フランスIliad社が、T-Mobile USの買収提案を正式に破棄。次はアメリカ衛星放送TV会社DISHの2014年11月以降の動きを待つ。


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ソフトバンク/SprintがまだT-Mobile US買収を諦めていなかった2014年7月末にニュース報道によって暴露された、フランス第4位の通信会社Iliad(イリアド)社によるT-Mobile US買収案は、Bloombergの報道によると、正式にIliadによって提案破棄(諦め)されたようです。

Iliad社は初期買収提案の、T-Mobile USの全株の56.6%(1株当り$33)を買収する提案から、最近は他の投資企業(KKR)と協力して買収株量を67%(1株当り$33)まで上げていましたが、T-Mobile USの67%を所有するドイツテレコムがこの買収提案を承諾しなかったのが、原因です。

T-Mobile USは(2014年)8月末に「買収されるとすれば、
1.買収株価格は1株当り$35以上、
2.買収する相手がアメリカ国内電波使用権を持っていること、
」があれば、シリアスに考慮する可能性があることを示唆しており、今後、T-Mobile USを巡っての買収劇は、(2014年)11月13日から行われる予定のFCCによる「AWS-3の周波数使用権競売後にT-Mobile US買収案を熟慮する」とドイツテレコムに既に伝えている、アメリカ衛星放送会社第2位(加入者ベース)のDISH Networkの動きが注目されます。

DISH Networkは有料TVコンテンツがモバイル視聴されることを予想して、ロケフリ・ハードのメーカーのSlingを買収し、その技術を自社セットトップボックス(STB)に内蔵した製品を加入者に配給しています。
また、将来は自社で移動体通信を開始する可能性も考慮し、過去のFCC電波競売でも入札に参加し、2014年4月の700 MHz Hブロックの競売では殆どの地域でDISH Networkが落札しています。

今年に入ってAT&Tが衛星放送第1位のDirecTVの買収を提案しており(現在、規制当局の審査中)、Verizonは光テレビのFiOSをサービスとして持ち、また、CATV第1位のComcastと第2位のTime-Warnerが合併がこれも規制当局の審査中・・・・と、メディアと通信、特にワイヤレス通信の融合が加速的に進んでおり、DISH NetworkもT-Mobile USを買収することにより、AT&T、Verizon、Comcast/Time-Warnerとの競争力を付ける事になります。

これに対して、メディアコンテンツやコンテンツ配給チャンネルが欠如しているSprintは、最近のソフトバンクの動きに見られるように、映画会社やコンテンツ配給会社への資本参加や合併を行って、その足場を自社でコツコツと築いていかないといけないでしょう。

参考:
【Bloomberg】Iliad Scraps Bid for T-Mobile Stake After Boosting Offer – 2014年10月13日

フランスIliad社、T-Mobile US買収を諦めず。


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先月、まったく予期されず、青天の霹靂でT-Mobile US買収提案を提出したフランス第4位の通信会社、Iliad(イリアド)は、T-Mobile USの56.6%株を約150億ドルで購入する提案がT-Mobile USおよびドイツテレコムに拒否されていました。

Sprint/ソフトバンクが「アメリカ規制当局の許可が得られる可能性が少ない」としてT-Mobile US買収を諦めたニュースが発覚した今月(2014年8月)5日は、Iliadがアメリカ衛星テレビのDISH Networkやケーブル(CATV)会社のComcast、Cox Communications、Charter Communicationsなどに働きかけ、共同買収提案をしようとしているらしい、というニュースをReutersが流していました。
【Reuters】Exclusive: Iliad in talks with investors to improve T-Mobile bid – sources - 2014年8月5日

その中で株式非公開のCox Communicationsは、本日、同社は「(経営の)現状に満足しており、T-Mobile US買収には興味が無い」事を発表していました。
【FierceWireless】Cox president: We’re not going to bid for T-Mobile - 2014年8月20日

Sprint/ソフトバンクがT-Mobile US買収を断念したことで競争相手が無くなり、5月の段階で「SprintがT-Mobile USの買収を諦めたら、DISHとしてはT-Mobile USに興味がある。」と記者の質問に答えていたDISHのCEO、Ergen氏が、この件に関してはその後まったく声明を発表しておらず、静かにしていますが、そのDISHの行動が待たれます。

その中で、昨夜、「Iliad社はGoogleとMicrosoftに接近し、IliadによるT-Mobile US買収を『支援するよう』に交渉している」という噂がNew York Post誌によって報道されています。
【New York Post】Iliad looks to Google, Microsoft for help with T-Mobile bid - 2014年8月19日

特に、ギガビット通信やWiFiネットワーク分野でも事業に進出しているGoogleにとって、モバイル通信の分野に自己資金で参入するのは資金が掛かりすぎるため、Iliadと組んでT-Mobile USを買収することによって、簡単にモバイル通信事業に参加できる、ということを説得材料に使っているようです。

GoogleやMicrosoftがIliadの説得に乗るのか、また、DISHが独自に買収提案を準備するために買収資金の画策をしているのか、T-Mobile USを巡ってのドラマはまだまだ終了していないようです。

【速報】フランスのIliad(イリアド)が、T-Mobile US買収提案を同社に提出


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Wall Street JournalやDow Jones誌によれば、フランスのIliad(イリアド)がT-Mobile USに対し、買収提案をプロポーズしたとのこと。
本日はT-Mobile USの四半期業績発表が先ほどニューヨーク市場オープン前にあったばかりですが、この速報はニューヨーク時間の正午前に速報として流れています。

このニュースでSprint(S)の株価は5%急降下、T-Mobile US(TMUS)の株価も急上昇し、一次、取引停止になっています。

イリアド社はフランス第4位のテレコム会社で、新進企業(起業)で、近年躍進的に伸びているようですが、どのようなファイナンスでT-Mobile USを買収するつもりなのか、わかりません。

ソフトバンク/Sprintは昨年12月からT-Mobile US買収を狙っていると言う噂が報道されていますが、長期間の噂だけで表面的な行動が伴わないと、このように「横取り」または「漁夫の利」を得ようとする企業が出てくることは、致し方ない事です。

【CNBC】France’s Iliad makes buyout offer for T-Mobile US: Report – 2014年7月31日

もう少し詳しい続報によると、
【Wall Street Journal】France’s Iliad Makes Bid for T-Mobile US : Bid Counters Earlier Offer From Sprint Corp. – 2014年7月31日
Iliad(イリアド)はT-Mobile USへの買収提案を1週間弱前にT-Mobile US役員会(Board)に提案済みであり、既に報道されている「Sprintによる、T-Mobile US一株あたり$40」での買収にカウンター(対抗)する提案だそうです。Iliadにとっては「これが世界最大のテレコム市場に参入する、唯一のチャンス」とみて、大胆な提案をして賭けに出ているようです。また、同社はアメリカ規制当局の認可に関しては、まったく問題が無いと見ているようです。

続々報:IliadがT-Mobile US買収提案提出を認める。
【Business Insider】France’s Iliad Confirms Offer For T-Mobile, Shares Spike – 2014年7月31日

続々々報:T-Mobile USの67%の株を所有するドイツ・テレコムは、Sprint(ソフトバンク)の買収提案を好んでいるとの情報。
【Seeking Alpha】DT reportedly likes Sprint’s bid better than Iliad’s – 2014年7月31日