Sprintと、そのプリペイド子会社のネットワークアクセス規制ルールが、2014年6月1日から実施されます。
Sprintと、そのプリペイド子会社のVirgin Mobile USA、Boost Mobileは昨日(Virgin Mobile USA)と本日、案内をそれぞれのページに掲載し、来月(2014年6月1日)以降のデータ通信ヘビーユーザーへのネットワークアクセス規制のルールを発表しました。
これによると、
■ ネットワークアクセス規制の目的
● 全てのユーザーに公平にデータ通信をアクセスしてもらうため、ヘビーユーザーのネットワークアクセス規制を実施する
■ ネットワークアクセス規制を受ける条件
● 前月のデータ使用バイト数が、ユーザー全体のトップ5%に入っている
- Virgin Mobile USAは、月に5GB以上を使っていると、トップ5%に入る確率が高い、と表記しています。
■ ネットワークアクセス規制の内容
● 規制を受けるのは、データ使用量がトップ5%に入った翌月のみ
● 回線混雑時に、回線アクセス優先度が、アクセス規制を受けていないユーザーに比べて低くなる(つまり、接続しにくくなるか、データ速度が落とされる)
● 回線混雑していない地域や状況(時間帯)では、ネットワークアクセス規制は受けない
● 規制はデータアクセスがトップ5%に入った翌月、1ヶ月のみ
ただし、継続的に「月のデータアクセス量が、全ユーザーのトップ5%」に入れば、毎「翌月」ネットワークアクセス規制を受けることになります。
Sprintとその子会社はこれを、新しい「Network Management」と称して、来月から実行すると発表しています。
【Sprint】Open Internet Information
【Virgin Mobile USA】FREQUENTLY ASKED QUESTIONS ABOUT NETWORK MANAGEMENT
【Boost Mobile】Network Management
現実にはSprintのプリペイド子会社のVirgin Mobile USAとBoost Mobileは、それぞれの通信プランで高速(3G、LTE、WiNAX)で使用できるデータ通信量は2.5GBまでで、それ以上は現在は256Kbpsに速度制限されます。さらに、2014年5月16日からは2.5GB以上は128Kbpsに速度制限の速度を落とす、と既に発表されています。
【PhoneDog】Boost Mobile, Virgin Mobile to slow throttled data speeds further in May - 2014年3月19日
この128Kbps速度で、いったい、どうやってあと残り月2.5GB以上使って、合計5GB以上使えるかどうか、非常に疑問でもあります。
現在、速度制限の無いSprintのポストペイド契約でこのネットワーク規制ルールを実施する理由は、判らないわけでもありません。しかし、Sprintは(まだ24都市しか実施されていませんが)トライバンド(3周波数)組み合わせで使えるSPARKテクノロジーで、60Mbpsの高速通信が出来ることを前に出してマーケティングしており、SPARK利用者が月5GBくらいでネットワークアクセス規制を受けるとしたら、SPARKの価値がそれほど無くなってしまいます。
だって、SPARKで60Mbpsということは、約7.5MB/秒でしょう?
7.5MB/秒で5GBダウンロードするのに、5×1024/7.5=682.66秒=11.377分。
おいおい、SprintのSPARKでデータ通信を月に11分半使ったら、翌月ネットワーク規制なの?・・・信じられない!
どちらにしても、このSprintとそのプリペイド子会社によるネットワークアクセス規制の仕方は「新しいネットワークアクセス規制方式」と呼べるもので、今後、他のキャリアも同様な規制を掛けてくるかどうか、注目されます。
なお、この規制ルールに関して、既に2015年中に停波計画が発表されているSprint(Clear)のWiMAX通信にしては、「今はカウントしないものの、状況は注目しながら観測していく」との方針だそうです。
参考:
【Prepaid Phone News】Virgin Mobile To Throttle Top 5% of Data Users More Severely - 2014年5月7日
【Prepaid Phone News】It’s Not Just Virgin Mobile, Top 5% of Boost Mobile and Sprint Users Will Be Throttled Too - 2014年5月8日