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アメリカの通訳の資格(医療通訳、法廷通訳)と、無料通訳サービス


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通訳の場に借り出されて、良く誤解されることがあるので、標題の件を一度書いてみたいと思います。

まず、
● アメリカでは通訳を職務として行うのに、基本的には資格は不要です。 エスコート(案内)通訳や技術通訳や同時通訳にさえ、資格も検定試験も、ありません。本人の通訳能力次第です。

※ 通訳専門の養成コースを持つコミュニティーカレッジ、4年制大学、および、修士課程大学院はあります。しかし、それを履修していないと通訳業が出来ないわけではありません。
また、これらのコースは通訳歴が短かったり、これまで職業として通訳をしたことが無い人に、向いています。大学院の場合には、同時通訳や国際会議通訳など、もっと訓練したい人が進むべきコースです。

※ 一部に「通訳者の認定は、ATA(American Translators Association)が行う。」と書いている記事がありますが、これは間違いです。ATAの認定には通訳能力検定は無く、翻訳能力検定のみです。したがって、ATAの検定には口頭試験はありません。また、ATAの翻訳能力検定試験は、ATAという民間団体による翻訳「能力検定」試験であり、「資格」試験ではありません。

しかし、
● 「Title VI of the Civil Rights Act of 1964」(1964年制定公民権法、第6条)により、連邦政府の資金援助を受けている施設は、その施設が提供するサービスを、全ての人に対して、人種や言語の差別をせずに提供しないといけない。
ことになっています。特に、2000年8月11日に当時のBill Clinton大統領が大統領行政命令(Executive order)
【アメリカ司法省】EXECUTIVE ORDER 13166 : IMPROVING ACCESS TO SERVICES FOR PERSONS WITH LIMITED ENGLISH PROFICIENCY
を発令し、「連邦政府の援助を受けている全ての施設は、英語の理解力が欠如している(充分ではない)人に対しても、その施設のサービスを平等に使えるようにしなければならない。(それをしないと、連邦政府の資金援助やMedicaid/Medicareの支払いが断ち切られる。)」ことになりました。

ここで、以下の施設が特にこの「大統領行政命令(Executive order)」の対象になります。
● 病院 (特に、連邦政府の医療厚生プログラムのMedicare、Medicaid等対象の患者を少なくとも一部、受け付けている病院。通訳サービスは、通訳を必要とする全患者に提供する必要あり。)
● 裁判所 (特に、郡(County)裁判所、州裁判所)
● 学校(K-12年生の義務教育施設)・・・学校では、Teacher’s Conference(親が先生と個別面談する)の時に通訳をリクエストできるようにしている学校区があります。

なお、アメリカでは「病院」は主に「手術と、入院する医療施設」であり、お医者さんに診察に行く場合の所謂「Medical Office、Private Practice」は、連邦政府医療援助プログラム(Medicare、Medicaid)の患者を受け付けていない場合には、この「大統領行政命令(Executive order)」の対象になりません。

上記の施設の中で、「病院」と「裁判所」はこの「大統領行政命令(Executive order)」に対応するために、通訳の標準化と資格を設定する動きが出てきました。
その資格が、
● 法廷通訳(Court Interpreter)資格
● 医療通訳(Medical Interpreter)資格
です。

まず、法廷通訳資格(Court Certified Interpreter)
● 各州で認定された法廷通訳 
● 連邦政府に認定された法廷通訳
があります。

州で認定されるためには、それぞれの州の裁判所が開催する
● トレーニングプログラム(有料)に参加し、
● 筆記試験(有料)に合格し、
● バックグラウンド調査(ポリス・レポート、過去の犯罪の有無)を行い、
● (州によっては)口頭試験に合格する
必要があります。連邦法廷通訳の場合には、更に詳しいバックグラウンド調査が行われます。
トレーニングの内容は、通訳能力というよりは(通訳能力は、このトレーニングに参加する前にあることが前提)、法廷通訳者としての倫理規定を学び、法廷手続きの手順を簡単にレビューし、通訳の標準化を理解するのが目的です。これに出たからといって急に通訳能力が上がるわけではありません。
全てのプロセスを合格すると、「Court Certified Interpreter」になります。
ただし、日本人の少ない州では、日本語の口頭試験が用意されていません。そういう州でも、スペイン語は口頭試験があります。他にもいくつか口頭試験のある言語があります。でも、日本語の口頭試験は用意されていない州が、数では多いです。その場合(つまり、筆記試験まで合格)には、「Court Certified Interpreter」とは呼ばれず、「Court Approved Interpreter」などと呼ばれます。
「Court Certified Interpreter」や「Court Approved Interpreter」は、実際に州法廷や郡(County)法廷で裁判になったときに、裁判所から呼ばれます。通訳費用は裁判所から支払われます。

連邦に認定された法廷通訳も、同じような過程を、連邦・司法省の基準で受けます。これに合格すれば、連邦裁判などで通訳が必要なときに呼ばれます。

実際の裁判とは別に、「宣誓証言、供述録取(deposition)」があります。
Depositionは法廷外で記録が行われ、実際の裁判の法廷内では、Depositionの記録が「証拠」として文書やビデオで提出されます。そして、訴える側と、訴えられる側の弁護士同士で費用分担が決められます。通訳費用の支払いは、どちらからかの弁護士から出ます。(つまり、最終的には原告・被告のどちらかから出ます。)
また、「宣誓証言、供述録取(deposition)」の時には「Court Certified Interpreter」や「Court Approved Interpreter」を使う必要はありませんが、この証言/供述記録は法廷で証拠として使われるものなので、法廷通訳の手順を知っている法廷通訳の資格のある人を指定してくる弁護士が多いです。

裁判や裁判所を利用する(誰かの裁判に第三者証人として呼ばれた場合も含む)立場の人にここで知っていただきたいのは、Bill Clinton大統領の「大統領行政命令(Executive order)」により、
● 実際の裁判(裁判所の建物)の中で通訳が必要であれば、裁判所に「通訳が必要なこと」を知らせると、裁判所が通訳を手配し、その通訳費用は裁判所が支払う義務があります。
 - これには、「離婚争議の、裁判所命令による調停」も含まれます。
 - 先日、初めて、ある市の裁判所(Municipal Court)に呼ばれましたが、交通違反などのようなローカルな違反で市(Municipal)裁判所へ出廷命令が出た場合でも、リクエストすれば、裁判所が通訳を手配し、その費用を市が支払ってくれます。
 - これまでの経験で、ある市では「これまで(昔)使った通訳は良くなく、裁判所として通訳は手配しないことに決定している。」という話を出入りの弁護士に聞いたことがあります。これは、「大統領行政命令(EXECUTIVE ORDER)13166号」に反しており、問題であるはずですが、裁判所から直接聞いた訳ではないので、筆者にはそれ以上の判断は出来ません。

● 弁護士との相談で通訳が必要な場合や、法廷外証言・供述のために通訳が必要な場合には、その費用は裁判所が払いません。
ただし、裁判所指定の弁護士を使用する場合には、別です。

医療通訳(Medical Interpreter)の場合も同様です。
特に、手術・入院・検査を行う病院の場合、予約時に「英語がNativeではない。Native言語は日本語。」と書く、または、選択すると、病院側が勝手に通訳を手配してくれることがあります。

医療通訳の資格制度は、最近、確立されつつあります。そして、全米同一基準で認定/認知されます。つまり、医療通訳に、州ごとの認定はありません。
数年前までは、
● 医療通訳者用トレーニング Bridging The Gap(有料)を40時間受講する(出席する)
だけで良かったのですが、最近は
● トレーニングの最終日に、履修内容の筆記試験があり、合格点(70点以上)を取得すること
が必要になりました。
法廷通訳のトレーニングと同じく、トレーニング内容は医療通訳者としての倫理規定を学び、医療通訳の各場面をおさらい(実習)し、医療通訳の標準化を理解し、大事な医学用語を一通り復習します。このトレーニングに出たからといって、医者と同じくらいには医学用語の知識は増えません。医学用語を増やすには、医療通訳の場数を増やすしかありません。

さらに近年(最近1~2年内)、以下の2つの機関が「医療通訳(Medical Interpreter)」の認定試験を提供しています。
● CCHI(Certified Commission for Healthcare Interpreters)
● CMI(National Board of Certification for Medical Interpreters)
認定機関が違うだけで、内容は同じです。

法廷通訳資格と同じく、これらの医療通訳資格でもスペイン語など一部の多く使われる言語では口頭試験があります。口頭試験に合格すると、認定(Certified)医療通訳者になります。しかし、日本語はまだ口頭試験が用意されていません。
筆記試験(コンピュータを使った試験)に合格すると、「準資格(Associate、Qualified)」が与えられます。したがって、現在のところ、日本語の医療通訳者はCCHI Associate Healthcare Interpreter、CMI Qualified Medical Interpreterが最高資格です。また、CCHIの筆記(コンピュータ)試験も、CMAの筆記試験も、レベルとしてはBridging The Gap医療通訳者用トレーニングの修了テストと同じレベルですから、Bridging The Gapを近年終了していれば、CCHI Associate Healthcare Interpreter、CMI Qualified Medical Interpreterの試験を合格するだけの能力はあるはずです。(Bridging The Gapトレーニングコースは数年前までは修了テストが無く、出席さえすれば修了証書が貰えた。)

病院は医療通訳の資格を持っている人を通訳者として雇う「義務は無い」ですが、「医療通訳者としての倫理や規則(個人情報の守秘義務)を知っていて、標準の手順を知っている」医療通訳者を雇うことを優先します。

法廷と同じく、病院側が手配した医療通訳者の通訳費用は、病院側の運営経費の一部で負担されます。
患者には請求されません。保険会社には請求されません。通訳が来たからといって、手術費用や入院費用が上がるわけではありません。(病院や法廷に呼ばれて、最初に対面して最も誤解されるのはこれです。)

したがって、安心して通訳を使うなり、リクエストしてください。

※ 医者に検診に行く場合など、自分で通訳を手配する場合は、その費用は自己負担になります。
HMOなどの保険会社によっては、電話での通訳を事前に手配してくれる会社はあります。

これ以外に、
手話通訳(American Sign Language)法廷通訳の資格認定がありますが、ここでは取り上げないことにします。

以上、まとめると、アメリカの通訳資格は
● 法廷通訳
 - 州ごとに認定される法廷通訳(Court Certified Interpeter、Court Approved Interpreter)、州によっては口頭試験もある
 - 連邦裁判関係で雇われる連邦法廷通訳(Federal Court Certified Interpeter)
● 医療通訳
 - 全米同一基準
 - 少なくとも医療通訳者用教育(Bridging The Gap)を40時間受けていること
 - CCHI(Certified Commission for Healthcare Interpreters)認定、日本語は現在のところ筆記(コンピュータ)試験だけ
 - CMI(National Board of Certification for Medical Interpreters)認定、日本語は現在のところ筆記(コンピュータ)試験だけ
● 手話通訳(American Sign Language)法廷通訳
であること。

また、以下の場面では、「通訳サービスを受ける側」は無料で通訳サービスを受けられること(通訳費用は、施設側が負担。)
● 裁判所(の法廷)の中
● 手術・入院・検査を行える「大」病院内

を知っておいてください。











――<●>――
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2 comments to アメリカの通訳の資格(医療通訳、法廷通訳)と、無料通訳サービス

  • やまゆう

    今までアメリカは英語が話せないと最低限の市民サービスすら受けられないと思っていましたが、その辺は意外と優しいんですね。
    それと英語ができないということを伝えるには、「アイドントスピークイングリッシュ。 プリーズコールトランスレーター」程度でいいのでしょうか?

    [返信]

    管理人 返信:

    >「アイドントスピークイングリッシュ。 プリーズコールトランスレーター」程度でいいのでしょうか?

    英語が出来るんだったら、通訳要らないでしょ?・・・というのは冗談です、はい。
    私の住んでいる地域では、数年はアメリカに住んでいて、自分が話す分にはそれほど不便は無い日本人の人でも、アメリカ人の普通の会話の速度に着いていけないので、通訳が居て良かった、という人は居ます。

    運用は、窓口で申し出る場合と、(病院などの手術・入院の場合で、事前に分かっている場合には)手術・入院の申込書に「母国語が日本語(英語ではない)」と書くと、患者自身が指定していないのに、勝手に病院で通訳を呼ぶ場合があります。
    たまに、病院が勝手に呼んで、実際に通訳として行ってみると、充分英語が話も聞きも出来て、通訳はそばにいるだけで聞き間違いが無いかどうかを確認するだけの場合もあります。

    そして、国際結婚で旦那さんがアメリカ人の場合、「通訳は要らん」と言われて、途中でお役御免で追い出されたこともあります。・・・まあ、気持ちは分かりますけどね。

    [返信]

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