アメリカのAmtrakは、車内検札にiPhoneを使用


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アメリカの連邦政府が保有して独立採算で運営されいている、アメリカ横断・東海岸縦断・西海岸縦断の旅客鉄道、Amtrakは、2011年11月から一部の路線での車内での検札に、特別スキャナー・ケース付きiPhoneを使用し、車内検札と空席管理を行っています。
NY Times - Technology Section : Amtrak Enlists iPhones as a Service Tool – 2012年5月6日

今年(2012年)の晩夏までにはAmtrak 1700人の車掌全員が、iPhoneで車内検札を行うようになります。

これにより、現在航空会社では既に行われているように、Amtrakの利用客は自宅でPC/プリンターでバーコード付きの乗車券を印刷したり、スマートフォンの画面に乗車券のバーコードを表示して、それを見せることによってAmtrakへの乗車が出来て、車内検札が受けられます。

飛行機と違って列車の場合は乗降口が複数有り、乗客の乗り降りの管理は飛行機に比べると難しいです。

しかし、このiPhoneとスキャナーを用いた車内検札システムにより、乗客の乗り降りと乗車区間、および、長距離路線での空席管理がリアルタイムで行われ、空席区間のチケット販売の効率が上がります。
特に、乗客の直前キャンセルによる空席を、別の客に効率良くチケット販売することが出来ます。

また、このiPhoneアプリには他の機能も盛り込まれており、たとえば、身体障害者が次の駅で降車する場合には、車掌がその情報をiPhoneから入力すると、自動的にその情報が次の駅に送られ、降車の為の補助設備が用意できるようにもなっています。

車内の設備(例:トイレ)が故障した場合にも、車掌はこのiPhoneアプリから報告し、次の停車駅で修理作業員を準備してもらうことが出来ます。

長時間の使用が可能なようにAmtrakのiPhoneには特別な外部バッテリーケースが装着され、乗客のチケットに印刷されたり、スマフォ画面に表示されるバーコードを読めるバーコードリーダーが付いています。

そのバーコードを読み込むことにより、車内の座席占有状況がリアルタイムでiPhone画面に反映されます。

また、乗客用アプリからはAmtrakのチケットの変更がリアルタイムで出来るようになり、予定時間直前に駅へ出向いて予定の便をキャンセルして次の便を購入しなくとも、自分のiPhoneアプリから予定変更が出来ます。この乗客のスケジュール変更はリアルタイムでAmtrakのチケット販売(空席)状況に反映されるので、出発直前に空いた空席を別の客に販売することが出来ます。(アンドロイドアプリは秋までにリリース予定。)

このシステムの開発には750万ドル(約6億円)かかり、うち、550万ドル(約4億4千万円)がソフト開発費用、200万ドル(約1億6千万円)がハードウェアコストだったそうです。



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