今年(2014年)7月からはT-Mobile USのLTE(Band 4)にも対応し始めた「アクティベーションの簡単なZIP SIM(旧Ready SIM)」ですが、LTEを含むデータ接続の問題が多かったのでしょう。
先ほど、ZIP SIM(旧Ready SIM)から連絡があり、APNが変更になりました。
ご注意ください。
ZIP SIM(旧Ready SIM)の新しいAPNは、同じくLTE対応しているT-Mobile USのMVNOのUltra Mobileとも同じAPN値です。
昨日、ツイッターで情報を流したので、もう良いと思ったのですが・・・
詳しくはVintage Computerの武藤さんの検証報告を読んでいただきたいと思います。(リンクは最下部。)
今年(2014年)8月初めにアメリカでは「SIMロック解除合法化」法が法制化されたため、Sprint版iPhone 6/6 plusもこの法案の趣旨に従って、デバイスオンリー購入でSIMフリー、または後日、契約条件を満たしてSIMロック解除された場合には、アメリカ国内の他社のSIMも使用できるようになるのではないか・・・という期待がありました。(筆者も期待していたうちの一人です。)
残念ながら武藤さんの検証によれば、今年のiPhone 6/6 plusもこれまでのiPhone 4s/5/5c/5sと同様に、Sprint版はアメリカ国内SIMロックです。つまり、SIMフリーのSprint版を購入するか、Sprint版を後日何らかの方法でSIMロック解除しても、AT&T、T-Mobile US、および、それらのMVNOのSIMは使用できません。Verizonは3G通信方式CDMA2000の関係で、自社販売またはVerizon用として販売された端末以外はアクティベートを許可しませんので、SIMフリーSprint版ではVerizonのSIMのアクティベーションや加入/契約は、出来ません。
Sprintのアメリカ国内SIMロック解除の方針は、2014年4月23日ごろに発表された以下の公式発表があるだけです。
【Sprint】Legal / Regulatory & Consumer Resources : Unlock your Sprint device
“iPhone 6/6 plusも、Sprint版はアメリカ国内SIMロックです。” の続きを読む
T-Mobile USは次期LTE拡張計画のための施設作業をEricssonに発注しました。この発注内容により、T-Mobile USの次期LTE拡張計画が明らかになっています。
T-Mobile USの現在のメインLTEはBand 4(上り1700MHz/下り2100MHz)のAWS(AWS-1)で提供されていますが、同社はAWS電波使用権を持っている殆どの地域でBand 4 LTEは構築し尽くしています。現在の同社のLTEカバー率は2億3500万人(約75%)に成っています。
T-Mobile USは今後のLTE拡張計画として、現在1900MHz 2G GSM(Edge)しか提供されていない過疎部での地域をアップグレードし、3GとLTEを提供する予定であることを今年(2014年)春に発表しています。2G GSMオンリー地域のLTEアップグレードは2015年半ばまでに完了される予定で、これが完了するとT-Mobile USのLTE人口カバーは2億8000万人(人口カバー率90%)に達する予定です。
T-Mobile USのLTE化、フェーズ2:2G Edgeオンリーサービス地域を2015年夏までにLTEアップグレード – 2014年3月14日
また、今年(2014年)1月にはVerizonから700MHz Band 12使用権を買い取る契約を結び、2014年4月24日にFCCの許可を得て、Band 12の買取完了を5月1日に報告しています。
T-Mobile USが700MHz Aブロック(Band 12)取得を報告、今後のLTE拡張計画に触れる。 – 2014年5月1日
Verizonから買い取ったこのBand 12周波数使用権は人口カバー率で50%超しかなく、T-Mobile USはその後、他の中小のBand 12使用権保有会社から積極的に買い取る交渉を続けています。
また、今年2014年11月中ごろにFCCにより行われる予定のAWS-3使用権競売にも積極的に参加し、AWS Band 4の周波数帯域の拡大を試みます。
700MHz Band 12低周波数は電波到達距離が長く、過疎地で少ない基地局で広い地域をカバーできるため、過疎地での使用が期待されています。
さらに、低周波数バンド(Band 12)は建物内部への電波到達力も強く、都市部では建物内電波の改善につながります。
今回、Ericssonとの契約で明らかにされた内容として、T-Mobile USはLTE 700MHz Band 12の使用を積極的に構築していくだけではなく、郊外/過疎地では1900MHz Band 2を再編して一部LTEとしても使用していきます。さらに、既存のAWS Band 4と、新しく設置されるBand 12とBand 2のキャリアアグリゲーションも、2015年末までにサービスとして提供される予定です。
今回のiPhone 6/6 PlusはT-Mobile US、および、Sprintのルーラルローミングパートナーの使用しているBand 12に対応しておらず、予想外ではありましたが、年末から来年初めに掛けてBand 12対応の端末も増えてくるでしょう。
ソース:
【GigaOM】T-Mobile picks Ericsson to build its new tricked-out LTE network – 2014年9月23日
【FierceWireless】T-Mobile to focus on 1900 MHz LTE deployment to expand network footprint – 2014年9月24日