さて、ここ1年でアメリカの事情も、日本の事情も、変わってきたように思います。
それに応じて、去年までのアメリカ旅行や出張時のスマホ・タブレット・ポケットWiFiの使用可能状況が、大きく変わっています。
■ まず、アメリカですが、
● AT&T GoPhoneおよびT-Mobile USが、プリペイド契約でLTEまで接続可能になっています。
- 公平のために書くと、Net10、StraightTalk、Virgin Mobile USA、FreedomPopなども、LTEは接続できます。
● MVNO(自社回線を持っていない、プリペイド契約の回線再販業者)の月通信料金と、MNO(回線を持っているキャリア=AT&T、T-Mobile US、Verizon、Sprint)の月通信料金が、それほど大きな差が無くなっており、特に1ヶ月以内のアメリカ短期滞在者は、通信料金の節約メリットが無くなって来ております。(数ヶ月以上の長期契約者は、MVNOを選択するメリットはあるでしょう。)
● T-Mobile USのLTEおよび1900MHz 3G(HSPA+)接続が、アメリカ国内の大都市(ハワイ州も、アメリカ国内です!・・・通信的にはグアムはまったく別国けど・・・)では、ほぼどこでも、問題無く接続出来ます。
- これまで海外端末ではAT&Tか、AT&TのMVNOだけしか考慮の対象にならなかったのが、端末によってはT-Mobile US回線の使用も考えられるようになって来ました。
● AT&T GoPhoneも、T-Mobile USも、プリペイド契約でタブレット(iPad/iPad Mini、Nexus 7、など)、および、AT&T GoPhoneの場合にはポケットWiFiが、以前よりも容易に契約できるようになりました。
● 3G/HSPA+(理論値ダウンロード速度、最高21Mbps)/DC-HSDPA(理論値ダウンロード速度、最高42Mbps)の速度に対応する端末であれば、アクティベーションが簡単(ほとんど自動)のZIP SIM(旧Ready SIM)(T-Mobile US回線使用)というSIMが出てきたので、「難しい(?)アクティベーション」手順や登録を避けたい人も、アメリカで現地SIMが使えるようになりました。
■ 日本の状況変化ですが、
● アップルストアのiPhoneや、Google Play Store/イーモバイルのNexus 5など、SIMフリーで販売される端末が日本でも増えてきました。
● 日本のMVNO(日本通信 b-mobile、IIJmio、イオン、mineo、など)も増えてきて、端末に自分の好きなSIMを挿入して使っている人が増えてきました。
- つまり、SIMの入れ替えに違和感を持たない人が増えている・・・ということですね。
● 海外ローミングで、LTE(高速)接続が可能になり、安く簡単にLTE接続を(できれば)望む人が増えてきました。
● 当サイトを含め、「海外で現地SIMを使う」方法を手取り足取り教えてくれる情報サイト(ブログや記事)が、何倍にも増えています。
- つれらのブログ情報を参考にすれば、今までよりも比較的簡単に現地SIMを使用できたり、その情報を入手出来るようになっています。
以上の状況変化から、「海外(アメリカ)でスマホやデータ通信を使うユーザー」も、これまでのユーザーとは違う層の人たちが、新たに「自分も、やってみよう」と思うようになって来ていると思います。
・・・ということで、今年(2014年)の「夏休みアメリカ旅行(および、出張者)の通信対策」を、具体的に書いていきたいと思います。
◆◆◆ この続きは、
夏休みアメリカ旅行の通信対策(2014年夏編)・・・スマホ/iPhone/現地SIM編 – 2014年6月17日
で。
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【連絡事項】新着記事と、新しい試みのご案内(有料ページ) – 2014年6月17日
参照。
また、噂です。噂ですよ!(強調!)
アメリカの経済と株式市場ニュース専門のファイナンシャル・チャンネル、CNBCチャンネルが本日の放送中にセグメントで紹介した「ニュース」によれば、信頼できる匿名情報筋によると、
● ソフトバンクとドイツテレコムは、SprintがT-Mobile USの買収意向を発表した場合、それが規制当局の反対によって認可されなかったときのBreakup Fee(違約金)を、20億ドル(約2000億円)で合意したとのこと。
- これまでは「少なくとも10億ドル」というWall Street Journalの報道が先月あった。
● 合併後の新会社の名前は、「T-Mobile」の名前とブランドを中心に使い、T-Mobile USの現CEOのJohn Legere(ジョン・レジャー)氏とそのマネージメントチームが主導を握る。
● 合併後もドイツテレコムは新会社の株を所有する。(15-20%と報告されている。)
- SprintとT-Mobile USの株資産総額がほぼ等しいとして単純計算すると、ソフトバンクの持ち株は、過半数(51%)を少し超える程度(約53-55%)となると思われます。
● SprintによるT-Mobile USの買収意向の発表は、(2014年)7月下旬から8月上旬になると思われる。
- 筆者の予想:政治家へのロビー活動などを行い、ある程度「認可」可能性を高めてから発表するのではないでしょうか。
実際に発表されるまではまだまだ【噂】がたくさん出てくると思いますので、そのつもりで受け止めておきましょう。
【CNBC】The Faber Report (最初にCMが再生されます。) - 2014年6月13日
【FierceMobile】Report: Sprint brand may go away after T-Mobile merger - 2014年6月13日
結局、なに?・・・ソフトバンクのSprint買収は、1年も経たずに失敗か?
それを隠すために、業績躍進のT-Mobile USを買収?
だったら、初めっからSprinなんかに目を付けず、T-Mobile USを買収したほうが良かったんじゃあないの?
T-Mobile USは昨年(2013年)3月25日に公式にLTEを開始し、約1年という短い期間に全米の人口カバー率で約67%(人口カバー2億1000万人)を達成しましたが、その後、同社のLTEのサービスエリア・カバー率はなかなか増えませんでした。その理由は、残りのT-Mobile USサービスエリアは2G GSM (Edge)オンリーの地域であり、基地局の通信設備の交換が必要であったからです。
T-Mobile USは今年(2014年)3月に、この2G GSMオンリー地域を来年(2015年)夏までの約1年余りで3G(HSPA+)およびLTE化する計画であることを発表しました。
T-Mobile USのLTE化、フェーズ2:2G Edgeオンリーサービス地域を2015年夏までにLTEアップグレード – 2014年3月14日
その後、アメリカ携帯関連のHoward Forumsでは、これまで2Gオンリー地域だったところでHSPA+およびLTEが検出されたという、多数の報告が投稿されています。
【Howard Forums Mobile Community】Home > Forum > US Carrier Discussion > T-Mobile > New 4G HSPA / LTE network sightings – 2014年3月21日~
TMo Newsサイトも、これらをまとめた現状報告サマリーを本日掲載しました。
2G GSMからHSPA+/LTEにアップグレードされた地域として具体的には、ニューメキシコ州のAlbuquerqueとLas Crucesの間、アリゾナ州Yumaなどが上げられています。
【TMo News】T-Mobile 2G upgrade to 4G network seemingly well underway – 2014年6月13日
周波数など詳しいことは記述されておらず、また、まだ試験運用段階のエリアも多くて速度も必ずしも「トップスピード」には達していないようです。
しかし、旧2G GSMオンリーエリアが、LTE(多分、Band 4)だけではなくHSPA+(AWS?、1900MHz?)でもサービス提供されていることは、喜ばしい限りです。
T-Mobile USは
● 2014年末までに現2G GSM/Edge(1900MHz Band 2)オンリー地域の50%はLTE化完成予定、LTEの人口カバー2億5000万人(約80%)達成予定。
● 2015年中間までに現2G GSM/Edge(1900MHz Band 2)オンリー地域のLTE化をほぼ完成、LTEの人口人口カバー3億100万人、96%達成予定。