生鮮野菜・果物のトレーサビリティ:スマフォでバーコードをスキャンして、生産者と食の安全を知る。
「生鮮野菜・果物のトレーサビリティのシステムを構築している会社が、2400万ドルの投資を受けた」というニュースが目に付き、
Food Traceability Solution Provider YottaMark Receives $24 Million – 2012年8月16日
「なにそれ?」と思って、早速近くのスーパーに行って実態を見てきました。
このシステムを構築している会社は、YottaMark Inc.というカリフォルニア・シリコンバレーにある会社で
YottaMark Inc. ホームページ
「HarvestMark」と言うトレードマークで、野菜のパッケージにHarvestMarkコードが書き込まれており、
HarvestMark ホームページ
そのコードを手入力するか、QRコードをスキャンすることで、その野菜の生産地や出荷日が分かると言うものです。
入力はPCを使ってインターネットで手入力するか、スマートフォン(iPhone、アンドロイド)で専用アプリを使ってバーコードをスキャンします。
HarvestMarkの生鮮野菜・果物トレーサビィティ・システムを使用した野菜はKrogerの全米チェーンスーパーの店舗で販売されており、300の生鮮野菜・果物の集荷・出荷企業で、カナダからアルゼンチンまで4000以上の農場で生産されている野菜に使用されています。
早速iPhoneアプリをインストールし、近所のKrogerスーパーに出かけてみました。
ざっと野菜・果物売り場を見てみると、まだすべての野菜にはHarvestMarkが使用されているわけではなく、使用されている野菜のほうが少ない感じでした。野菜全体の5%程度と言ったところでしょうか。
果物に関しては、HarvestMarkの付いた商品は、まだひとつもありませんでした。
最初に見つけたHarvestMarkのマークの付いている野菜は、セロリです。
QRコードが無く、UPCコードをアプリでスキャンしてみましたが、
「スキャンしたのはUPCコードみたいですね。16桁のHarvestMarkコードを入力してよ。」と言うメッセージが出ました。
どうやらHarvestMarkのラベルに付いていた12桁数字+4桁英数字を入力しなければならなかったようですが、この時点では良く仕組みがまだわからず、何が「HarvestMarkコード」かも判らなかったので、手入力しませんでした。
次に見つけた「子じゃがいも」にはちゃんとQRコードが付いていたので、
スキャンすると、商品名が出て、「Harvest Information」をタップすると、・・・
生産地情報(アイダホ州のMagic Valley地域)と、「この野菜について現在、リコールや食の安全問題があるかどうか」の情報が出てきます。(もちろん、「No Issues Reported(問題は報告されていません。)」と表示されました。
次は西洋マッシュルームで、
これもHarvestMark QRコードがあったので、問題無くアプリからスキャンできました。
チェリートマトもQRコードがあるのでスキャンでき、
「Harvest Information」をタップすると、
生産国がメキシコで、パックしたのが2012年8月15日であることが判ります。(検証した日は、2012年8月19日)
スキャン履歴は一覧で見られ、それぞれの商品をタップすると、上に見た商品情報や生産・収穫情報が再表示できます。
このように、消費者が生鮮野菜・果物を買う前に、スマフォを使ってその場でトレーサビリティを検証できるようになっています。
もちろん、一般消費者向けアプリ以外にも、小売店や集配(卸)業者、生産者が、流通経路を詳しく分析・調査することが可能なツールも提供されています。
YottaMark Inc.は今回の増資で累積5300万ドルの投資を受けたことになり、HarvestMarkシステムを今後さらに拡大していくのに今回の投資を使って行く予定です。