FEMAから災害補助金が・・・え?何?$370.50?


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さて、既報ですが、2013年9月12日午後から13日午前、我が家は、その3日前の9日午後から続いた断続的な累積降雨量30センチあまりの降雨による水害で、地下水による地下からの浸水(窓やドアからの浸水ではない)により、地下室に最高約2.5センチの地下水が浸水し、水害を受けました。

これにより、地下室1100平方フィート(102平米)、3部屋が浸水を受け、水位は2.5センチでたいしたことは無かったものの、カーペットが敷いてあり、その下にはクッションのためのパッド(スポンジ)が敷いてあって、そのパッドが水を吸っており、そのままでは地下室の床が乾かないため、カーペットをすべて剥いで捨てることになりました。

筆者と家内がオフィスに使っていた2室とサーバールームとして使っていたウォークイン・クローセット(前の所有者が写真現像用暗室として作った部屋)は浸水が広がる前に床に置いてあったものは殆どを机やテーブルの上に上げました。(その後、水位がもっと上がるのではないかと思い、12日夜から13日朝まで、殆ど眠れませんでした。13日朝、水位が多少なりとも減っていて、安心。また、13日昼にはまた排水溝から水が流れるようになり、地下水自体は引いていました。)

ただ、地下の一室は「物置部屋」として使っていたため、使用していない小型家具や、「そのうち整理しよう」と思っていた子供たちの小さいころの本やゲーム、ノート類などがダンボール箱に入れられて床の上に積み上げられていました。
これらは地上階に移動するのを諦め、浸水当日はそのまま放置されていました。

もちろん、ダンボール箱の2段目以上は問題無いのですが、一番下の箱とその中身は濡れて、ほとんどが廃棄処分です。

以下は将来、アメリカ在住者の方への参考のため、その後起こったことを書きます。

連邦政府の災害地域(Federal Disaster Area)に指定されたため、以下のベネフィットが受けられます。
● 住宅被害が発生した場合には、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)から補助金が支給されます。
● Federal Student Loan/PLUS Loanの支払い一時停止、または、支払い遅延のペナルティーが免除されます。
● 申し込んで、認可されれば、SBA(Small Business Administration、中小企業庁)から低利子(現在、約4.5%?)保証のローンが借りられ、住宅修復費用などに使用できます。SBAは中小企業庁ですが、地域のコミュニティーを活性化する使命もあるため、広域被害地域や空洞化した町の住宅地域復興のための予算や支援プログラムがあります。
● Tax Return(確定申告)の締め切りが、延長されます。確定申告延長(Extension)を申請していた場合は、その締め切りが10月15日から12月2日に延期されます。

また、Bank of Americaからは被害地域の住民のクレジットカードの支払い、住宅ローンの支払いが締切日よりも遅れた場合でも、9月と10月中に発生した遅延ペナルティーは免除する、というEメールの通知が来ました。

住宅保険関係に関しては、
● 水害、雨による被害、ハリケーンによる被害、地震による被害は、通常の住宅保険ではカバーしません。
- 水害・雨による被害は、別途「Flood Insurance」を購入していないと、そのダメージの修復費用は保険会社から出してもらえません。
- フロリダなどハリケーン被害の多発する地域では、これも別途「Hurricane Insurance」または「Hurricane/Flood Insurance」を購入していないと、そのダメージの修復費用は保険会社から出してもらえません。
- カリフォルニアなど地震の多発する地域では、「Earthquake Insurance」を別途購入していないと、地震による住宅への修復費用は保険会社から出してもらえません。
● 通常、これらの保険(「Hurricane/Flood Insurance」や「Earthquake Insurance」)は年間数百ドルの掛け金の支払いが必要なので、住宅ローンを借りるときにローン会社から要求されない限り、加入していないのが普通です。皆さんも、ご自分の住宅保険は何をカバーするのか、機会があったら、調べておいてください。

さて、被害後はまずカーペット除去作業に専念。その後、少し時間に余裕が出たところで、10日後の9月24日にオンラインでFEMAに被害申し込みを行いました。その翌日にはFEMAの調査員から電話が掛かってきて、確か26日に近所の調査に来るので、そのときに調査したいということでアポ設定。筆者はその日は朝から仕事で出ていたので、家内が対応。
「10月中旬までには援助額が決まるが、連邦政府の閉鎖があると、どうなるか分からない。」という話だったようです。
地下室の被害状況と、面積。地上階の面積も計測し、銀行口座の情報を書き取って、帰っていったようです。

そして、「どのくらいの額が支払われるのか?」「いつごろ支払われるのか?」と思いながら、政府機関の業務閉鎖が始まったので、気長に待つ体制でいたところ・・・10月3日ごろに銀行口座の残高が若干増えていることに気付きました。明細を調べてみると、なんと、政府機関の業務閉鎖一日前の9月30日にFEMAから入金がありました。

しかし、その金額を見て、唖然!・・・なんと、$370.50!

いや、もう、なんとも言えないです。
どうやら、家全体の面積から、被害にあって住めなくなった(使用できなくなった)面積の割合を出し、それ、プラス、ダメージの重度で補助金総額を決めるらしいです。
また、地域の住宅コストの高低などによっても補助金最高額(100%使用不可、100%ダメージ)が違うようでしたが、当地では最高額は39000ドルといういうことらしいです。

確かに、山岳地域や川に隣接した地域では住宅全壊した人もおり、泥水が窓から入ってきて膝から腰まで地下室が浸水した人もいます。それに比べたら、我が家の被害なんてタカが知れており、主な経費はカーペット敷き直すコストで、せいぜい$2000-5000程度。場合によっては壁の下部30-60センチ(1-2フィート)の取替えと、ペンキ塗り。それも、やろうと思えば、自分でもできる。あとは、荷物を運び出し、また運び入れる手間だけです。

でも、補助金$370.50って、何なのさ?これで、何をしろと?たったこれだけの金額のために、調査員の時間を割いて、調べに来たのか?

テレビのニュースでの報道を見ていても、FEMAから$200数十ドルしかもらえなかった人も居るらしい。

また、FEMAの補助金は、住宅保険会社から保険金が出ないことが前提で、保険会社から一部でも出た場合には、その金額をFEMAに返すことになっているそうです。

さて、今日はお昼に住宅保険の調査員が来ます。
当然、我が家は「Flood Insurance」に加入していないので、何もカバーしないはずなんですが、何で来るんでしょう?
電話では「個人所有物でダメージしたぶんのリストと金額(購入価格、小売価格)を準備して置くように」という指示だったので、水による住宅本体へのダメージはカバーしないけど、個人所有物の損失はカバーする、ということなんでしょうか。しかし、「購入価格、小売価格」の合計を出したとしても、その金額から「償却」が引かれ、現時点での残存価格が計算されます。そして、保険には「自己負担分(Deductible)」という金額があります。我が家の家具・本などの損失額は絶対にこれ以下になるはずなので、保険会社からは1セントも出ないと思います。

ついでに、住宅保険で建物自体に損失が有った場合の保険金額の算定方法:
(1)Replacement Guarantee(建替えコスト保証)オプションに入っている場合:
保険調査員は、被害部分を修復、または、建て直しするコストを、「住宅建築標準コスト」マニュアルで調べ、算出します。
その金額が、保険会社から保険加入者に小切手で支払われます。

(2)Replacement Guarantee(建替えコスト保証)オプションに入っていない場合:
保険調査員は、被害部分を修復、または、建て直しするコストを、「住宅建築標準コスト」マニュアルで調べ、算出します。
そこから、屋根など寿命があるもの(寿命25年~30年)に関しては、設置してからこれまでの期間を計算し、残存価値が計算されます。
その金額が、保険会社から保険加入者に小切手で支払われます。

どちらの場合も、保険支払い金額が大きい場合は、最初に保険の全金額の一部、建築・修復が始まって中ほどに進行報告をすると一部、建築作業終了報告をすると最後の残額、が支払われます。
住宅ローンが残っている場合には、保険会社からの小切手の宛名は、住宅所有者(名義人)と住宅ローン会社の連名宛てに発行されます。つまり、その小切手を換金するには、住宅ローン会社の署名裏書き(Endorsement)が必要です。Endorsementは、住宅ローン会社の支店でも行ってくれます。

一旦保険金が査定されると、実際の建築価格がそれ以下であっても、余った金額を保険会社に返金する必要はありません。つまり、安い人件費の大工さんを使ったり、自分でDIYで建築作業をすれば、保険会社からのお金は手元に「プラス」で残ることになります。

以上は、フロリダの賃貸物件でハリケーン被害で一部屋全壊したときの経験からです。



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