AT&TがCricket(Leap Wireless)の買収を完了。
AT&Tがプリペイド携帯会社のCricket(Leap Wireless)を約12億ドルで買収する提案を昨年2013年7月にしていた件に関して、
AT&TがLeap Wireless (Cricket)を買収すると発表 – 2013年7月14日
本日、FCCおよびDoJが180日間のレビュー期間を完了し、承認しました。
そして、AT&TとCricketは早速、本日夕方、合併手続き完了を発表しました。
【AT&T】AT&T Completes Acquisition of Leap Wireless – 2014年3月13日
CricketはCDMA2000 1900MHzの自社電波を持ち、35州で店舗を展開するプリペイド専門キャリアで、自社電波の無いところではSprintの電波をローミングして使用できます。
また、一部の都市でAWS Band 4でLTEを開始しています。
更に、シカゴ地域では700MHz Aブロック(Band 12)の使用権を持っています。
Cricket(Leap Wireless)は2013年第4四半期で9万2000人の加入者減となり、2013年末の加入者総数は455万人と、直近の四半期業績発表で明らかにされています。
【FierceWireless】Leap takes hit from T-Mobile, loses 27% of its customers in 18 months – 2014年3月6日
買収完了後、
1.AT&Tの低価格月極めプリペイド、Aio WirelessはCricketに包括されます。つまり、AioはCricketのブランド名で、料金も変わらず(の予定)、プリペイド・サービスが継続されます。Aio加入者は、端末の機種変更も必要がありません。
2.Cricket利用者は、暫くはCDMA2000/LTE対応のCricket携帯と、既存の通信プランを継続できますが、AT&T/Cricketの業務およびシステム統合が完了した後で、合併から1年~1年半以内にはAT&T W-CDMA/LTE対応機種に買い換える必要があります。Cricket利用者は、古いCDMA2000対応端末を下取りして貰うことが出来ます。
3.AT&TはCricketのBand 12使用権を売却する予定です。可能性としては、同じ周波数をVerizonから買収する予定(FCCの認可待ち)のT-Mobile USか、既にBand 12を使用しているUS Cellularなどの地域キャリアが候補となることでしょう。
4.FCCはこの合併に対してAT&Tに条件を付けていますが、それによると、
(1)テキサス州、ネバダ州などの12都市でのCricketの権利(店舗や加入者?)を、競売で希望会社に売却します。
(2)Cricketが使用権を持っているもののまだ使用していないAWS Band 4と1900MHz Band 2でのLTEサービスを、18ヶ月以内に完了します。
【FierceWireless】FCC approves AT&T’s acquisition of Cricket provider Leap, with divestitures – 2014年3月13日
5.Cricketの1900MHz CDMA2000電波は合併後12~18ヶ月で停波されます。その後、この1900MHzはBand 2 LTEとして再編されます。
AT&Tはこの買収で、人口カバー1億3800万人に相当する地域でのAWS Band 4および1900MHz Band 2の使用権を獲得することになります。
CricketおよびAioは、T-Mobile USの低価格月極めプリペイドブランドGoSmartおよびMetroPCS、または、TracfoneグループのNet10、StraightTalk、SimpleMobileなどと直接競合し、中南米系の加入者が多いMVNOです。
Aio Wirelessのサイトのトップページは、既に次のような「Cricket&Aio合併」のグラフィックスが表示されています。
これでアメリカの携帯会社は加入者数で5位以下では5位(MetroPCSがT-Mobile USに2013年5月1日)、6位(CricketがAT&Tに2014年3月14日)が買収され、次にサイズの大きいのは加入者数約430万人のU.S. Cellular(26州で営業)となります。