なぜNano SIMをマイクロSIMアダプター/ノーマルSIMアダプターに填めて使用すると、本体から出しにくく、本体のSIM接触部分を破損しやすいのか?(写真入り検証)


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さて、筆者は昨年秋、Nexus 5を購入した初日、到着して2時間も経たずにNexus 5にSIMをスタックしてしまいました。そのときは、iPhone 5Sで契約済みのNano SIMをマイクロSIMアダプターに填めて、通信テストをしていました。そして、何とかスタックしたNano SIMとマイクロSIMアダプターは取り出したものの、Nexus 5の内部のSIM接触部分の金メッキのコンタクト端子を破損し、そのNexus 5は二度とSIMを認識しなくなり、WiFi専用となりました。
幸いなことにGoogleはこの秋、Nexus 5の「理由不問での、整備品との無料交換」サービスを一人一台に限り実施しましたので、約1年放置されたそのNexus 5はめでたく機能を100%発揮できる製品と交換できました。

また、つい最近、同じくVerizonのNano SIMをマイクロSIMアダプターに填めて、Verizonの旧モデルのポケットWiFiで動作テストをして、そのときもSIM(SIMアダプター)がSIM挿入部分にスタックしてしまい、出せなくなり、プラスチック製のアダプターをナイフの先で切って出す、という羽目に合いました。そのとき、同じくSIM接触部分の金メッキのコンタクト端子をひとつ部分破損してしまいました。

そこで、なぜNano SIMをマイクロSIMアダプターやノーマルSIMアダプターに填めてSIMスロットに挿入したときにこの事故が多いのか、写真入りで細かく検証してみます。もちろん、Micro SIMをノーマルSIMアダプターに填めてSIMスロットに挿入したときも同様の事故は発生する可能性があります。

この記事を見た後、SIMアダプターを使用するときにはどういうところに注意したほうが良いか、が分かると思います。また、「SIM挿入部分が金属などの部品でカバーされていて、いったんSIMが挿入されるとSIMにアクセスできない本体」や、「SIM挿入部分が本体に入り込んでいるような端末」では、SIMアダプターの使用はなるべく避けたほうが良い、ということが分かると思います。

まず、eBayで実際にNexus 5のSIMトレイ・アセンブリーを購入してみました。

SIM挿入部分の金属カバーを外してみます。

SIMトレイは、本来、SIM挿入部分にこのように入ります。

ここで、SIMの金属部分に接触するコンタクト(爪)の方向を見てください。
爪の付いている状況から、この写真で上から下へ爪の上をSIMはSIMトレイを滑らした場合には、SIMやSIMトレイが爪を下に若干押し、何の問題も無く滑らかに入ります。

しかし、逆に下から上へ爪の上をSIMまたはSIMトレイを移動した場合、SIMトレイなどに引っ掛かりがあると、この爪(コンタクト)に引っかかり、抜き出せなくなったり、爪を押し上げたり、破損したりしてしまいます。

特にSIMアダプターには厚みがありますので、

SIMがSIMアダプターにきっちりは待っている場合は問題がありませんが、

たまたまSIMアダプターに填めたSIMが内部でズレると、引き出すときにSIMアダプターの厚みが、爪(コンタクト)に引っかかることがあります。


これが、SIMアダプターに填めたSIMを引き抜くときに、引っかかって抜けなくなったり、SIMコンタクト(爪)を損傷して、最終的に時間をかけてSIMとSIMアダプターを引き抜いたとしても、SIMを認識出来なくなる理由です。

SIMコンタクト(爪)部分の根元は薄く、強い力で折れたり曲がったりすることがあります。

以下は、ナイフでSIMアダプターの先を切り取って爪(コンタクト部分)との引っ掛かりを無くし、SIMアダプターを反対側から引き出すときに、爪の先も破損してしまった例。写真右側は破損されていない正常な状態です。

なお、最近のSIM挿入部分内部の爪(コンタクト)は、一方向だけで引っかかる可能性のある配列になっていますが、古いSIM挿入部分では上と下の爪の方向が反対に向いていて、SIMを入れるときにも引っかかりやすいものもあります。

爪の付いている方向がどのタイプであろうが、SIMアダプターを使わない場合や、SIMがSIMアダプターから途中で外れなければ、爪に引っかかる可能性は少ないです。
しかし、どうしてもSIMアダプターを使わなければならない場合には、SIMを挿入または引き出すときに、絶対にSIMがSIMアダプターから外れないよう、ズレないように念を押して注意しないと、本体をダメージして、二度とSIMを認識しないようになりますので、十分に注意してください。



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