Sprintの早期機種アップグレードプログラム「One Up」が、たった4ヶ月で廃止


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T-Mobile USが2013年7月10日に発表した、「携帯機種を6ヶ月に1回変更できる」早期機種アップグレードプログラムは、その後、同様なプログラムをAT&Tが2013年7月26日にAT&T Next、Verizonが2013年8月25日よりVerizon Edgeを発表して、キャリア間の競争が激しくなりました。
T-Mobile US Jump!/AT&T Next/Verizon Edgeの早期アップグレードプログラムは、本当に価値がある? – 2013年8月21日

Sprintも結局、同様なオファーを提供開始せざるを得ず、2013年9月20日からSprint One Upプログラムを提供しました。
【Sprint】Introducing Sprint One Up – Annual Upgrade Program With Unlimited Talk, Text and High-Speed Data Guaranteed for Life; Just $65 Per Month, the Lowest Price of any National Carrier – 2013年9月20日

これらのプログラムは、
● 端末は、定価で購入する
● 支払いは、20~24ヶ月の分割払いとする
● 毎月の通話料は、他のポストペイド契約(2年契約)と同じ
● T-Mobileの場合はJump加入料として、別途、月$10支払う(紛失時の端末取替え保険としての役割あり。)
● 端末を返却をすれば、年に(キャリアによって)1-2回、端末を手数料無料で最新の機種に取り替えることが出来る
● 新しい端末代は、定価で購入。その時点から新しい20-24ヶ月分割が始まる。
というものですが、SprintのOne Upはこれに加えて、分割払い期間中は月$15の通信料の割引があり、日本(ソフトバンク)の「月々割」を導入したものとして、ソフトバンク/Sprintのシナジーの最初の現れかと、筆者としても高く評価していました。

そのSprintの早期機種アップグレードプログラム「One Up」は、突然、先週2014年1月9日で終了していたことが、本日、各オンライン誌の報道で分かりました。
【Sprint】Sprint One Up was retired on Jan. 9, 2014. – 2014年1月9日

アメリカでは電話会社の料金改定は、頻度が決まっているわけではありませんが、実際には年に1-2回はあります。しかし、大体は料金の改定であって、新しい料金「プログラム」が廃止されるようなことは、珍しいです。しかも、たった4ヵ月弱で廃止、とは・・・・

単純に、「こんなに回線の質と速度の悪いSprintで、数ヶ月先とは言え、手数料無料で機種変更なんかしたい加入者は、少なかった。」ということなんでしょうか?
それとも、他に理由があるんでしょうか?

それにしても、固定も携帯も含めて、電話会社のプランなんてのは、そんなに短期間で「出たり、無くなったり」して欲しくないですね。
生活インフラ系のサービスは、安定感が望まれます。
こんなに短期間で廃止するなんてことになると、これからのSprintの新しいサービスも、「ほんとに、大丈夫?」と疑いたくなります。

ソフトバンク買収後のSprint内部の管理体系に、何か問題が起こっている?・・・と思うのは、疑いすぎでしょうか?
内部安定と、プラン/サービス安定が、先ですよね。

そのSprintは、2014年1月7日、新しい「家族+友達プラン」、「Framily Plan」を発表しました。
● 1人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、1GBデータが、月$55
● 2人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$50
● 3人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$45
● 4人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$40
● 5人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$35
● 6人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$30
● 7人~10人だと、通話使い放題、テキスト使い放題、各1GBデータが、一人当たり月$25
というプランで、より多くのデータ通信を使用したい場合は、加入者ごとに$10追加で月3GBまで、$20追加で無制限のデータが使えます。

が、これも、実は筆者は成功しないと思っています。
このような「友達を誘ってお互いに利益を得る」ような「ネットワークビジネス」的商品は、商品が質がよければ喜ばれますが、そうでなければ、友情を壊す原因になります。
今のSprintのネットワークの質は「質の良い商品」とは言えず、アメリカ国内のほとんどの大都市ではLTEのサービスも無く、3G速度も劣化しています。
こんな状態でこんなサービスを出しても、顧客獲得は、無理。

まあ、AT&TもT-Mobile USも、他社からのMNP(AT&Tの場合はT-Mobile USからのMNPに限る)へのプロモーションを実施している中、Sprintも加入者純減を抑えるために何か対策を講じなければならない、という気持ちは分かりますが、ならば、まずは、「回線の質向上/LTEサービスを大都市へ導入」が最優先でしょうに。

4ヶ月で新プログラムを廃止したり、誰がみても「おかしな」プログラムを導入したり、Sprint/ソフトバンクの経営陣の判断には「おや?」と疑問を感じないでいられません。

※ 筆者は、Sprintと10年以上契約しています。現在、3回線でFamily Planをを契約継続中です。
同時に、AT&T、Verizonともポストペイド契約があります。
T-Mobile USはいつでもプリペイド加入できるし、プリペイドとポストペイドのサービスの差が大きくないので、ポストペイド加入していません。

※ 筆者は、SprintのLTEが筆者の住んでいる地域に来て、かつ、Sprintの国際ローミングがAT&T並みに安くなれば、Sprintが儲けようが、ソフトバンクが損をしようが、関係ありません。



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