SprintのLTE計画が、明らかにされる。アメリカのWiMaxの終焉が近い。


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2011年10月7日朝(現地時刻)、Sprint社は投資家向けにWebcastで会見を開き、今後の同社の4G/LTE導入計画について言及しました。

これによると、米国第3の携帯通信会社で、唯一WiMaxを提供していたSprint社は、2012年中頃を目指してLTEの導入に向けて準備していきます。

当初は現在CDMA2000(3G)で使用中の1900MHz帯域に4G LTEも同乗し、2012年夏には最初のLTE対応端末を販売開始する計画です。
2012年末には全米の120都市でLTEサービスを開始し、2013年末には260都市までに拡張します。
端末も、2012年末には約12機種のLTE対応端末(携帯)を用意する予定です。

1900MHz LTE(FD-LTE)サービスは、Sprintの既存の設備(基地局、電波使用免許)を利用したサービスですが、Sprintは2011年7月28日にLightsquared社のLTEインフラ使用したサービスを15年間使用する契約を発表していて、Lightsquaredが政府認可許可を得れば、同社が計画する1600MHz帯域のLTEサービスも提供される予定です。

また、Sprint社は現在使用している800MHz帯域でiDen通信サービスを提供しています(iDenは、SprintがNextelと合併した際に、Nextel社が提供していた通信。)が、このiDenを2013年に廃止する決定を既に2010年12月に発表しており、iDen廃止後はこの800MHz帯域は3G CDMA2000と4G LTEで利用していきます。

もう一方でSprint社は2008年9月から、同社が一部投資したClearwire社のWiMaxサービスをMVNO(再販業者)として2.5GHz帯域で、全米71の都市で提供しています。
Clearwire社は、同周波数を使ってLTE(TD-LTE)サービスも提供可能なことを発表しており、Clearwire社次第で、Sprint社も2.5GHzのLTE(TD-LTE)サービスをSprintユーザーに提供可能なことも、示唆しています。


つまり、SprintのLTEサービスは、2012年中頃の当初は1900MHz帯域で(FD-LTE)開始;卸インフラ業者のLightsquared社の電波使用免許許可次第では、1600MHzでもLTEサービス開始;2013年以降は自社資源の800MHzでも開始予定;現在WiMaxで使用中の卸インフラ業者のClearwire社の方針次第では2.5GHzでもLTE(TD-LTE)サービスを提供するかも知れない・・・となっています。

なお、Sprint社はWiMaxサービスは2011年末までは継続、2012年以降はClearwire社のWiMaxの新規販売を停止。2013年からはWiMax携帯の販売も中止。その後のClearwire社との事業継続は、卸インフラ業者のClearwire社の経営状態次第であることを、示唆しています。

Clearwire社は累積赤字が溜まっており、2011年3月に一度破産の危機にあっており、今後の会社存続には追加投資家からの資金調達か、会社更生法による破産適用によって同社の最大株主(過半数以上)であるSprint社が現存のClearwire社の(負債を除いた)優良資産のみを買い取るか、のどちらかが起こらないと、長期存続は難しいと分析されています。

http://www.mobileburn.com/16952/news/sprint-details-4g-lte-network-roll-out-plans-launch-in-mid-2012

http://news.yahoo.com/sprint-details-plans-4g-lte-rollout-163534967.html

http://www.forbes.com/sites/ericsavitz/2011/10/07/sprint-to-finish-lte-rollout-by-end-of-2013-clearwire-falls/

どちらにしろ、アメリカにおけるWiMaxサービスと、WiMax対応携帯(Sprint社だけが発売している。Clearwire社はWiMax対応USBモデム/ポケットWiFiだけ。)は、今後発展しないことは確実で、終焉の日を提示されたことになります。

また、Sprint社のLTEサービスの周波数は、既にアメリカでLTEサービスを提供開始しているVerizon(700MHz【746-787MHz】)、AT&T(700MHz【704-746MHz】)、MetroPCS(上り1700MHz/下り2100MHz)とも違うことから、各社のLTE端末/携帯には互換性が無いことも判明しました。

2012年にはiPhone 5でLTE対応が期待されていますが、各社のLTEの異なる周波数にiPhone 5がどのように対応するか、注目されます。



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