Net10のブランドで「月$50 Unlimited」プラン、StraighTalkのブランドで「月$45 Unlimited」プランを提供している、アメリカのプリペイド携帯会社Tracfoneが、本日(2015年1月28日)、アメリカのFTC(公正取引委員会)により「虚偽/不透明広告」で4000万ドルの罰金を課されました。
両ブランドともに「通話・テキスト・データ使い放題」プランを2012年2月または3月から、SIMオンリーの「Unlimited」プランを提供しています。(Unlimitedプラン自体は、2009年から販売開始。)しかし、当初は高速データ使用量の制限が明記されていなく、データを多く使用する利用者が突然Net10/StraightTalkからテキストや電話を受けてデータ通信を止められたり、速度制限されるトラブルが、ネット上で報告されていました。
同様な「Unlimitedデータ・・・ただし、xxギガバイト以上は請求月末まで速度制限。」というプランは、T-Mobile USのプリペイド/ポストペイドプラン、H2O Wireless、最近ではAT&T GoPhoneでも提供されています。Tracfone傘下のNet10、StraighTalk、2012年6月にTracfoneが買収したSimpleMobileの場合は、この帯域(速度)制限となるデータ使用量が明記されておらなかったことが問題で、利用者は何の理由もわからず、突然「データ使用量が多く、乱用している」と宣言されて、データ通信がカットオフされたことにあります。
ユーザーの非難に答え、StraightTalkおよびNet10は2013年9月からデータ速度制限が対象となる通信量条件を公表(1.5GB~2.5GBなど)しましたが、FTCの発表によると、これらの表記が必ずしも加入者にわかるようにはっきり明記されていない、というのが今回の苦情のポイントです。
現在のところ、StraihtTalkもNet10も月3GBで速度制限と明記されています。また、Net10は高速データバイト数に応じて月$40(500MBまで高速)~$75(5GBまで高速)までのプランも用意しています。
“Net10とStraightTalkのブランドで「Unlimitedデータ」月極めプランを提供しているTracfoneが、不透明広告でFTC(公正取引委員会)から4000万ドルの罰金。” の続きを読む
メキシコ資本América Móvilのアメリカ現地法人であるTracfoneグループは、先週末(2013年10月25日)に2013年第3四半期の業績結果を発表しました。
TracFone adds just 5,000 subs in Q3 as subscriber growth grinds to a halt – 2013年10月25日
この中でTracfoneは、2013年7~9月期の加入者純増が5000回線に留まったことを発表しました。
前年(2012年)同期の加入者純増は、30万2000回線でした。
前々年(2011年)同期は、51万5000回線でした。
それでもTracfoneグループ(Tracfone、Net10、Straightalk、Simple Mobile、SafeLink Wireless、Telcel América)は、2013年9月末現在の総加入者数は2304万回線で、アメリカで一番加入者の多いMVNOです。Tracfoneは現在、VerizonのMVNOであるPagePlusの買収手続きを進めており、これが完了すると約140万人の加入者が増えます。
Tracfoneグループは今年(2013年)4月以降、長期休眠加入者の強制解約を進めており、約19万人の加入者を帳簿上、「整理」しました。これを考慮したとしても、今期の加入者純増の激減は著しいものがあります。
TracfoneグループはNet10を筆頭に2011年秋から格安アンドロイドスマートフォンの販売を行い、2012年2月初めからは「SIMだけ販売」で月$50(Net10)または$45(StraightTalk)の「通話・テキスト・データ通信(トリプル)使い放題」格安月極めプリペイドプランで加入者を急増させていました。しかし、ここに来て、その増加に歯止めが掛かってしまいました。
考えられる理由は・・・
1.初期のSprint回線を使用したスマートフォンデータ通信サービスが、ユーザーの期待に応えられなかった(Sprintの当時の3Gデータ通信速度が遅かった)こと。(のちに、Tracfoneはスマートフォン回線をVerizonに変更しています。)
2.あまりにも格安「3Gデータ通信使い放題」プランが急激にポピュラーとなって加入者が増え、回線キャリアとのトラブルが発生し、Net10/StraightTalkの「データ通信使い放題」が、最近になって「使用データバイト数制限/速度制限」が付いたこと。
3.トラブル時のカスタマーサービス対応への不満が多かったこと。
というTracfoneグループそのものに起因する要因以外に、
4.昨年下旬から今年に入って、キャリア(特にAT&T、T-Mobile)のプリペイドプランが安くなってきて、格安MVNOのプラン料金に接近してきたこと。
5.キャリアのプリペイドプラン(特にAT&TとT-Mobile。地域によってはSprintのプリペイド子会社であるVirgin Mobile USAとBoost Mobile)が、LTE対応になったこと。
という外部からの競争要因によって、プリペイド加入者がTracfoneグループなどのMVNOから、キャリアのプリペイドプランに移っている傾向を反映していると、筆者は推測します。
ただし、TracfoneグループのARPU(1加入回線あたりの平均売り上げ)は、1ヶ月$18(2012年第3四半期)から$20(2013年第3四半期)に増えています。
データ通信を含む携帯プランの売り上げは増えており、前年比50%増。総売上のうちデータ通信売上は42.5%と、半分近くに増えています。
(Tracfoneは、モバイルデータ通信専用プランや端末は、現在のところ販売していません。)
今後、Tracfoneグループがどのようにキャリアのプリペイドユーザーを引き込んで行くのか、動きが注目されます。
アメリカ・プリペイド携帯トップアップカードのあれこれ、備忘録です。(随時追加していきます。)
書き込むべき事実を発見したら、皆さんもコメント欄に書いて下さい。
また、【 】の中は不明な点なので、体験されて知っている方は、情報の提供をお願いします。
■ AT&T
● Walmart店舗で購入したAT&T GoPhoneプリペイド携帯用Refill Cardは、10桁番号。AT&T GoPhoneウェブサイトで、GoPhoneプリペイド携帯アカウントにトップアップできた。
● Walmart.comでオンラインで購入したAT&T プリペイドDataConnect用E-Mail DeliveryのPIN番号は、10桁番号。プリペイドDataConnectオンラインアカウント管理のウェブサイトで、アカウントにトップアップできた。
● AT&T GoPhone携帯用Refill Cardは、プリペイドDataConnect用に転用できない。
● AT&T GoPhone携帯のトップアップは、日本のクレジットカードで可能。
※ AT&T GoPhoneプリペイド携帯パッケージのアクティベーションの方法:junさんコメント – 2012年10月22日
● AT&T プリペイドDataConnectモバイル通信プランのトップアップは、日本のクレジットカードで【可能?/不可能?】
● AT&T プリペイドiPad/iPad Miniプランのトップアップは、日本のクレジットカードで可能。ただし、日本で発行のAMEXは、使えないことがある。
“アメリカ・プリペイド携帯トップアップカード、あれこれ備忘録” の続きを読む