VerizonのCDMA停波は、2021年(暫定)


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2010年12月よりLTEサービスを開始しており、現在アメリカで最もLTEサービス地域の広いVerizonのM2M国際戦略副社長、Aparna Khurjekar氏が、サンディエゴで開催中のCTIA MobileCon展示会(2012年10月9日~11日)でFierceWireless誌のインタビューに答えたところ、「Verizonは現在提供中の1900MHz/800MHz 2G/3G CDMA2000サービスを、暫定的に2021年に停波する予定にしている。」と言うことです。

ただし、この予定はあくまでも暫定的な予定であり、Verizonの複数の法人顧客から将来の社内用通信施設投資・運用計画を立案する上で情報を要求されているので、その場合はこの「2021年」という数字を提供しているだけである、というVerizonのスポークスマンのコメントも追記されています。
更に、「法人ユーザーで利用している沢山の通信装置(例:石油発掘ポンプに個別に設置されている、モニターと制御のための通信機器)がCDMA通信を不要になるまで、CDMAの停波はしない。」とも、コメントにはあります。
Verizon Wireless to sunset 2G and 3G CDMA networks by 2021 - 2012年10月11日

Verizon社は現在CDMA 3Gサービスを提供している地域の全域(100%)を、2013年末までにLTEサービスでカバーする予定にしています。

更に、2013年末か2014年にはLTE回線で音声通話(VoLTE、Voice-over-LTE)をHDクオリティーで実現する予定で、テストを行っています。
Verizon pushes back VoLTE service until 2014 - 2012年10月11日

アメリカでは現在、MetroPCSが本社の所在するテキサス州ダラス/フォートワースの一ヵ所だけでVoLTEを2012年8月より商用サービス中ですが、まだ運用上の問題が全て解決されておらず、それが解決するまで他のMetroPCSサービス地域へのVoLTEサービスの拡大はされておりません。
MetroPCS lights up Voice over LTE (VoLTE) services, starts selling LG Connect 4G - 2012年8月7日

現在はVoLTEが商用サービスとして実現していないので「データはLTE通信/音声通話はCDMA通信」で行う必要がありますが、VoLTE技術が成熟化すればLTEで音声とデータの両方を取り扱えるようになり、CDMA通信網は不要になります。

VerizonのCDMA停波が明確に何年になるかはまだ不確定として、Verizon社が次世代CDMA2000通信技術であるCDMA2000 EV-DO Rev.Bの不採用を決め、LTE採用を決めた理由は、「世界でもCDMAキャリアは数少ないので、CDMA通信網の維持費が高くなってきており、それよりは今後、世界中で普及の見通しあるFD-LTEを採用することによって、大量に生産されればLTE通信機器のコストが安くなり、維持費が安くなるから。」という理由であることは、初めから報道されています。

したがって、いつかはCDMA(CDMA2000)は停波される運命にあります。
 
 

なお、これとは別に、AT&Tも2G GSM通信網を2017年1月1日までに停波することを、先ごろ、発表しています。
AT&Tが2017年1月1日までに2G GSM/Edge通信サービスを完全停波の予定。 – 2012年8月4日
 
 



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