デンバー周辺の公共交通シリーズ、最後は電車（RTD Light Rail）の乗り方です。
この電車はデンバー／ボルダー市内公共バスと同じ、RTD（Regional Transportation District、広域交通局）の運営です。したがって、バスと電車の両者間の乗り継ぎが可能です。
旅行者で使う可能性の高いケースは、
－ デンバーダウンタウンに宿泊中で、南のほうのPark Meadowsショッピングセンターへ出かける
－ デンバーダウンタウンに宿泊中で、デンバー大学（University of Denver）に行く用事がある
－ デンバー・テックセンターなど南のほうに宿泊中で、デンバーダウンタウンに行って見たい
－ 西のゴールデン（Golden）方面に宿泊中で、デンバーダウンタウンに行って見たい
－ デンバーダウンタウンから、ゴールデンのクアーズビール工場や、レッドロックス公園／野外コンサート場へ行って見たい（電車の終点駅または途中駅から、更にバスに乗り継ぐ必要があります。）
と言う場合でしょう。
2016年4月22日からはデンバー・ダウンタウンからデンバー国際空港までの電車路線（Aライン）が運行しています。また、同じく、Aルート（ダウンタウン⇔空港線）の途中から、南側にI-225沿いに路線（Rライン）が拡張されます。これらを使うことにより、2016年末には
－ デンバーダウンタウンから、デンバー国際空港へ
－ デンバーダウンタウンから、中規模展示会やショーの行われるデンバーコロシアムやナショナルウェスタンストックショー会場へ
－ デンバーダウンタウンから、旧空港跡地のStapleton（ステープルトン）地区のホテルへ
－ デンバーダウンタウンから、コロラド大学大学病院／子供病院／（建設中の）VA（退役軍人）病院新病棟へ
－ デンバー国際空港から、ダウンタウンを通らずにデンバーテックセンター地域やPark Meadowsショッピングセンターへ
の公共交通網を使った移動も、しやすくなりました。
また、RTD電車（Commuter Train）はデンバーダウンタウンから北西側のボルダーと、その先のロングモントへも延長が計画されており、2016年7月25日にはその路線（Bライン）の南側の部分がウェストミンスター（Westminster）まで開通予定です。
■ RTD電車（Light Rail）の料金
電車（Light Rail）の料金は、バス料金に比べるとちょっとわかりにくいです。
以下に2015年現在の路線図がありますが、駅がそれぞれAゾーン、Bゾーン、Cゾーン、Dゾーンと分かれています。
そのゾーンを使い、
－ 同じゾーン内の移動は、ローカル料金（片道$2.60）
－ 隣のゾーンへの移動も、ローカル料金（片道$2.60）
－ 2つ目（ひとつ飛んだ）のゾーンへの移動は、Regional料金（片道$4.50）
です。つまり、
－ A内、B内、C内の移動 ⇒ ローカル料金（片道$2.60）
－ A⇔B、B⇔Cの移動 ⇒ ローカル料金（片道$2.60）
－ A⇔Cの移動 ⇒ Regional料金（片道$4.50）
－ 空港発着の場合は、片道$9
毎年1月1日に料金改定が実施されます。ここ数年は料金は上がっていません。料金はRTD-Denverのサイトで確認できます。
「Fares」で、「Local/Limited」の料金がローカルの片道料金、「Regional」の料金がRegional片道料金です。
【RTD Denver】ホームページ
なお、65歳以上はLocal/Regionalそれぞれ片道$1.30/$2.25（ID必要）、13歳以下も$1.30/$2.25（ID不要）、5歳以下は無料です。14～19歳は中高校の在籍を証明するIDがあれば、$1.30/$2.25（ID必要）です。
料金の例：
ダウンタウン内どの駅からでも、EまたはFでCounty Line Station（Park Meadowsショッピングセンター）まで、片道$4.50。
ダウンタウン内どの駅からでも、デンバー大学（University of Denver）駅まで、E、FまたはHで、片道$2.60。
デンバーテックセンターBelleview駅から、デンバーダウンタウンまで、EまたはFで、片道$4.50。
ダウンタウン・ユニオンステーション駅から、ゴールデンのJefferson County郡庁舎終点まで、Wで、片道$4.50。
■ RTD電車（Light Rail）のチケット購入方法
RTD電車の車内ではチケットの購入は出来ません。現金で車掌に支払うことも、出来ません。
電車駅にある券売機で乗車前に片道チケット（購入から3時間有効）、1日（Day Pass、翌日午前2時59分まで有効）チケットを購入します。券売機でチケットを購入した場合には、チケットに購入日と時刻が印刷されています。
詳しくは、
デンバーRTD（公共バス、電車）のチケットの買い方 – 2016年5月6日
を参照してください。
または、RTDの有人バス駅（ユニオンステーション駅、Civic Center駅など）、スーパーマーケットのKingSoopersまたはSafewayのカスタマーサービスのカウンターで、片道10枚綴りのチケットを事前に購入します。10枚綴りのチケット（回数券）は、
－ ローカル（$2.60）10枚＝$26.00相当が、$23.50
－ Regional（$4.50）10枚＝$45相当が、$40.50
と、約10％割引きで購入できます。回数券は、RTDのバスと電車の両方に利用できます。
このチケットの使用有効期限はその年の12月31日までですが、実質的には翌年1月末まで古いチケットは「大目に見てくれて」使用可能。その後は翌年6月末まではRTD有人駅の窓口で、新しい年の10枚チケット綴りと交換してくれます。（ただし、古いチケットの枚数が10枚に達しない場合は差額を支払います。また、運賃が値上がりした場合も、差額を支払う必要はあります。）
事前に購入したチケットの場合には、電車乗車前に駅のプラットフォームにある写真のような「VALIDATOR（改札）」機にチケットを挿入し、現在の日時をチケットに印刷してもらい、それを取り出して、有効な乗車チケットとします。
電車が来て乗車する場合には、そのまま、券売機で購入したチケット、または、日時の印刷されたチケットを持って（無くさないようにしてください。）、乗車します。
■ RTDバス／電車、往復チケットと1日乗り放題チケット
電車駅の券売機では、
－ 片道チケット（購入から3時間有効）
－ 1日乗り放題電車／バス共通チケット（1-Day Pass。料金は、下記参照。）
が購入できます。
1日乗り放題チケット、5日間乗り放題チケットの料金は、以下の通りです。
● 1-Day Pass Local － $5.20
– ローカルバス、ローカル料金内電車
● 1-Day Pass Regional － $9.00
– ローカルバス、ローカル料金内電車、Regionalバス（例：デンバー⇔ボルダー間）、空港バス
Day-passは有人バスステーション（Union Station、Civic Center Station、など）と、Denver Convention & Visitor Bureau（16th Street at California Street）、スーパーマーケットのKing SoopersとSafewayでも、5枚綴りの回数券として販売しています。（5枚綴りでも、割引はありません。）
※ 参考：
一ヶ月定期（Monthly Pass）は、
● ローカル － $99（38.1回乗車相当分）
● Regional － $171（38回乗車相当分）
|
■ RTD電車券売機、ステップ
詳しくは、 |
■ RTD電車（Light Rail）の路線、運行時間とスケジュールの調べ方
基本的には各路線、朝5時ころから深夜0時頃まで、15分～30分に一本の運行ですが、ウィークディか土曜日、日・祝日かで運行スケジュールが変わります。
現在運行しているRTD電車の路線番号は、
－ A ユニオンステーション駅 ⇔ デンバー国際空港
－ C ユニオンステーション駅 ⇔ Littleton-Mineral駅（I-25／Broadwayからは、南西のリトルトン方面へ）
－ E ユニオンステーション駅 ⇔ Lincoln駅（I-25／Broadwayからは、南のPark Meadowsショッピングセンター方面）
－ W ユニオンステーション駅 ⇔ ジェファーソン郡庁舎（ゴールデン）
－ D ダウンタウン（30th／Downing Street） ⇔ Littleton-Mineral駅（I-25／Broadwayからは、南西のリトルトン方面へ）
－ F ダウンタウン（18th／California Street） ⇔ Lincoln駅（I-25／Broadwayからは、南のPark Meadowsショッピングセンター方面）
－ H ダウンタウン（18th／California Street） ⇔ Nine Mile駅（I-25／Southmoorからは、東の南オーロラ方面へ）
RTD電車の各路線の詳しいスケジュールは
【RTD Denver】ホームページ
のSchedules->Light Rail Schedulesでチェックしてください。スケジュールは
－ Weekday（月曜日～金曜日）
－ Saturday（土曜日）
－ Sunday/Holiday（日曜日と祝日）
で違いますので、注意してください。
また、RTDサイトのトップページから「Trip Planner」をクリックして、
【RTD Denver】ホームページ
出発地と目的地と出発時刻（または到着時刻）を入力すると、
電車（またはバス）のルート番号と発車時刻が調べられます。
Google Mapでも、出発地と目的地を選び、「バス」アイコンを選べば、電車とバスを使った移動方法が調べられます。
iPhone／スマホ用のアプリはサードパーティアプリ、
－ Transit Tracker － Denver（RTD） by Raging Coders
現在地近辺のRTD電車・バス路線全表示：
出発地と目的地を入力して、電車・バス検索：
－ Moovit：Local Transit Aoo by Moovit App Blobal LTD
－ Google Map
などもルート検索やスケジュール検索に便利です。
電車駅にはスケジュール表が張ってあります。
■ 電車のハブ（センター）
デンバーダウンタウンには2ヵ所に電車のハブがあります。
ひとつは、ユニオンステーションの北側の地上部分。16 Street Mallの無料バス（Free Mall Ride）でユニオンステーションに向かう場合には、終点のユニオンステーションで降りると、その歩道部分の反対側が電車の駅です。
もうひとつはハブ駅とはいえませんが、バスのCivic Center Stationが近い、ルートF/Hの始発／終点駅の16th StreetとCalifornia Street、
ルートDの始発／終点駅はその先の18th StreetとDowning Streetです、
徒歩でユニオンステーションへ着いた場合には、建物の中に入り、「待合室」を抜けて建物の外（裏側）に出て、線路が見えたら地下に入る入り口があるので、そこから地下のバスターミナルにエスカレータで降ります。バスターミナルを通り抜けて反対側に行くと、地上へ出るエスカレーターがあり、それを上がると、ユニオンステーション電車駅が目の前に見えます。
16 Street Mallの無料バス（Free Mall Ride）で電車のユニオンステーションに向かう場合には、終点のユニオンステーションで降りると、その歩道の反対側が電車のホームです。
■ RTD電車の料金の払い方と、他のRTD電車／バスへのトランスファー（乗り継ぎ）
券売機で電車チケットを購入すると、それが支払いの証明となります。
また、事前に購入した回数券などは、上に書いたように電車駅にある「Validator（改札）」機で日付を印刷します。それが、「改札」したことの証明です。
電車に乗車する際にチケットを見せたり、チケットを投入する料金箱は、ありません。
しかし、電車内ではランダムに車掌による検札が行われます。有効な乗車チケットを提示できない場合には、警告（1回目）または罰金（最高$100）が科せられます。
電車を降りるときには、チケットを回収しません。回収箱もありません。電車で利用したチケットは、降車駅からバスに乗り換える際の「トランスファーチケット」として利用できます。特にバス（や他の電車路線）に乗り換える際には、電車のチケットを失くさないようにしてください。
トランスファーの有効期限は、最初の電車／バスの乗車から3時間以内です。
バスにトランスファーで乗車したら、そのチケットをバスの運賃箱に入れます。
往復チケットやDay Passなども、同じチケットを使って次の電車またはバスに乗ることになります。利用終了までチケットを失くさないようにしてください。
Day Pass（1日乗車券）をRTDバスで利用する場合は、Day Passチケットを運転手に見せるだけでよいです。（運賃箱にはDay Passチケットを入れないでください。）
■ RTD電車、降りたい電車駅の手前で運転手に知らせる？
RTD電車（Light Rail）は全駅に停車しますので、降りたい駅を知らせる必要はありません。