遂に出た、ディジタル・ペンLivescribeのWiFi版
本年後半のガジェットで筆者が一番待っていたモノが、遂に発表されました。
それは、ディジタル・ペンLivescribeのWiFi版です。
このペンは、
● 書いた内容がペンのメモリーに保存され、
● ペンにはマイクも付いていて、音の録音もできて、
● 書いた内容と、録音とが、時間的に紐付いているため、ノート上の文字にペン(マウス)を持っていくと、その文字を書いている時に録音した内容が聞ける。
というものです。
このLivescribeは2008年に一般消費者向けに初めて発売されました。
しかし、もともとのディジタルペン技術は、政府機関や病院などで使うためにスウェーデンのAnoto社が1990年代末に開発した技術を、Livescribeがライセンスを受けて一般コンシューマー用製品としてに2008年から発売したものです。
これまではLivescribeディジタルペンで書いたり録音した内容は、ペンをUSBケーブルでPCに繋げ、PCの専用プログラムでPCにダウンロードする必要がありました。
タブレットやスマートフォンの普及により、Livescribeディジタルペンも「書いて、すぐにタブレットで見られる」ニーズがユーザーからリクエストとして寄せられるようになり、Livescribe自身が今年春にWiFi版の開発着手を発表し、今年末までに発売することを約束していました。
そのWiFi版Livescribeディジタルペンが遂に発表され、2012年11月1日発売となります。
現在、Livescribeウェブサイトでは注文を受け付けており、
Livescribe ホームページ
● 2GB版 WiFi Sky Smartpen $169.95
● 4GB版 WiFi Sky Smartpen $199.95
● 8GB版 WiFi Sky Smartpen $249.95
の値段が付いています。
新しいWiFi版Livescribe Sky Smartpenは、書いた内容と録音した内容を、WiFiで直接Evernoteサイトに送信することが出来ます。
送信された内容は、Evernoteアプリでタブレットやスマートフォンで即、閲覧できるというものです。
外出中はポケットWiFiかスマートフォンのWiFiテザリングを使えば、このLivescribeディジタル・ペンで書いた内容が、その場で即、Evernoteクラウドに送れて、自分のタブレットでも内容を見られるし、遠隔に居る(例:事務所の)人にもリアルタイムで、書いた内容が見てもらえる・・・と言うことです。
会議のメモや、出先での見取り図などをこのディジタルペンで書いて(描いて)、本社にその場から即、送ることができますね。
筆者も旧Livescribeディジタルペンは2009年から持っていますが、Evernoteのアカウントは作ってはあるものの殆ど使っていないので、Livescribeディジタルペンのためにもこれから積極的に使って行きたいと思っています。
早く手にしたい、WiFi版Livescribe Sky Smartpenです。
なお、このPenは家電量販店BestBuyやオフィスサプライのStaplesでも発売される予定です。
原理:
なぜこのディジタルペンが書いた内容を記憶しているのか、その仕組みが気になりますね!?
このディジタルペンは、専用の「紙(ノート)」の上で書かないといけません。
その紙には目に見えないほどの細かい点が無数に(約0.3ミリ間隔で)印刷されています。
ノートの拡大写真:
また、ペンの先にはスキャナー(光センサー)が付いています。
点の位置は少しずつ格子目から上下左右にずれており、何個かの点の組合せグループの中で、何個どちらにずれているかの数を測定することで、今、ペン先が『何ページの、どの位置にあるか』をペン先の光センサーが判定します。
これを、ペンが、文字を書いている最中に連続的にスキャンして、ペン内部のメモリーに座標情報を保存することで、書いた内容を「点の軌跡」としてディジタルペンは保存します。
この「点の軌跡」情報を、USBケーブル(旧バージョン製品)を介して、または、WiFi(新バージョン製品)を介して、PCやサーバー(クラウド)にアップロードし、PC/サーバーアプリが、この「点の軌跡」を「ノート全体の絵」としてコンバージョンして、保存します。
これ(「ノート全体の絵」)に更にOCRソフトを使えば、画像を活字(フォント)に変換することも可能です。
つまりこのディジタルペンは、書くときには特殊な紙が必要ですが、書いてしまったらその紙は不要で、全てのデータはペンの中のメモリーに入っている、というものです。