SamsungスマートTVが、あなたの家庭での個人的会話を盗聴するかもしれない。


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このニュースの事の発端は、サンフランシスコに本部を持つ消費者保護団体である「Electronic Frontier Foundation」の一活動家が、SamsungスマートTVの「使用許諾」特に「プライバシー保護」項目に、「TVの前で個人情報や、その他、保護の必要にある情報を会話した場合、その情報がテレビの音声認識システム(マイク)で集音され、音声をテキストに変換するサードパーティ(この業界でのリーダーは、Nuance社?)のサーバーに送信される可能性がある」ので注意するよう記されていることを2015年2月8日未明に発見してツィートしたことに始まります。
つまり、「くつろいだ居間のTVの前での何気ないカジュアルな会話の中に含まれている個人情報が、外部に漏れる」可能性があることを示唆しています。

Please be aware that if your spoken words include personal or other sensitive information, that information will be among the data captured and transmitted to a third party through your use of Voice Recognition.


SamsungスマートTVでは「高度な(Advanced)」音声認識を介して番組などの検索を実行し、その放映中のチャンネルに切り替える、などの機能があるようで、その際に使用者が話した言葉を一度、インターネットを通して「音声からテキストへ変換する」サードパーティサーバーに音声ファイルを送信し、そこでテキスト化された文章をTVが再受信して、TV内の操作を決めているようです。

Samsungは「送受信する音声ファイルやテキストファイルは、業界標準技術で暗号化されている」と説明しており、また、会話の送受信をインターネット上で行いたくなければ、TVのWiFi接続を無効にすれば良いし、単純コマンドだけの音声認識コマンドに設定を切り替えることも可能、と説明しています。
また、使用者の音声はリモコンに装備されているマイクから拾うようですが、これも、リモコンにマイクのオン・オフスイッチがあり、個人的な会話を間違って送信したくなければ、このスイッチをオフに切り替えることも可能です。しかしながら、音声認識の便利さを求めれば、常時、あるいは、長い時間、このマイクスイッチをオンにしておくユーザーも出てくるでしょう。

つまり、マイクが有効化されている間の個人宅の居間でのTV視聴者のプライベートな会話が、すべてサードパーティ音声認識サーバーに垂れ流し、・・・と言うことになるのです。

Samsungでは、「Samsung社がこの個人会話の内容を保存したり、それを第三者の企業にマーケティングなどの目的で販売することはない」と説明していますが、Samsung社が100%コントロールできない第三者の「音声認識サーバー」を介しているため、この注意書きを「使用許諾」に加えているようです。

このような「家庭内盗聴」は今回のSamsungスマートTVに限らず、今後、音声認識機能が増えてくる家庭内IoT機器、そして、車内IoTシステムにも、同様の「何気ない個人の会話」が外部に漏れる恐れがあるとして、アメリカの各メディアは今日一日、あちこちでこの話題を取り上げています。

たとえば、Googleが買収したIoTシステム開発のNestと、それに買収されたDropCAMでも、ユーザーがスマホを通してIPカメラに音声を送信、または、IPカメラから音声をスマホに受信することが、現時点で可能です。これらがもっと高機能を装備したときに、今回と同様な懸念が持たれるかもしれません。

ハンズ・フリー操作のため、常時マイクをオン状態にしておく車内IoT装置に関しても、いつかは車内での会話のプライバシーの問題が取り上げられることでしょう。

参考:
【TechCrunch】Today In Creepy Privacy Policies, Samsung’s Eavesdropping TV – 2015年2月8日



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