T-Mobile USと同様、これを越えた後は2G速度で使い放題になります。(これも、T-Mobile USの真似。)

この2016年2月18日からのSprint共有データプランでは、共有データ料金の他に「持ち込み、一括払い、分割払い、リース」端末1台あたり「月$20」のアクセス料金(これが、「アメリカ国内通話使い放題、テキスト使い放題」部分の料金となる)で加入可能ですが、既存2年契約の端末も「月$45」払えば、この共有プランに加入できるようになりました。2年契約の期間が過ぎた端末は、「月$20」で加入できます。

つまり、Sprintのひとつの新共有データプラン(Family Plan)には、2年契約の端末も、そうでない(分割やリースや一括購入の)端末も、混ぜて加入できるので、まだ旧2年契約が終わっていない端末が残っている家族(Family Plan)も簡単にこのプランに移行できる点では、移行手続きが簡単になり(オンラインのアカウント管理画面で移行できます)、便利にはなりました。

さて、新規2年契約が2016年2月26日付けで復帰しましたが、本当にこれって安いんでしょうか?

まず、2年契約をコミットすると、iPhoneでは端末代が$450安く割引になります。つまり、定価$649の最新iPhoneが、$199で買えるということです。
従来、AT&TやVerizonの2年契約では、毎月の端末アクセス料(アメリカ国内通話使い放題・テキスト使い放題)は、端末代一括払いまたは分割払いでは月に$15安くなっていました。つまり、2年契約の場合と、端末代一括払いまたは分割払いとの差は、
 - 2年契約: 端末割引=$450
 - 端末持込、端末代一括払いまたは分割払い: 2年間の総料金割引=$15x24ヶ月=$360
で、結果的に2年契約は2年間で$90安くなりました。(過去形であることに注意してください。AT&TもVerizonも、今は新規2年契約は出来なくなっています。)

しかし、今回のSprintの2年契約の毎月の端末アクセス料は、2年契約束縛の無い端末の端末アクセス料に比べて$25($45-$20)高くなっています。つまり、
 - 2年契約: 端末割引=$450
 - 端末持込、端末代一括払い、分割払い、またはリース: 2年間の総料金割引=$25x24ヶ月=$600
よって、Sprintの新ポストペイドデータ共有プランに加入する際に、2年契約で端末料金を$450安くしても、通話料金で2年間合計$600高く払うことになり、差し引き$150の損です。よって、Sprintで新規に2年契約するのはメリットがありませんよ。2年契約のほうが、損です!

なんだかな・・・「コンシューマーの希望が多いので、2年契約を復帰した」と言いながら、2年契約すると損するように設定しているということは、「バカな消費者」以外は2年契約をさせないように設定している。「言葉のマジック」のマーケティングですな。ちょっと考えたら、こんな2年契約選択肢は、無いに等しい! Sprintに加入しようとしている人、既に加入している人、騙されないようにしてください。

とは言いながら、既存のSprint Family Planに加入している人は、その中で既に2年契約が切れている端末があって、しかも、共有データのバイト数を「Unlimited(使い放題)」から下げられれば、毎月の請求額が下げられる場合がありますので、新プランは考慮に値しますよ。我が家も旧Unlimitedの3台のFamily Planから、共有6GBに下げて、月$30安くなりました。(1台は昨秋にiPhone 6sに2年契約で割引アップグレードしたばかり。)



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