欧州では、機内巡航高度で携帯電話やLTEデータ通信も可能に。ただし、やるかどうかは、航空会社次第。


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航空機の離着陸時の機内での電子機器使用解禁ニュースのフォローアップ。

3日前、欧州航空安全機関はアメリカFAAに続いて、欧州テリトリー内での航空機の離着陸時の機内での電子機器使用解禁を決め、その方針を今月末までに出版することを、2013年11月13日に発表しました。
上欧州航空安全機関は、離着陸時の機内モードでの電子機器の使用解禁ガイドラインを今月末までに発表 – 2013年11月14日
【EASAプレスリリース】EASA allows use of Electronic Devices on board – 2013年11月13日

その翌日、European Commission (EC)は、機内での3G/4G(LTE)通信を許可する方針を発表しました。
ヨーロッパでは、既に2008年より機内での2G通信は許可されています。
【Europian Commission】Surfing in the sky: Commission gives airlines green-light for 3G and 4G broadband services on board aircraft – 2013年11月14日

・・・とは言え、機内の携帯利用者が直接携帯会社の地上の基地局とやり取りするわけではなく、航空会社が機内にFemtocellのようなもの(モバイル通信システム、MCA)を設置して、機内の携帯利用者はその機内電波に「ローミング」して、そこから衛星回線を経由して地上局へ繋げます。
【TheVerge】Europe approves 3G and LTE networks for in-flight use – 2013年11月15日
【EnGadget】Europe lets airlines operate 3G and LTE services during flights – 2013年11月15日
したがって、たとえ機内LTEが実現した場合でも、「航空機 ⇔ 衛星回線 ⇔ 地上局」の間の速度が遅いため、高速通信は期待できないとしています。

しかし、いくつかの企業が機内から直接、携帯電話会社の地上局へ接続する方法を開発中であり、これが実現すれば、将来的に高速での通信が可能になります。

なお、今回で規則的に許可はされましたが、実際に機内での携帯電波使用を許可するか、また、そのための装置を機内に搭載するかは、個別の航空会社の判断となります。

アメリカでは機内電子機器の発する電波を管理するFAAと、携帯電話の発する電波を管理するFCCが、別々の連邦政府部署であることから、機内での2G/3G/4Gセルラー電波の利用は簡単には許可されないと見られています。しかし、機内WiFiを提供するGoGo社は先ほど、専用携帯アプリを使って機内WiFiに接続して、自分の携帯電話番号で通話とSMSテキストメッセージの出来る技術を開発したことを、発表しています。この技術を使うことによって、FCCの規制に触れず、WiFiだけを使って機内で「携帯電話機能」を利用することが可能です。
上空の航空機内から地上へ、電話とテキストメッセージが可能に・・・WiFi経由のVoIPで。 – 2013年11月10日
料金などはまだ未定で、技術的に可能だとしても、民間航空機ではSMSテキストメッセージだけしか許可しない可能性もあります。

GoGoの機内WiFiサービスは小型ジェット機でも利用可能で、ビジネスや個人のプライベート・ジェット機ではこの機能の利用がポピュラーになることが予想されています。

上空の航空機内から地上へ、電話とテキストメッセージが可能に・・・WiFi経由のVoIPで。


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航空機内でWiFiサービスを提供するGogoは、WiFiサービスを経由してVoIP通話サービスと、テキスト送受信サービスの機能の提供を開始します。
ユーザーは無料の専用iOS/アンドロイドアプリで、この機能をGogo機内WiFiサービスが提供されている機内から利用できます。

このサービスはビジネスジェット機などでは既に利用されているサービスですが、Gogoではこれを民間旅客機にも提供していきます。

ただし、VoIP通話サービスを許可するかどうかは航空会社次第でもあり、ほとんどの米国航空会社はSkypeなどのVoIP通話も許可していません。(そもそも、これまでの機内WiFiの速度は、VoIP使うには遅すぎると思いますが・・・ただし、機内WiFiサービス提供会社は、その速度を速くするよう、技術的な改善努力はしています。)

しかし、機内から地上へ向けてのテキストメッセージは、緊急連絡や、急な予定の変更時などに、役に立つと思われます。

この機内からのVoIP電話とテキストメッセージを利用する場合には、電話番号は携帯の電話番号がそのまま使われ、あたかも機内WiFi電波を使って携帯電話をローミングするかのように使用します。機内WiFiに接続された携帯電話の信号は、WiFiと衛星通信を通してGogoの地上局へ伝達され、そこからGogoの携帯地上局から他の携帯会社の電波へ接続されます。

このGogoの機内WiFi経由のVoIP/テキストサービスは、高度1万フィート以上の巡航高度でのみ使用できます。

【TechHive】Gogo adds voice calls, texting support to in-flight service – 2013年11月9日