MetroPCSが4G LTEプランを実質値上げ


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加入者数でアメリカ第5位の携帯電話会社で、南北カリフォルニア、ラスベガス、東海岸(ボストン⇔フィラデルフィア間)、フロリダ、デトロイト、ダラス周辺など19地域のみで加入できるプリペイド携帯会社MetroPCSが、4月から4G LTEプランを実質値上げするらしいという噂は先週から報道されていましたが、
MetroPCS to Overhaul Monthly Plans Next Monday, Adds Throttling on LTE – 2012年3月30日
現実となりました。

 

MetroPCSのこれまでの4G LTEプラン月使用料金は「Webは使い放題だが、音楽やVideoのStreamingはプランによって月のダウンロードバイト数を制限する」という変則的なプランでしたが、新プランは全てのネット(データ)アクセスを同様に扱い、速度制限の掛かるまでの4G LTEアクセス天井バイト数の値により金額が違います。
また、新しく「データも使い放題(速度制限の無い)プラン」の月$70 4G LTEプランを追加しました。

新しい4Gプランでは、
月$40 ・・・ 月250MBまで4G LTE速度/それ以上は3G EVDO速度に速度制限。
月$50 ・・・ 月2.5GBまで4G LTE速度/それ以上は3G EVDO速度に速度制限。
月$60 ・・・ 月5GBまで4G LTE速度/それ以上は3G EVDO速度に速度制限。
月$70 ・・・ 4G LTE速度で使い放題。
となります。

また、4G LTEが必要でなければ3Gプランとして
月$40 ・・・ 国内通話・国内テキスト・3Gデータ使い放題
月$45 ・・・ 国内通話・国内テキスト・国際テキスト・3Gデータ使い放題
月$50 ・・・ 国内通話・国内テキスト・国際テキスト・3Gデータ使い放題・IM(インスタントメッセージ)使い放題
月$60 ・・・ Blackberry使い放題
月$60 ・・・ 国内通話・国内テキスト・国際テキスト・3Gデータ使い放題・IM(インスタントメッセージ)使い放題・音楽ダウンロードし放題
プランがあります。

MetroPCSはアメリカでLTE商用サービスを2010年9月に最初に開始した携帯会社ですが、ネイティブサービスエリア(自社基地局を持っている地域)は全米でカリフォルニア州およびラスベガス・東海岸北部・アトランタ周辺・フロリダ・ミシガン州デトロイト周辺・テキサス州ダラス周辺・ルイジアナ州シュレベポート周辺の19地域に限られています。
新規加入も、この地域に住所のある人しか加入できませんが、契約はプリペイド携帯扱いで身分証明書提出の条件などが緩やかで、全プランでアメリカ国内通話とテキストは「し放題」の為、この地域に住んでいる留学生などには人気があるようですね。
MetroPCS携帯電話会社について – 2012年2月17日

MetroPCSの加入者は、加入が可能な19地域以外でもMetroPCSの携帯をローミングで使用することが出来ます。(殆どがローミング料金無料ですが、追加料金の必要な有料地域もあります。)
しかし、ネイティブサービスエリア以外では4Gサービスの貢献は得られず、3G CDMA2000のサービスになります。

MetroPCSは今年2012年2月末にSprintに買収話を持ちかけ、SprintのCEOも合意したものの、Sprint役員会で反対されて買収が成立しなかったと言うニュースが流れています。
Sprint Board Walked Away From MetroPCS Takeover (Wall Street Journal) – 2012年2月24日
また、MetroPCSの4G LTEプラン加入者は全MetroPCS加入者900万人のうち50万人しかなく、LTE設備投資と維持(メインテナンス)のコストが充分回収しきれていないという推測もあります。

MetroPCSの4G LTEサービスエリアが全米規模ではなく、限定地域に限られているのも、LTEプラン加入者が思ったほど伸びなく、コスト回収できていない理由なのでしょう。

MetroPCSは4G LTEをAWS周波数(上り1700MHz/下り2100MHz、Band 4)で提供していますが、その周波数帯域は狭く、LTEアクセス速度は4-5Mbps程度が標準であるということです。(比較の為に書くと、Verizon/AT&Tなどは、速いところでは12~15Mbpsのアクセスが可能です。)

MetroPCSとは全く反対に、アメリカ中西部と過疎地にネイティブサービスエリアがあるU.S. Cellularも2012年3月22日からLTEサービスを一部地域で開始しましたが、今後、これら地域携帯電話会社の4G LTEサービスの行方と、企業コンソリデーションや連携も注目していく必要があります。



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