TPP(Trans-Pacific Partnership)と違法著作権サイトの関係




ちょっと前のニュースで、そのときに気が付いていたのですが、毎週・毎日の日本語TVドラマをインターネットで観ることを楽しみにしている我々海外在住日本人にも影響のあることなので、10日ほど経ちましたが書き留めておきます。

TPP(Trans-Pacific Partnership、環太平洋戦略的経済連携協定)には幅広く多くの分野の内容が含まれて居ますが、その中にはTPP加入国間の著作権関連に関する決まりも含まれることになっています。しかし、その内容の多くは、最終ドラフトが決定するまで一般には知らされていません。

Wikiリークが2015年10月9日に入手して公表した2015年10月5日現在のドラフト内容によると・・・
【wikileaks.org】TPP Treaty: Intellectual Property Rights Chapter, Consolidated Text (October 5, 2015) - 2015年10月9日リリース
「Article QQ.H.11: {Government Use of Software}」(ページ50以降)

このドラフトによると、著作権保持者が違法サイトに対して裁判を提訴し、裁判所がその違法性を判断(判決)した場合、その判決を知った時点でインターネットサービスプロバイダー(ISP)は自社の「ネットワーク上」に存在するその違法コンテンツサイトを自主的に「撤去」または「アクセスブロック」することによって、ISPの将来の損害賠償可能性を解除できる、と言うことです。さらに、そのコンテンツへのアクセスや、キャッシング(一時保存)もブロック出来ると言うことです。

つまり、違法コンテンツの裁判が著作権保持者から起こされて、著作権保持者が勝訴した場合、その判決を知った時点でTPP加盟国のISPはそのサイトをブロックすることによって、法的に損害賠償請求を免れることが出来、その行為が奨励されます。

これまで違法動画は韓国や中国サイトが多く、サーバーがホスティングされているその国までは法的処置が届かないため、著作権保持者が海外の違法コンテンツをブロック(削除)したくとも出来ない状態が続いています。

しかし、TPPの著作権関連条規が成立し、日本もTPPを批准して正式加入すると、中国や韓国の違法動画サイト本体からコンテンツを撤去しなくとも、そのサイトへのアクセスを日本やアメリカなどのISPがブロック出来るようになります。

そうすると・・・ああ、TPP参加国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ペルー、シンガポール、など)に住んでいる海外在住日本人は、楽しみがひとつ減ってしまいますねぇ。

有料でも良いから、どこかが合法的に日本のテレビドラマを即日ネットで日本国外へ配信してくれると、ありがたいんですが・・・あ、そうすると、一週間遅れ配信のJapan TVとか、加入者が減るね。

【Motherborad】Internet Providers Would Be Forced to Block Filesharing Sites Under TPP - 2015年10月9日



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