AT&Tが1Gbps高速光ファイバーサービスを、将来的に全米100都市までに拡大か。


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グーグルがGoogle Fiberをカンザス・シティで2012年9月からサービスを開始して以来、他のCATV会社や光ファイバーサービス(AT&T U-verse、Verizon FiOS)も一部地域で「Google Fiberに負けまい」と頑張って、1Gbpsサービスを全米数ヵ所で開始しています。

昨日、AT&Tは現在、テキサス州Austinで開始している同社の1Gbpsサービスを、最終的に全米100都市まで拡大すべく、候補地の精査に入っていることを発表しました。
【AT&T】AT&T Eyes 100 U.S. Cities and Municipalities for its Ultra-Fast Fiber Network – 2014年4月21日

その都市は、・・・・
地図で見ると、これだけですからね。
来ないところは、どんなに待っても、来ませんよ。
現時点で、自分の住んでいる地域でAT&TのU-Verseサービスに申し込みできなければ、いつまで待ってもAT&Tの1Gbpsサービスも開始されないでしょう!

アメリカにおいて、公道や公用地の地下や空中に「光ファイバー、同軸ケーブル、電話線(銅線)などを施設してサービスを提供する事業」は、一般に州政府または市・郡の免許を得て実施することになり、回線の媒体ごとに地域独占となるのが普通です。
つまり、各市または市内の住居地域ごとに、
● 銅線と光ファイバーの提供企業(一般に、固定電話会社。光の場合は、マルチメディア・コンテンツも提供する。)は、一社。(銅線は光ファイバーの先に繋がっているので、ひとつの媒体カテゴリー。)
● 同軸線(CATV)の提供企業は、一社。(現在はCATV会社も、同軸回線経由で固定電話サービスを提供している。)
同様に、
● 電力線・・・一社一択
● ガス管・・・一社一択
● 水道管・・・一社一択
ですね。

● ごみ収集
も地域ごとに一社かと思っていたら、筆者が今、住んでいる市では、市から営業許可を得ているごみ収集業者は3社あり、住民は選択できます。でも、ほとんどの市では選択出来ないと思います。

これに対し、住民が個人で複数提供会社の中から選択できるのが、
● 衛星放送を使ったサービス
● 携帯電波を使ったサービス
で、これらは企業間競争があります。

よって、CATV会社のComcastがTime-Warnerを買収しても、2社のサービスがオーバーラップしているところはありませんので、許可は降りやすい。しかし、SprintがT-Mobile USを買収すると、2社のサービスはほとんどの地域でオーバーラップするので、競合(選択)が減るので、許可が降りにくいわけです。

ただし、技術が進んで来ると、これまで「他業界」だと思われていた企業からの競争の影響が出てくる。そこで、CATV会社の第一位と第二位が、「俺たちが合併しないと、他業界(携帯や衛星、光ファイバー)に負けてしまう。」と主張して、合併を申請するわけです。

似たような事例は、食品小売業でも最近ありました。
2007年2月、健康食品販売で全米第一位のWhole Foodsは、第二位のWild Oatsを買収する、と発表し、2009年に一部のWild Oats店舗を売却する条件で、合併を完了しました。
司法省に対する合併申請の理由は、「ディスカウント百貨店であるWalmartやTargetも食品販売分野に進出し、従来のスーパーマーケット店舗であるSafewayやKrogerも有機食品に力を入れてきている。よって、健康食品スーパーが一丸になってこれらの従来『異業種』とみられてきた流通チャンネルに対抗していかないと、負ける。」というものでした。



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「AT&Tが1Gbps高速光ファイバーサービスを、将来的に全米100都市までに拡大か。」への4件のフィードバック

  1. 電力は新規の住居や新規の契約の際に選べる物件と選べない物件が住所によってあったような気が…
    一度決めてしまうと変えられませんが…

    まぁそれはさておき、日本人にとって結構衝撃的なのはネットの使用料でしょうねぇ
    日本より遅いのに高いところの多いことと選択肢の少なさでしょうねぇ
    光ファイバーはその気になればメインラインが近くまで通っているのなら
    個人でも引けると聞いたことがあります
    1フィート当たりで莫大な工賃(+そこそこのネット代)を取られるらしいですけどね

    管理人 返信:

    >電力は新規の住居や新規の契約の際に選べる物件と選べない物件が住所によってあったような気が…
    >一度決めてしまうと変えられませんが…

    それって、アメリカですか?
    アメリカでは住居を建築する最中に電力線を施設し、かつ、今は景観を損なわないように地下に電力線を這わせます。
    また、電力は、各市による認可制なので、電力会社が選択出来るところは、まず、無いはずです。
    ただし、同じ電力会社内での電力サービスの種類があれば、種類を選択することは出来ます。
    例えば、私の住んでいる市では、通常電力と、風力発電が選べます。風力発電の方はkwh単位での単価が若干高くなります。

    ただし、各発電所で送電線に電力を供給すると、送電線上では発電ソースに関係無く、電流がみな「混じってしまう」ので、いくら自分が自然保護派で「風力発電」を選択しても、実際に家で消費している電力は石炭で発電された電力を「風力電力」価格で消費しているのかもしれないんですがね・・・

    >光ファイバーはその気になればメインラインが近くまで通っているのなら
    >個人でも引けると聞いたことがあります

    光インフラが近くまで通っているのは、新規(1990年ごろ以降?)に住宅地を開発したところと、高くても需要の多いビジネス街がメインです。
    日本と比べて家と家との間隔が広いですから、従来の銅線を施設しなおす、しかも、地下に電話線を埋めている処を、地面を掘りなおして光を敷きなおす、と言うのはコストが掛かりすぎて、採算が合わないので、電話会社としてはやりたがりませんね。
    また、アメリカはFiber-to-Homeではなく、Fiber-to-Curb(道路脇まで光)で、最後の道路脇から自宅内までは銅線です。(仕事柄、数年前まで、米国内何箇所のAT&T Uverse、Verizon FiOSの視察に行っています。)光ファイバーを家の中まで引いても、それを繋げる端末(ゲートウェイ)が一般家庭用には存在しないので、意味無いです。

    それでも、かなり最近銅線でも速度が速くなってきています。CATVも同じ同軸線で、技術が年々進歩しています。
    我が家のADSLは、周囲の配線はまったく変えていませんが、ダウンロード20Mbps。CATVの同軸の方は実測でダウンロード35Mbps行きますからね。
    この速度が日本に比べて速いかどうかというと、まだ遅いかもしれませんが、CATVの場合、コンテンツ配信は同じ同軸線を使って1000のチャンネルで配信できますから、ネットで視聴したい映画を指定し、オンデマンドでCATVチャンネルの一つに配信する・・・と言う事ができますからね。CATV網が充実しているので、日本ほど長時間動画をネット回線でみる環境は不要だと思います。
    ごく限られた地域では1Gbps配信も既に商用サービスが行われており、それに引きずられて、他の地域のネット速度も年々、少しずつ上がっていることは、うれしいです。

    料金が安いか高いかと言うのは、難しいところで、決して安いと思わないのは事実です。特に、ネットの速度を高速を選ぶと、高いですね。

    CATV会社にTVとインターネットで月に$200払うのは、高いですね。もっとも、$200には自宅内5部屋でTVが見られるようにするための端末、SlingBoxで家の外でもTVを見られるようにするための端末2台、番組をどこからでも録画できるHDRの使用料、なども入っていますが。

  2. auのスマホで定額サービスを利用している人がKDDI/J:COM系ケーブルテレビのブロードバンド回線も契約している場合はスマホの定額料が
    割引になるサービスをしていますが、アメリカでも似たようなこと、(例えばFiOSを利用していたらVerizonの利用料が割引なる)ってやっていますか?

    管理人 返信:

    あります。
    ちょうど、今、Verizonが、バンドルすると携帯月$10、FiOS月$10、合計月$20の割引していますね。
    http://www.cnet.com/news/verizon-offers-discount-to-wireless-and-fios-triple-play-customers/
    でも、たいした金額では無いですね。

    あとは、CATV会社や固定電話会社が、携帯会社と共同でプロモーションを行い、指定された携帯会社に加入するとVerizonの端末代の割引が得られる、というところもありますね。
    例えば、CATVのComcastはVerizonとアライアンスを組んでいます。
    http://www.comcast.com/verizon-wireless.html

    ただし、これらの割引を得るためには、FiOS/U-verse/CATV側の加入が「トリプルプレイ」加入でないと恩恵を受けられないこともあります。
    「トリプルプレイ」とは、同じ会社で「TV放送コンテンツ、固定電話、インターネット」の3つを契約することです。

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