Verizonが地域キャリアのCincinnati Bellの携帯電波使用権全てを買収。
本日2014年4月7日、加入者数第9位のCincinnati Bellは、同社の携帯部門の電波使用権、基地局など通信施設を、加入者数でアメリカ第一位のVerizonに2億1000万ドルで売却すると発表しました。
【Cincinnati Bell】Cincinnati Bell to Sell Wireless Spectrum Licenses – 2014年4月7日
【AndroidCentral】Verizon Wireless buying spectrum and assets from Cincinnati Bell for $210 million – 2014年4月7日
アメリカのキャリアはトップ4位のVerizon、AT&T、Sprint、T-Mobile USに続き、現在5位がU.S. Cellularで加入者数430万人。6位以下は加入者数100万人以下の地域キャリアで、これらのキャリアは通信網をLTEにアップグレードする資金力が無く、今後の淘汰が予想されていました。
既に旧第5位と6位のMetroPCSとLeap Wireless(Cricket)が、それぞれT-Mobile USに2013年5月1日、AT&Tに2014年3月14日に買収完了されています。
Cincinnati Bellも資金調達難から、これまで回線のLTEアップグレードは見送ってきました。
Cincinnati Bellはシンシナチ市を中心にオハイオ州・ケンタッキー州・インディアナ州をカバーし、加入者数で34万人の地域キャリアです。
この買収がFCCに認可されれば、Cincinnati Bellの加入者は8ヶ月~12ヶ月の期間でVerizonまたは他のキャリアへ移行する必要があります。
また、Cincinnati Bellは2G/3GはGSM/W-CDMA通信方式を採用しており、Verizonは異なる通信方式(CDMA2000)を採用しているため、Verizonへ移行するCincinnati Bellの加入者は端末の買い替えが必要です。
Cincinnati Bellはオハイオ州を中心に1900MHz(Band 2)、AWS(Band 4)、700 MHz(Band 12)の使用権を持っており、Band 12は現在使用していません。VerizonはBand 4でLTEを開始しており、Band 2は3G CDMA2000で使用しており、将来はBand 2もLTEへの再編を計画しています。Veizonは同社が別途CATV会社から取得したBand 12を、今年夏~秋までにT-Mobile USに売却する契約を結んでいて、FCCの認可待ちです。したがって、VerizonはCincinnati Bellから取得するBand 12はいずれ他社に転売すると予想されます。
この携帯部門の譲渡完了後、Cincinnati Bellは近隣州での光ファイバー事業だけが残されることになります。
これにより、業界5位のU.S. Cellular、7位のC Spire、8位のNtelosへの買収圧力も加速するかもしれません。
下記の表の参照元:【FireceWireless】Grading the top U.S. wireless carriers in the fourth quarter of 2013 – 2014年3月12日