SIMフリーiPhone 4Sと、auのSIMの関係:まとめ


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CES(Consumer Electronics Show)とシリコンバレー視察の通訳・現地案内同行から帰ってきて、その後、自宅のZ-Wave家庭内ホームオートメーションネットワークの再構築作業を強いられ、それも落ち着いて、ようやく出張前の状態に戻りました。

さて、まだ間違った情報が巷で信じられているようなので、一度、標題の件「SIMフリーiPhone 4Sと、auのSIMの関係」を、筆者のこれまでの実験からまとめます。

● 1.いわゆる「SIMフリーのiPhone 4S」は、全てのSIMを認識します。
この中には、KDDI auのSIMも含まれます。
「SIMフリーiPhone 4S」にauのSIMを挿入すると、「設定(Settings)⇒一般(General)⇒情報(About)」の画面で「キャリア(Carrier)」には、「KDDI ##.#」(「##.#」は、キャリアバンドルのバージョンの数字。)と表示されます。
しかし、後(下記3.)で書くことに関連してここで注目しておいてほしいのは、この画面にIMEI番号は表示されるものの、MEID番号が表示されないことです。

 

また、「SIMフリーiPhone 4S」を初期アクティベートする際にはどのSIMを使っても構わないので、auのSIMでも「SIMフリーiPhone 4S」を初期アクティベートできます。
これは、「SIMフリーiPhone 4S」を復元する場合でも、iOSを更新(アップデート)する場合でも、同じです。

なお、「SIMフリーiPhone 4S」は、どのSIMで初期アクティベートを行っても、その過程でそのSIMのキャリアにロックされることは、絶対にありません。


注意:
ここで、「SIMフリーiPhone」とは、GSM/W-CDMA版を指します。

GSM/W-CDMAモードをSIMロック解除されたCDMA2000/GSM/W-CDMA版iPhone 4 (俗に言う「Verizon版/Sprint版iPhone 4S」) にauのSIMを挿入した場合、auの電話番号情報がSIMからiPhone 4S内のメモリーのCDMA通信モードの通信者(電話番号)情報エリアに書き込まれる為、このメモリーをクリアしない限り一時的にauにロックされますが、別のSIMを挿入してiPhone 4SをPCのiTunesで復元すると、元の”SIMフリー”状態に戻ります。

● 2.いわゆる「SIMフリーiPhone 4S」は、アップルの公式サイトの注意書きにもあるように、CDMA(CDMA2000)通信方式では使用できません。

 

これは、「SIMフリーiPhone 4S」では工場出荷時にCDMA(CDMA2000)通信方式が永久に無効化されていて、使えなくなっていることを意味します。
(将来、ハッカーがこれを有効化させる方法を見つける可能性は、否定しませんが。)

* 注:ここで「SIMフリーiPhone 4S」と言う時には、アップル・オンラインストアなどで「Unlocked Iphone 4S」と称しているモデルのことを指します。
このページの最後のほうで取り上げる「GSM/W-CDMA通信モードのSIMロックが解除されたVerizonまたはSprint社用のiPhone 4S」と区別します。
どちらも工場製造時には同じものでしょうが、工場出荷時に(または、購入者に手渡す前に)、「SIMフリーiPhone 4S」はCDMA(CDMA2000)通信モードが無効化されています。

● 3.CDMA(CDMA2000)通信方式では、15桁のIMEI番号ではなく、それより一桁少ない14桁のMEID番号が、通信機器の認証に使われます。
CDMA(CDMA2000)通信方式を使っているAU、Verizon、SprintのiPhone 4Sでは、「設定(Settings)⇒一般(General)⇒情報(About)」の画面を開くと、CDMA(CDMA2000)通信に必要なMEID番号と、国際ローミングでCDMAキャリアの存在しない国でGSM/W-CDMA通信方式で通信できるようにIMEI番号の、両方が表示されます。
これは、CDMA通信モードではMEID番号が、CDMA通信方式の存在しない国でローミングする場合はGSM/W-CDMA通信モードでIEMI番号が必要なためです。

 

● 4.【結論】
上記1.から「SIMフリーiPhone 4S」はauのSIMを認識しますが、上記2.および3.と、上記1.の「設定(Settings)⇒一般(General)⇒情報(About)」の表示からわかるように、「SIMフリーiPhone 4S」をauのSIMでアクティベートしても、CDMA(CDMA2000)通信方式が有効になりません。

日本国内で「SIMフリーiPhone 4S」にauのSIMを挿入しても通信が出来ないのは、「SIMフリーiPhone 4S」にauのSIMを挿入してもCDMA通信方式が有効化されず、したがってこのiPhone 4SはCDMA通信方式のauの電波を掴めないので、通信が出来ないのです。

【※ 「SIMフリーiPhone 4SをauのSIMでアクティベートしたら、アクティベートできる。 ⇒ だから、CDMAが有効になった。 ⇒ しかし、電波を掴まない。 ⇒ それは、IMEI番号でブロックされているからだ。」と書いている記事が目に触れましたが、それは間違いです。
この文章には間違いが2点あります。
● まず、SIMフリー iPhone 4Sは上記2.により、CDMAモードが永久に無効化されていますので、auのSIMを使ってアクティベートしても、CDMAモードは有効になりません。
● 第二に、CDMA通信モードではIMEI番号は通信認証に使われません。MEID番号が使われます。したがって、「CDMA通信が繋がっているのに、IMEI番号でブロックされている」と言うことは、技術的に有り得ません。】

● 5.【でも・・・】
「SIMフリーiPhone 4S」でauのSIMは認識できるし、IMEI番号が表示されます。

また、auのiPhone 4S用SIMは、他のau携帯に差し替えても使える、という事実があります。
【ありがとうau】 au版iPhone4SのSIMカードは他のau携帯電話に挿して使えます

この事実から、「SIMフリーiPhone 4S」にauのSIMを挿入した場合、そのiPhone 4SはCDMA通信が出来ないので日本を含むCDMAキャリアのある国では通信できませんが、ヨーロッパなどCDMAキャリアが一社も存在しない国では現地のauの国際ローミング・パートナー会社の電波を掴み、国際ローミングで通信できるはずです。

● 6.【そして・・・】
同じCDMA通信方式のアメリカのVerizon社とSprint社は、一定期間(60~90日)契約を継続すると、iPhone 4SのGSM/W-CDMA通信モードのSIMロック解除リクエストに応じます。

また、筆者の
SIMロック解除したSprint(Verizon)iPhone 4Sは、auのSIMで使える!? - 2012年1月7日
の実験から、CDMA通信会社(au、Verizon、Sprint)用iPhone 4SのCDMAモードではキャリアロックがされていないようです。

したがって、「GSM/W-CDMA通信モードのSIMロックが解除されたVerizonまたはSprint社用のiPhone 4S」にauのSIMを挿入すると、日本国内ではauのiPhone 4SとしてCDMAモードで使用できると推測できます。

なお、アメリカ国内ではVerizonまたはSprint社用のiPhone 4SはAT&T(およびそのMVNO)とT-Mobile USA(およびそのMVNO)のSIMを認識しないように出荷時に設定されています。

しかし、「GSM/W-CDMA通信モードのSIMロックが解除されたVerizonまたはSprint社用のiPhone 4S」にauのSIMを挿入すると、
● その状態がそのまま継承されてアメリカではAT&TとT-Mobile USAのSIMが使えないのか、
それとも
● 新しく「KDDIのキャリアプロファイル」のようなものが適用されて、KDDI国際ローミングルールが適用されるのか、
がまだわかりません。
しかし、KDDI国際ローミングルールでは、アメリカ国内ではVerizonかSprintのCDMAキャリアに自動的に繋がる設定になっているはずです。
したがって、「GSM/W-CDMA通信モードのSIMロックが解除されたVerizonまたはSprint社用のiPhone 4S」では、どちらにしろ、アメリカ国内ではAT&TとT-Mobile USA(およびそのMVNOであるH2O WirelessやSimpleMobileなど)のSIMは使用できないと推測されます。











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