【転載】アメリカのConnected Home(ホームオートメーション)サービスの現状


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以下の記事は2013年1月18日、有料サイト biz.blogfromamerica.com に書いたものですが、有料で購入してくださる人が少なかった(2名)ので、報告記事を書いてから5ヶ月以上経過していることだし、無料サイトのこちらに移動します。

なお、biz.blogfromamerica.comは購読者サポートが少なかった(ほとんど無かった)ので、廃止します。

biz.blogfromamerica.comでは、WordPressを会員アクセス限定/有料化するプラグイン、WishList Member(WL Member)を使用しました。
WishList Memberホームページ
筆者のマネタイズの実験は成功しませんでしたが、WishList Memberで経験した「WordPressサイトの会員限定アクセス制御」「記事の有料化」は、今後、このサイトや他のサイトでも活用して行けるので、良い体験だったと思います。

また、アメリカの諸技術の話題に関して、似たような調査・報告をしてほしい話題があれば、ご連絡ください。


 

Z-WaveまたはZigbeeなどのホームネットワーク技術を使ったアメリカでの有料/無料のホームマネージメントシステム【Connected Home】管理サービスの近年の提供サービスの状況を報告します。

アメリカでは2009年ごろからiPhone、iPad、スマートフォンで遠隔モニター/制御することを目的にした新しい世代のConnected Homeサービスが、セキュリティー・ハードウェアメーカー、警備保障会社、電話会社、CATV会社、電力会社、ホームセンター小売店チェーン、などから始まりました。テレビのコマーシャルやその他のマスメディアでも、Connected Homeの話題は日常的に取り上げられています。Connected Homeはアメリカではそれほど普及しているのでしょうか?

ここではそれらのサービスの開始時期、概要を示した上で、開始時期順に時系列に並べ、現在の問題点と、今後の予想を書きたいと思います。

アメリカにおけるホームオートメーション(Connected Home)加入者の普及率も、推測してみました。

【約16000文字の長編記事です。】

ここで紹介するサービスは、・・・

● Schlage Nexia Home Intelligence 【錠前/ドアセキュリティー会社】
● ADT Safewatch 【警備保障会社】
● Alarm.com 【警備保障会社】
● Vivint 【警備保障会社】
● FrontPoint Security 【警備保障会社】
● Verizon Home Monitoring and Controlシステム【光通信(FiOS)回線サービス】
● Lowe’s Iris System 【ホームセンターがプロモーション】
● Comcast Xfinity Home Security【CATV会社】
● AT&T Digital Life【光・その他の通信会社】
● アメリカの電力会社の動き【電力会社】
● Z-Wave/Zigbee DIY宅内ネットワーク
● WiFiを使ったConnected Homeの試み
● PLC(Power Line Communication)を使ったConnected Homeの試み
などです。

最後にまとめと、筆者の感想・予測を書きます。

● Schlage Nexia Home Intelligence

Schlageは1920年にサンフランシスコに設立されたドアロック(錠前)を製造販売している会社で、1974年にIngersoll Rand社に買収され、同社の部門として継続運営されています。Ingersoll Rand社内の姉妹部門には、一般家庭用冷暖房設備のTrane社があります。

Schlageは2009年よりSchlage LiNKというZ-Waveネットワーク対応のドアロックを2009年1月のCESで発表し、遠隔地から同社のオンラインポータル経由でドアロックなどの開閉を行うようにできます。
Review: Schlage LiNK Home Automation System – 2009年6月24日
Schlageはポータルも同時に運営し、利用者は月$12.99(現在は$8.99)を支払って使用します。
ポータルではSchlageドアロック開閉、姉妹会社のTrance冷暖房装置の温度調整を温度調節パネルから実行、Schlageセキュリティカメラの遠隔監視、更にZ-Wave対応の電気スイッチのオンオフなどが行うことができます。携帯電話(当時はBlackberryなど)からの制御も可能です。

Schlage LiNKポータルは2012年、Nexia Home Intelligenceという名前に変わり、ドアロック以外のZ-Wave装置にも対応を拡張し、2012年CESで再ローンチされました。
Schlage LiNK now Nexia Home Intelligence – 2012年1月13日
Nexia Home Intelligence 発足プレスリリース – 2012年1月10日
Nexia Home Intelligence サービス案内ページ
Nexia Home Intelligence 契約者ログインページ

Schlage Nexisシステムは、VerizonのHome Monitoring and Controlシステム、Lowe’sのIrisシステムと互換性があり、組み合わせることが可能です。スターターキットは$300からあります。
 
 

● ADT Pulse

ADTはアメリカ最大の警備保障会社(日本のセコムのような会社)で、アメリカ/カナダ合わせて640万件の顧客(中小企業と店舗、個人宅)を持っています。
2011年現在でアメリカのセキュリティーモニター市場の26%を占有し、アメリカ国内に4箇所、カナダに2箇所のモニターセンターを持っています。

スマートフォンとConnected Homeにより、ADTも他社との競争のためにその分野のサービス/商品参入が必要とされ、2010年10月にADT Pulseというサービスを開始しています。
ADT Pulseホームページ

ADT PulseはZ-Waveネットワークを使用したシステムで、スターターキット$149でADTのリモートセキュリティー監視サービスが受けられます。
サービスレベルは
● Select (月$47.99)・・・ドア/窓開閉、煙(火災)/一酸化炭素検知
● Choice ・・・ Select + 温度調節/電源オンオフ制御がオプション
● Advantage ・・・ Select + 温度調節/電源オンオフ制御
● Premier (月$57.99)・・・ Select + 温度調節/電源オンオフ制御 + ビデオカメラ監視
の4段階。ADTモニターセンターとの通信は携帯(セルラー)通信または固定回線を使います。スターターキットは$300からあるようです。

Comcast Xfinity Homeと同じく24時間監視体制があり、緊急時に警備員を送ってくれたり、警察・消防当局への連絡をしてくれます。
 
 

● Alarm.com emPower Home Automation/Energy Managementシステム

Alarm.comは2000年に設立された、ADTと同じ警備保障会社。数十万件の加入者を持っています。

同社は2010年6月15日にZ-Waveネットワーク技術を使用した宅内ホームオートメーション/電源モニターシステムの遠隔監視サービスをemPowerサービスと呼んで開始し、2012年2月現在約10万件の加入者がこのサービスを使っていると発表しています。
Alarm.com Energy Management services

Alarm.comの月の契約料金は地域とディーラーによって違い、月$30-70程度。監視センターとの通信には携帯(セルラー)通信を使っているため、固定電話の設備が不要/回線を切られても、遠隔監視には支障がありません。

emPowerホームオートメーション/エネルギー監視サービスは、基本警備保障サーービスへ追加(月$3)でアドオン出来ます。emPowerとビデオカメラ監視を追加すると、合わせて月に$8増えます。
 
 

● Vivint Home Automation System

ADT、Alarm.comと同じく、1999年にAPX Alarm Security Solutions、Inc.として設立された警備保障会社。2011年2月にZ-Wave技術を使用したホームオートメーションサービスを追加するとともに、社名をVivintに変更しました。
Vivintホームページ

ホームオートメーションサービス(警備保障サービスを含む)は月$69.99。2011年時点で17万件の顧客のうち、15000件がホームオートメーションサービスに加入していると発表しています。

Vivintの宅内ネットワークも、Z-Wave技術を使用しています。
 
 

● FrontPoint Security

警備保障会社が時代遅れの技術を使っていることを不満に思った創始者たちが、2007年に設立した新しい会社。
2011年2月9日にZ-Wave技術を使用したホームオートメーション/監視サービスをUltimateサービスとして開始しました。
FrontPointプレスリリース:FrontPoint Announces Ultimate Monitoring – Home Security and Home Automation for an Amazing Value – 2011年2月9日
Vivintホームページ

ホームオートメーションサービス(警備保障サービスを含む)は月$69.99。2011年時点で17万件の顧客のうち、15000件がホームオートメーションサービスに加入していると発表しています。

Vivint社と同じく、FrontPointも監視センターとの通信はすべて携帯(セルラー)通信を使用しています。
 
 

● Verizon Home Monitoring and Control

VerizonのHome Monitoring and Controlシステムは、同社の固定回線でブロードバンド・インターネット(DSL/FiOS光ファイバー)に加入する人が追加オプションとして加入できるサービスです。2011年1月のCESにVerizonブースで初めて紹介され、CES後に地域限定加入者で試験的に運用されました。
Verizon Demos FiOS Home Automation At CES:Will launch ‘Home Monitoring and Control’ trial in January – 2011年1月7日

VerizonのHome Monitoring and ControlシステムはMotorolaの4Home技術を基にしてZ-Waveホームネットワークを使用しており、加入者はVerizonのポータルから家庭内に設置されたZ-Wave対応機器を、PCやスマートフォンで遠隔から、または、家庭内で制御できます。更に、FiOS加入の場合はTV画面からも制御することができます。
Verizon :Home Monitoring and Controlサービス案内ページ

このオプションサービスは、Verizonの高速インターネット(FiOS)契約者がオプションで加入でき、月$9.99の加入料で使用できます。
Starter Kitは$89.99からありますが、現在、オンラインで契約すると、Starter Kitが無料で貰えます。

Verizon Home Monitoring and ControlシステムはZ-Waveネットワーク技術を使用しています。しかし、Zigbeeネットワークとのゲートウェイ機能をVerizonのクラウドで実現し、電力会社の電力メーター等の情報をインテグレートして表示することは可能だ、と担当者は2012 CESで述べています。

アメリカは固定通信回線が地域独占のため、このサービスに加入できるのは、Verizon固定回線提供地域に住む個人宅(Residential House)に限られます。

現在、Verizonは医療機器メーカー/遠隔健康モニターサービス会社との検証を行いつつ、遠隔医療モニターサービスも近い将来開始するべくパートナーを選択しているようです。
 
 

● Lowe’s Iris System

Home Depotに次いでアメリカ第2のホームセンター小売店チェーンのLowe’s
Lowe’sホームページ
は、イギリスのAlertMe
AlertMe.comホームページ
のクラウドベースのスマートホームソリューション技術を取り入れ、2012年1月のCESでIrisスマートホームソリューションを紹介し、2012年7月19日よりLowesの一部店頭とオンラインで販売開始をしました。
Lowe’sプレスリリース:Iris Offers Customers the Key to the Connected Home – 2012年7月19日
Lowe’s Home-Security System for the DIY Crowd – 2012年8月9日
Iris Smart Kit: A Basic and Affordable Introduction to Home Automation – 2012年8月30日

以下の3つのスターターキットからなり、
• Iris Comfort & Control ($179) ・・・ Irisハブ、室内温度制御計、電源オン・オフ制御と使用電力を計測できるコンセント
• Iris Safe & Secure ($179) ・・・ Irisハブ、キーパッド、モーションセンサー、コンタクトセンサー、
• Iris Smart Kit ($299) ・・・ Iris Comfort & Control キットと、Iris Safe & Secureキットを組み合わせたもの。
他社のZ-Wave製品と組み合わせることができます。装置の印すとレーションは、基本的にDIYで行うことを仮定しています。

Irisのホームページから温度制御計の設定を遠隔から行ったり、ドアの開閉を検知するとEメールやテキストメッセージで通知を受けることができます。クラウドサイトの利用料は
● 基本サービス・・・無料
● プレミアムサービス・・・月$9.99(スターターキットを買うと、最初の60日は無料。)
です。基本サービスではセンサーのオン/オフのトリガーをEメールやテキストメッセージで通知を登録者(一人)に受けることができ、遠隔からオン/オフ制御が出来ます。
プレミアムサービスでは通知は6人までで、家庭内のセンサーのオン/オフ検知を時間帯や曜日、旅行に出たときなどでプログラムすることができます。

同社は現在、TVコマーシャルでIrisを紹介しています。

Lowe’sはCES 2013でIrisラインの新商品を紹介し、これらの商品は2013年前半に店頭で発売開始すると発表しています。
Lowe’s to unveil the next generation of Iris™ connected home products and services at 2013 International CES – 2013年1月3日
Lowe’s Irisスターターキットの外箱写真

IrisはZ-Waveを主要なネットワーク技術として使っていますが、ZigbeeやWiFiネットワークとのインテグレーションも可能です。
 
 

● Comcast Xfinity Home Security

アメリカ最大のCATV会社のComcastはアメリカ国内40州とワシントンDCでCATV、インターネットおよび固定電話サービス(固定電話加入者数ではアメリカ第3位)と提供していますが、2010年後半にiControl社のホームセキュリティー/ネットワークシステムをテキサス州ヒューストンでトライアル運用し、2011年6月に更に6都市に拡張、2012年末までにはComcastのCATVサービスエリア全地域にサービス提供開始をしています。
現在、TVのコマーシャルでもXfinity Homeを宣伝しています。

● Basic 月$29.95
● Preferred 月$39.95
● Premier 月$49.95
のサービスがあり、Basicはセキュリティー機能(ドア/窓開閉センサーのモニター)、Preferredは追加で火災検知、Premierは電気のオンオフの遠隔制御とモニターが可能です。
Comcast Xfinity Home Security
CISCO Study : Comcast XFINITY Home – Residential Connected Life Experiences

Comcast Xfinity Securityは24時間モニターセンターはありません。しかし、
1.Comcastのポータル(MyAccount)でセキュリティも管理・制御できる
2.ネットワーク化され、リモートからのモニターと制御が可能
にあります。追加装置の設置なども有料インストレーションが提供されています。
停電時には電池でバックアップされた制御装置が、AT&TまたはT-Mobileの携帯電波を使用して警告などを通信します。

iControl社はもともとZ-Waveネットワーク技術を使用していましたが、Comcast社がZigbee技術を好んだため、iControl社はもともとZigbee装置を使ったホームオートメーションのuControl社を買収、初期のHoustonトライアル利用者以外はZigbeeホームネットワーク技術に基づいたホームオートメーション/セキュリティーシステムを利用しています。

Comcast Xfinity Homeのスターターキットは$199から。(プロモーション価格)
● Touchscreen controller (1)
● Door/window sensors (4)
● Motion detector (1)
● Keyfob (1)
● Wireless keypad (1)
が含まれています。

追加センサーや制御装置は、Comcast派遣のインストレーションが含まれているため、一個当たり$90-150となっています。

iControl社のホームセキュリティ/オートメーションシステムは、他のCATV会社(Time Warnerなど)もパートナーを組んで再販しています。
iControl社ホームページ
 
 

● AT&T Digital Life

AT&T Digital Lifeは2012年5月のCTIAショー前に紹介され、2012年夏にダラスとアトランタでトライアルが行われ、2013年3月に8箇所で商用開始され、年内に50箇所に拡張予定です。
ADTはComcastと同じく24時間監視体制が提供され、有事には警察・消防への連絡が行われます。
AT&Tプレスリリース:AT&T Digital Life Home Security and Automation Available to Homeowners in March
AT&T Digital Life home automation platform set for Dallas and Atlanta trials this summer - 2012年5月7日
監視センターとの通信にはAT&Tの携帯(セルラー)通信が使用されます。

2013年1月のCES直前にはAT&Tデベロッパーコンフェレンスがラスベガスで開催され、Digital Lifeが主なコンフェレンスの話題でした。
サービスは4つのサブパッケージに分割され、
● Video Package: 家内外のビデオカメラでの監視
● Energy Package: 冷暖房・電気・家電の制御
● Door Package: ドア開閉の監視・遠隔制御
● Water Packages: 水漏れ監視と、水道管の元栓の開閉
が提供される予定です。これらのサービスや装置はAT&Tの携帯ショップ内で事前に体験したり、自宅にセールスマンを呼んで説明してもらうことが出来ます。

AT&T Digital Lifeサービスには、CISCOの製品が広く使用される予定で、CISCOがハードウェアパートナーとなっています。

AT&T Digital LifeはZ-Waveネットワークを使用しています。

追記:2013年4月26日、AT&Tは正式にDigital Lifeを全米主要15都市で商用開始しました。(最初の予定より、約1ヶ月遅れです。)
AT&T Digital Life ホームページ
 
 

● アメリカの電力会社の動き

アメリカの電力会社はホームオートメーション分野への本格商用参入はまだ控えており、バックボーンの電力インフラへ改善の努力集中が行われている段階です。いわゆるSmart Gridのインフラ整備に力を入れています。

しかしながら、Smart Grid整備が完了した地域では各家庭の電力消費量を日毎や1時間単位で、ウェブで表示できるようにしている地域もあります。
Xcel Energy:SmartGridCity (Boulder)ポータル
※ 筆者はコロラド州Boulder在住。

電力不足はエアコンを使用する夏が多いため、地域の全体電力消費をコントロールするために、電力使用ピーク時にエアコンの温度調整を電力会社が(遠隔から)することがあることを条件に、エアコン制御装置を家庭に配っている電力会社もあります。この装置を受け入れると、電力料金の割引を受けられます。(筆者の居住する市では、この装置を使用している間は毎年$25の割引。)

また、商用サービスではないが、Zigbee対応の温度調節機や電源オン/オフ装置をモニター参加者に無料配布し、家庭内温度の遠隔設定やモニターを試験的に実施し、データを集めているところもあります。

電力会社はスマート電力計がZigbee対応であるために、Connected HomeにはZigbee宅内ネットワーク技術を使うところが多いです。

さらに、筆者の住んでいる地域では電力会社(Xcel Energy)が家庭内の主要家電の修理保険サービスを数年前から始めています。
これは、冷蔵庫、オーブン、洗濯機、乾燥機、食器洗い機、暖房・冷房設備が故障した際に電力会社の担当窓口に電話すると、同社の選択した修理会社が家に派遣され、無償で修理が受けられるというもの。更に、修理不能で買い替えが必要になった場合にも、買い替えの一部コストが電力会社によって支払われます。
XCel Energy HomeSmart
州によってコストが違うものに、月$14~20ドル程度で4台間での主要家電/冷暖房装置の修理がカバーされ、追加も1台あたり$4.95/月で追加できます。
将来的には電力会社がこれらを宅内ネットワークでモニターし、定期点検/部品やフィルターの交換の必要な時期や故障を知らせるサービスを考えている可能性があります。
 
 

● Z-Wave/Zigbee DIY宅内ネットワーク

現在のアメリカでは一部のLowe’sホームセンター店内を除いて、Connected Home装置の店内展示は皆無か、限られた製品しか展示されていません。
したがって、Connected Home装置に興味のある消費者は、以下のような通販/オンラインサイトで製品を探し、購入して、DIYで自分で設置することがまだ多いです。

SmartHome.com
SmartHomeUSA.com
The Z-Wave Superstore!
GoKeyless Online Store
ASIHome
Smart Home Products
Orchestrated Home
Automated Outlet
IPCam Central
Remote Shoppe
NetCamShop
Improvements Catalog

なお、2008年会社設立のZ-Waveハブメーカー、Mi Casa Verdeは、同社のVeraシリーズのハブ購入者を対象に無料ポータルサイト
MiOSポータルホームページ
Mi Casa Verde MiOSログインページ
を提供しています。このポータルに登録することにより、Mi Casa Verde社のZ-Waveハブ利用者は、無料で宅内Z-Waveネットワークの管理と制御を遠隔地からスマートフォンおよびタブレット/PCから出来ます。
 
 

● WiFiを使ったConnected Homeの試み

アメリカの個人宅ではすでにWiFi宅内ネットワークを構築しているところが多く、新たなネットワーク(Z-Wave、Zigbee)を構築しなくともこのWiFiをホームオートメーションに使用しよう、という試みが最近出ています。
製品としてはBelkin社がWiFi対応電源スイッチ、WiFi対応モーションセンサー、WiFi対応赤ちゃん監視カメラを昨年(2012年)順番に発売してきており、これをスマートフォンのアプリで統合して制御することができます。
Belkin WeMoシリーズ
まだ統合できる装置が少ないため、ここの装置は遠隔モニター/遠隔操作が出来るものの、統合されたConnected Homeシステムになるのにはまだ時間と、対応した多数の商品の販売が必要です。

また、ベンチャー企業のElectric Imp社はWiFi機能の付いたSDカードサイズの装置を昨年(2012年)開発、このWiFiネットワークカードを挿入するスロット回路を各種の装置に付けてもらうことで、その装置をImpクラウドで管理できると言っています。
Impの特徴は、彼らの開発したBlinkUp技術により、WiFi接続設定が簡単であることです。
 
 

● PLC(Power Line Communication)を使ったConnected Homeの試み

いわゆる純粋なPLC(Power Line Communication)オンリーのホームオートメーション技術は近年、特に新しい展開はありません。

ただし、アメリカには1975年からのホームオートメーションプロトコールとして、宅内電気配線(PL)を使ったX10というプロトコールがあり、
Wikipedia : X10 (industry standard)
このX10の特許はすでに1990年末切れたものの、これを拡張して(そして、Backward Compatibilityのある)、無線も取り入れたInsteonネットワーク技術を標準化してホームオートメーションを構築しようというグループがあります。
Wikipedia : Insteon
Insteonネットワークを使うことにより、既存のX10ネットワークを解体することなく、使えるのが長所です。

Insteonシステムは主に
SmartHome.com
から販売されています。

また、InsteonとZ-Waveとのブリッジが発売されているため、Z-WaveのネットワークにInsteon/X10ネットワークを統合することも出来ます。
 
 

■ サービス提供会社のまとめ

近年のアメリカConnected Homeサービス開始の歴史を時期の早い順にリストすると、以下の表のようになります。

開始時期 サービス名 サービス提供会社業種 ネットワーク
技術
センターによる
24時間監視
緊急通報サービス
技術パートナー
2009年 Mi Casa Verde Vera + MiOSポータル Z-Waveハブメーカー Z-Wave  
2009年 Schlage LiNK/Nexia Home Intelligence 錠前など住居セキュリティ装置メーカー
ヒーター/室内温度調節制御機メーカー
Z-Wave  
2010年6月15日 Alarm.com emPower 警備保障会社 Z-Wave  
2010年10月 ADT Pulse 警備保障会社 Z-Wave  
2011年2月 Vivint Home Automation System 警備保障会社 Z-Wave  
2011年2月9日 FrontPoint Ultimate 警備保障会社 Z-Wave GE Security,
Alarm.com
2011年春 Verizon Home Monitoring and Control 固定電話会社 Z-Wave モトローラ4Home
2011年6月 Comcast Xfinity Home Security CATV/固定電話会社 Zigbee iControl
(uControl)
2012年7月19日 Lowe’s Iris System DIYホームセンター小売店チェーン Z-Wave/Zigbee AlertMe.com
2013年3月
(2都市でトライアル中)
AT&T Digital Life 携帯電話会社 Z-Wave 不明 CISCO

 
 

■ ホームオートメーション普及率

アメリカでは防犯のためにセキュリティカメラを(単体で)購入する人たちは少なくなく、ガジェット系商品を販売している電気店(例:Fry’s Electronics)などでも、セキュリティカメラの陳列商品数は多いです。また、高級住宅街や、共稼ぎで日中自宅を不在にすることが多い家庭では、警備保障サービスに加入している家庭も少なくありません。アメリカの警備保障会社のトップであるADTのウェブサイトによれば、ADTは現在、アメリカ・カナダを合わせて600万件以上の個人宅と中小企業を顧客として持っています。ADTのこの業界でのシェアは25%と推測されているので、全米で総数2400万件の個人宅と中小企業が警備保障サービスに加入していることになります。個人宅と中小企業の比率はわかりませんが、この警備保障サービスに月$30~50で加入している個人宅が、月$10程度の追加料金で「ホームオートメーション」オプションに追加加入するのは、加入者にとっては特に抵抗が無い事と思われます。

FrontPoint社の公表している数字(「2011年時点で17万件の顧客のうち、1万5000件がホームオートメーションサービスに加入している」)から、警備保障サービス加入者の約10%がオプションのホームオートメーション機能をサブスクライブしているとすると、全米で100~200万世帯(と中小企業)が「警備保障サービスのホームオートメーション・オプション」に加入していると推定されます。

これにCATV/電話会社系のホームオートメーション・オプションのサービス加入者が加わり、DIYのホームオートメーション購入者(オンライン購入者や、Shclage Nexia、Lowe’s Iris購入者)が加わります。

アメリカの世帯数は国勢調査(Census Bureau)の報告から現在、1億2千万世帯あると推測されています。
これを基にすると、現在、アメリカでConnected Homeホームオートメーション・サービスを利用している家庭は、全体の1~2%だろうと推測されます。

2013年1月8-11日にLas Vegasで開催されたCES(Consumer Electronics Show)の直前に、AT&Tは同じLas VegasでDeveloper’s Conferenceを開催していました。この中での中心トピックは、現在、ダラスとアトランタでトライアル中のAT&TのConnected Homeソリューション、Digital Lifeの説明でした。
AT&Tは他社と違い、Digital Lifeのアーキテクチャーをオープン化して、Digital Lifeを使ったサードパーティー・ソリューション(アプリ)を推進することで、Connected Homeのエコシステムを拡大しようとしています。
このプレゼンの中で、AT&T MobilityのGlenn Lurie氏は「アメリカの世帯の中でホームオートメーション技術を採用している家は1%以下である」と話しています。
AT&T to move from smartphone to smart home – 2013年1月7日
 
 

■ 個人宅でのホームオートメーション導入の問題点

過去10年以上ホームオートメーションが提唱されていながら、なかなか各家庭に普及していないのは、いくつかの要因があります。

● 宅内ネットワーク技術の確立までの道のり

まず、2000年代初期の問題は、Z-Wave、ZigbeeやPLCなどのホームオートメーションのための新しい宅内ネットワークの技術が次々に発表され、消費者に混乱を与えたということが上げられます。どの技術を使って宅内ネットワークを構築するのが間違い無いのか、将来も対応機種が出るのか、当時は分かりませんでした。したがって、なかなか新設備への初期投資に足を踏み出せませんでした。

2009年ごろからZ-Wave対応機器が増えてきて、統一されたサービス(ポータル)を提供してくれるところが増えてきました。ただし、このころ、電力会社はSmart  Gridへの移行としてZigbee対応の電力メーターを開発し、家庭に設置し始めました。

ここでどうやら、ZigbeeとZ-Waveが宅内ホームオートメーションネットワークの2大勢力として認識されるようになりました。

● ポータルサービスの開始

2009年、ドアロック(錠前)メーカーのSchlageがZ-Wave対応ドアロック、LiNKシリーズを販売開始。遠隔からそのドアロックの開閉をするためにポータル(ウェブサイト)を開始しました。ポータルは、単純なZ-Wave対応機器の遠隔監視とオンオフ操作は無料。装置の動作をスケジュール作成したり、外出時・夜間・バケーション時などの装置のオン/オフのスケジュールをプログラミングしたい場合には、月$12.99の使用料を払って使います。(現在は月$8.99に値下がりしている。)

同じころ、ベンチャー会社のMi Casa Verdeも、Z-Wave用ハブ(ゲートウェイ)を販売開始し、購入者はMiOSポータルを無料で使用できて、遠隔からポータル経由で宅内Z-Wave装置のオンオフ制御とモニターが出来るとともに、装置のオンオフ(開閉)をテキストメッセージやEメールで通知してくれるサービスを開始しました。このポータルは、現在も無料で使用できます。

これらの無料ポータルサイトのサービスが開始されてから、ホームオートメーションに興味を持つDIY個人が自分で個別のZ-Wave宅内ネットワークを築いてホームオートメーションをする時代が始まりました。

この直後、一時はZ-Wave対応周辺機器はHome Depot、Lowe’sという業界1位、2位のホームセンター、および、Fry’s Electronicsといった家電量販店に並んでいました。

しかし、Z-Wave宅内ネットワークの設定にはそれなりの知識が必要なことと、制御したい宅内の装置を増やすと全体コストが馬鹿にならないことから、初期のEarly Adapter時代を超えて、一般の人に普及するまでには行かず、小売店店頭の棚からはこれらのホームオートメーション機器は減っていきました。

また、どれとどれが組み合わせできるか情報が少なく、自分で試してみたり、実際に試した個人のブログを参考にしないといけませんでした。

更に、店頭で実記を見て説明を聞いての購入が難しく、通販やオンラインで購入するのが主な購入方法になります。この場合、全く新しい技術なので、手元に実物が届くまでどうやって設定して良いかはっきり判らない、という問題点がありました。

● スマートフォンの普及と、有料ホームオートメーションサービスの提供開始

スマートフォンが普及してくるとともに、宅内ネットワークの制御を遠隔地のPC(会社のPC)から行うのではなく、外出先のスマートフォンからできるようになりました。
この波に乗って、既に既存顧客ベースを持っている警備保障会社は、セキュリティー(ドアや窓の開閉)の「モニター」だけでなく、スマートフォンを使って加入者が自分でドアの開閉やモニターを行いサービスを2010年ごろから開始しました。そして、既存のドア/窓の監視に、冷暖房用の屋内温度制御装置の遠隔制御をメインに加え、その他のZ-Wave対応周辺機器の遠隔モニターと制御のサービス(ポータル)を開始しました。

警備サービスに加入している既存顧客は、警備会社のモニターセンターの24時間監視体制と非常時の連絡サービスを受けており、そのために既に月$40-60の維持費を支払っており、それに月$10以下の追加でホームオートメーション機能を追加するのは、特に大きな壁はないものと思われます。しかし上記FrontPont Securityの発表にあるように、2011年時点でホームオートメーションオプションを追加加入しているのは、10%程度と見られています。

これらの警備サービスにホームオートメーションオプションをリクエストする際には、主に温度調節装置と、電源オン/オフ装置が1-2個、ユーザーが自分で遠隔制御できるドア開閉(またはモニター)装置が1-2個付いてきて、スターターキット$300程度でオプション追加します。
警備会社は各地にディーラー網を持っているため、設置は全てディーラーの手で行われるため、利用者が手間を掛ける必要はありません。

しかし、宅内全部の電気製品や電灯をホームオートメーションの対象にしようとすると、それなりのコストが掛かることが問題点です。

● スマートTVサービスの一環としての有料ホームオートメーションサービスの提供開始

光ファイバーサービス(Fiber-to-Curb)FiOSを提供しているVerizonは、FiOSサービスの一環としてTV配信や高速インターネットサービスを行っています。
TV画面で宅内ネットワークを制御しようという試みの一環として、2011年、VerizonはMotorla社の4Homeプラットフォームを使い、Home Monitoring and Controlサービスを加入者に提供開始しました。もちろん、VerizonのホームページのMyAccountを通して、遠隔のPCからも制御ができます。
スマートフォンからの制御も、専用アプリでその後追加されています。

Verizonのサービスはセンターによる24時間監視体制はされておらず、ユーザーが自分で設定をし、ポータルの使用料として月々$9.99を支払います。
現在、このサービスはFiOS以外のVerizon既存顧客にも提供されているようですが、Verizonの高速優先ネットワークに加入している必要があるため、Verizonのサービス地域以外では加入できません。

Verizonの場合は、スターターキットは$90(プロモーション時は無料になる)で比較的安いものの、装置の設置は自分でやることが前提です。
 

次に開始されたのは、CATV会社Comcast(のちにTime Warner、カナダのShawなども追従)が開始した、CATVサブスクリプションに追加する警備保障 + ホームオートメーションのサービス。月$30、40、50の3段階のプライスで、ドア開閉のモニターからホームオートメーションまでが出来るというもの。
同じ通信インフラ企業なのに、Verizonの「加入者自己監視」アプローチとは違って、装置の24時間稼動に力を注いでいるのが、価格差に出ています。
つまり、停電時でもComcast(iControl)のゲートウェイは24時間稼動できるバッテリーを持っており、地上回線が切れた場合には携帯電波を使用して装置のモニターと制御を続けることが出来ます。

CATV会社はセットトップボックスやインターネット接続ハブのメインテのために多数の修理作業員と車を抱えており、Comcastのホームオートメーション周辺機器設置は全て作業員のフルサービス設置になっています。(その分、コストも高い。)
ただし、2年契約などの長期契約を前提に一部の装置をリース契約することが可能です。

もちろん、TV画面以外からもスマホ専用アプリで宅内装置をモニター/制御でき、通知を携帯に受けることが出来ます。

● DIYホームオートメーションの再燃

DIYホームセンターのLowe’s(アメリカ第2位)がIrisホームセキュリティー/オートメーションキットを2012年夏に店頭で販売開始し、DIYのEarly Technology Adapterの次のレベルの人たちに対してこの商品を売っていこうとする動きが出てきました。ポータル使用料も、お試しは無料、複雑な操作は月$9.99、という手頃な価格です。

店内ではエンド陳列にIrisコーナーを設けて展示していますが、どれだけ売れているかは疑問です。しかし、2013年 CESで周辺端末の拡張を発表していますので、まだしばらくは止めないでしょう。

Lowe’sお勧めの周辺機器だけで揃えていけば、自分のニーズに合うホームオートメーションネットワークを作れますが、ある程度の知識が購入者に要求されるので、購入層は限られてきます。

● オープンプラットフォーム

初期のMi Casa Veerde MiOSプラットフォームはオープンで、いくつか複数のアプリが提供されています。
しかし、それ以外はサービス提供会社独自のポータルやアプリを使う必要がありました。

現在2都市でConnected Homeサービスのトライアルを行っているAT&T Mobilityは、アプリ開発をオープン化することによってConnected Homeの普及とエコシステムの拡大を狙っているようです。同社のConnected Homeサービス(Digital Life)をテーマにした開発者向けコンフェレンスを開いたりしています。
正式な商用サービスは3月以降なので、オープン・プラットフォームの影響はそれ以降でないとわかりません。

価格も含めてこのサービスの実態はまだ詳細が発表されていないので、今後の情報を待つことになります。

■ ホームオートメーション導入の主要問題店箇条書き

以上をまとめると、ホームオートメーション/Connected Home普及における問題点は、以下のような事が挙げられます。

1.一般ユーザーへの初期設定の技術的複雑さ (一部サービスは、派遣作業員が設置してくれる。)
2.宅内ホームオートメーションを拡張する際に掛かるコスト
3.互換性のある周辺装置の選択

■ 異なる宅内ネットワーク技術とのインテグレーション

現在のホームオートメーションネットワーク技術は、Z-Waveを採用しているところが多いです。
では、他のネットワーク技術、特にZigbeeやWiFi機器、Bluetooth、Bluetooth Lower Power機器との連携はどうすれば良いのでしょうか?
特に電力の「見える化」を組み合わせようと思うと、電力会社のデータはZigbee装置からのデータが多くなります。

この点について2012年 CESでVerizon担当者に聞いたところ、「これは、ポータル側でブリッジしてやれば良い」というのが彼らの認識で、特に問題があるという意識は持っていませんでした。
つまり、ポータル側で集めたZ-Waveのデータと、Zigbeeのデータを、一つの画面に同時配列すればよい。そして、ポータルでZ-Wave対応機器の制御ボタンをクリックしたら、ポータルからZ-Waveのハブに送信する。同じ宅内のZigbee対応機器にコマンドを送信したい場合には、ポータルから同じ宅内のZigbeeのハブに送信する。・・・と言うことです。

宅内で使用しているネットワーク技術によって、複数のハブ(ゲートウェイ)が必要かもしれませんが、ウェブのGUI側からの制御としては問題無いとの認識です。

ついでながら、Z-Waveのハブは宅内のIPカメラの画像をIPアドレスでアクセスし、それをポータルにアップロードしてくれる機能があるため、殆どのIPカメラやWiFiカメラはZ-Waveネットワークに組み込むことが出来ます。

■ ホームオートメーション Connected Home で、何が出来るか? 何がしたいか?

結局、「ホームオートメーションで何が出来るのか、何がしたいのか?」が最大の問題なのですが、その、所謂「キラー・アプリ (Killer Apps)」がなかなか見つからないことも、ホームオートメーションの普及が進まない要因の一つでしょう。

以下にいくつか実際的な利用例を箇条書きで書いてみます。

1.電力の見える化

電力会社が地域内電力配線をSmart Grid化していく中で電力メーターをZigbee対応電力メーターに切り替えると、各家庭のメーターの検針を遠隔から実施できるようになります。それを利用して、既に一部の電力会社は、利用者が自分で電力会社のMyAccountにアクセスして、家庭内の使用総電力量を日ごとや時間毎、15分単位毎まで表示できるようになっているところもあります。
したがって、個々の家庭の使用総電力使用量に関しては、広い地域にわたって電力会社が世帯毎に電力使用リアルタイムデータを表示する時期が近いように思われます。

しかし、家庭内の個々の電気製品やコンセントでいくら電力を使用したかをリアルタイムで知るためには、何らかのホームネットワークを構築する必要があります。
そして、測定したい家電や電球やコンセントの全てに、Z-Wave/Zigbee対応の電力使用量を計測できる装置を付けないといけません。それらの装置が現在、一個$40~60という現状では、それを家全体にインストールするコストはかなり大きな額になります。更に、セントラル・ヒーティングやセントラルエアコンの使用電力量は、新しく対応の機種に買い換えないと、わかりません。

ただし、筆者の経験から、電力会社がリアルタイムに個々の家庭の電力使用量を公開したとしても、利用者は最初の1ヵ月くらいは頻繁にアクセスします。また、宅内でネットワークを作って個々の家電やコンセントの使用量を測定したとしても、最初のうちは初めて個々の家電やコンセントで使用される電力量を発見して、場合によっては節電しようという努力をします。(例:PCの電源を常時オンにしておくと1ヶ月どのくらい電力(電気代)を使用するか発見して、節電しようとする。)

しかし、1ヶ月くらい経って毎日の電力使用のパターンが判ってくると、それから先はあまり見なくなりますね。

自分で意図的にPCやポータルにアクセスしなくとも、常時リアルタイム電力使用量が画面に表示されていて、使い過ぎや節電を何らかの通知アイコンで知らせてくれるような表示板(アメリカであれば、室内温度調節機のパネル、または、頻繁にアクセスする冷蔵庫に付けた表示パネル)が必要だと思います。

2.子供が学校から帰宅したかどうかを知る

共稼ぎが多く、子供の誘拐が日常のように発生するアメリカでは、子供が学校から定時に帰宅したかどうかを知ると、親は安心出来ます。
そこで、子供が学校から帰宅し、鍵を開けてドアを開けたら、ドアセンサーが働き、親の携帯にテキストメッセージを送る・・・という利用の仕方は、アメリカでは便利なことの一つだと思います。ついでにドアにIPカメラを付けて、ドアを開けた瞬間の画像をキャプチャーしてEメールかPictureメールで送れば、もっと安心でしょう。

ただし、「携帯電話で家族の位置をGPSで知る」サービスを携帯会社が提供しているので、この目的と同じようなことはホームオートメーション化しなくとも達成できます。しかし、子供の年齢が若く、学校が携帯電話を持ってくるのを禁止している場合には、ホームオートメーションの一部にこの機能を組み込むことは考えられるでしょう。

3.門灯など家の外の電球のオン/オフ

門灯など家の外の電球を毎晩/毎朝、オン/オフするのは、面倒です。それをスケジュール化し、ホームネットワークで自動的に時刻が来たらオンにし、日があけたらオフにする、というのは生活の手間を省く行為なので、便利でしょう。

同じく、電動カーテンやブラインドを付けて、その開閉をスケジュール化するのも、有り得ます。

ただし、タイマー機能の付いた単体のプログラマブルな壁スイッチも販売されているので、ホームネットワーク化しなくとも、壁スイッチを変えるだけでもこの目的は達成でき、筆者はこれを家の外の4箇所の電灯に付けています。(単体壁スイッチでは、遠隔からの操作は出来ませんが・・・)
あとは、光センサーの付いた門灯に変える方法もあります。

4.洗濯機や乾燥機などの稼動スケジュール

電力使用料が日中と夜間で違う地域では、夜間に乾燥機などを稼動するようにスケジュールすることで電気代を下げることが出来ます。
ただし、アメリカではまだ日夜同じ電気料金のところが殆どなので、これを行うメリットのある地域は少ないです。

※ 夏の暑い日の冷房使用が集中することによる電気不足解消のために、6~9月のみ日中の電気料金単価を上げようとトライアルを行っている地域は、あります。

5.空調の温度調整

外出先や勤務先から自宅に帰る前に家の空調の温度を遠隔から調節し、家に着いたら快適な温度に室内をしておきたい、という目的です。

更に一歩進んだ例としては、昨年(2012年)のCESでのConnected Homeのデモの一つで、家の周囲にGPS Fencingの範囲を設定しておき、自動的に自分が持っているスマートフォンの位置がこのGPS Fencing内部に入ったら、空調の温度を適正温度に近づける、というアプリがあり、面白いと思いました。

同じ線での応用には、自分がドアを開けたら、あるいは、家の近くまで来たら、自動的に室内の電気が幾つか点灯するのも、生活には便利かもしれません。

6.車庫のドアの閉め忘れ通知

アメリカの戸建住宅は車庫が付随していることが多いですが、夜、付近を車で通っても、その車庫のドアを閉め忘れているのを見かけることがあります。
車庫のドアを開けていると盗難に遭うこともあり、安全上問題があります。
よって、車庫のドアの閉め忘れを教えてくれるシステムは、便利でしょう。

ただし、これも単体の装置が数十ドルで安くあり、筆者も使用していますが、必ずしもホームネットワークに繋げる必要はありません。外出先で車庫のドアを閉めるのを忘れたことに気がついた場合には、ネットワーク化していないとそれを確認することが出来ず、ドアを閉めることができませんが・・・

7.旅行時の家の中の監視

1週間とか旅行している最中に自宅の状況は気になるもの。IPカメラの画像を遠隔からモニターできるということは、安心に繋がります。

これも実は単体のIPカメラで(IPアドレスやポートをリダイレクトしておけば・・・)可能ですが、Z-Wave宅内ネットワークに組み込むと、他のZ-Wave対応電気装置と同じ画面でリアルタイムにIPカメラ画像を遠隔から見られるのは、確かに便利です。

8.外出先から見たいTV番組の録画

アメリカではテレビはCATV加入者が多く、DVR内臓のセットトップボックスを使っている加入者も増えてきているように思えます。
DVRは外出先からでもPCやアプリから番組録画設定が出来るので、ホームネットワークが無くても出来ますね。
毎週同じ番組の録画は、一度設定すれば、繰り返し録画してくれます。しかし、特別な番組(スポーツなど)を、自宅に帰って観るつもりだったのが、直前に見逃しそうになったときに外出先から録画コマンドを送るのは、便利です。

以上、ありきたりの行為・行動しか書けないのが残念です。これ以外の何か新しい「キラー・アプリ」が見つかると良いのですが、それは試行錯誤の中で生まれてくるのでしょうか。

問題は、家電製品は、その前に人が立って使うものが多く、遠隔から操作して便利なものは限られている、ということですね。
たとえば、乾燥機の稼動スケジューリングをして夜間の電気料金の安い時間帯に稼動することにしたとしても、乾燥機に洗濯物を入れるのは人間がその前に立ってしないといけないわけです。ならば、洗濯物を乾燥機に入れるときに「今稼動しないで、あとで(何時間後に)稼動する」ボタンがあれば、それを操作することで同じ目的が達成できるわけです。

全ての家電や電球をネットワーク化することは夢としては面白いですが、必ずしもそれが人間の生活に必要かどうかは、考えていかないといけないですね。

今年(2013年)3月(追記:実際には、4月26日商用開始)から、AT&T MobilityがDigital Lifeと称するConnected Homeサービスを商用開始しますが、新しいサービスであり、かつ、サードパーティからのアプリ開発を推奨するためにオープン化していこうとしています。このサービスで、何にか新しい使い方が出てくると良いですね。

以下の筆者の無料サイトの体験記事も参考にしてください。

Z-Waveホームネットワークで、電力使用量の見える化/家電遠隔制御/自宅IPカメラ遠隔監視をやっています。 – 2012年12月23日
iPhoneからWiFiで制御する電源スィッチ、Belkin WeMoを使ってみた。 – 2012年8月13日
自宅の気象データと室内温度をインターネットで公開:Oregon Scientific WMR200A + Virtual Weather Stationソフト – 2012年12月25日



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