iOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod TouchからポケットWiFiに接続する際の注意事項


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iOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod TouchからポケットWiFiに接続する際に、これまでに無かった問題が発生していることがわかりました。
実は筆者も以前には一度も起こったことが無いのに、最近、時々起こるので気が付いていましたが、「iOSがアップデートされたことによる、仕様の変更」だと思っていました。そして、この「ポケットWiFiへの接続直後に現れるLogin画面」を有効化/無効化する設定項目がiPadの「設定(Settings)」内に無いかどうかも、探しまわったほどです。
iOS 6.0.1にOSがアップデートされて、iOS 6.0で発生していた別のWiFi関連のバグ(「iデバイスからWPA2 AES暗号化のWiFiに接続できない」)が修正されているはずなのにも関わらず、まだ同じ問題が発生しています。このブログに訪問する方はこの問題に遭遇する確率が高いと思われるので、注意喚起のためにここに紹介します。

現象は、
■ iOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod Touchから、SIMを挿入していないポケットWiFiへWiFiで接続しようとすると、
 - ポケットWiFiのSSIDへiPhone/iPad/iPod Touchから接続した後、数秒~数10秒経過すると、Safariブラウザーとは別の画面で、ポケットWiFiの管理画面へのログイン画面が表示される。
 - この画面の右上の「Cancel(キャンセル)」ボタンをクリックすると、ポケットWiFiへのWiFi接続が切断される。
 - この画面に正しい管理者パスワードを入力して、ポケットWiFi管理画面の「Login」ボタンを押しても、一度、WiFiがリセットされ、その直後、ポケットWiFiへのWiFi接続の再確立が出来ない。(つまり、ポケットWiFiへのWiFi接続が切断される。)
結果的に、ポケットWiFiの「設定」がiOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod Touchからは、出来ない。


 

更に同じ現象は、
■ ポケットWiFiにSIMは挿入したが、APNの設定が正しくないか、SIMの残高使用有効期限が切れて、そのポケットWiFiがセルラー回線に接続できない場合
および
■ ポケットWiFiに通信が有効なSIMを挿入し、APNの設定も正しいが、手動でセルラー回線接続を切断してある場合
にも発生しています。

これがバグであると筆者が断定した理由は、数種類のポケットWiFi(MiFi2372、MiFi2352、Elevate 4G【Sierra AirCard 754S】、T-Mobile Sonic 4G Mobile HotSpot (Huawei UMG587)、Verizon 4510L、Verizon 4620L)を、複数の端末(iOS 6.0/6.0.1 iPad 3.iOS 6.0/6.0.1 iPad 2、iOS 5.1.1 オリジナルiPad、iOS 6.0.1 iPhone 5、iOS 6.0.1 iPhone 4S、iOS 5.0.1 iPhone 4、アンドロイドタブレット Xoom OSバージョン 4.1.2)と組み合わせて、
● SIMを挿入していない場合、
● 通信契約が有効でないSIMを挿入した場合、
● 通信契約が有効なSIMを挿入して、手動でセルラー回線の接続を切断した状態の場合、
● 通信契約が有効なSIMを挿入して、セルラー回線に接続している状態の場合、
で検証した結果によります。

なお、Verizon用のポケットWiFi(4510L、4620L)を使用した場合には、3G CDMA2000での接続はアメリカ国内に居る限りSIM無しでもほぼ100%、自動的に接続されるので、この問題に遭遇する可能性は非常に稀だと思われます。
また、他のポケットWiFiでも、ポケットWiFiのAPN設定が正しく、SIMを挿入してポケットWiFiの電源を入れたときに自動的に回線を探し、正しく接続された場合、には、この問題(WiFi接続直後に、Safariブラウザー以外の画面でLogin画面が出る。)は発生しません。

この現象のため、
■ iOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod Touchから、SIMを挿入していない、または、セルラー回線に正常に接続されていないポケットWiFiへWiFiで接続すること
および、
■ iOS 6.0および6.0.1のiPhone/iPad/iPod Touchから、SIMを挿入していない、または、セルラー回線に正常に接続されていないポケットWiFiへWiFiで接続して、ポケットWiFiの設定変更を行うこと
が非常に困難になります。(ポケットWiFiの種類によっては、現れるLogin画面で管理画面にLoginすると、何回に一回か成功します。)

筆者もいくつかの方法を試してみましたが、うまく行く時と行かない時がありました。
やってみた方法としては、
● iPadのIPアドレスの設定を、「DHCP」から「静的(Static)」に変えてみる。
 - このとき、「IPアドレス 192.168.1.2、サブネットマスク 255.255.255.0、ルーター 192.168.1.1、DNS 192.168.1.1」を使います。(← ポケットWiFiのLANアドレスが192.168.1.1の場合です。殆どのポケットWiFiはそうですが、たまに違うのもありますので、注意。)
● 「HTTP Proxy(HTTPプロキシ)」の設定を「Auto(自動)」に変えてみる。

これは、2012年9月17日iOS 6.0リリース直後に広く報告されている、「WiFiに接続できない ⇒ 原因は、アップルがあるウェブページをアップルサイトから削除したためで、アップルがこのページを復帰したらこの問題は直った。」問題に関係していると思われます。
Some iOS 6 users reportedly suffering from Wi-Fi issues [u] – 2012年9月19日

ポケットWiFiでSIMが挿入されていない場合、あるいは、セルラー回線が接続されていない場合は、「iデバイス ⇔ ポケットWiFi」の間のWiFi接続が確立されても、セルラー回線が接続されていないので、この「(アップルがWiFi接続確立をチェックするために作ったウェブサイト(URL)」へアクセスできないため、ポケットWiFiのLogin画面(端末トップ画面)が出てくるのでしょう。

しかし、iOS5.1.1以前ではSIM無しポケットWiFiでも全くこんなことは起こらなかったので、それだけではない気もしますが・・・

アップル技術サポート担当部門がこの問題に気が付いているかどうかすらわかりませんが、自分が住んでいる国以外の国へ海外旅行で行かれる人で、その時だけしか使わないポケットWiFiを事前、または、到着後にiPadなどから設定したい、という場合には頻繁に発生しうる問題と考えられます。

現状では、万が一の時のためにiOS 6.0/6.0.1以外の端末やノートブックPC/Macを持参するのが安全だと思います。
また、旅行前の事前設定でも、iOS 6.0/6.0.1端末でポケットWiFiへの接続にトラぶったら、別の端末やPC/Macを使用してみてください。
 
 

追記:
このブログ記事を書いた数時間後、ようやく筆者の推測を裏付けする記事がZDNetよりリリースされました。アップルがこれを読んで、次のiOSリリースでバグ修正して欲しいです。
Apple’s iOS 6.0.1 still has Wi-Fi bugs – 2012年11月4日



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