FCCがVerizonに対し「テザリングを阻止するな、テザリング追加料金を徴収するな」と勧告、Verizonも同意する。


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FCC(アメリカ連邦通信委員会)とVerizonは、加入者がテザリングを自由に使用できなかったり、キャリアがOSからテザリング機能を削除し、Google Play Store(旧アンドロイド・マーケット)からテザリングアプリをダウンロードできないように意図的に阻止していたことに対し、争議していました。

本日、2012年7月31日、Verizonは「ユーザーに自由にテザリングアプリを使用できるようにする」ことで同意し、和解しました。

Verizonはこれまで、ユーザーがテザリングを使用したい場合には、月$20の追加料金をユーザーが毎月支払うことによって可能でした。

FCCはLTEの電波使用認可免許をキャリアに与える際に、消費者の自由と利益を保護するために、「キャリア(Verizon)は、(1)ユーザーが自由に通信機器(デバイス)を選び、(2)アプリも自由に自分で選んだものが使えるようにすること(Verizon had “to allow customers to freely use the devices and applications of their choosing.”)」を条件にLTE 700MHz電波使用認可を与えています。

Verizonがテザリング・アプリをGoogle Play Storeからダウンロード不可能にしたのは、この条件の(2)に違反するもの、というのがFCCの言い分です。
VerizonはこのFCC規制違反の罰金(和解金)として、125万ドルを自主的にFCCに支払います。

そして、今日からVerizonスマートフォン・ユーザーはテザリング追加料金$20/月を払わずに、安心してテザリング・アプリでテザリングができるようになります。(現在加入しているデータプランの「月内総バイト数制限」は、適用されます。)
FCCの判断では、既に新規加入者には提供されていない「旧Unlimited Data Plan (パケット使い放題)」をいまだに継続して利用している加入者に対しては月$20のテザリング追加料金は課しても良いが、それ以外のプランではテザリング追加料金$20/月を撤廃せよ、ということです。

ちなみに条件(1)は、「(Verizon)ユーザーは、いつでも自由にSIMを入れ替えて、別の携帯や通信装置で同じ契約のまま使用できる。」ことを意味します。(つまり、LTE対応のアンドロイド携帯のSIMを、VerizonのLTE対応のiPadやポケットWiFiに入れ替えて、使える。)

Tethering apps must be allowed, FCC tells Verizon – 2012年7月31日
FCC Tells Verizon It Can’t Force You To Pay $20 For Tethering Anymore – 2012年7月31日

さて、このFCCの指導は、同様の電波使用条件でFCCから許可を得ている他のLTE採用キャリア(AT&T、Sprint、そして来年T-Mobile USA)のテザリングプランにも影響してくるでしょうか?



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