アメリカ国内で飛行機の離着陸時にも、iPadが使用できるようになる!?
FAA、アメリカ連邦航空局は、iPadやKindleやNookなどのタブレット、ポータブルDVDプレイヤー、ゲーム機器などを航空機の離着陸時にも機内での乗客の使用を許可するかどうかについて、調査委員会を組織し、6ヶ月間調査・諮問を行った後、結論を出すことにする、と発表しました。
FAA reconsiders limits on consumer electronics in the sky – 2012年8月28日
FAA to study ban on personal electronics during takeoff, landing – 2012年8月28日(LA Timesオンライン記事は数週間経過すると、一般アクセスできなくなると思います。 ご了承ください。)
アメリカでは乗客による機内でのiPadなどのタブレット使用者が増えているだけでなく、航空機のパイロットが離陸前手順確認などに操縦席内でiPadを使用している航空会社もあり、パイロットが機内や仕事中に運び込む重い紙の書類やマニュアル類を減らしています。
このような状況の中で乗客からは、「操縦席でパイロットが離着陸時もiPadやノートパソコンを使用しているのに、なぜ、乗客は離着陸時にiPadなどを使用できないのか?」という疑問も出てきており、FAAは今回、調査委員会を編成し、安全が確認されれば、乗客も一定の基準内の電子機器は離着陸時にも許可していく、と発表したものです。
FAAによれば、昨年(2011年)1年間でパイロットによって報告された「電子機器による機内ナビゲーションシステムへの電波干渉の疑い」は75件ありますが、事後の問題の再現が難しく、パイロットの「電波障害疑惑」報告を検証するのが難しいのが現状です。
また、コンシューマー・エレクトロニクスのデバイスの種類も増えてきており、過去に作成された規則が新しい種類のデバイスに必ずしも適用し難い、という問題も発生しています。
さらに、航空会社によって一部のデバイスへの機内での使用規制がまちまちな問題もあり、乗客も混乱しています。
スマートフォンやiPad/eリーダーなどの電子機を使用する乗客も数年前に比べると激増しているのも、これまでの航空機内電子機器使用規則を見直す必要性が出てきている理由です。
このため、FAAは業界メンバーと専門家による調査委員会をこの秋に設置し、この問題に対して統一的な見解を発表し、混乱を無くそう、というのが狙いです。
この委員会は、現在の機内での電子機器の使用ルールを全て見直します。
航空会社が独自に実施する「(新しい電子機器が市場に発売された場合の)電子機器による電波障害検知のテスト」手順や、航空機の飛行行程の全てのフェーズにおいて「電子機器機内使用のための技術標準」の作成、を諮問します。
調査委員会は6ヶ月間の予定で活動を続け、一般からの意見も公聴し、FAAに最終提案を提出します。
Want to use Your iPad during takeoff!? Tell the FAA – 2012年8月27日
来年の春にはアメリカの航空会社の機内では一部の条件下で、離着陸時にもiPhone/スマートフォンやiPadなどの電子機器の使用が、許可される可能性が出てきました。(ただし、離着陸時に席の前のトレイを下げることは、安全の理由で許されていないんですよね・・・)
日本の航空会社とお役人はとても規則にうるさく硬く、柔軟性がありませんが、このアメリカのFAAの規制緩和への方向が日本の航空会社にも導入される可能性はあるのでしょうか。
時代に合わせて法律や規制を調整していくアメリカ(FAA)の姿勢は、日本のお役所も見習って欲しいものです。