FCC、ネット通信の有料優先アクセス提案を可決。一般公開コメント期間を経て、今年後半に最終投票。


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FCCは本日、先ほど、ネット通信の有料優先アクセスを認める提案を、3対2の民主党委員対共和党委員の党派に分かれて、可決しました。

これは、AT&Tが今年初め(2014年1月6日)にCES直前のAT&T Developer’s Conferenceで発表した「Sponsored Data」に対して、FCCがこのサービスを認めるかどうかで意見をまとめていた結果によるものです。
【GIGAOM】AT&T launches “Sponsored Data,” inviting content providers to pay consumers’ mobile data bills – 2014年1月6日

今回の投票後、FCCは120日間の一般コメント期間を設け、それに基づいて最終案をまとめ、再度、5人メンバーのFCC委員会で投票を行います。
最終提案の可決には過半数の投票が必要で、2人の共和党メンバーは反対すると予想されているため、FCC委員長(民主党)は、最終提案の内容で他の2人の民主党メンバーの同意が必要です。

本日の投票前に民主党メンバーの1人であるJessica Rosenworcel氏は、投票を延期するように意見を述べており、「この提案は、準備を急ぎ過ぎている。」と発言しています。

今回の提案はまだ最終ではなく、FCCが最終提案をプロポーズしても、それが法案として可決するまでには共和党多数の下院を含め、両議会の可決が必要と思われるので、まだまだ先のわからない状況です。

しかし、この「ネット通信の有料優先アクセス提案」が法案化すると、
● コンテンツプロバイダーが、通信回線業者(携帯、固定、光回線、CATV業者、など)にお金を払って、自社コンテンツを他のインターネットアクセスよりも高いネットアクセス優先度で配信することが出来る
ようになります。
例で示すと、
● NetFlixやHuluが、ゴールド優良会員に優先的にビデオを配信するために、携帯電話会社やケーブル会社にお金を払い、ゴールド優良会員へ先に配信するようにする。その間、回線が混雑している場合には、その他のユーザーのデータ通信が遅くなる。
と言うことです。

今回の「ネット通信の有料優先アクセス提案」に反対している人たちの意見は、「これを認めると、他のユーザーのネット通信が遅くなったり、VoLTEなどの音声通話や警察などの緊急電話も遅延し、影響が出る。」という点を取り上げています。電話会社は、「音声通信や緊急電話には、影響しない。」と表明しています。

参考リンク:
【Mashable】FCC on Net Neutrality: How It Happened – 2014年5月15日
【Reuters】Amid protests, FCC proposes new ‘net neutrality’ rules – 2014年5月15日