この方法は特に最近出来るようになった新しいことではなく、昔(10年以上前)からあることですが、2~3年前までは携帯といえばフィーチャーフォンしかなく、海外のフィーチャーフォンには日本語フォントが入っていないので、こんな使い方は日本人の方はあまり考えられなかったかもしれませんね。
日本と違ってアメリカを含む海外の携帯電話には、キャリアが提供する携帯メールアドレスというのは(基本的に)ありません。
※ 最近、Verizonが可能になったようなことをチラッとどこかで目にしたことがありますが、確認していません。
アメリカでは携帯同士でのコミュニケーションは、電話番号でやり取りするテキスト(SMS、ショートメッセージ)で行ってきました。SMSは、半角英数160文字まで送れます。このテキストメッセージは、いつからだったか覚えていないほど、異なるキャリア間でも電話番号だけでテキストを送れるようになっています。
その電話番号のキャリアを判別する一つの方法として、SMSのアドレスは電話番号だけでなく、「電話番号@キャリアのSMSドメイン名」に成っています。携帯電話から送られてきたSMSの送信アドレスの「@」以下のドメイン名を見れば、どのキャリアから送られて来たかが判ります。
たとえば、アメリカでは
キャリア名 |
SMSアドレス |
MMSアドレス |
AT&T および AT&Tの回線を使ったMVNO |
10桁の電話番号@txt.att.net |
10桁の電話番号@mms.att.net |
T-Mobile USA |
10桁の電話番号@tmomail.net |
10桁の電話番号@tmomail.net |
Verizon |
10桁の電話番号@vtext.com |
10桁の電話番号@vzwpix.com |
Sprint |
10桁の電話番号@messaging.sprintpcs.com |
10桁の電話番号@pm.sprint.com |
BoostMobile |
10桁の電話番号@myboostmobile.com |
10桁の電話番号@myboostmobile.com |
Virgin Mobile USA |
10桁の電話番号@vmobl.com |
10桁の電話番号@vmpix.com |
MetroPCS |
10桁の電話番号@mymetropcs.com |
10桁の電話番号@mymetropcs.com |
“PC(Eメールアプリ)から携帯へ、無料でSMSテキストメッセージを送る方法” の続きを読む
10日ほど前に読者の方から「Net10のSIMをiPhoneで使っているが、急にテキストメッセージが送れなくなった」という直メールをいただき、調べている中、初めて「Message Center Number(メッセージセンター番号)」という言葉に出くわしました。
携帯からSMS/MMS(テキストメッセージ)を送ると、キャリアのSMSゲートウェイサーバーにまずそのテキストメッセージが送られます。
そのSMSゲートウェイで相手の電話番号がチェックされ、それが同じキャリア内の電話番号なのか、別のキャリアの電話番号なのかを判断し、それに応じてこのSMSゲートウェイがハンドルします。
場合によっては、8ビットテキスト文字の上位ビットが「0」に全てリセットされるため、これが起こると日本語のSMSやMMSテキストメッセージが相手に文字化けして伝わります。
SMSの文字コードの世界標準は、
● GSM 7-bit alphabet (昔のSMSテキストメッセージ:英数字のみ)
● 8-bit data alphabet (ピクチャー・メッセージ)
● UTF-16(unicode) (日本語テキストを含む)
の3種類があります。
ここ数年でiPhoneとスマートフォンのMMSメッセージが送信が可能になったおかげで、UTF-16に対応したキャリアのSMSゲートウェイサーバーが増えてきていることは、うれしいことです。
しかし、日々数が増えるMMSメッセージに対応するために、欧米のキャリアがSMSゲートウェイを増設、または、新設すると、そのSMSゲートウェイサーバーのUTF-16の設定を忘れるようで「この前まで日本語テキストが送れたのに、今日送ると、文字化けする」と言う事が起こります。
しかも、相手が同じキャリア内の電話番号だとSMSゲートウェイサーバーがビット(バイト)変換無しでテキストメッセージを送るので文字化けせず、他のキャリアに送るときだけ文字化けすることも、あります。
「Message Center Number(メッセージセンター番号)」とは、このキャリアのSMSゲートウェイサーバーの電話番号です。
“Message Center Number(メッセージセンター番号)…何それ? ⇒ SMSテキストメッセージが送信出来なくなった時にチェックする項目。” の続きを読む
Verizonは2012年5月3日にプレスリリースを発表し、2013年までに警察・消防・救急医療当局への緊急連絡を、テキストメッセージ(SMS)を使って送信できて、かつ、その処理を受けられるようにする、と発表しました。
Verizon takes the lead on text to 911 services – 2012年5月5日(Verizonのプレスリリースは、2012年5月3日)
処理の詳細はまだ発表されていませんが、メリーランド州アナポリス市本社のTeleCommunication Systems Inc.とこのシステムの構築を進めていきます。
アメリカの「911」コールセンターは、各市や市連合単位で設置・運営されていますので、Verizonが受け取った緊急SMSテキストメッセージを、携帯保有者の現在地(GPS位置)を管轄する「911」コールセンターに迂回する方法も必要なので、そのあたりの仕組みが興味深いです。
テキストメッセージによる緊急連絡システムはアメリカFCC(連邦通信委員会)が既に2010年のその必要性を認め、許可していましたが、具体的にそのサービスを始めると名乗り出たキャリアは初めてです。
これにより、声の出ない人、または、声をさせない状況にある人でも、持っている携帯のテキストメッセージで警察・消防・救急医療当局と連絡が取れます。
また、事前にプログラムされたボタンを押すと定型のテキストメッセージが当局に送信されるようなアプリも考えられ、お年寄りや健康上問題がある人なども、このシステムの利益を受けられそうです。