ワイヤレス充電で、人工心臓を充電
2週間ほど前に「ワイヤレス充電が4センチ離れて出来るようになる」・・・という記事を書きました。
ワイヤレス充電が、4センチ離れて出来るようになる。 – 2012年4月21日
直接このQi(チー)の標準とは関係無いのでしょうが、似たような応用で、面白い話題が目に留まったので、ご紹介します。
アメリカ・ライス大学のコンピュータ学科専攻学生達と電子工学科専攻学生達の共同(卒業?)プロジェクトで、人工心臓(心臓作動補助装置?)の電源供給を体外からワイヤレスで行う装置を発明したそうです。
従来の人工心臓(心臓作動補助装置?、VAD - ventricular assist device)は電源供給の為に中に電池が組み込まれていますが、それを肉体外から充電する為には、体内に埋められた人工心臓から電線を体外に出し、それに充電装置を繋げて定期的に充電していました。
今回のライス大学学生達の発明で、ベルトの位置に当たる体内の腰の位置にワイヤレス充電の充電受け部分を、皮下約1センチのところに手術のときに埋め込み、そこから体内で人工心臓に導線を繋ぎます。
そして、電池パックが一緒になったワイヤレス(電磁誘導)充電装置を体外のベルトに装着して、皮膚を通過して体内に埋め込んだ電池を充電するというものです。
充電しながら、日常生活活動が出来る・・・というところがメリットですね。
Wireless charger could power tiny heart pump – 2012年5月4日
この装置は充電の目的以外にも、体内に埋め込まれた心臓ポンプ(人工心臓)の稼動データをダウンロードしたり、また、人工心臓の心拍の強さや頻度の設定を外部から設定変更する為にも利用できます。
写真の向かって左側のコイルは体内に移植する被充電端子、右側の半透明のプラスチックの箱に入っている装置は体外のベルトに装着して、電磁誘導で体内の電池を充電する装置。