留学生の為のアメリカ携帯電話・インターネット事情:【2】アメリカの携帯電話会社と携帯電話番号
この記事は、「留学生の為のアメリカ携帯電話・インターネット事情」連載、第2回です。
留学生の為のアメリカ携帯電話・インターネット事情:
【プレビュー】 – 2012年5月10日
【1】日本の携帯を持って行くか、現地で買うか – 2012年5月14日
【2】アメリカの携帯電話会社と携帯電話番号 – 2012年5月18日
【3】アメリカのプリペイド携帯の選択と契約(アクティベート)の仕方 – 2012年6月5日
アメリカで携帯電話を持つことを決めたとして、アメリカの携帯電話会社について調べましょう。
このシリーズの趣旨と、予定掲載内容に関しては、
留学生の為のアメリカ携帯電話・インターネット事情:【プレビュー】 – 2012年5月10日
を参照して下さい。
■ アメリカの携帯電話会社 (自社電波を持っている会社) と、ポストペイド契約
アメリカには全米(ハワイを含む)で携帯サービスを提供していて、自社で携帯電話の回線(電波)を持っている会社には、以下の4社があります。
● Verizon Wireless ... 加入者数 1億870万人
● AT&T Wireless ... 加入者数 1億70万人
● Sprint Nextel (Sprint) ... 加入者数 6000万人
● T-Mobile USA ... 加入者数 3373 万人
これらの会社の電波のカバレッジ(サービスエリア)は、
Verizon、AT&T、Sprint、T-Mobile USAのカバレッジ比較 – 2012年2月21日
を参照してわかるように、全米主要都市で普通の人の生活範囲内では、ほぼカバーされます。
これ以外に特定の地域に住んでいる人しか加入できない「地域携帯電話会社」が多数ありますが、そのなかで大きなものは西海岸・東海岸とミシガン州デトロイトとテキサス州ダラス周辺で加入できるMetroPCS(加入者数 950万人、全米第5位の携帯電話会社)と、東海岸・西海岸の田舎と中西部で加入できるU.S. Cellular(加入者数 610万人、全米第6位の携帯電話会社)があります。
MetroPCS携帯電話会社について – 2012年2月17日
U.S. Cellular携帯電話会社について – 2012年2月18日
MetroPCSとU.S.Cellularは全米隅々までは自社所有の基地局を持っていませんが、他の携帯キャリア(VerizonおよびSprint社)と会社間ローミング契約を結んでいて、加入可能地域の外に旅行や出張しても、その地域で電話が使えるようになっています。ただし、ローミング地域では一部の機能(例:データ通信)などは使えません。
これらの携帯電話会社はポストペイド契約とプリペイド契約の両方を提供しています。(ただし、Sprintはプリペイド契約を子会社のVirgin Mobile USAブランドとBoostMobileブランドのみで提供しており、Sprintブランドではポストペイド契約のみ提供しています。MetroPCSは全てプリペイド契約方式です。)
料金的には、ポストペイド契約は
● 月額定額分以外の超過使用分は後払いなので、国際電話などを多くすると最終的に請求金額が幾らになるかわからない
のに対し、プリペイド契約は
● 全ての使用料、または、使用見込み料金を前もって払う方式なので、支払った金額以上は課金されない。リミットに達すると使えなくなる。(着信も受けられない。)使えるようにするには、前払いの料金を追加する必要がある。
になります。
また、ポストペイド契約の場合は、携帯会社から見ると「後から料金を払ってくれる」信用のある人かどうかを契約前に事前に確認する為に、与信記録をチェックします。アメリカの与信記録はソーシャルセキュリティー(社会保障)番号で管理されており、クレジットカードや住宅ローン・車のローンなどを遅延無く定期的に支払っているかどうかで判断しています。ソーシャルセキュリティー(社会保障)番号で管理されているので、この番号が無ければ与信記録を引き出すことが出来ず、自動的にアメリカでの与信記録は無いものとみなされます。
また、すぐに銀行口座から引き出されるデビットカードはこれに含まれず、公共料金などの支払いも延滞(ネガティブな記録)しない限りは与信記録に含まれません。また、携帯電話の契約には最低1年~1年半の「外部」与信記録を必要とします。
この与信記録が無いか、悪い場合は、「信用できるかどうか判らない」または「信用できない」とみなされ、前もって保証金(デポジット)を要求されます。
保証金の額は各社とも$100~$1000と内部規約では決められていますが、その額を決めるのは、予想される携帯加入者の使用パターン(国際電話を沢山使いそうかどうか)などで携帯ショップのマネージャーが判断します。実際には携帯電話で$400~500、ポケットWiFiで$175くらいが多いようです。
つまり、渡米したばかりの留学生はアメリカに与信記録が無いので、アメリカの携帯電話会社とポストペイド契約をする場合はデポジットを要求されると思ってください。
しかし、ポストペイド契約のメリットは
● プリペイド契約に比べて米国内使用可能エリアが広い
地域携帯電話会社以外にアメリカ4大携帯会社も、SprintとVerizonおよび地域の中小CDMA携帯会社、また、AT&TとT-Mobile、はお互いに会社間ローミング契約を結んでいます。ポストペイド契約で携帯電話サービスに加入すると、自動的にこの会社間ローミング契約の恩恵を受けることができるので、自社電波地域以外でも電話サービスを使うことが出来ます。
しかし、プリペイド契約の場合は自社電波の存在する地域でしか使えないことが多く、郊外、特に「僻地」では携帯が使えない地域が多いです。
まあ、州外や遠隔地に車で旅行でもしない限り、その違いに気付くことは殆どありませんが・・・
● アメリカ国外(例:日本へ一時帰国した時)でも使用できる
プリペイド携帯で海外でもローミングできるのは、アメリカの携帯会社では現在のところT-Mobile USAのプリペイド携帯だけです。
ただし、デポジットを預かっている期間中(通常、最大1年)や、契約直後(AT&Tの場合は最初の3ヶ月)は海外でローミングできない場合があります。
● プリペイド契約では加入できない高速データサービスに加入できる場合がある
AT&Tでは4G LTEサービスはポストペイド契約者のみが加入できます。
Sprintもつい最近までは4G WiMaxはポストペイド契約者のみが加入できましたが、今月末からプリペイド加入者でも加入できるようになります。その代わり、今年夏から同社が予定している4G LTEサービスは、当分ポストペイド契約者のみになるでしょう。
● 携帯同士の通話が無料になります。夜間・週末に無料で電話できる時間帯があります。
などです。
したがって、渡米後暫くして各携帯電会社のサービス内容が判ってきたら、保証金を払ってでもポストペイド契約に加入/変更するかどうかを決めたら良いでしょう。
■ アメリカのプリペイド携帯電話会社
● Verizon Wireless
● AT&T Wireless (GoPhoneブランド)
● T-Mobile USA
● MetroPCS
● U.S. Cellular
は、回線契約をプリペイド契約で行うことが出来ます。
Sprintは、以下の100%子会社でプリペイド契約を受け付けています。
● Virgin Mobile USA
● BoostMobile
プリペイド契約の特徴は、与信履歴のチェックが不要であること、です。これは、料金が前払いなので、携帯会社にとっては料金の「取りっぱぐれ」が無いので、加入者が信用できるかどうかの与信履歴のチェックが不要だ、という理由です。
また、アメリカのプリペイド携帯に加入するには、(現在のところ)身分証明書は不要です。(テロ規制の関係でプリペイド携帯契約にも身分証明書を要求する法案を提出しよう、という議員は居るようですが、いまだに議会提出までには至っていません。)
よって、渡米直後はアメリカでの様子が分かるまではプリペイド契約するのが、手っ取り早い方法です。
そして、あとで別の携帯会社に変える場合、アメリカではMNP(Mobile Number Portability)は無料で出来る消費者の権利なので、他のプラン(例:プリペイド契約からポストペイド契約へ)は携帯会社に契約を変えても、電話番号は維持できます。(MNP手続きは無料ですが、前の契約がポストペイド契約で2年契約を結んでいる場合、その契約の早期解約ペナルティーはMNP手続きとは別に支払う契約義務が発生します。)
さて、プリペイド契約の場合には、自社で携帯電波を持っているアメリカ6大携帯各社だけでなく、その電波を再販している会社がいくつかあります。いわゆるMVNO(Mobile Virtual Network Operator )、回線再販業者、です。日本で言うところの日本通信b-mobileのような会社です。
その中でも比較的簡単に街中で携帯本体、または、SIMが買える会社は
● Tracfone - 回線は機種によってVerizon、AT&T、T-Mobile USA使用
● Net10 (Tracfoneの子会社) - 回線は機種によってVerizon、AT&T、T-Mobile USA、Sprint使用
● StraightTalk (Tracfoneの子会社で、Walmartとの共同事業。Walmart限定販売。) - 回線は機種によってVerizon、AT&T、T-Mobile USA、Sprint使用
● Cricket Wireless - 回線は自社回線とSprint回線を使用
● H2O Wireless - 回線はAT&T使用
● SimpleMobile (Tracfoneに買収され、手続き中。) - 回線はT-Mobile USA使用
● i-Wireless (Krogerスーパーマーケットの子会社) - 回線はSprint使用
● Red Pocket - 回線はAT&T使用
● AirVoice Wireless - 回線はAT&T使用
● Jolt Mobile - 回線はAT&T使用
● Pure Prepaid - 回線はAT&T使用
などがあります。
アメリカのプリペイド携帯電話会社 – 2010年12月3日
アメリカで携帯電話サービスをしている日系の携帯電話会社も、アメリカ4大携帯会社のどこかの回線を使用しています。
● KDDIアメリカのKDDIモバイル - 回線はSprint使用
● ドコモUSA - 回線はT-Mobile USA使用
● Hancell - 回線はAT&T使用
それぞれ各社に特徴があるので、料金などを良く調べた上で決めましょう。(各社の特徴は、また後日の記事で触れます。)
例えば、
● 携帯電話は通話しかしない。通話も、毎月最低限。・・・と言う人には、
AT&T(GoPhone)
T-Mobile USA
Tracfone
Net10
Hanacell
H2O
AirVoice Wireless
のPay-as-you-goプラン(使っただけ残高から金額が引かれる)が毎月のコストが安くて良いでしょう。
● 携帯電話の使用目的はスマートフォンで、WiFi以外にも3Gでも使いたい。・・・と言う人には、
Net10の「SIMだけ契約」
StraightTalkの「SIMだけ契約」
T-Mobile USA
SimpleMobile
Virgin Mobile USA
BoostMobile
などの月極めプリペイド契約(月に一定金額支払って、一定量のデータ、または、「使い放題」のデータが使える)がお勧めです。
この目的の場合に絶対に避けるべき携帯会社はデータ(パケット)使用は従量課金制しかない
Hanacell
と、スマートフォンの販売されていない
Tracfoneブランド
です。
なお、日本では携帯でデータ(インターネット)をアクセスするのに「パケット」単位で課金しますが、アメリカでは「キロバイト(KB)」「メガバイト(MB)」「ギガバイト(GB)」単位で計算します。
携帯会社の選択の仕方に関しては、データ(パケット)の予想使用量の計算を含め、また後日詳しく触れます。
■ アメリカの携帯電話と日本の携帯電話の大きな違い
日本の携帯電話のシステムしか知らないと、アメリカの携帯電話では理解できないことがいくつかあります。
SIMを挿入するスロットの無い携帯電話がある
アメリカのCDMA2000キャリア(auと同じ通信方式を使っている携帯電話会社)は、2Gおよび3G通信にはSIMを使用していません。
したがって、これらのキャリアの携帯電話にはSIMを挿入する場所が、ありません。
上に書いた携帯会社では
● Verizon Wireless
● Sprint Nextel (Sprint)
● MetroPCS
● U.S. Cellular
● Virgin Mobile USA
● BoostMobile
● Net10のアンドロイド・スマートフォン
● StraightTalkのアンドロイド・スマートフォン
● Cricket Wireless
● i-Wireless
● KDDIモバイル
の2G/3G携帯には、SIMを挿入するスロットが存在しません。そして、基本的に各社の携帯は、その会社でしか回線契約できません。(他の会社に持ち込んでは契約できません。・・・例外はいくつかありますが、一般的ではないのでここでは触れません。)
これらの会社の携帯でも、4G LTEに対応している携帯はSIM挿入スロットがあります。(しかし、日本のLTE対応の携帯はアメリカの周波数に対応していない為、アメリカではLTEでは使えません。)
また、BlackberryやiPhone 4Sなど国際ローミングを前提にした”Global”携帯では、GSM/W-CDMAモードが付いている為にSIM挿入スロットが存在している機種もあります。
そしてこれらの会社では4G LTE対応携帯、および、国際ローミング兼用携帯以外にはSIMを発行していない為、、「SIMフリー」の携帯を持ち込んで「SIMだけ契約」することは出来ません。
「SIMだけ契約」が出来るのは、AT&TとT-Mobile USA、および、その回線を使っているプリペイド携帯会社だけです。
アメリカを含む北米の携帯電波は、日本・アジア・ヨーロッパを含む他の国と違う
アメリカの携帯電話の周波数は主に1900MHzと850MHz(CDMAでは800MHzも使用)です。
アメリカ以外の日本・アジア・オーストラリア・ヨーロッパでは2100MHz、1800MHz、900MHzが主流です。
したがって、日本の携帯をアメリカのプリペイドSIMで契約する場合には、その携帯がアメリカの携帯会社の周波数に対応しているかどうかを、必ず事前に確認してください。そうでないと、せっかく高いお金を出して日本で買ってきたSIMフリー携帯が、アメリカの3G回線で使えない・・・ということになります。
アメリカの携帯電話会社と通信方式・周波数 – 2010年12月1日
逆に言うと、余程「携帯電話のメニューも全て日本語でないと、気がすまない」と言う人以外は、日本のSIMフリー携帯をアメリカに持って来て使うより、現地で買ったほうが確実に現地の電波に対応しています。(iPhoneとNexusシリーズなら、日本語メニューにも対応しています。)
また、現地のスマートフォンは安いものは$100から、特売の時には$70くらいからありますので、安いです。
iPhoneも2年契約をすれば$199から、型落ちの「前年モデル」はiPhone 3Gsで$0.01、iPhone 4で$49または$99で購入できます。
つまり、「日本語メニューでないと、ダメ」という条件が無ければ、日本で買うよりも現地で買ったほうが安く買えます。
日本のような固定電話と携帯電話の電話番号の違いは、無い
日本では携帯電話は080や090で始る電話番号で、電話番号によって携帯電話か固定電話かが識別できますが、アメリカではその区別がありません。
携帯電話も固定電話も、同じ市外局番が付きます。
例えば、808はハワイの市外局番ですが、ハワイの携帯電話は固定電話も携帯電話も全て最初に808が付きます。
それどころではありません。
アメリカでは携帯電話加入者が州を超えて別の州に引越しをしても、電話番号を変える必要はありません。
引越ししたら、自分が加入している携帯電話会社に(ポストペイド契約なら)、請求書の郵送先を変えるために住所の変更届を出すだけです。(「変更届」と言うよりも、カスタマーサービスに電話一本で済みます。)
つまり、もともとハワイで携帯電話を契約した人が、ニューヨークに引っ越したら、ハワイの市外局番をそのままニューヨークで使えるのです。
更にこれをもう一歩進めて考えてみると・・・
シカゴに住んでいる人が、「自分は良くハワイに取引に行くき、ハワイに住んでいる人と良く電話する。相手にも電話番号を覚えてもらう為に、ハワイの市外局番で(居住地のシカゴで)契約したい。」と思えば、それが可能なのです。たとえば、不動産エージェントなどで自分の活動する地域には住んではいないが、自分の活動地域の人たちに馴染んでもらいために、その地域の市外局番の携帯電話を持つ、などのことは良くあります。
関連してもう一つ注意しないといけないことがあります。
アメリカでは1990年代末から電話番号が足りなくなってきて、同じ地域でも一つの市外局番で足りない状況が大都市では発生しました。
そのため、同じ地域でも2つ以上の市外局番を使っている地域があります。
例えば、ロスアンジェルスの西側では310と424が市外局番として使われています。東隣りのロスダウンタウン付近でも、213に加えて323が追加されました。
したがって、新しく携帯電話に加入する際に、「市外局番310の電話番号が取れないので、市外局番424で良いですか?」と聞かれる事があります。
着信も課金される
アメリカの固定電話は、着信は無料です。
しかし、アメリカの携帯電話は、着信も課金対象です。
これは従来、アメリカの携帯電話の課金は「電波使用料」の概念で課金されたので、それがそのまま続いているのです。
ポストペイド契約やプリペイドの月極め(Monthly)契約で、「月何分まで通話無料」と言う場合、着信もこれにカウントされます。
また、プリペイド契約のPay-as-you-go(使っただけ、課金)方式だと、残高が$0(または残高が$0.02など、1分単価よりも少ない)だと着信も出来ませんので、注意してください。
アメリカの携帯電話の通話の課金は、アメリカ国内(domestic)料金と、国際電話発信料金(International Call)に分類されます。
Domestic料金は、アメリカ国内どこに掛けた場合でも統一料金です。アメリカの携帯電話では数年前に長距離料金(Long Distance料金)は廃止され、国内統一料金に成りました。(日本でもそれは同じですね。)
日本からの国際電話を含む、米国「外」からの電話の着信は、Domestic料金として課金されます。
日本への国際電話発信を含む、米国「外」への国際電話の発信は、International Call料金として課金されます。
なお、ポストペイド契約の場合は、加入時のデフォルト設定では国際電話が出来ないようになっていることがあります。
その場合はカスタマーサービスに電話して、国際電話が出来るようにアカウント設定を変えてもらいます。この設定のそのものは無料です。しかし、月々一定料金(例$4.99、$10)を払えば国際電話発信が割引になるプランもあります。頻繁に国際電話をする人はそのような国際電話割引プランに加入しても良いですが、そうでない場合で単に緊急時に国際電話が出来るようにしておきたいだけなら、無料の設定変更だけにして下さい。
また、ポストペイド契約の場合、新規契約後3ヶ月以内や、まだ保証金を担保に預けられている期間は、国際電話が出来ない場合もあります。
プリペイド契約の場合は、残高さえあれば何も申請しなくとも国際電話が出来るのが多いです。しかし、会社によっては直接ダイヤルは出来ず、アメリカ国内のアクセスポイントに一端電話し、繋がったら日本の電話番号を入力して初めて繋がる携帯会社もある(Tracfone、Net10、H2O Wirelessなど)ので、注意してください。
「携帯メールアドレス」が無い
日本ではガラケーでもキャリア(携帯電話会社)のドメインのEメールアドレスが与えられますが、アメリカではこの「携帯メールアドレス」はありません。
通常、アメリカ人同士はSMS(テキストメッセージ)またはMMSと言う、電話番号でテキストを送受信してやり取りします。(日本の「ショートメッセージ」に相当します。)
アメリカ国内ではこれで特に不自由はしません。
また、実は「電話番号」とは言っても、携帯以外から携帯にテキストメッセージを送るときには、電話番号の後ろにキャリアのドメイン名を付ければ送れるので、PCから携帯にショートメッセージを送ることも出来、携帯からPCにそれに返信することも出来ます。
SMSとMMSの課金は、「テキストメッセージ」として送信・受信1通ごとに課金されます。複数の人に同じメッセージを同時に発信した場合は、相手のアドレスの数だけ送信したものとして課金されます。この課金は、データ(パケット)通信料とは別です。
代表的なi携帯キャリアのドメイン名は
キャリア | SMSアドレス | MMSアドレス |
Verizon | 10桁の電話番号@vtext.com | 10桁の電話番号@vzwpix.com |
AT&T | 10桁の電話番号@txt.att.net | 10桁の電話番号@mms.att.net |
Sprint | 10桁の電話番号@messaging.sprintpcs.com | 10桁の電話番号@pm.sprint.com |
T-Mobile USA | 10桁の電話番号@tmomail.net | 10桁の電話番号@tmomail.net |
SMSは文字数が半角英数140~160文字、MMSは文字数がそれ以上です。
またスマートフォンの普及のお陰で、現在、アメリカではSMSでも殆どのキャリアは日本語(UTF16)対応になっていますが、実際に日本語表示が問題無く出来るかどうかは、使用している携帯機種によります。(安いフィーチャーフォンは日本語フォントを本体に持っていないので、日本語表示が出来ない。一部のスマートフォンで日本語表示はできるが、日本語入力対応になっていない機種がある。)
電話番号以外のメールアドレスでメールを送る場合には、スマートフォン/iPhoneを使用し、メールアプリに自分の好きなPCメールアドレスを設定して、そのアドレスを使い、携帯からインターネットを経由して送受信を行います。
この場合の料金は、データ(パケット)通信料金となります。
※ アメリカ人的には「パソコンメールのアドレスは出来るだけ全てスマートフォンに登録し、PCで受信する前に、いつでもどこでもすぐに携帯でPCメールを見る。返信するかどうかは後で決めて、急ぎでないEメールに対しては送るときはPCから送る。」と言う人が多いです。
つまり、アメリカの携帯電話の料金は大きく3種類に分けられ、
● 通話料金 - 国内発信・着信・海外からの着信と、米国外への発信
● テキスト料金 - SMS/MMS、米国外への発信の場合は別料金をとられることが多い
● データ通信料金 - パソコンEメールアドレスでのEメール送受信や、ウェブの閲覧、アプリの携帯ネットへの接続(例:GPS地図やナビ・アプリ)
に分類され、それぞれオプションを選んで組み合わせ、毎月の合計料金が決まります。
※ もちろん、WiFiでネットに接続したら、それは携帯会社の「データ通信料金」にはカウントしません。
次回はプリペイド携帯の選択と契約(アクティベート)の仕方を中心に取り上げます。
――<●>――
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