AT&Tが1900MHz(Band 2)でLTEを開始した模様
AT&Tは現在、700MHz Band 17でLTEを提供し、昨日(2013年11月7日)現在で461都市でサービスしています。
また、AWS Band 4での電波使用権を持っており、同BandですでにLTEを提供しているCricket Wireless (Leap Communications)を買収する手続きを行っており、Cricket(Leap)も10月30日に株主総会を開き、これを認めていました。あとはFCCなどの認可を経て、来年初めに買収が完了します。
このため、AT&Tは700MHz Band 17の次はAWS Band 4でのLTEサービスを拡充してくると思われていました。
ところが、AT&Tが1900MHz Band 2でLTEの試験電波を流していることが、ニューヨーク市内で検出されました。
AT&T begins cannibalizing its 2G and 3G networks to boost LTE capacity – 2013年11月7日
AT&Tは既に1900MHzで3G/HSPA+通信サービスを行っているため、この帯域を減らし、一部をLTEに割り当てて試験電波を流しているようです。スポッターによると、1900MHz Band 2 LTEの帯域は、下り5MHz/上り5MHzだそうです。このバンドと、2G 850MHzとの、2つのBandでのLTEサービスの開始意図は、実は、2013年8月にAT&TがFCCに提出したCricket買収計画の中で明らかにされていました。それによると、今年(2013年)末までには以下の6都市で1900MHz Band 2 LTEが開始される予定です。
● Baltimore
● Dallas
● New York City
● Philadelphia
● San Francisco
● Washington, D.C.
AT&Tは既に2012年3月にニューヨーク市内の2G 850MHz/1900MHz帯域を減らし、3G/4G通信に使用する意図を明らかにしていましたが、その「4G」がLTEになった模様です。
また、2012年9月発売のiPhone 5には、アップル公式サイトでは明らかにされなかったBand 2/5も対応しているのが、あとでわかりました。
iPhone 5s/5c、iPad Air、iPad Mini with Retina Display、Nexus 7 LTE(2013)、Nexus 5などもLTEがBand 2/5に対応しており、これは、実は、AT&Tの為だったようです。したがって、これらの端末を購入したユーザーは、自分の住んでいるところでAT&TのBand 2 LTEが開始されると、自動的にBand 2 LTEにも接続されます。
現在、AT&Tの1900MHz Band 2は5MHz+5MHz帯域であることから、それほど通信速度は速くありません。しかし、AT&TのLTEのカバレッジ面積を広く米国内に拡大する役目は果たすでしょう。
AT&Tはこの他にも、NextWave Wireless社等から買い取った2.3GHz Band 40の周波数使用権を持っています。