(アメリカで)2013年1月26日以降に購入するSIMロック携帯電話は、『キャリアの許可無く』SIMロック解除することは違法となります。


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DMCA(Digital Millennium Copyright Act)の法律適用例外条項を3年毎に見直すLibrary of Congress(アメリカ議会図書館)とCopyright Office(著作権登録局)は、本日、2012年10月26日、今回の例外条項を発表しました。
Exemption to Prohibition on Circumvention of Copyright Protection Systems for Access Control Technologies – 2012年10月26日

この中で定められた例外条項は、2012年10月28日から有効となります。

その中でiPadやタブレットの脱獄は引き続き違法(これまでも、違法)であるとか、そもそも「タブレット」の定義が現段階では出来ないとか、色々問題とされています。

しかし、DMCAの罰則規定は「被告がこの法律に定められた違法行為を『意図的に行い、かつ、その行為によって個人的利益または商用利益を得た場合に』、初犯は最高50万ドルの罰金、または、最高5年までの懲役、またはその両方。(再犯者は最高100万ドルの罰金、または、最高10年までの懲役、または、その両方。)」となっています。(更に、この違法者の行為の結果、商業利益を奪われた企業は、民事裁判でこの違法者に対して損害賠償請求が出来ます。)
Frequently Asked Questions (and Answers) about Anticircumvention (DMCA)

この罰則規定を見ると、「有料コンテンツを、無料でダウンロード」して楽しむとか、「有料サービス(テザリングなど)を、無料で恩恵受ける」を行うとか、「有料コンテンツを、無料で多数の人に配布する」とかの行為を行わない限り、FBIが『あなた』の家のドアを叩いて訪問することは、無いだろうと予想されます。
それよりもその前に、(iPadやタブレット用の)脱獄ツールを開発した人たちが、それを一般にリリースすると「FBIからの訪問」を受ける可能性があるために、リリースしない可能性が高くなりますので、そもそも脱獄ツールを入手すること自体が困難になるでしょうから、脱獄できなくなるでしょう。
(iPhoneの脱獄は、今回も例外条項に含まれ、合法です。)

というわけで、一般ユーザーの日々の生活にはそれほど大きな影響は与えないと思われます。

しかし、次の件に関しては、アメリカの携帯電話ユーザーにとっては大きな問題です。

DMCAは前回の2006年および2010年の例外規定で、ユーザーが携帯電話(iPhoneに限らない)のSIMロック解除することを、DMCA例外規定として認めていました。
今回の例外規定改訂では、これが外されました。
その理由の一つとして今回の報告書の「16~21ページ C」によれば、「キャリアが携帯Unlockポリシーを持っていることと、SIMフリー携帯が購入可能であること」を挙げています。
今回の改訂で、この「新例外規定有効日以前、または、それから90日以内に購入された携帯に関しては、前回の例外規定適用(つまり、ユーザーが自由にSIMロック解除可能)」、「その後(2013年1月26日以降)に購入された新しい携帯電話に関しては、キャリアの許可無くSIMロック解除できない」と記述されています。

※ この法律は「最初からSIMロックフリー」である携帯の販売を禁止するものではありませんので、SIMフリーiPhoneやNexusアンドロイド携帯などはそのまま販売が合法で続けられます。

アメリカのキャリアはそれぞれ既存客に対する無料SIMロック解除の規定を定めています。契約後60日または90日経過していれば、無料SIMロック解除に応じます。
しかし、AT&Tのように1年に1アカウントで5台までしかSIMロック解除を許可しないとか、Verizonは1年に1アカウント(電話番号?)で2台までとか、T-Mobileは最後のSIMロック解除から90日間は次のSIMロック解除の申請が出来ないとか、「台数制限」もあります。
AT&TのiPhoneの場合は、2年契約束縛条件外のiPhoneでないと無料SIMロック解除できません。

更に、SIMロック解除申請は、オリジナルの購入者しかキャリアに申請できない、と今回のDMCA例外規定改訂では述べられているようです。

したがって、サードパーティーのSIMロック解除業者のお世話になりたいことも、出てきます。

2013年1月26日以前に購入された携帯(iPhone含む)は、それ以降もキャリアの許可無く、ユーザーが自己の意思でSIMロック解除できるようなので、必ずしもサードパーティーSIMロック業者の即時廃業に繋がるとは言えないとは思います。しかし、この法律による訴訟や検挙を恐れ、サードパーティーSIMロック業者がSIMロック解除サービスを完全に止めるか、または、追加の情報を要求してくることが予想されます。

そこで、
● SIMフリー携帯(iPhoneを含む)を「安く」欲しいと思っている人は、2013年1月26日以前に2年契約割引で購入する。そして、出来るだけ早く(買ったその日でも)サードパーティーSIMロック解除業者にSIMロック解除申請をする。
● 2013年1月26日以降に購入する携帯(iPhoneを含む)に関しては、どのような条件で買えば、いつ、キャリアに無料SIMロック解除を申請できるかを確認したうえで、自分のニーズにベストな購入方法で購入する。
● オークションなどでSIMロック済み中古携帯を購入する場合には、SIMロック解除可能条件に当てはまるかどうかを事前に確認する。その証拠情報も事前に収集しておく。(その携帯の発売日/購入日や、サードパーティーSIMロック解除業者でSIMロック解除が可能かどうかを事前チェック、など。)
などの注意をする必要があります。



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