2011年4月11日頃から急に出てきた、iPhone Remote Unlockサイトへの私的見解
2011年4月11日頃から、急にiPhone Remote Unlockサイトが増えてきました。
これは、iPhone(全モデル)のIMEI番号をこれらサイトに知らせると、iPhoneのSIMロックを永久解除してくれる、というもの。
手数料は、どこも一律US$165~US$180位。
オリジナルiPhoneの販売国は問わない、と言うもの。
代表的なサイトに
http://negrielectronics.com
http://cutyoursim.com
しかも、日に日にどんどん増えていっています。
また、「これらのサイトを使って、iPhoneを実際にSIMロック解除した」という報告も、アメリカの掲示板サイトではいたるところで報告されており、嘘や詐欺サイトではないようです。
で、その原理は・・・
アップルは、アップルのサーバー上で、iPhoneの固体番号(IMEI番号)ごとにキャリアにSIMロックされているか、Factory Unlockedか、条件付でSIMロック解除できるかを、管理しています。
または、SIMロック解除(Factory Unlocked)されているiPhoneのIMEI番号だけのリストを持ったサーバーを設置しています。
iPhoneをiTunesに新規接続/復元/アップデートすると、そのたびにiPhoneはiTuensを経由してこのサーバーにアクセスし、接続したiPhoneのIMEI番号をアップル社のデータベースと照合し、iPhoneのロック状態を設定します。
EU連合では、シンガポールや香港などと同じく、法律で携帯電話全てのSIMロックを廃止しようという動きがあります。EU諸国のそれぞれの国の事情もあり、EUでこの法律が法案化されるかどうかは疑問視する筋もあります。
しかし、イギリス等ではEUの決定を待たず、iPhoneをオリジナルで販売したキャリアは独自に、ある一定の条件を満たした顧客に対しては、iPhoneのSIMロックを無償または低料金(30ポンド以下)で解除する動きが、暫く前から起こっています。
この場合、iPhoneを販売したキャリアは、そのキャリアのコンピュータ(端末)からこのアップルのサーバーにアクセスでき、顧客のiPhoneをSIMロック解除状態にできます。しかし、それが出来るiPhoneは、自社が販売したiPhoneのみです。
イギリスでは、RebelSIMCard.comなど(他にもイギリスのebayをアクセスすれば、いくつも見つかります)が、ユーザーとキャリアとのコミュニケーションを代理で行ってくれて、対象のiPhoneをロック解除するようにキャリアに要請してくれる業者も暫く前から出現しています。
つまり、このアップルのサーバーにアクセスできれば、また、アクセスできる人を知っていれば、iPhoneの永久SIMロック解除ができるのです。
なぜ2011年4月11-12日ごろからこの手順がヨーロッパのキャリア以外のiPhoneででもできるようになったのかは謎ですが、以下のことが考えられます。
1.アップルが急に方針を変えて、世界のどのキャリアのiPhone(少なくともアメリカのiPhone)に対してでもこのサーバーをアクセスできるようにした。
(でも、アップルやAT&Tなどからの公式発表が無いので、これは考え難い。)
2.コンピュータ・セキュリティを破るハッカーが、アップルのこのサーバーへのアクセスの方法を見つけた。
3.iPhoneを販売しているキャリアの従業員が、自社販売以外のiPhoneのSIMロック状態を不正に変える方法を見つけた。
4.本来アクセス権の無い会社/個人が、イギリス/ユーロッパなどのキャリアが自社顧客のiPhoneのSIMロック解除のためにアクセスしているクライアント・システムを、不正に入手した。そして、キャリア・アンロックを許可しているキャリア以外の販売のiPhoneでもSIMロック状態を変更できるよう、ハッキングした。
5.本来アクセス権の有るどこかの国のキャリアの人が、アップルとの契約(書)の抜け穴を利用して、自社/自国のiPhoneユーザー以外にも「正規iPhone SIMロック解除」サービスを提供している。
6.アップルの内部に不正を働く社員が居て、アップル上層部に内緒でサーバーへのアクセス権を得て、サーバーの設定を変えている。
あるサイトの分析では、「iPhone Remote Unlockサービスが複数のサイトから提供されているにもかかわらず、各社の手数料がほぼ一定の金額($160-$180)であることから、実際にアップルのサーバーにアクセスしてSIMロック状態を変えているのは、1団体だろう。」「いくつものiPhone Remote Unlockサービス・サイトは、この1団体(卸し)の小売サイトでしかないのだろう。」とも推測しています。
ここ数日、アップルがどのような対抗策を講じるか、注目していましたが、表面的には何も報道されず、iPhone Remote Unlockサービスは依然として続いているようです。
しかし、アップルがこのセキュリティー・ブリーチをブロックすれば、このサービスはある日突然止まります。
それどころか、アップルが過去ログを分析して、どのiPhoneのSIMロック状態がこの不正アクセスで変更されたかを解析すれば、そのiPhoneを元の状態(SIMロック状態)に戻すことも可能でしょう。
もちろん、ハッカーのほうが賢ければ、どのiPhoneのSIMロック状態が変えられたか、永久に見つからない可能性もあります。
US$160-180(約15000円)のお金が余っている方、また、いつ、元に戻るかもしれない/戻らないかもしれない、というリスクを受け入れられる方、試すなら早いほうが良いですよ。
ちなみに、私は既に3Gs、4ともそれぞれSIMロック版とSIMロックフリー版とを持っているので、実験・検証のために両方を持ち続けたいので、自分のSIMロック版をこの方法でロック解除する予定はありません。
自分にもう一台SIMロックされたiPhoneが有ったら、やったかもしれませんが。
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