AT&TがLeap Wireless (Cricket)を買収すると発表


- Old Counter



アメリカの4大キャリア以外の淘汰が、続いています。
T-Mobile USAは2012年10月、当時加入者数約950万人で全米5位のMetroPCS(自社基地局を持つプリペイド携帯会社)を買収すると発表し、2013年5月1日に買収を完了しました。

今度はAT&Tが2013年7月12日夕方、(MetroPCSがT-Mobile USに買収される前の加入者数ランクで)全米第6位のLeap Wirelessを12億ドルで買収する、と発表しました。Leap Wirelessは、Cricketプリペイド携帯サービスを全米35州で展開しています。Cricketの加入者数は約500万人です。
Leap Wirelessは35州で人口カバーで9600万人地域に対しCDMA2000 1900MHz通信サービスを、そして、11都市、人口カバー2100万人に対しAWS Band 4 LTEサービスを提供しています。他に89都市に、未使用のAWS電波使用権を所有しています。
AWS周波数帯のLTEサービスは、AT&Tの次期LTEサービス周波数と同じです。

Cricketは35州しか自社基地局を持っていませんが、Cricket加入者はそれ以外の地域ではSprintのCDMA2000 1900MHzを自動ローミング可能です。

AT&Tの発表によると、AT&TはプリペイドCricketブランド名を維持し、Cricket加入者はAT&Tの700MHz Bバンド(そして、将来のAT&T独自のAWS周波数)LTEに接続できるようになります。さらに、これまでにCricket店舗の進出していない州にもCricket店舗を広げていきます。Cricketは月$35~$70の低コストMonthlyプリペイドプランでこれまでサービスを提供しています。1年前の2012年5月からはアメリカのプリペイド携帯会社で当時初めてiPhoneも販売開始しています。

買収にはFCC(連邦通信局)とDoJ(連邦司法省)の承認が必要で、6ヶ月から9ヶ月で承認を得られ、買収が完了する予定です。

この買収完了後、Cricketの1900MHz CDMA2000電波がいつまで継続して利用できるのか、今の時点では発表されていません。しかし、MetroPCS同様、いずれはCricketのCDMA2000 1900MHzは停波され、Cricket加入者は新しい携帯機種に買い換える必要があるでしょう。(まあ、2年くらいは猶予期間があるはずですから、停波は2016年前期ころでしょう。)

AT&Tは今週、同社の低価格(速度制限あり)の第2のプリペイドブランド、Aio Wirelessを2013年8月からAtlantaなど複数の追加地域で販売開始することを、発表しています。Aioは2013年5月9日から試験的にHouston、Tampa、Orlandoの3都市のAT&Tショップで販売が開始されています。

この買収が来年(2014年)初めに成立すると、AT&Tは
● GoPhone
● Aio Wireless
● Cricket
の3ブランドのプリペイド・サービスを同時提供することになります。

また、AT&TのAWS周波数のLTEサービスが一気に加速されることになります。

AT&Tは2013年7月10日にメディア関係者に”Get ready for what’s next in wireless”と題したEメールを送り、2013年7月16日に重大な発表を行うことを示唆しています。内容は明らかにされていませんが、LTE関連のニュースであることが推測されています。

MetroPCS、Cricket(Leap Wireless)と全米第5、第6のキャリアが買収された(される)ことで、次のターゲットは、第7位のU.S. Cellularになります。

U.S. Cellularは同社の加入者の約10%に相当するChicago、St Louisなどのマーケット(加入者、基地局、周波数)を2013年5月17日にSprintに売却したばかりです。また、2013年6月28日には同社の中西部の29地域の未使用AWS周波数使用権を、T-Mobile USに売却することに同意しています。



――<●>――
関連すると思われる記事: