食事を楽しみながら渓谷を走る、ロイヤルゴージルート鉄道(Royal Gorge Route Railroad)




数日前
コロラド州の鉄道の旅と鉄道博物館、子供用鉄道リスト – 2018年9月16日
にまとめたように、コロラド州内にはいくつもの観光鉄道があり、鉄道博物館もあります。

私は特に鉄道ファンでもないのですが、せっかくこういう土地柄に住んでいて、殆ど乗ったことが無い、というのも寂しいので、先週の週末はロイヤルゴージルート鉄道(Royal Gorge Route Railroad)に乗ってきました。

※ ちなみに、これまでジョージタウン・ループ鉄道(Georgetown Loop Railroad)
デンバー近郊、Georgetownの観光蒸気機関車! – 2015年8月27日
と、パイクスピーク・コグ・レイルウェイ(Pikes Peak Cog Railway)
【コロラドスプリングス】海抜4302メートルのPikes Peakは、登山電車か車で登る – 2015年8月23日
は乗ったことがありますよ。

レッドビル(Leadville)からロイヤルゴージ渓谷一帯を通過してプエブロまで繋がるリオ・グランデ鉄道は、1880年から旅客列車サービスを開始し、レッドビルからの銀鉱と鉛の輸送列車が1989年まで運行されていました。その後、ロイヤルゴージルート鉄道として1999年5月から現在の12マイル(19km)の観光鉄道の運行が開始されました。
【Wikipedia】Royal Gorge Route Railroad

ロイヤルゴージブリッジ(Royal Gorge Bridge)は橋から地面(水面)までの落差が291メートル(955フィート)あり、1929年から2001年まで世界で一番高い吊り橋として有名でした。今でも北米では一番高い吊り橋です。(現在は中国の北盤江大橋、Beipanjiang Bridgeが高さ565メートルで世界一。)

ロイヤルゴージブリッジには2003年から2008年まで世界でもっとも落差の高い(900フィート=270メートル)バンジージャンプが設置され、そのお話を聞いたことのある人もいるでしょう。現在はバンジージャンプは開設されていませんが、下に谷を見ながらロープウェイが両方向運行、または、ジップラインが西岸から東岸へ張られています。


このロイヤルゴージブリッジの下を走る観光電車が、ロイヤルゴージルート鉄道です。

■ 出発点(場所)

観光列車の出発地点はキャニィョン・シティ(Cañon City、由来はスペイン語の『谷』)。デンバーから車で片道約2時間超(片道約120マイル=192キロ)。コロラドスプリングスからは車で片道約1時間(片道約46マイル=74キロ)。
住所:330 Royal Gorge Blvd., Cañon City, CO 81212 (one block south of Hwy 50 & 3rd Street)

キャニィョン・シティは1871年よりコロラド州の最高レベルのセキュリティの刑務所があるところ。(刑務所の壁に隣接して、コロラド刑務所博物館 Museum of Colorado Prisonsもあります。
【Museum of Colorado Prisons】
興味のある方は、そちらも訪問してください。)

チケットは前もってオンラインで予約します。大型バスで来る団体客(か、デンバーやコロラドスプリングスからツアーで来る客)もありますので、前日か前々日でも良いから、事前予約は必須です。
【Royal Gorge Route Railroad】

当日、駅舎の中で予約の名前を言ってチケットに変えてもらう必要があります。



電車はキャニィョン・シティのダウンタウンのSanta Fe Depot (駅)から発車し、12マイル(19km)を西~北西に時速15マイル(時速25キロ)程度でゆっくり1時間ほど走り、Arkansas RiverがUS 50 (US 50号線)を超えたあたり(旧パークデール駅、Parkdale)で停止し、折り返して出発点に戻ってきます。
電車の乗車時間は合計約2時間。(地図の青い線がロイヤルゴージルート鉄道の路線。黄色い線はロイヤルゴージ橋(Royal Gorge Bridge and Park)への行き方。)


車両は普通コーチ(Coach)、テーブル付きのクラブクラス(Club Class)、ドーム型の窓(ロマンスカー風)のビスタ・ドーム(Vista Dome)の3クラス。
水以外の食べ物や飲み物は、乗車時の持ち込み禁止です。
が、車内で食事の注文ができます。他のクラスは知りませんが、ビスタ・ドームの乗る人はほぼすべての乗客が食事を注文していました。


食事は車内でも買えますが、予約時に食事も予約すれば大人一人が$20で、前菜、メイン(サンドイッチやバーガー)、ソフトドリンクが込みで、さらにお土産のRoyal Gorge Route Railroadロゴ付きグラスがお土産にもらえます。

値段も、前もって予約したほうが、車内でその場で買うよりも$15くらい安いです。コーチやクラブクラスでもサンドイッチなどの購入はできます。
食事を前もって購入した場合は、駅舎でチケットを貰うときに食事のチケットも貰います。列車に乗車して自分の席に着いたら、すぐにそのチケットを席担当のサーバー(ウェイトレス)に渡して、すぐに飲み物と、メニューから食事を注文してください。食事はビスタドーム(二階)車両の一階にあるキッチンで注文ごとに作られるので、注文が遅ければ遅いほど食事が来るのが遅くなり、帰路に景色を眺めるのに専念することが出来なくなります。


ビスタ・ドームクラスに乗車すると、乗車時に列車の乗車口のステップで写真を撮ってくれて、車内で写真を印刷し、帰路の駅に着く前に写真を販売($20)しに来ます。記念に持ち帰りたい人は、どうぞ。

立ち席オンリーのオープンカーがあり、どのクラスに乗車した人も、このオープンカー車両に来て、景色を眺められます。
乗客は大体、「行き」は食事をしながら窓の外の景色を眺め、「帰り」はオープンカー車両に移って景色を眺めているようでした。ので、「行き」はオープンカーは空いていて、「帰り」は折り返し地点からローヤルゴージ橋の真下まで(帰路は列車はそこで数分停まってくれます。)、オープンカーはこれ以上空いているスペースが無いほど乗客がいっぱいでした。



また、景色は川側である進行方向に向かって左側が景色が良いですが、親切な乗客は折り返し点で席を変わってくれる人達もいます。(どうせ行きと帰りは同じ景色ですから・・・)または、運が悪くて進行方向に向かって右側の絶壁側に座ってしまった人は、帰りはオープンカーに移って景色を堪能してください。

途中、渓谷と、ゴムボートで渓流下りする人たち、ビッグホーンシープ(Bighorn Sheep)の群れ、古くて今は朽ちた木製のパイプの水道管、その管理の小屋、などが見られ、約300メートル上のロイヤルゴージ橋を下から眺められます。

料金は大人一人当たり(2018年9月現在)
● 普通コーチ(Coach)$49
● クラブクラス(Club Class)$59
● ビスタ・ドーム(Vista Dome)$74
3歳から12歳までは$5割引き。発車時刻は午前9時半、お昼の12時半、午後3時半、午後6時半ですが、季節によって本数は変わります。
ブースは4人ブースが多く、2人分を予約すると必ず同じ向きの席にしてくれるそうですが、向かい側には知らないカップルが座るでしょう。
若い人も多いですが、ご老人の夫婦で利用することも多く、お向かいの人たちとおしゃべりするのも楽しみの一つだそうです。

また、11月15日から12月30日(12月25日は運休)はサンタ・エクスプレとなり、途中の駅にサンタと小人の装飾がデコレーションされるそうです。

列車の速度がスローなのはスピード感が無くて物足りませんでしたが、逆に、ゆっくり食事をしながら峡谷の景色を楽しむにはちょうど良いかもしれません。

こちらにロイヤルゴージルート鉄道全線を運転席から撮影したYouTube動画がありますので、紹介しておきます。
Royal Gorge Route Railroad – Driver’s Eye View

ロイヤルゴージルート鉄道乗車後、時間があったら車で約20分(12.2マイル)のロイヤルゴージ橋(Royal Gorge Bridge and Park)にも寄って、高さ291メートルの吊り橋を渡ってください。スリルを体験したい人は、谷の上291メートルをZip Lineで楽しむか、谷の上に立っている巨大ブランコに縛られて291メートル下の谷底を上から見下ろしてください。
高さが北米一のロイヤルゴージ橋と、その周辺のアトラクション(Royal Gorge Bridge and Park) - 2018年9月22日



――<●>――
関連すると思われる記事: