FCCは電波使用権競売にて、キャリアの合弁会社の入札を禁止する提案を提出


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昨日は青天の霹靂から、T-Mobile US買収に対するSprint(ソフトバンク)の競合相手がフランスのIliad(イリアド)社から出て、アメリカ許認可機関からの認可が難しいとされているSprint(ソフトバンク)/T-Mobile USの合併(買収)問題に一時的に陰りを与えた感じですが、今日はまたそのSprint(ソフトバンク)にダブルパンチの情報です。

SprintとT-Mobile USは来年開催予定の600MHz電波使用権競売に対して、その時点ではアメリカFCCおよびDoJによる合併(買収)審査が完了していないであろうという予想もあり、それぞれ独立に入札するには資金力も足りないため、合弁会社を設立して600MHz競売に望む計画であることが先月中ごろの報道でリークされていましたが、
SprintとT-Mobile USは2015年中頃予定の600MHz周波数入札を、合弁会社を設立して行う予定? – 2014年7月17日

本日のWall Street Journalの報道によれば、FCC委員長は携帯会社が合弁会社を作って電波使用権競売に参加することを禁止することを提案し、FCCは委員会でこの件の検討を行います。
【FCC Blog】Empowering Small Businesses – 2014年8月1日
【Wall Street Journal】FCC Seeks to Ban Joint Bids by Wireless Companies at Spectrum Auction :Move Appears Aimed at Discouraging a Sprint Bid for T-Mobile US – 2014年8月1日 (会員購読ページ)
【Seeking Alpha】FCC opposes Sprint/T-Mobile’s reported $10B spectrum play – 2014年8月1日

これは、Sprint(ソフトバンク)によるT-Mobile USの買収をFCCが敬遠するための行動とも読め、FCCの態度は年初より変わっておらず、明らかに買収に反対していることを示しているとも言えます。

フランスIliadのT-Mobile US買収提案は、その提案価格
● 全株の56.6%を1株あたり$33で現金購入、残りの43.4%は二社の相乗効果で一株あたり$40.50に評価される予定。平均、1株あたり$36.20。
を考えると、Sprint(ソフトバンク)が提案している1株あたり約$40よりも低く、T-Mobile USの67%の株を所有するドイツテレコムがこの提案をこのまま受け入れる可能性は低いと見られていますが、アメリカ許認可機関の認可が降りやすい相手であることを考えると、ドイツテレコムとしても全く無視することも出来ないと思われ、Iliadも今後、買収価格の交渉には応ずる可能性もあります。更に、対抗馬であるIliadの出現により、他の外国企業やアメリカ国内通信企業もT-Mobile US獲得に名乗り出る可能性もあり、ソフトバンク(・・・て言うよりも、孫さん個人)としても頭が痛いところでしょう。

アメリカのSIMロック解除合法化法案が、本日2014年8月1日から施行


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アメリカのオバマ大統領は、先月上院および下院で満場一致で通過したSIMロック解除合法化法案(Unlocking Consumer Choice and Wireless Competition Act)に、本日2014年8月1日署名し、同法案は本日有効となります。

この法案は、3年ごとに行われる次回のアメリカ著作権法(DMCA)附表の改訂が予定されている2015年秋までの暫定法案ですが、多くの市民および上院・下院のプレッシャーを受けて、国会図書館(Library of Congress)が次回のDMCA附表改訂で携帯電話のSIMロック解除を再度違法化することは無いと予想されています。

今回の法案により、本日より、携帯電話のユーザー個人と、SIMロック解除業者は、「ユーザーがキャリアとの最低契約条件(または解約条件)を満たした後、キャリアの許可無く、携帯のSIMロックを解除すること」が合法となります。
しばらくの間はサードパーティー業者のSIMロック解除コード提供、あるいは、Factory Unlockサービスの公式再開、および、手数料がどのくらいになるか、様子を見ないといけないと思います。

同法はタブレット端末(とモバイル・ルーター?)のSIMロック解除に関しては、国会図書館(Library of Congress)が検討するように勧告していますが、今のところ「タブレット端末のSIMロック解除が、明らかに合法になった」とは言えません。もっとも、多くのユーザーが使用しているiPad/iPad MiniやNexus 7タブレットはもともとSIMロックフリーで販売されているため、特に大きな不便は無いと思われます。

【White House Blogサイト】Answering the Public’s Call – 2014年8月1日

デルタ航空もiOSアプリをアップデート、一部の機内WiFiで映画やTVが視聴可能に


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ユナイテッド航空は既に2014年5月に一部の機内で、機内WiFiを経由して映画やTVが無料視聴できますが、
ユナイテッド航空がiOSアプリをアップデート、一部の機内WiFiで映画やTVが(やっと)無料視聴可能に – 2014年5月9日

デルタ航空の「Fly Delta」iOSアプリも本日アップデートされ、機内WiFi経由でiPadやiPhone/iPod Touchで映画やTVが視聴できるようになりました。サービスは「Delta Studio」と名付けられ、国際線、ファーストクラス、エコノミー・コンフォートクラスでは無料で視聴出来て、アメリカ国内線のエコノミークラスでは一部無料で「プレミアム・コンテンツ」は有料になります。

【9to5Mac】Delta’s iPad app now allows passengers to stream movies & TV shows during flights – 2014年8月1日

iPadによる機内TV/映画の提供はQuantasが2011年に提供開始し、現在、アメリカではハワイアン航空、サウスウェスト航空、ユナイテッド航空が提供しています。



【速報】フランスのIliad(イリアド)が、T-Mobile US買収提案を同社に提出


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Wall Street JournalやDow Jones誌によれば、フランスのIliad(イリアド)がT-Mobile USに対し、買収提案をプロポーズしたとのこと。
本日はT-Mobile USの四半期業績発表が先ほどニューヨーク市場オープン前にあったばかりですが、この速報はニューヨーク時間の正午前に速報として流れています。

このニュースでSprint(S)の株価は5%急降下、T-Mobile US(TMUS)の株価も急上昇し、一次、取引停止になっています。

イリアド社はフランス第4位のテレコム会社で、新進企業(起業)で、近年躍進的に伸びているようですが、どのようなファイナンスでT-Mobile USを買収するつもりなのか、わかりません。

ソフトバンク/Sprintは昨年12月からT-Mobile US買収を狙っていると言う噂が報道されていますが、長期間の噂だけで表面的な行動が伴わないと、このように「横取り」または「漁夫の利」を得ようとする企業が出てくることは、致し方ない事です。

【CNBC】France’s Iliad makes buyout offer for T-Mobile US: Report – 2014年7月31日

もう少し詳しい続報によると、
【Wall Street Journal】France’s Iliad Makes Bid for T-Mobile US : Bid Counters Earlier Offer From Sprint Corp. – 2014年7月31日
Iliad(イリアド)はT-Mobile USへの買収提案を1週間弱前にT-Mobile US役員会(Board)に提案済みであり、既に報道されている「Sprintによる、T-Mobile US一株あたり$40」での買収にカウンター(対抗)する提案だそうです。Iliadにとっては「これが世界最大のテレコム市場に参入する、唯一のチャンス」とみて、大胆な提案をして賭けに出ているようです。また、同社はアメリカ規制当局の認可に関しては、まったく問題が無いと見ているようです。

続々報:IliadがT-Mobile US買収提案提出を認める。
【Business Insider】France’s Iliad Confirms Offer For T-Mobile, Shares Spike – 2014年7月31日

続々々報:T-Mobile USの67%の株を所有するドイツ・テレコムは、Sprint(ソフトバンク)の買収提案を好んでいるとの情報。
【Seeking Alpha】DT reportedly likes Sprint’s bid better than Iliad’s – 2014年7月31日

FreedomPopが、「無料通話・テキスト・データ」サービスを、Sprint版のiPad/アンドロイドタブレットにも提供拡張


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無料で「月200分まで通話、500通までテキスト、500MBまでデータ通信」可能なサービスを提供しているSprintのMVNO、FreedomPopは、このサービスを本日よりSprint版のiPadやアンドロイドタブレットにも拡張して提供することを、発表しました。
【BGR】FreedomPop is about to turn any LTE tablet into a phone with free data, voice and texting – 2014年7月30日

FreedomPopの通話・テキストサービスは、同社の専用VoIPアプリを端末にインストールし、そのアプリ経由で行うため、Sprintの提供するWiMAXまたはLTE回線でデータ通信が出来れば、可能です。
FreedomPopは既に今年(2014年)4月にiOS版無料アプリも提供しており、一部の制限条件のもとに、回線契約を変えることなく、現在契約中のキャリアの回線でFreedomPopの無料サービスを体験できます。
無料通話/テキスト/データのFreedomPopが、iPhone 4/4s/5対応 – 2014年4月29日

このアプリを試して使い勝手に満足した人は、Sprint版のiPadやアンドロイドタブレット(もちろん、iPhone 4/4s/5とスマホもOK)の持込で、FreedomPopと「無料(月200分まで)通話・(月500通まで)テキスト・(500MBまで)データ通信」契約が出来るようになったわけです。
タブレットを主に自宅で使うものの、頻繁ではないにしても、時々外出したときに電話連絡もしたくなる、主婦のような顧客層には便利なサービスではないでしょうか。

FreedomPopは、留守電や、未使用分のデータ通信の翌月キャリーオーバー、そして、超過分の通話料・テキスト料金・データ通信料金、などを有料にして、それを収入源としています。

FreedomPopは現在はSprintの回線しか使っておらず、FreedomPopのサービスに加入するにはSprintブランドの端末が必要です。しかし、米国外からの旅行者などを対象にしてサービスを拡張する計画もあり、AT&TまたはT-Mobile USの回線を使ったサービスも視野に入れて、キャリアと交渉中だと言うことです。

FCCがVerizonのポストペイド「データ使い放題」加入者のヘビーユーザーのネットワークアクセス規制に、反論意見


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Verizonがポストペイド「データ使い放題」加入者のトップ5%のヘビーユーザーに、当月締め日までと翌月のネットワークアクセス規制を2014年10月1日から開始する予定であることは、3日前に書きました。
VerizonがヘビーユーザーにLTEネットワークアクセス規制を2014年10月1日から開始。ただし「データ使い放題ユーザー」のみ – 2014年7月27日

FCC委員長Tom Wheeler氏はこれに対し、本日、「遺憾の意」を表明しました。
【CNet】FCC chairman puts Verizon in hot seat over new throttling policy – 2014年7月30日

問題は、
● Verizonは700MHz Band 13 LTE使用ライセンスの認可を受ける際に、「エンド・ユーザーのアクセスを規制したり、制限したり、拒否しない」という条件を受け入れて、電波使用権の認可を受けたことにあります。
“open platform rules,” which prohibits the company from denying, limiting, or restricting the ability of end users to access applications of their choosing on a network using this sliver of spectrum.

この問題は以前にも発覚しており、この条件のためにVerizonはiPhone 5/5S/5CなどのLTE対応端末を販売時からSIMロックフリーで販売しているほか、LTE対応iPhone/アンドロイドスマホでのテザリングも禁止や追加料金徴収が出来ません。

今回も、「特定のユーザーだけをLTEのネットワークアクセス規制するのは、LTE 700MHz使用ライセンスの条件に違反する」というのが、FCCの言い分です。
Sprintなどもネットワークアクセス規制を既に行っていますが、Verizon以外はLTE電波使用権認可に同様の条件が付いていなかったので、問題になりません。

また、ネットワークのキャパシティを充分に用意するのはキャリア側の責任であり、ユーザーがペナルティを受けるべきではないことも、FCC委員長は示唆しています。

さて、Verizonは今回はFCCのこの反対意見に、どう出てくるのでしょう?

Sprintのプリペイド子会社Virgin Mobile USAが、カスタマイズできるプリペイドプランを2014年8月9日よりWalmart経由で開始。


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Sprintのプリペイド子会社であるVirgin Mobile USAは、本日新プランを発表しました。
このプランは、Walmartで購入したVirgin Mobile USAのスマホでのみ加入できるようです。
このプランに加入できるスマホは、最初は
● ZTE Emblem、$79.88
● LG pulse、$99.88
● LG Unify、$129.88
の3機種に限られます。

新プランは「Virgin Mobile Custom」プランと呼ばれ、基本月料金は
● 月$6.98で、通話20分、および、テキスト20通まで使用可能。
SprintのMVNOであるTingは月$6加入料(通話0分、テキスト0通)+最低$3(通話100分まで、または、テキスト100通まで)で使用可能なプランを提供していますが、「通話・テキスト可能で月$6.98」は、例の「アメリカで最も安い月料金」と宣伝している日系プリペイド(クレジットカード後追い請求)よりも安くなります。

“Sprintのプリペイド子会社Virgin Mobile USAが、カスタマイズできるプリペイドプランを2014年8月9日よりWalmart経由で開始。” の続きを読む

Sprintの2014年第2四半期(2014年4月~6月)業績発表


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Sprintは今朝、ニューヨーク市場オープン前に暦年2014年第2四半期(2014年4月~6月)の業績を発表しました。
【Sprint】Sprint Reports Results for First Fiscal Quarter of 2014 – 2014年7月30日

Sprintは今年より親会社のソフトバンクと会計年度期間を合わせることになりましたので、「暦年2014年第2四半期」は、同社の会計年度では「2014年第1四半期」(ソフトバンク式には「2015年度第1四半期」?)となります。

● ポストペイド契約の加入者純減は、18万1000件
● プリペイド契約の加入者純減は、54万2000件(主に低所得者向けプリペイドサービスAssurance Wirelessで、一年毎の更新時に「低所得」資格が無くなった加入者が多かったため。)
● MVNOは50万3000件純増
 - 総加入者純減は22万件(前期は38万3000件で、前期より純減は少なくなっている。)
2014年6月末現在の加入者総数は5300万件。

● 加入者純減にもかかわらず、人員削減などの経費削減が功を奏し、過去7年間で最高の純利益2300万ドル。

● 3Gネットワークメインテナンス(アップグレード)は、ほぼ完了。
● LTEは488都市、人口カバーで2億5400万人(人口カバー率で80.9%)
● 800MHz FD-LTE、1900MHz FD-LTE、2.5GHz TD-LTEの3周波数帯域を自動的に切り替える(キャリア・アグリゲーションはない)Sparkが利用できる都市は、27都市に増加。

● CAPEX(設備投資)は前期(10億5700万ドル)よりは増えて14億1600万ドルになっていることは好ましいものの、前年同期の18億9700万ドルは少なく、ソフトバンクがSprint買収時に約束した「今後2年間、年間80億ドル(四半期ペースで20億ドル)設備投資する」よりははるかに少なく、まだまだSprintのネットワーク設備投資は遅れていると言えると思います。(実際、デンバー郊外の我が家では、まだSprintのLTEが開始されていません。)

SprintのT-Mobile US買収発表は、2014年9月まで無さそう。


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(2014年)8月も近くなって、そろそろこの話にも決着がつくかと思っていたところ・・・

ロイターの本日のニュースによれば、「SprintのT-Mobile US買収発表」は(2014年)9月までは無いだろうと言うことです。
【Reuters】Sprint, T-Mobile merger not expected before September: sources – 2014年7月29日

匿名情報筋によれば、ソフトバンクとドイツテレコムは、アメリカ規制当局である法務省とFCC(連邦通信委員会)による買収(合併)反対や疑惑の意見にも負けないような主張を準備していると言うことで、この準備に時間が掛かっているため、当初予想されていた(2014年)8月には発表はされないようです。

ソフトバンクが買収したSprintが、T-Mobile USを更に買収したい意向であるという情報は2013年12月にWall Street Journalによって漏洩され、それから早くも8ヶ月が経とうとしています。そろそろこの問題にも決着を見たいところです。

Hilton Hotelが年内にスマホで部屋選択・チェックイン、来年からはスマホがルームキーに


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スマホでホテルにチェックインとか、部屋のロックを開ける企画は、既に他のホテルでも小規模に始まりつつありますが、・・・
スマホで予約・チェックイン・チェックアウト・空調制御・テレビチャンネル変更・食事注文が出来るスマートホテルが、2014年秋に誕生 – 2013年7月3日

Hilton Hotelが同様な技術を、同社の世界の4000ホテルに展開する予定だそうです。
【Wall Street Journal】Hilton Books Upgraded Technology – 2014年7月27日 (会員登録要)
【CNet】Hilton to replace hotel room keys with smartphones – 2014年7月28日

Hilton Hotelは5億5000万ドルをアップグレードに費やし、iPhone/アンドロイドアプリをアップデートし、2014年末までにはアプリで部屋を選択し、チェックインできる機能を提供する予定だそうです。

さらに2015年からはiPhone/アンドロイドのアプリを使用して部屋のロックを開け閉めできる機能をアメリカ国内のHilton Hotelから順次提供し、ホテルに到着したら、好みの部屋を自分で選んで、そのまま部屋に直行することが出来るようになるそうです。この技術は2016年末までに世界中のHilton Hotelで利用できるようになるそうです。

セキュリティの理由から、Hilton Hotelは自社専用技術を開発中と言うことです。

これが普及すると、ホテルの部屋にスマホを絶対に忘れてはいけなくなりますね。