【続報】Google社員の「20%自由時間」が、事実上消滅・・・に関して
この記事は
Google社員の「20%自由時間」が、事実上消滅 – 2013年8月17日
の続報です。
Quartzオンライン誌(qz.com)が「独占記事」として『グーグルの「20%自由時間」が事実上消滅した』という報告記事をリリースした後、いくつかのフォーラム・サイトで元グーグル社員・現グーグル社員からコメントや反論・議論が寄せられているようです。
https://news.ycombinator.com/item?id=6223466 - 2013年8月16日
これらの内部グーグラー(グーグル社員)のコメントをまとめると、結果として以下のことが言える・・・とQuartzは以下の続報で纏めています。
Google engineers insist 20% time is not dead—it’s just turned into 120% time - 2013年8月16日
● 今でも「20%自由時間」でフリープロジェクトを行うには、上司の許可は必要無い。
● ただし、Larry Page氏CEO就任後の社員能力評価・プロジェクト評価に「Stack ranking」システムが採用され、能力評価がボトム20%の社員には、パーフォーマンスを上げるための指導が行われる。(他の会社なら、ボトム20%は解雇されているところ。)
● 「20%自由時間」でやったプロジェクトは会社のためではないので、、社員能力評価には全く考慮されない。
● そのため、「20%自由時間」で余裕を持って自分の好きなプロジェクトをやっている暇があったら、自分の評価が下がらないように努力しなければならない。結果的に、「20%自由時間」プロジェクトをやっている暇や余裕が無くなっている。
● ただし、グーグル社員の中にはモチベーションや自己追求心のあるエンジニアはまだ居て、中には少ないけれども、「20%自由時間」プロジェクトを追及している人も居る。
● ところが、社員能力評価システムがあるため、「20%自由時間」プロジェクトをやる時間は、通常の業務が終わったあとの夜や週末にやることが多い。
● 結果的に、「20%自由時間」を実際に実行しているグーグラーは、100%の給料で、120%の時間働かないと、それをやっていけない。
いくらグーグラーでも100%の給料しか貰っていないのに120%の時間働く人は少ないようで、しかも、20%の「自由研究」プロジェクトが評価されないことが多い、とあっては、「20%自由時間」を実際に率先してやる社員は、非常に少なくなっていることは事実である・・・と現グーグル社員でも『「20%自由時間」が、事実上消滅』という文章には、事実上同意しているようです。
結局、『「20%自由時間」が、事実上消滅』した原因は、厳しい社員パーフォーマンス評価システムの導入のようです。
グーグルにはシリコンバレー近辺の大学卒業生からリクルートされている学生・大学院生も多いです。筆者の次男は数学を専攻して今年の6月に大学院を卒業しました。呼ばれて卒業式
スタンフォード大学の卒業式は、学部卒業生が仮装行列! – 2013年6月22日
を見に行った時の会話で「数学で収入の高い仕事に就こうと思ったら、投資会社のアナリストが良い。」という話が出たので、「グーグルはどうなんだい?自由時間もあって、好きなことも出来るみたいだよ。」と聞いたところ、「いや、最近のグーグルは昔のように自由ではなくなったようだよ。」という答えが返ってきました。シリコンバレーに5年住んで数学を専攻していると、息子もそれなりにハイテク業界に就職している同年代の知り合いも周囲に居るはずなので、このときの会話からもこのQuartzオンライン誌の記事やグーグル社員のコメントは信憑性が有る、と思っています。
そもそもグーグルで20%自由時間が機能していたことがあるかどうかも疑問です.
企業で研究開発に携わっている人はわかると思いますが,20%程度の時間だったら自分の裁量で手を抜くこともできるし,上司の目を盗むまでもなく業務と関係ないことをすることは可能です.
ですので,そもそもグーグルが20%自由時間と謳っていた事自体を白い目で見ていた人は多いのでないでしょうか.