自己申告すれば、家電量販店BestBuyが店頭商品の価格を、競合他社のオンライン価格にマッチしてくれる。
「ショールーミング」(消費者が商品の実物を実店舗で触ってみて購入前に試してみるものの、実際に購入するのはAmazonなど安いオンラインで購入すること)の犠牲にされて売上げと利益が減っているアメリカの家電量販店最大手、BestBuyですが、昨年のクリスマス商戦では「同一商品の、オンライン競合他社の(BestBuy販売価格より低い)価格の書かれたアウトプットを持ってくれば、その価格で販売するか、(既に購入した後ならば)差額を返却する。」対応を期間限定で行っていました。
そのBestBuyは、2013年3月3日から、当分は1年間期間限定で、その「競合他社のオンライン価格にマッチ」対策を継続します。
Best Buy ends ‘showrooming’ with Low Price Guarantee – 2013年2月15日
Best Buy Makes Price Match Permanent to Win Back Clients – 2013年2月15日
競合他社の同一商品(同一モデル)の価格の証拠は、購入時、または購入後15日以内に店に持って行き、自己申告する必要があります。
購入時の場合には、価格がその価格に調整されます。
購入後15日以内の場合には、差額(プラス、差額相当の消費税)が返金されます。
比較対象になるオンラインショッピングページは全てではなく、
● Apple.com
● Amazon.com
● Crutchfield.com
● Walmart.com
など19サイトに限定されています。(他サイトの詳細がわかり次第、ここに追加していきます。)
また、BestBuyはこれにより商品の無償返品期間を、従来の30日から15日に短縮します。もし、何らかの理由で15日以内に返品したい場合、理由は聞かれず、返却時に手数料(Restocking Fee)は徴収されません。
なお、ポストペイド契約のためにBestBuyで購入された携帯本体は、この「最低価格保証」の対象外です。
同様のオンラインショップとの価格マッチは、アメリカ第2のディスカウント百貨店のTargetも先月から行っています。
Targetの場合は、店頭購入商品のみではなく、Target.comで購入した商品も対象となります。
ただし、価格比較のできる競合オンラインショップは、以下の4サイトのみです。
● Best Buy
● Amazon.com
● Wal-Mart Stores
● Toys “R” Us
う~ん、これからこれらの店で商品を買うときには、オンラインで事前(あるいは購入直後)にリサーチして、他のオンラインサイトで低い価格で売られていたら、証拠を印刷しておかないといけませんね!
維持費上ネット店舗のほうが商品価格が安くなるのは自然だし消費者からすれば嬉しいことですけど、実店舗が有るからこそ買う前に物を確かめられるというメリットがあります。米国ではいかなる理由であっても2週間は返品が可能なんですよね?ところが日本ではそういう便利な制度が無いですから、ホットモックがいっぱい提供されてるお店は、ネットより値段が高くてもその利便性に投資するためにそこで買うべきだと思うんですよね、私は。とはいえ、安い方に人が流れるのは大衆の常ですけど。まぁ値段差が有り過ぎたら流石に私もネット価格で買っちゃいますけど、千や2千高いぐらいなら。
機械物は特にカタログスペックうんぬんよりも使用感が満足に値するかを見極めてから買いたいので、家電製品はもっとホットモックを増やしてくれ。性能うんぬんよりも使いやすさの方が圧倒的に大事だ。
管理人 返信:
2013年2月18日 2:42 AM
>米国ではいかなる理由であっても2週間は返品が可能なんですよね?
2週間(15日)か、30日かは、店や商品によりますが、可能です。
● スーパーボールの観戦のために大型テレビを買う・・・スーパーボールが終わったら、返品する。
● 女性がおしゃれな下着を買う・・・家へ帰って試着する・・・鏡を見て気に入らないので、そのまま(洗濯せずに)返品する。・・・返品された下着が、また商品展示される。
なんてことが、ありうるんです。
「Satisfaction Guaranteed」・・・満足しなければ、他にどんな理由があっても、返品可能。もちろん、返品する場合には、再販できるような状態でないといけません。初めから壊れていれば、別ですが。
携帯のことに関してもアメリカのポストペイド契約は、契約後15日以内ならばいかなる理由でも解約できて、全額戻ってきます。もちろん、その場合には携帯本体も返品します。・・・返品された携帯本体は「整備品」として各キャリアのウェブサイトのみで、通常価格の$100割引くらいで販売されています。
私の最初のiPhone(iPhone 3G)は、この整備品を買いました。
でも、このおかげで、地元の個人商店がどんどん店を閉めざるを得なくなり、今はアメリカ中どこへ行っても全国チェーンや全国レベルのフランチャイズ店ばかりが目に付くようになりましたね。
そこで逆に、「地元の個人商店で買いましょう。」「Walmart誘致反対」運動が起こったりしています。
でも、消費者としては難しいですね。
個人商店としては、全国チェーン店/オンライン店には無い商品やサービスで競争するしかないですね。
ty2096 返信:
2013年2月20日 12:50 AM
便利としか考えられない制度でも、被害を被る方はいらっしゃるのですね。私としては、そういう制度がある方が純粋な競争と淘汰によって本当に良い物だけが残ってくれるような気がするのですが、実際に米国で商品を購入されてる方から見るとどうでしょう?
電話が出来ない携帯電話を買ってしまわれた方なんかにはいい制度だと思うんですが。(後ほどキャリアアップデートで電話可能になりましたけどね、REGZAフォン)
管理人 返信:
2013年2月20日 3:14 AM
これはもう慣れ、というか、文化ですよね。
日本のように「一度箱や袋を開けて出した商品は、返品されたら新品ではなくなり、何分の一かの値段にして安くしか売れない」と言うことを信じている文化だと、店側として返品を受け入れたくなくなりますよね。
しかし、アメリカだと「一度他人の手垢が付いた商品でも、それは拭けば取れる。機能さえ新品と同じであれば、返品された商品でもまた新品価格で売れるし、消費者もそれを納得している。」なので、店側も返品を簡単に受けます。
使用に差し支えない「傷物」であれば10-20%の割引してくれることもありますが。
「郷に入れば、郷に従う」しかないですね。
うーん、オンラインストアで事実上sales tax払わなくていいのが結構効いてきてると思うんですよね。うちの州は6%なので、同じ値段でもamazonの方が6%安いことになる。AmazonとWalmart オンラインの価格競争も熾烈ですが、Walmartは実店舗が各州にあるからsales taxがかかってしまう。
このままだと生鮮食品以外の商店が全部潰れてしまいそうなので、米国政府はそろそろオンラインストア優遇をやめた方がいいのではないかと思います。
管理人 返信:
2013年2月18日 2:57 AM
消費税は100%地方税(州、郡、市、地元教育委員会、地域の公共交通網運営補助の資金、など)なので、連邦政府が絡んでこれないんですよね。
しかし、近年、地方税収入の減っている州では、確定申告の際に自己申告で「消費税を払わないで購入したオンラインショップの消費税を州税と一緒に支払う」システムを導入している州が増えていますよ。
アメリカの自動車産業の衰退で州税収入が減ったミシガン州はかなり早く、5-6年前からそれをしていましたね。ミシガンの大学院に行っていた私の息子の確定申告を代わりにやってあげていたので、判ります。
また、サブプライムローン問題で急に固定資産税の収入が減って州財政の危機が明らかになったカリフォルニア州でも、2,3年前からその制度になったと思います。
テキサス州政府はAmazonが集配センターかデータセンターかをテキサスに作るのにあたって「建物の固定資産税の税優遇を数年間提供する代わり、州の購入者から消費税を集めろ」とAmazonに要求していて、Amazonがその条件を飲んだというニュース報道が去年あったと思います。
どこの州に住んでいるかによりますが、消費税のメリットは無くなって来ているところが増えてきています。
もっとも、確定申告をしなくても良い留学生なんかは、結局消費税を払わなくてもお咎めは無いですね。
Willy 返信:
2013年2月18日 6:05 AM
ミシガン州、一時は源泉徴収してましたがここ数年は確定申告時にuse taxを納税=事実上野放し状態です。州間の通販は、92年の米国最高裁判決で州内に拠点を置かない小売業者の場合は売上税を徴収しなくて良いという判決が出ており、配送センターなどがない州では今でも原則源泉徴収していないというのが私の理解です。
管理人 返信:
2013年2月21日 6:23 AM
Amazonはカリフォルニア州を含め、9州への出荷分に対して消費税を集め始めました。
http://www.reuters.com/article/2013/02/20/us-usa-tax-amazon-idUSBRE91J0DX20130220?feedType=RSS&feedName=technologyNews