テキサス州San Antonio市のあるBexar郡が、アメリカ初の100%ディジタル公共図書館を開館予定。


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「アラモの砦/アラモの戦い」で有名なSan Antonio市のあるテキサス州Bexar郡が、アメリカで始めてのディジタル100%公共図書館を今年(2013年)秋に開館予定であることを発表しました。
Bexar set to turn the page on idea of books in libraries – 2013年1月11日
America’s first bookless public library will look ‘like an Apple Store’ – 2013年1月13日

アメリカでは大学図書館の蔵書のディジタル化が進んでおり、テキサス大学サンアントニオ校などもディジタル蔵書コレクションを豊富に持っており、技術ジャーナルもディジタル化されているものが多くなっています。キャンパス内の一部の図書館は完全にディジタル図書館となっており、全く紙の本がありません。

公共図書館でも一部の蔵書がディジタルダウンロードできるようになってきているところが増えてきています。
これまでにカリフォルニア州Newport Beach市、アリゾナ州Tucson(ツーソン)市などがディジタル図書館の計画を発表していますが、実現までに廃案になったり、開館後に利用者の希望でハードコピー図書を追加したりしており、現在のところアメリカで蔵書が100%ディジタルの公共図書館は存在していないようです。

しかし、Bexar郡は蔵書の100%がディジタルである「ディジタル図書館」を今年(2013年)秋に開館する予定であることを、地元紙の取材に応えて発表しました。

既存の郡図書館はそのまま継続し、最初のディジタル100%図書館を本屋の少ない市の南側に開館、その後、北側に第2のディジタル100%図書館を開館する予定です。
このディジタル図書館は約25万ドルの予算で1万冊のディジタル図書を初回投入分として購入します。これらのディジタル図書は、ハードコピー蔵書と同じように市民に「貸出し」されます。したがって、このディジタル図書館が同じタイトルのディジタル本を10冊蔵書として持っている場合には、市民が借りたディジタル本を「返却」しない限り、11人目の人には貸し出せないようなシステムになります。

100%ディジタル図書館を開館するメリットは、図書館の床面積が少なくて済む為、建築コストが格安で新しい図書館を開館できることにあります。

図書館は下の概念図のようにコンピュータが並んだ「図書閲覧室」だけとなり、午後8時まで開館するため、学校終業時間後の小中高校生にも利用してもらえよう配慮されます。もちろん、図書館員が常駐し、本に関する相談を受けます。

 

また、100台のeリーダーを図書館で購入し、借りたいディジタルコンテンツ(ディジタル書籍)をそれに搭載して市民に貸し出します。市民はそれを借りて家に持ち帰り、自宅で2週間期間限定でそのディジタル図書を借りて読むことが出来ます。2週間後にEリーダーを返却しないと、Eリーダーのコンテンツは消去され、Eリーダー自体も使えなくなるそうです。



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